− その9 「鉄」の血が騒ぐ?(笑)。釧網本線SL乗車でこの旅行の締めくくり! −



かつて公園に置かれていた静態保存の機関車も、このように「第二の人生」を歩んでいます!

さて列車は標茶駅に到着、ここでわれわれは途中下車しました。というのも、上記画像でおわかりの通りここからは「SL」にて釧路を目指そうという計画を組んでいたからであります。

実はTakemaは小学生時代からの鉄道ファンでありまして、しかしちょうどその頃は全国各地でSLからDL(ディーゼル)への転換真っ盛りの時代、かつて小学生のお小遣いではかなり厳しかったにもかかわらず購読していた月刊「鉄道ジャーナル」では、毎号のように「○○線SL運行停止」「××線SLお別れ運行のお知らせ」の特集記事が組まれていたような気がします。

おぼろけな心中ながら「日中線(福島県)のSLだけは乗りに行きたい!」という願いは叶わず、北海道東北エリアはいうに及ばず、結局自分が遠出が出来るような年齢に達する直前、国鉄のSL運行は完全になくなってしまったのです(1975年12月)。ちなみにTakemaが中1夏、「親にうそをついて」8日間だったかの東北列車旅をしたのは1977年のことでした(この時についてちょっと触れているのはこちらのページ)。

ま、そんなノスタルジックな話はどうでもいいので先に進みましょう。その後各地のSL臨時運転はおろか、大井川鉄道のようにSLを定期運行している路線にも足をのばさずにここまで来ちゃいましたが、苦節32年、ようやくSLに乗る機会がやってきたというわけです。

冬期間のみの季節運行である「SL冬の湿原号」は、かつて標茶駅前の広場に静態保存という名の放置をされていたSLを、徹底的に手を入れて運行可能なまでに整備したという、現古JRマンの心意気を示す車両です。これってかなりすごいことだと思いませんか?

われわれが乗ってきた列車が到着し、跨線橋を渡っている時、すでに到着していたSL列車を撮った写真です。釧路行きの列車が出たあと番線を入れ替えるのでバックで進んでいくんですが、いい雰囲気ですね。

ちなみに車両を見ると14系客車でした(手前の車両、エアコン形状を見ればなるほどという感じでおわかりいただけるかと)。あの「簡易リクライニング」で不評を買った車両が、車内リフォームを経てこの路線で頑張っているんだなと思うと、かつて不評だっただけに「長く頑張りなさいよ」とついつい思ってしまいます。しかし、電源部分を各車両に振り分けたため車両下から常時発電ノイズが聞こえてくるわけで(数台に1台発電機が付いていて、その車両は寝ていてもやたらにうるさい)、これは相変わらずうるさいものですねー。

駅舎併設の軽食堂で軽く食べたあと、再びホームに出てみると(もちろん駅員さんの許可を得ています。得ていない人もいたような気もしましたが)、ちょうど車両入れ替えのタイミングでした!



「番線入れ替え」

すぐ上にも書きましたが、SLの排気音の前後に聞こえてくる「ガダガダー」という発電エンジン音は14系客車の運命的排気音なのであります。これこそが14系客車最大の不評だったのですが‥あーうっさい。

Wmv形式、4.35MB、1分55秒

さてこのあと列車を見ていると「あーだこーだ」という感じで客車を入れ替えましたが、ターンテーブルがない(なくなった?)標茶ですから、どうやら釧路へは逆向きで走るみたいでちょいと残念です。ちなみに、トラックが後ろ向きで高速道路を100km/hで走ってきたら恐いゾー!(ありえないって)。



客車を押してバックしていった機関車が単独で移動します(実は上の数枚を撮影する間に数十分のブランクがあったりしました)。



機関車が後ろ向きに接続して出発準備完了。でも「絵的」にはイマイチですね(笑)。ターンテーブルはないんでしょうか(もうないんだろうなー)。



というわけで、このスタイルで釧路駅に向けて出発となるようです!

それにしてもこの列車が標茶発着なのはいろいろ理由があるのでしょうが、運行期間中は何とか毎日川湯温泉まで、それが無理でも摩周駅まで延長運行できないものですかね(一部日程では川湯まで延長運行していますから物理的に不可能というわけではないはずですが)。

そうすれば冬場に阿寒や川湯温泉界隈を訪れる旅行者も増えるかも。最高なのは網走からの直通運転ですが、ま、それは望んじゃゼイタクというもので‥(ノロッコ号と競合するし、全線乗車する人はさほど多くないでしょうし)。

さてさてそれでは乗車ホームに進みましょう。



ふと思ったんですが、「2009」と書かれているところを見るとこのプレートは毎年新調するのでしょうか?

いやーいい天気。鉄道写真家にとっては絶好の日和だと思うんですが、われわれは乗ってしまえば外から写真を撮れるわけでもないのであんまり意味ないですね(苦笑)。かなり早い時間に入ったので、車内にはまだほとんど人影がありません。それではということで、さっさと車内の写真を撮ってしまいましょ。

各車両にはストーブが設置されていて、その上で物が焼ける(売店でスルメを売っている)ということですが、お客がこぞってスルメを焼きだしたら車内が思い切りイカ臭くなってしまうのではないかとはなはだ気がかりです(笑)。ちなみに網棚にはフクロウやらエゾシカやらのぬいぐるみがいくつか置かれていますが、荷物を置くときにちょいとじゃまな気がするんですけれど?(左上画像マウスオンで網棚が見える画像に変わります)。

こちらが売店です。うーん確かにスルメが吊られていますね(笑)。そのすぐ脇には制服と帽子の撮影用無料レンタルコーナーが。こういう時はおしんこどん、あなたの出番ですというわけでパチリ。

そうこうしているうちに発車の時間となりました。列車は定刻通り出発したのでまずは一安心。この列車が大幅に遅延したりすると釧路空港行きのバスに間に合わなくなっちゃいますからね。ちなみに平日ということもあり乗車率は4割程度といったところでしょうか。われわれの向かいのボックス席には誰も来なかったので、1人1ボックスを占有できてよーしよしです。

しかし上でも書きましたが、SLだろうが何だろうが走り出してしまえば乗り心地に変わりはありませんね(あたりまえ)。窓が開くわけでもないから音による臨場感もないし、ま、仕方ないから焼酎でも飲んでのんびりしますか(笑)。

と、茅沼駅に着いたところで数羽の丹頂鶴が。「タンチョウがいますよー」と車内アナウンスがあり、車内が急にざわざわし始めました。




ま、こんな感じで5羽がうろうろしておりました。

そのほか進行中に減速&警笛を鳴らしていたのはエゾシカの飛び出しだったんでしょうね。しかしその姿さえ見られなかったのはちょいと残念、やっぱり昨日のうちに見ておいてよかったと安堵した次第。

そんなふうに思っているうちに列車は塘路駅に到着です。列車入れ違いのため数分停車ということで、わっせわっせと機関車のほうに移動(Takemaだけね)。



お客さんは最初こそたくさん出てきましたが、写真を撮るとすぐに中に入ってしまいました。実はあんまり興味のない人が多い?(笑)。



そして列車は遅れることもなく順調に釧路向けて進んでいくのでありました。




「そしてSLは進むよ進む」

途中汽笛が聞こえてくるのと、煙の子どもたちがちらほらと見え隠れするのと以外は至って普通の動画です。最後のほうで岩保木水門が見えてきます。

Wmv形式、2.13MB、55秒

さてさてそんなわけで釧路到着!定時到着だったのでバスの出発までにはまだ時間があります。でもまぁ欲張って和商市場などに行ったりはせず(実はその存在をすっかり忘れてた)、そのままバスターミナルでのんびり待っておりました。もっとも待ち合わせ時間自体が45分くらいしかありませんでしたから、へたに和商に行って「勝手丼、どれとどれを載せようかなー」などと選んでいたら、バス出発時間に間に合わなくなったかも知れません。まぁこれはこれでよかったということにしておきましょ。

というわけで空港バスも順調に進み、チェックインもスムーズに。搭乗フロアからは綺麗な夕日も見ることが出来ました。ふぅ‥。ちなみに羽田に向かう飛行機の中では次のような会話が(笑)。
(おしんこどん)
(Takema)
そう、大晦日の深夜11:00頃にクリクリのクリっと予約しちゃったバンコク往復の航空券、さーてどうなるやら(笑)。

今回は爆弾低気圧の襲来を受けながらもほとんどその影響を受けることなくほぼ計画通りの行程をこなすことが出来てかなーり満足です。来冬はなかなか来られそうにないけれど、この界隈は夏に再訪する可能性が高いのでこれまた楽しみなんですよね、うふふ(謎笑)。
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