おしんこどん、これから食べまーす!

− 2009北海道ツーリング本編その27 留真温泉源泉+夏祭り見学+最後の最後に! −

朝になりましたが結構寝坊しました(笑)。ツーリストルームはカーテンを引いてしまうと結構暗いですからというのは言い訳です。ふと部屋の壁を見ると、その昔ここが小学校だったことを示すフックが目に入りました。真知子さん、あなたはいまどちらに‥と何だかほのぼのしながら顔を洗い、いざ本日の業務開始です!

とはいえ、手持ちの食べもの(おにぎりとか)を食べた上で再びまったり。コモンルームにはマンガがぎっしりで雨の日には時間つぶしの材料に事欠かないんですが、天気がよくても「まったり病」に冒されやすいので注意が必要です。左上画像も、よく見れば奥の方でおしんこどんが(右上画像マウスオン)。かくいうTakemaも「水滸伝」にハマってました。

ちなみにこれらのマンガですが、宮代さんの奥さんにうかがったところ、定期的に(徐々に)入れ替えているんだとか。お客さんが送ってくることもあると言いますから、管理も大変ですねー。

さてではでは今日もお出かけしてみましょう。この日もここカムイミンタラに連泊ですから荷物なしトップケースのみ装着の軽装です。しかしだからといってダート路でも軽快!というわけにはいかないのであります。



何だかどんどん「ダート恐怖症」に陥りつつあるような気が‥(笑)。

海霧が出ていて展望はありませんでしたが、そもそも「単純に国道38号を往復したくなかったというだけの理由で通った道」ですから特に不満はありません。では、本日最大の目的地はといえば‥



現地まで行ってみると、かつてあったであろう建物は全て撤去され、広大な空き地が広がっているだけでした。ただ1つの構造物を除いて‥。それは、




(しかも洗面器まで設置されてます)

板壁の一面には、左上画像のような掲示がなされ、さらにその左下にはちゃんと温泉分析表までありました(それによると源泉温度は29.5度、PH9.8、自噴314リットル/分とありました)。閉鎖中は無料の温泉スタンドとして機能しているようですね。なお板壁のすき間には縦にキレイに‥2009年に道東から道北地域にお住まいの方々を悩ませた「マイマイガ」が隠れておりました。夜までここで待機ってことですかぁ?

ちなみに壁に掲示されていた内容は以下の通り。

【浴用水ご利用の皆様へ】

この温泉水は浴用水なので飲用はできません。
この温泉水の運搬料はお一人様、一日一回80リットルまでとします。
この温泉水は硫化水素を含む温泉水なので換気の悪い場所での利用は健康を阻害する必要がありますので決められた量以上の持ち出しは絶対にしないで下さい。(但し、当温泉内での使用については十分な換気がされていますので安心して利用出来ます。)
この温泉水は成分が変化しやすいので出来る限り早急に使用してください。
この温泉水は硫黄泉であることから金属に対する腐食作用があります。

へーへーほーほーと思いながら見ていたわけですが‥ん?何だかひっかかりませんか?特に3番目の項目が?「但し」以降の内容が?もちろん間違っても以下の意味での記載ではないと思うのですが、ついついこういうふうにうがって解釈しちゃうのであります。つまり、

まさかねー(大笑)。しかしもしクルマで来ていて、しかもこの日のように暑い日であり、なおかつ偶然!クルマに携帯湯船を積んでいたりする人がこれを見たら‥やっちゃうかも知れませんね(苦笑)。現に、ここで子供用プールを広げていた先人の記録もどこかで見たような?

しかし残念ながら「その気があってもその器材がない」Takemaにとっては「手湯&足湯」しか為すすべがありません。どこかでも書きましたが「わたしゃアビルマンはやらない主義」なんですよぉ!(ご期待に添えず申しわけない‥とも思いません!=きっぱり)。



源泉の蛇口をひねると源泉が出てきます。まずは手湯ということにしましたが、うーん夏向きの湯ですね(笑)。

と、ここでビックリ仰天タマシイは昇天永ちゃんは頂点三浦綾子は氷点!といった感じの驚きがTakemaの手先に感じられたのであります!それは「何だかかなりのつるすべ感♪」というべきものであり、高めのPH値であることからくる予想を裏切らないものでありました。

続いて足湯行為に移行すると、手と違って足の場合は浴槽洗面器の中であまり激しい動きをしないからか、しばらく浸けているうちに洗面器の内側がアワアワになっていました。よく見ると、小指側の甲の部分にも小さな気泡が付いている感じで白く見えますね。この源泉、かなりの名湯のようです!これで源泉温度がもう少し高かったら‥。

ちなみに現在の管理者は浦幌町役場のようで、この源泉汲み場も町が(臨時に)設置しているようですが、そもそも三セクでの営業がうまく回らなかったことを考えると本当に平成22年(来年だ!)に再オープンできるのか、かなり微妙なところだと思われます。

というわけで源泉を自由開放して下さっている町の厚意に少しは貢献せねばと思い、市街中心部でハイオク満タン!そしてお昼ご飯も食べようというわけで中心部に進んでいくと「ここから先ふるさと祭り中につき車両通行止め」の掲示が。



あー、こういうのとってもいいですね、おしんこどんにすっかり感化されたTakema、田舎のお祭り大好きです。

というわけで屋台方面へ進んでいきます(おしんこどんもこのページトップ画像でワタアメに食らいつこうとしてましたね)。すると一番奥側に、このお祭り最大の「昼のイベントセット」が用意されていたのです!




(左上画像にマウスオンするとそのすごさがわかります)

いやー大がかりですね。商工会が中心になって行っているというこのピンボールゲーム、基本的に「ハズレなし」で金券(町内の商店で使える)が当たるという大盤振る舞いで、並ぶタイミングを逸したわれわれは傍観するのみでしたが、何だかほのぼのしておりましたわ。

さてしかし、屋台でのつまみ食い露店はたくさんあるのですが、何だか「ちゃんと食べたい」われわれは町内の飲食店を探しに行くことに。しかし、どのお店もお盆だからか+お祭りに出店したりしているからかお休みばかり。やっと1軒見つけてお昼ご飯にありつけました、ふぅ。



お味は‥まぁ普通でした。おしんこどんの注文した料理(右上)はボリューム満点でかなり苦しそう。こりゃまた寝るな(笑)。

このあとはR37を音別方面に戻ります。海に近くなるにつれて気温が下がり、音別市街は朝とあまり変わらぬ涼しさというか寒さを感じます。うーん、このあたりの太平洋沿いの町に「夏」は来るのでしょうか。ほんの数km内陸に入るだけでぐっとあたたかく(暑く)なるのに。

そんなわけで牛さんを眺めながらカムイミンタラへ戻ります。すでにおとうはお隣さんの宴会場で盛り上がっておりました。しみずさんはまだでしたがそろそろ戻ってくることでしょう。というわけでこちらもビールをプシュっとしながらまったり「本日の戦果(大したことないけど)」を報告したりしていたわけです。このあと「大変な事件」が勃発するとも知らずに(笑)。

そうこうしているうちに時刻も18:00を回り夕方になってきました。しみずさんはまだ帰ってきません。18:30、周囲が暗くなってきましたがまだです(ちなみにキャンプ場は携帯電話の圏外エリアです)。管理人の宮代さんも心配そうに「まだ帰ってこない?」と声をかけてくれます。そしてそろそろ19:00、「もしかして事故でも‥」と不安が強まっていた頃、遠くからバイクのエンジン音が聞こえてきました。

管理棟前まで戻ってきたしみずさんに「お疲れさまでした(でももうちょっと早く帰ってきてね)」と言いに近づいて行きますが‥なんだかしみずさんの様子が変です。バイクを止めてもエンジンを切るわけでもなく、しかもバイクから降りようともしません。どうしたんだろうと思っていたら、突然しみずさんがTakemaの肩をぐっとつかみ、ドスをきかせたような声でこう発したのでありました。

Takemaの肩をつかむ手が小刻みに震えています。グローブを外す指がわなわなと波を打つように震えています。やがて次のような独白が始まりました。
「もっと早く帰ってくるつもりだったんですけれど、R392を走っている途中で雨が強くなったんで雨宿りをしていたんで遅くなってしまったんです。それで『急いで帰らなきゃ』というわけで飛ばしてきたんですが、そうしたら『よし、あと数kmだ』というところで道の脇に牛が見えたんで驚きました。で、そこからすぐ先のあたり、バイクの前照灯の先に何か黒いものが見えたんですね。最初は『黒いうさぎ』のように見えたんですが、すぐに『それが何であるか』に気づき急ブレーキをかけたんです。」

「向こうもこちらの接近に気づき逃げ出しました。自分の進行方向の先に向かって。でもいかんせんバイクはスピードが出てましたからすぐには止まれません。結果的に『逃げる熊に追いつくような形で』ぐんぐん接近していってしまったわけです。熊はしげみに逃げ込んだので事なきを得たわけですが、
いや、本当に死ぬかと思いました。
とはいえ、実際はこんなにまくし立てて話してくれたわけではありません。もっと訥々としぼりだすような声で説明してくれたわけですが、このあとバイクを所定の位置まで移動し、ヘルメットを脱いだところで「後頭部の髪の毛が一面に逆立っていたことに気づいた」そうです。相当の恐怖体験をなさったわけですねー。

その直後にTakemaが撮影したのが左上画像(他人の非常事態をネタにしなさんなって)。なお、宮代さんに「牛が路上にいた&熊が出た」ことを伝えると、心当たりの牧場に確認してきますとのことで出動なさいました。

というわけで心臓バクバク体験をなさったしみずさんが少し落ち着いたところで、今晩はお隣ブースのキャンプライダーさんと合同宴会 in コモンルームです。

まずはしみずさんの「華麗なる衝撃体験」に乾杯!しみずさん、笑い顔がまだちょっとこわばってませんか?と、気がつけばうつむいちゃってるし、まだまだ精神的安定状態にはほど遠いようですね。そりゃそうです、衝撃体験からまだ1時間くらいしか経っていないんですから。

そのような危険を冒してまで(いや、そんなつもりは全くなかったはずですが)帯広界隈で買ってきてくれたスイーツをいただきながらお酒を飲んでいるうちに、宮代さんが戻っていらっしゃいました。さーて、どんなことになっていたのでしょうか?以下、それぞれのやりとりを再現してみることにいたしましょう。記憶違いがあったらゴメンナサイ。
宮代さん 「熊を見たというのはここから何kmくらい手前?」
しみずさん 「はい、ほぼ3kmくらい手前だったと思います」
宮代さん 「その手前に牧場があって、そのあたりの道に牛がいたということですよね?」」
しみずさん 「はい」
宮代さん 「道にいたという牛は道路の真ん中にいた?それとも道路のそばに?」
しみずさん 「真ん中ではありませんが、でも道路のすぐ脇にいたのは確かです」
宮代さん 「それは道路沿いにあるワイヤー柵のギリギリにいたのかもしれないですよね。」
しみずさん 「うーん、でも本当に道路のすぐ脇にいたんですが‥」
宮代さん 「今確認してきたんですが、あそこの牧場では放牧場の反対側に搾乳場がありましてね、ちょうど今が搾乳の時間なんです。だからもし道路上に牛がいたとすれば、搾乳前後の牛が道路をまたいで移動しているタイミングだったのかも知れませんね」
しみずさん 「はぁなるほど」
宮代さん 「で、熊の話ですけれど、その牧場を越えた先は両サイドの林が道路脇まで迫ってたでしょう?あそこは熊の道なんです。熊だって臆病だから草原の真ん中を堂々と移動するようなことはしないで、身を隠せる場所沿いに移動するわけですから、おのずから出る場所は決まってくるわけです」
Takema 「それって、「○○会館のあたりですか?」(なぜか話に口を差しはさむTakema)
宮代さん 「そう、ちょうどあのあたり。あそこがちょうど熊の横断箇所になってるってわけです。このあたりにはどこにでも熊はいますから。だから熊と共存するためには熊の習性や生活パターンを知らなきゃいけないんです。ウチのキャンプ場のルールである『暗くなる前に到着』というのも、熊などの野生動物のことを考えてというわけなんですよ」
なるほどそういうことなんですね。しかし強い雨の中帰ってくるというのもなかなかキビシイ話ですから(実はそれにもやむを得ない理由がありました=次ページ)、今回のしみずさんの「あるぅ日、闇の中、熊さんにぃ出遭った♪」は不可抗力というかやむを得ずの部分もなきにしもあらずです。何はともあれ、

このことが「真夏の夜の夢」として、この夜の宴会のお酒の肴のメインディッシュであったということだけは間違いのないところでありました。しみずさん、お疲れさま。なお、この後日談としてしみずさんからこのようなご連絡をいただいたことをご報告申し上げます。それは‥

やはり、精神面で相当のダメージを受けておられたようですね(うーむ)。
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