− その4 向かうは奥鬼怒、難攻不落の?手白沢温泉(1) −
さてこの日の宿泊予定地は上記の通り「手白沢温泉」という宿なのですが、温泉巡り系の多くのサイトをのぞいてみても「奥鬼怒四湯(八丁の湯、加仁湯、日光沢温泉、手白沢温泉)」のうちでこの手白沢温泉の入浴レポートは極端に少ないのです。それは上記画像の但し書きにあるような条件面もさることながら(これだけでもハードルが高いですよね)、加えてもう一つ、
という地理的条件が大きく作用していると思われます(ただし一般車通行止めの林道経由で到達することもできます。でも遠回りするのでもっとかかるかも)。なお「1時間半」というのは平均歩行時間ではありません(宿のウェブサイトによるとお年寄りを意識してか2時間半と書かれています)。結構早足で歩いてのコースタイムですので(しかも休憩時間は含みません)ご了承のほどを。
さらに言えば、たとえば残りの3湯のうちどこかに宿泊してもここ手白沢温泉の独自源泉に入浴することは不可能です。となれば、
というわけなのです。うーんこれはある種の入浴困難湯です。それに輪を掛けて申し添えるならば、この宿はいい意味でかなり個性的でして(あとで書きますが)、それを良しとするお客が引きも切らないためかなり予約が取りにくいんです。ちなみに宿の規模としては全6室のみということで、旅館としてはかなり小規模。今回は日曜日宿泊ということで予約が取れましたが、土曜日泊ということになると時にはかなり前からフルブッキングということもあるようで、特に紅葉の頃は「すでに予約で満室」という週末もそこそこあるのだそうです。
この温泉の存在自体は登山絡みでもう30年くらい前から知っていましたが、まさか「山に登らなくなってから来ることになるとは」思いもしませんでした。かつては「ここに行くとしたら日光白根山−根名草山の縦走時しか考えられないよなー」と思っていましたから‥。
さてノスタルジーにひたるのはこれくらいにしておいていざ現地に向かいましょう。と、その前に腹ごしらえ。
日蔭地区のお蕎麦屋さんに急遽遅めランチでピットイン。
お蕎麦は2口くらい食べちゃったところではたと思い出して撮影したので麺が乱れてます(お許しあれ)。
ちなみにこちらのお蕎麦屋さんは民宿もやっていて、ここには「まごころ温泉」という露天風呂もあるんでしょうか?というわけで立ち寄り入浴について聞いてみると、「以前はやっていたんですけれどね、でもそうなると入浴のお客さんの車が駐車場をふさいじゃうんで食堂の営業に支障が出ちゃったんですよ。だからすみませんが今は受け付けていないんです」とのことでした。ちなみにこの時食堂のお客はわれわれだけでしたから、たぶんこの方針は確固たるものであると思われます。みなさん、「そこを何とか」という言葉を心の中だけにとどめましょう。
それにしても旧栗山村の時は何とも思いませんでしたが、現日光市と併合した今となっては、ここの住所は
という、何とも意味深なイメージになっちゃったわけですね。このすぐ下流に「日光市日向(ひなた)」があるだけに‥(昔はポリバス共同湯があったらしいんですよね、間に合いませんでしたが)。
さ、ここからは一般車進入終点の女夫淵(めおとぶち)温泉を目指します。10年前に比べれば随分道路の改修が進み走りやすくなりました。昔バイクで来たときは女夫淵到着時点でクラッチを握る左手がだいぶへたってましたが(その日のうちに帰らなきゃいけないのに)、今ならたぶん大丈夫でしょう。
女夫淵の公共駐車場に到着したのは14:10頃。ここで荷物をリュックに移し替え、トイレ等の準備も終えて14:35に歩き出しました‥が!本来の山道は歩道崩壊のため完全通行止め、どうやら尾根を越える形での巻き道を行かねばならないようです。
くっそー、ここはホントのスタート地点じゃなかったというわけね。
現在の歩道は左上画像のように「一気の階段」からスタート(登りが続く)。で、そのあと一気に下って吊り橋を渡ると本来の歩道に戻ります。
このあとは、多少の上下はあれどほぼ平坦な道です(ただし沢の上流へ向かうので基本的には全て微妙に登り坂なのは当然です)。
というわけでほぼ1時間で最初の「八丁の湯」へ到着。ログハウス部分とかつての宿泊棟とのアンバランスが何だか不思議。
ま、へたるほどの行程&標高差じゃないんで全然大丈夫ですが、Takemaはなぜだかすでに首タオル(笑)。
ここからは一般車通行止めのスーパー林道の支線をとことこと歩いていきます。進むこと10分弱で大きな橋が見えたと思ったら、その奥に大きな鉄筋コンクリート造りの「加仁湯」が見えてきました。
奥鬼怒4湯の中である種一番商売っ気があるように思える加仁湯は宿の規模も圧倒的に大きく、宿泊客を乗せた観光バスが何台も入ってくるくらいです。また下流の温泉宿と提携した日帰りツアーなども受け入れているようで、ここが奥鬼怒の宿だとは思えないほど。しかし何だかなぁ感は否めないところ。ちなみに上記の日帰りツアーは下流の提携宿に泊まった人を対象にしているので「このツアーにだけ便乗して‥」というのはできないはずです。念のため。
でも、これから向かう手白沢温泉はこことも一線を画す宿なのです。加仁湯の真ん前からは再び登山道に入ります。
指導標には「あと1.7km」の表示があります。しかしここからブナ平までは短いとはいえ急登が続き一汗かかされます。ブナ平まで登ってしまえばあとは緩い登り坂と少しの林道歩きがあるだけなのですが、急登を終えてブナ平の森の中を歩いているうちに、いきなりそれはやってきたのであります!
仕方なく傘を差して歩き出します。あー、あと15分くらいで宿だというのに、最後の最後で降られちゃいました。しかもこの雨、かなり「怒涛系の本降り」でありまして、森の中ではまだ良かったんですが、林道に出てからは直撃を受ける&跳ね返りで膝から下はぐっしょり濡れてしまいました。
林道もご覧のように「川」になってます。
もっとも天気予報でも「今日は降ります」と言われていたので、一応「想定内」ではありました。だから傘も折り畳みではない大きめのものを持参していましたし、リュックもそれぞれザックカバーの外防水(=おしんこどん)と大型ビニール袋で内防水仕様にしたTakemaとで、実害はズボンだけという最小被害にとどめることができたわけです。
宿に着いたあたりから雨の降り方が弱くなってきたように思えたのは気のせいだったでしょうか(苦笑)。
というわけでとにかく手白沢温泉に到着!ではでは「ときめきの滞在」を楽しんじゃいましょう!
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