快適快温、野湯の真骨頂をタンノー!

(2009年8月26日−29日(実質))

気づいてみれば、3年ぶりの北東北夏湯めぐりなのであります。前回(2006)は津軽の共同浴場巡りをメインにして回ったわけですが、今夏は1週間前まで北海道ツーリングに出かけていたこともあり、下調べはあまり(いや、ほとんど)出来ていませんでした。でもまぁ、これまで蓄積されたデータベースを元にしてそこそこは回れましたかね。ちなみに「帰ってきてから大後悔」という場所もあったりしましたので、まだまだ北東北から足が遠のくことはないかと思われます。では全17湯の湯めぐり編、はじまりはじまりー!


− その1 深夜ドライブの疲れも、国見温泉の朝湯でしゃっきり! −

8/26未明というか、確か日付はまだ25日深夜だったような気もしますが、とにかく出発です。平日の深夜ですから混むはずもないのですが、貴重な休みを有効に生かすべく、この旅行では往復とも深夜の高速を500-600km大移動するという体育会系のノリになってしまいました。あ、考えてみればGWも同じか。ちなみに往路は深夜割引なので50%オフ、復路は土日にかかったので1000円+近郊区間料金(割引)でした。

というわけで出発です。東北道で行くか常磐+磐越道で行くかの選択ですが、毎度常磐道を選択するTakema。だって東北道は深夜でも(トラックを含めた)通行量が多いのと、結構山越えのくねくね道が多いので疲れるんですよね。常磐道のほうがカーブが緩いのと、今や全線4車線化されたガラガラ磐越道となれば、こりゃ間違いなくこっちの方が疲れませんしね。ちなみに土日の1000円高速の場合も、常磐道の場合はちょっと走ればすぐに大都市圏除外区間が終わるのが嬉しいところでもあります。

というわけで日立中央PAで小休止、磐越道に入って阿武隈高原SAで仮眠の大休止といたしました。もちろん深夜なのでかなりガラガラなのは当然ですが、トイレに向かうと、ふと頭上にかわいらしい皆さんが。

「頭上注意 ツバメの巣」という掲示とともに三角コーンが置かれているので上を見てみると‥おお、巣は見あたりませんでしたが巣立ちしたと思われるツバメのご一家が就寝中でした。両サイドにそれぞれ離れているのが親なのかな。そして子供たちはといえば‥はい、右上画像にマウスオンしてくださいね。

ちなみにこの場所はかなりうるさいんです。ご存じの方も多いでしょうが、東北道のSAPAのトイレ周辺では音声による道路情報がエンドレスで流されており(あまり南の方はない気もしますが)、渋滞や工事がなくても「順調に流れています」とひたすら繰り返しています。そのスピーカーが右上画像の男女別マークの間にありますからね。いくら外敵から安全とはいっても、耳の方は大丈夫なんですかねツバメ君たち?

ここを出発して東北道と合流し、やっぱりくねくねの道を頑張る大型車と共存しながら北上していきます。古い高速道路規格で作られていますからしょうがないんですが、仙台の手前あたりが自分としては好きじゃないんですよね。常磐道が北上して仙台とつながるのは‥平成26年かぁ。まだしばらくはナニですが、23年に相馬まで開通すれば、GWなどは一旦降りて24km下道を走り、また山元IC(仙台東部道路)に乗った方が早いかなという気がしますね。その頃に1000円高速というシステムがあり続けるのかどうかはわかりませんが。

長者原SAでちょっと早めの給油&仮眠Part2、紫波SAではちょうど軽食コーナーが開いたので朝食休憩。高速を降りたらこの時間に開いているお店はありませんからね。朝食の憂いを除いた上で盛岡ICで降り、R46を秋田方面へ向かいます。



当然高速上での日の出でした。で、「石塚旅館」へ。

国見温泉。あのお湯の色は一度見たら忘れられませんよね。硫黄成分も濃厚で「入浴後は皆さん硫黄臭を大発散」モードとなるんですが、そのことを実は本人のみ気づかないというパブロフの犬、いや違った蛇の道は蛇、いやこれも何だかだいぶ違うなぁ。要は王様の耳はロバの耳、いやこれは絶対違うぞ、今思いついたんだけれど「裸の王様」って言いたかったんです(汗笑)。というわけで慣用句ことわざ編はこれにてオシマイ。

ちなみに国見温泉石塚旅館の公式サイトには日帰り入浴の時間が「午前10時から」としか書かれていませんが、確か入口の掲示には平日と週末とでスタート時間が違うというようなことが書かれていたような気がします。メモが残っていないので何ともいえませんが、確か平日の方が1時間早かったかな?とにかく、結果オーライで日帰り入浴OK直後の時間に到着したわれわれでありました。

まずは内風呂へ。玄関から途中までは何も変わってはいませんが、浴室方面に曲がってみると‥

前回訪問時は天気も悪かったせいもあり、大浴場界隈には何だか「つげ(義春)のニオイ」をも感じたTakemaでありましたが、この明るい朝日を浴びるピカピカの浴室にはもはやそのような匂いは微塵も残っておりません。うーむいつの間に「ナウなヤングに」迎合するようになっちゃったんだ?(大笑)。

まぁヘタレなネタはともかくとして、一般受けするようになっていたというのは事実です。でも源泉が変わらない以上、あの独特の「国見臭」はもちろん健在でありました。うふふ(わかる人にしかわからない微笑でスミマセン)。では続いて露天風呂に行ってみましょう!



何だか妙にファンシーなロゴの出入口ですが(なぜピンク?)、その先にはやっぱりつげ世界が?でもですね、



くわー、青空とバスクリン色の湯のコントラストがたまりません!



こ、これって最高ランクのお湯ですよ、これを朝風呂にできるとは何たる贅沢!(右上画像マウスオンでおしんこどん画像に変わります)。



浴槽底には御覧のような湯花がたまっています。かき回してみると右画像の通り。ちなみに念のためご注意を(左右画像マウスオン)。

ちなみに、左上画像にマウスオンすると表示される「みそせんべい」画像はもちろん「ご注意」系ではないのですが、

そう感じるのはわたしだけでしょうか(笑)。まぁそんなわけで次へと進みましょ。

さて次はいきなり野湯です。最初に申し上げますが、この場所についての一切の質問には応じられませんのでご容赦下さい。ちなみに自分も迷いました(その件については以下に紹介しますので、ある種の参考にしていただく分には何の問題もございません)。

さて、山道を1hほど歩かねばならないという情報もあれば「いや、30分かからなかったよ」という情報もあり、なかなか悩むところではあります。入口についてもイマイチ不明だったこともあり、どんどん登って「ここから歩くのか?」というところで車を止めました。で、登り始めてみたのですが‥。



という結論に達した次第です。だって1/25000にマークしてきた地形と違うもん。というわけでもう一度下まで降りたわけですが、右上画像をご覧いただければわかる通り、無駄にこれだけ登ってきたわけです‥(苦笑)。

で、このあともう一箇所間違えた末に「ここか?ここなのか?」という雰囲気のところを進んでいくことになりました。早めの朝食&もうお昼になっていたんで、おしんこどんの「お腹が減って動けない」モードに怯えつつ(でも表面的には全然気づかないふりをしつつ)、「よーしたぶんここが入口だから、行くよー!」と一方的に気合いを入れました(笑)。



最初は広い道ですがほんの数分だけ、あとは登山道です。白い土のうが如かれている場所もあります(右上画像)。



だいぶブッシュがかぶっている場所もあります。ふり返ってみるとこんな感じ。スニーカーで来ると泥まみれです。

ちなみにわれわれは北海道ツーリング同様に軽登山靴を履いて行きましたんで特に問題はなし。で、しばらく歩いて行くうちに沢の流床が「温泉、混じってます!」という感じになってきました。そして!



流れる量はそれほどでもありませんが、夏のこの時期にも湯煙を上げているところをみると湯温は結構高い?というわけでその沢を遡ってみたところで「検温」してみると‥

うわー、結構高いですね(苦笑)。ちなみにその他にも先人の方々による源泉パイプ等がありました。でも右上画像の源泉パイプなどは「湯温適正、されど湯船スペース無きに等し」だったりして、無念の涙を飲まずにはいられない世界です。くぅ‥。

再び本流?に戻ってみると、その先には人工的な石積みの上にネットが掛けられ、そこから突き出したパイプからはしっかりとお湯が!

しかしここからの湯は御覧の通り熱すぎます。というわけでさらに上流部に上がってみたわけですが(右上画像)、湯量が少なすぎて「こりゃ土木工事をしても大した見返りは得られまい」と考えて断念。というわけで左上画像の源泉が流れ込む下で「湯を混ぜて」強引に入浴することにしました(もう気づいておられるかも知れませんが右上画像にマウスオンしてください)。

いちおう「入浴」を達成したとはいえ、今一歩煮え切らない思いを持ちながら下り始めます。と、ここでおしんこどんが「往路では気づかなかった」新たな野湯を発見しました!いわく、

おわーお、うおおっ!本流の脇に先人作のしっかり系湯船がありました。おしんこどんお手柄!で、湯船の温度は御覧の通り43.0度。くわー最高の野湯じゃないですか!おまけにすぐ脇からは本流が小滝状に流れ落ちています。もちろん本流ゆえぬるいんですが、この野湯に浸かったあとの「上がり湯」としては最高です(この日は暑かったし)。というわけでそれぞれに!



というように堪能した次第です。いやーここはよかったなぁ。探索が大変でしたが、それを補ってあまりある楽しさ。だから楽しい夫婦野湯♪(笑)。
[戻る] [次へ]