− その5 手白沢温泉(2) 「お宿探検」(笑) −

さて部屋に入り、濡れた服を着替えたらさっそく温泉なのでありますが、ついでにこちらのお宿をうろうろいたしマショー。宿の創業は1935年、現在の建物は1996年新築です。しかしこの建物がまた何ともすごいです。普通の温泉宿ではなかなか見られない凝った造りなんですね。

外観はちょっとロッジ風。玄関外にベンチが置かれているのは、雨の場合など建物の中で雨具を脱いだりしないで済むので有難いはずです。ただしTakemaは喫煙所として利用していましたが(笑)。

広い広い玄関部分。あえてソファーなどを置かないようにしているようで、その広さが際だっています。で、その手前の靴箱ですが、下の2段には温泉を通した塩ビ管が通されており、濡れた靴で到着しても翌朝には乾いているようにという心遣いが有難いです。ちなみにこの日、この段に置かれていたのはわれわれの靴と‥ん?一番下の段にいるのは?(右上画像マウスオン)。

こちらの宿の温泉犬「クロ」(そのままですな)でした。暖かいパイプの上ですっかり寛ぎモードです。われわれが滞在している間ほとんどここから動きませんでした。鎖でつながれているわけでもなく、行動範囲は女夫淵温泉にまで及ぶという話を聞いたことがありましたが、全く活動意欲が見られなかったところを見ると結構老犬なのでしょうか?

さてお部屋は全室トイレ付き(ウォシュレット装備。わたしゃ使いませんが)。一部屋10-15畳でかなーり広々しています。しかーししかし!

「山の中の温泉にわざわざ歩いて来たからには、下界のしがらみを忘れて湯っくりくつろいでほしい」というのがこちらの宿の狙いなのでしょう。いろいろご意見はあるところでしょうが、ここまで徹底していればよろしいのではないでしょうか。ちなみに露天風呂界隈から建物を見ていたら、BSのアンテナらしきものが見えましたので、従業員サイドでは見ることも可能なのでしょう。

でも!逆に驚いたこともあります。今回の湯めぐりにはノートPCを持参したのですが(古い旅行記を少しでも完成させるため)、PCを起動してしばらくすると‥

受信状況を確信してみると‥「うわー驚いた、パスワード不要のフリーアクセスになってる!」

というわけで、こちらの宿のコンセプトとは裏腹に、いつの間にか下界のしがらみにしっかりまみれまくったTakemaでありました。折しも前日の夜にプロレスの三沢光晴さんがリングで倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまったというニュースを知らなかったわれわれ。ついつい動画ニュースをクリックしてしまったわけですが‥

その昔ダイヤルアップ接続全盛時代、無知だったTakemaが1MB以上の画像データを送ってしまい相手から「丁寧に」怒られたことをふと思い出しました。あれから連絡ないなー、どうしておられるかな?

でも宿のサイトではネット接続関係の情報を公開しているわけでもないので一応このページを読んだ人だけのヒミツということで。ただし宿の方にお話ししたところ「遅いんですよねー」とおっしゃいながらも「使わないでほしいオーラ」は全く見せていませんでしたから、まぁPC持参者の特典ということで。でも、ノートPCをリュックに入れて背負い上げてくる人はかなり限られると思いますが(笑)。



そんなわけで壱号室では秘かに「下界とのしがらみが濃厚」でした。廊下もすごい吹き抜け。

ちなみに建物は平屋建てながら廊下の天井が高い高い!真冬はどうなっちゃうんだろうと心配になりますが、実はこちらの建物をぐるりと観察してみると、おそらくは「かなりの源泉湯量を床暖房に回しているに違いない」という推測に至りました。自噴湯300リットル/分をとことん利用しているということですね。

さて続いては「この宿の本分」、お風呂なのであります。立ち寄り入浴ができない宿ですから、ここはきっちりと湯をタンノーしなければ!

この日は満室とはいえ部屋数がそもそも6室しかありませんから、夕食前の、混雑して当然の時間にも貸し切り湯を楽しむことができちゃいました。このページを作るにあたり先客さんのサイトを拝見していたら、結構連泊の方が多いんですね。なるほどその手があるかという感じです。何年かしたら連泊で再訪してみようかな。

大変広い脱衣場で服を脱ぎますが、服を入れる籠は全て横並びになっていて、棚になっているわけではありません。これってかなりありがたい話で、混んでいる宿の脱衣場で偶然着脱衣の場所がかち合ってしまうとお互い気を遣いながらあーだこーだを余儀なくされますよね。ここではそれがないというのがすごいです。

まずは右上画像にマウスオンしてください!こ、この給湯システムはこれまでどこでも見たことがありません!壁から突き出た湯口から、常時ひたすら源泉100%の湯が流し込まれています。こちらの源泉が豊富なのはわかりますが、この洗い場の湯使いにはかなりぶったまげました。そもそもこちらの宿の設計は一体どんな方がおやりになったんでしょう?

考えてみればここの宿は全てのスペースがかなり広く取られています。入口ロビーしかり、部屋だって基本は15畳だし(ただしわれわれが泊まった角部屋の壱号室は10畳だったみたい?それでも十分でしたが)、そしてこのあとのページで出てくる食事スペースだってとてつもなく広く、全てがたった6部屋の宿の施設とは思えません。

しかも平屋にもかかわらず天井を高く取り廊下を吹き抜けにするというある種奇抜な発想、それをおそらくは温泉熱による暖房(水蒸気が出ないので室内に湿気が籠もらない)を前提にしているからできるわけですよね。現在の建物になってからは10数年ということですが、「ふだん手の届かないところに見え隠れする傷み」がほとんど見られなかったのはすごいことです。「慣れから来る雑なお手入れ」もほとんど見えませんでしたし(部屋の窓のサッシも奥まできちんと清掃されていました=こういうこと大事)。


続いて露天風呂へ。こちらも広いわー。ただこの時間もまだ霧が出ていたので周囲の展望というか遠望がイマイチ。こちらは明朝の晴天を期待して再訪することにいたしましょう。

なお、廊下の途中には無人の飲み物販売機が設置されていました。お客は勝手に冷蔵庫を開けて飲み物を取り、代金は真ん中のカゴの中に入れていくというシステムです。不特定多数の日帰り客を迎えいれたりしたら一発で破綻するシステムなのでしょうが、ここではしっかり機能しています。わたしがビールを購入した時点ですでに結構な額の小銭が入っていましたが、最初の段階で「お釣り分」のお金も入れてあるんでしょうね。

さらにちょっと読みにくいとは思うんですがお値段もかなり控えめというか安い!ビールは300円(しかもキリン・アサヒ・サッポロの3銘柄揃い踏み)、ペットボトルは150円、缶ジュースに至っては街場の自販機よりも安い100円です!

というわけで湯上がりタイムをしばしのんびりしたところで、いよいよ夕ご飯タイムとなりました。
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