はいはーい、旅も終盤戦! |
− 2009北海道ツーリング本編その28 十勝を横断して占冠の湯の沢温泉へ −
恐怖の一夜(しみずさんにとって)を過ごした翌朝、「どうでしたか?うなされたりいやな夢を見たりしませんでしたか?」と聞いてみると(これもまた意地の悪い質問ですが)、そのようなことはなくそこそこ眠れたということで一安心です。
ちなみにこの日から2ヶ月以上過ぎた10月末、前ページをしみずさんに見てもらった時(正式更新前)に伺った話によると、「あの後、2回だけ『ヤツ』が夢の中に出てきた」ということ、そしてさらに「2回のうち1回は茶色い物体に激突&お召し上がりの夢」だったということです。うーん、やっぱり相当「濃い記憶」としてインプットされているようですね。
しみずさんのヘルメットは悲惨なことになっていました。ついでにフロントタイヤも(汗)。昨日はこのタイヤゆえ雨宿りを余儀なくされたわけですね。
さて、そろそろお盆も終わりで、皆さんそれぞれの「家路」につこうとしています。もっともその「家路」の距離及び困難さは様々ですが(ちなみにしみずさんは関東まで「自走」だそうです。タイヤがバーストしないことをお祈りいたします)。
左上画像のTさんは道内在住ゆえ「近く」、しみずさんは「限りなく遠い」のであります。
というわけで皆さんそれぞれ出発していきます。しかし、皆さんを見送る写真を撮っているTakema&おしんこどんなのですから‥
ほぉーら、まだまったりしておりますね。
ちなみに一番まったりしていたのは他ならぬ「おとう」でありまして、おとうはまだ1週間くらい滞在するのですからそれも当然のことなんですが、それでもさすがに今日は移動日のようであります。ちなみにおとうと宮代さんにはとある共通点が?(ここでは書きませんが)。
もっともTakemaは「テント撤収」という作業がないぶん積み込みは早いです。あーでも、このツーリングスタイルに慣れちゃうともう後戻りはできない‥いや、戻りますよ!(きっぱり)。
ほぉーら、もうできちゃった♪というわけで、おとう、宮代さんご夫妻に見送られながら出発です。
出発後数km、われわれには確かめるべき「痕」がありました。それは‥
「どうやらこれかな?」という感じの痕を見つけましたが、それにしては長さがかなり短いような気もします。でもブレーキ痕が残らないような甘いブレーキングはしていないでしょうからたぶん??
もうちょっと走っていくとタンチョウが三羽ほど羽を休めてくつろいでいるのが見えました。有名な営巣場所である釧路湿原からは結構離れていますが、このあたりにも来ることがあるんですね。
はいはーい、またそのうちお目にかかりましょうね!
さて昨日通ってきたR37経由で浦幌を通過、豊頃で道道62号に入り南十勝というか池田&帯広をパスして西に向かいます。雲が多く天候的にはイマイチですが、雨は降っていないので気分的には悪くありません。
こちらでちょっと休憩。このあたりやっぱりライダーは少ないですね。
中札内まで来たところでお昼ごはん。この先は「高速で高飛び」するつもりなので、このあたりで食べておかないと食いっぱぐれます。でも「ラーメン気分じゃないしなぁ」とか「今日はカレー曜日じゃないんだ」とか、好き勝手な好みを考えているうちに「むむ、何だか市街地が終わりになりそうな?」雰囲気になってきました。と、進行右側に「レストラン CEVA」を見つけて一安心。ちょっとウッディな感じでよしよし。
店内に入ってメニューを見るとうーん確かに色々ありますね。おしんこどんは炭火焼き豚丼、Takemaはスパを注文(右下画像マウスオンでこちらのレストランの外観画像に変わります)。このページを作るにあたりこのお店を検索してみたらネット上の情報が少ないのに驚きましたが、味も雰囲気も悪くないです。やはり訪問客=特に旅行者の少なさが影響しているんでしょうか。
今こうやって見ると実にうまそうな豚丼ですが、この時はそんなに「がっつり」食べたくなかったんでスパというわけです。
さてこの日のお宿は‥昨日予約しておいた「湯の沢温泉」(占冠村)でありました。苫小牧発のフェリーに乗るのは明後日の夕方なのですが、明後日はちょっといくつか「最後の悪あがき」をしたいと思っていますんで、この日のうちに「日勝峠の西側、夕張近くまで駒を進めておきたい」というわけです。
それならば「財政破綻してしまった夕張市に少しでも貢献したい!」と思うのは山々ですが、計画立案時に困った問題にぶち当たりました。それは‥
という現実です。国内旅行であればシティホテルのような立派な設備じゃなくていいから(というかそういうのは要らないから)、地面から近い部屋で(高層は嫌だから@ただし札幌のような大都会宿泊時はその限りにあらず=しょうがない)、できればそこそこ小規模の、宿のオーナーや管理人さんの「顔が見える宿」に泊まりたいというのがTakemaの希望なのですね。
川湯温泉のラルゴや羅臼温泉の山小屋峰(正しくは泊まってませんが)などは、そんな意味である種最高の宿であり、そしてカムイミンタラはその真骨頂(とってもオーナーさんの姿が見えるというか丸見え)というわけでこれまで何度もお世話になってきたTakemaなのです。
そんなわけで今回はこの「北海道最後の夜」だけ事前予約なしで来ていたのです。またそれとは別に、「最後の夜の宿を予約してしまうとどんなに悪天でも移動しなければならないわけで、最後の最後はフレキシブルにしておきたい」というライダーならではの事情もあったわけですが。で、どうやら「大荒れ」は避けられそうだというわけで前日予約を入れたその過程についてはおわかりいただけたかと思います。
そんなわけで食事後は帯広川西ICから無料高速に入り、帯広JCTから道東自動車道で「リッチに高速でトマムを目指す」ことにしたわけです。しかしそこに大きな「トラップ」が待ちかまえているとは!
帯広広尾道(無料)から道東道(有料)に進む途中にはもちろん料金ゲートがあります。しかし「ゲートまであと1km」というあたりで、いやぁな掲示物がやたらに目に付くようになりました。それは‥
ど、どきっ!設置工事中ということはそのまま通れませんよね(当たり前)、ということはたぶんETCカードをゲート係員さんに直接手渡して認識させてもらうことになると思うんですが‥。でも今朝のカムイミンタラでの荷物積みにおいて「今日は日勝峠をパスするために高速に乗るぞ」という前提ですでにシート下の車載器にカードを挿入済みなんです!ということは‥
これについてはかなり絶望的になりました(苦笑)。だって普段の通行量はわかりませんがこの日はお盆最終日の日曜日ですよ。ここまで走ってきた無料高速だってそこそこの通行量はあります(ただし「お盆最終日でせいぜいこれだけの交通量?」と感じたのも事実です=失礼ながら「不要の道路整備」だったと思います)。料金所でそのような緩慢作業をしていれば、後続のクルマはイライラしてもおかしくないですよね。「せっかくの高速なのに料金所で何をダラダラやってるんだよ!」って。
でもさすがにやってくれますJH、じゃなかったネクスコ東日本!(JRの区分と違い「ネクスコ北海道」は存在しません。東京の八王子ICも帯広JCTも同じ会社です)。2レーンあるブースの手前に誘導員さんが立ち、Takemaバイクがメインゲートに入るやいなやそのゲートを封鎖!(笑)。とーってもライダーに優しいゲートでありました。もちろんこの日(お盆最終日)だけの特別態勢だったと思いますけれどね。
で、有料区間の高速道路‥とはいえ片側1車線なのはしょうがないので前の車についていくしかありません。「普段の日曜日でもこれくらい通行量があれば『車より熊』などと叩かれることもなかったろうに」と思う十勝平原区間です。で、SAに立ち寄ってみました。ここしか休めないもので。
SAとはいえ、トイレ以外に何もありません。先を見越してのSA設置なのでしょうが、左上画像の駐車車両数(しつこいですがお盆最終日)を見れば「ここに商業施設が出来るまでにはまだ相当の紆余曲折が?」と感じざるを得ないですし、それこそ「無理に作る必要もないのでは?」と感じました。この界隈のICを降りれば何でもありますしね(でもガス欠等への対応施設は必要です、夕張〜トマム区間全通後は)。
いつものように話が長くなりました(笑)。実はここ十勝平原SAのバイク駐車スペースには東北エリアのナンバープレートを付けたスクーター@先客さんが止まっていました。実は左上画像のようにわれわれが芝生エリアでのんびりする前に一言二言。その先客さんのお言葉は‥
そんな感じのごくわずかの会話でありました。それはそれで終わり先客さんは西に向けて発進し、われわれはのんびり。さてそろそろ行こうかとバイクの駐車場に戻ってみたところで‥あれ?
先ほどの先客さんがバイクを止めていた場所に何か落ちてます。拾い上げてみると、どうやらヘルメットのインナーパッドみたい。つい先ほど「シールドを洗った」と言っていたのでしたから、シールドを取り付けるときに落ちたのかもしれません。ならば追いついて届けてあげましょー!というわけで発進、急加速!
急加速は一瞬にしておしまいでした。すぐ上にも書いたようにお盆最後の日曜日の午後ゆえ車の数は圧倒的に多く、しかも基本的に片側1車線の対面通行ですから追い越しもできません。ずらーっと並んだ車列の中、地道に時速70kmで走っていくしかないのであります。
またこのあたりからにわか雨が断続的に降るようになってきました。でもカッパを着るほどではない‥と思っていましたが、あるあたりでは「こりゃー本格的な雨と言っていいでしょう!」という感じの降り方になってきました。しかし「これなら、前方を行くスクーターの方もどこかの路肩にバイクを止めてカッパを着こんでいたりしないかな?」と思いそのまま進んでいくうちに再び雨は止み、十勝清水〜トマム区間あたりまで来てようやく車列がばらけ、ぐっと加速したりもしましたが(右上画像)、もはや追いつけずといった感じです。
「もしかしてあの人は十勝清水ICで降りて日勝峠に向かったかもしれないしなぁ」と、半分あきらめつつ走っていたら、終点のトマムIC手前でまた雨が降ってきました。が、もうすぐ料金所なのでそのまま進行、高速を下りた先で屋根のあるところを見つけてカッパを着ることにしたわけです。
しかしすぐには屋根のあるところが見つかりません。と、進行右側に小さなGS発見。うん、あそこでいいやと思いよく見てみると‥
というわけでわれわれもピットイン。インナーパッドを無事お渡しすることができて何よりでした(嬉)。ちなみにパッドがないことについては走り出してすぐ気がついたそうですが「今さら逆行できないのであきらめざるをえなかった」とか。そりゃそうだよなぁ。
しばらく雑談をしているうちに雨も小やみになってきました。そんなわけでこの方は今日のフェリー(八戸行き)に乗るため苫小牧に向けて出発です。さーてわれわれも行きましょか!
【注】 ところで道東道ですが、この旅行の2ヶ月後(2009年10月)にトマム〜占冠IC間が延長開業しています。
とはいえ占冠まではさして遠くもありません。ここから先は雨に降られることもなく、無事湯の沢温泉に到着です。
外観はかなり大きく立派な施設ですが、築後そこそこの年数が経っていることもあって何だか鄙びを感じさせます(笑)。でもそれはそれでTakemaの好きな方面なので、むしろ好都合といえるのかも知れません。
管理人さんのご厚意で、バイクはガレージに入れさせていただけました。屋根付き車庫なんて、普段のTakema家よりいい扱いですね(笑)。到着時には日帰りのお客さんが何名か出入りしていましたが、もう宿泊のお客さんが到着してもいい時間帯です。でも来るのは相変わらず日帰り客ばかり‥。もしかして?
その予感は的中しました(笑)。この日の泊まり客はわれわれ1組のみ。お盆最終日の日曜の宿泊とはいえ、こんなに空いているとは思わなかったなー。というか前々日のうちに予約しておいて正解。当日の昼頃だったりしたら「今日はもう(予約がないから)ダメ」なんてことになった可能性も否定できません(というのは、この翌日=月曜日は定休日にあたっており全館休館なので)。
さてそんなわけでお風呂にまいりましょう。加温の循環湯というのは最初からわかっていることなので気にしません。食塩泉だそうで、お隣の源泉蛇口の水(源泉が10度以下なので湯ではない)をなめてみると確かにしっかり塩味が。
湯口はライオン口ならぬヒグマ口でなかなかいい感じです。お湯そのものに特徴はない感じですが(循環だし)、さすが食塩泉、湯上がりは汗がだーらだらでした。ちなみに洗面台(ドライヤー有り)は別室にあって、そこは何と男女兼用室なんですね。これは珍しい造りです。
舞台付きの「しゃくなげの間」は卓球室として利用されていました(笑)。畳の上にカーペットを敷いてあるところがまた「力づく」という感じで大好きです。しかし今回はなぜだか「おしんこどんと対決」せずに終わったのではありますが。
部屋は六畳ですが特に問題はなし。TVもコイン式ではありませんのでこれまた問題なし。夕朝食も、1泊2食で5800円という料金を考えたら十分に妥当です。そうそう、こちらの宿のパンフレットにはこんな記載があるようです(占冠村サイトより引用)。
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まさにこんな感じの宿でありました。静かにのんびりするには絶好で、ここを今回のツーリング最後の宿にしたのは正解でした。
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