− その2 中房温泉で湯ったり(1) −

(2009/5/31-6/1)
田沢温泉では雨が降っていましたが、安曇野市(旧穂高町。こっちのほうがわかりやすいよなぁ)まで降りてくると雨は止んでいました。しかしここから中房温泉までは山道を一気に上がらなければなりません。何せ中房温泉の標高は1462m、そもそも北アルプス燕岳への登山口なのですから。

かつてTakemaが「山屋」だった頃ここからは少なくとも3回燕岳に登っています(初めて来たのは1980年くらいかと)。しかしそのいずれの記憶にも「中房温泉」という温泉宿の記憶はありませんでした。宿そのものは登山口の奥にあること(それすら知りませんでした)、そして何よりも当時は「温泉に興味がなかった」ことが第一の理由でしょう。そう考えてみればあの当時の自分からしてみると「山登り抜きでこの場所に来ることになるとは」思っても見なかったはずです(ただし2005年にはすぐ下の野湯に浸かりに来ましたが。なお現在は状況が変わっているかも知れません)。

んでもって今回は「晴れて中房温泉に泊まる!」という大イベントなのであります。何だか嬉しいぞー。ちなみに「湯原の湯」を除き日帰り入浴はできない宿であります。



「晴れての大イベント」の割にはしっかりガスっておりましたがまぁしょうがないか。



お部屋は旧館なので質素ですが、お風呂は全て楽しめちゃうもんねーっ!

えーとですね、普段なら結構コメントしながら湯めぐり報告を進めていくんですが、ここは日帰り専用の「湯原の湯」を入れてお風呂が15もあるんですね。源泉は沢山あるもののどこもあまり泉質の違いを感じることはなかったので、ここからは風情を中心に語ることといたします。

最初に浸かりに行ったのは部屋からいちばん近い「大湯」(男女別。大浴場とは別です)。最初は「何だ小さな露天風呂かな?」と思いましたが、脱衣場内にお手洗いとも違う扉を発見。開けてみたら何と階下に内湯があるではないですか!サウナ的な説明もありましたが、ここはやっぱり窓を全開にして湯っくりお湯を楽しむのが一番ですね。

続いては「廊下そのものにかしぎ感のある」通路を進んだ先にある「御座の湯(男女別)」へ。ここの木造りの浴槽および湯小屋の風情はかなりいい感じです。「トドになるならここが一番かな?」という木の床もとてもいいですし、東北の湯治場温泉を髣髴とさせます。画像が暗いですが、この湯に入りに来るだけでも価値はあるかなと。

続いては、この宿の湯の中で一番新しい独立湯小屋「不老泉」へ。中房温泉のすごいところは、ここにしろメインの大浴場にしろ、あくまで「混浴」を貫いているところ。Takema個人としては混浴だろうが別浴だろうがあまりこだわりはないんですが、昔からの入浴文化を維持なさっているところはさすがだと思います。

中庭には飲泉場と水飲み場がありました。しまったやっぱり水汲み用のポリタンを持って来るんでしたね。ちなみにここの水がかなーりおいしかったのを思い出します。やっぱり湯上がり直後はビールじゃなくて湧き水が一番ですね。

夕食前とはいえこの時間になると外は真っ暗。というわけで岩風呂は「ただ浸かっただけ」という印象しかありません。でも翌朝おしんこどんが入った印象は「かなーりいい!」ということでした。やっぱり夜は印象がボケちゃいますね。

続いては並んである「薬師の湯」と「家族風呂」へ。両画像ともマウスオンすると浴槽画像に変わりますが、泉質がほとんど同じだとすればやっぱり家族風呂の木の浴槽がいいかなーと。とにかく落ち着けるんですよね。

さて、そうこうしているうちに夕食タイムです。われわれの泊まっている旧館(本館)と別館(新館)とは夕食の料理が全く別のようなのですが(厨房からして別みたい、もちろん別館の方がおそらく豪華なはずです)、でもチェックイン直後にわれわれも「特別料理」を注文していたのであります。それは‥

中房温泉宿の上部にある地熱地帯(明朝に行く予定)にて蒸し焼きにしたローストビーフ、こ、これは注文するしかありません!(ちなみにいつもあるわけではなく、この日は「今日はこんな特別料理が‥」と言われたのですぐさま飛びついた次第です)。



こ、これはとってもヨロシイではありませんか!

いやーうまかったー(本当)。たぶん新館の皆さんの食事はもっと豪勢だったのかと思いますが、この一品があるだけでもうわれわれとしては大満足です!ちなみにこの夜旧館の宿泊客はわれわれだけだったのですが、そんな一組のお客のためにずっと立って待機してくれていたお兄さん、「それが中房温泉の接客姿勢なのだ」と理解いたしました。素晴らしいです。



だからついついビールだけでなく冷酒まで頼んじゃったのかな?いやこれはTakemaが飲みたかっただけか(笑)。

というわけで中房温泉の夜は更けていったのでありました。明日は‥チェックインの10:00ぎりぎりまで残りの湯を楽しむぞぉ!
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