− その3 孫六温泉で湯ったりのんびり −

さてそんなわけで、今宵のお宿は乳頭温泉郷の1つである「孫六温泉」。実はついさっき予約をいれたばかりだったんですが、夕食もまだ間に合うということだったので買い出しに行く必要もなくてよかったヨカッタ。

実はここ孫六温泉の湯にはもう17-18年前に一度だけ入ったことがあります。1泊2日で周辺の山を縦走してきて、乳頭山から下ってくるとここ孫六温泉の脇に出てくるということで、「山の汗をひと流し」したわけです。宿泊したわけではありませんでしたが、ご主人と話しているうちに「これ、持ってけ」と、ちょうど旬の時期を迎えていたタケノコ(ネマガリタケ)を一束いただき、新幹線で家に持って帰ったはいいものの疲れて寝てしまい、深夜に目を覚ましてみたら、母が「かーさんがーよなべーをしてタケノコのかわをむいてたー(全然曲と字数が合ってませんが)」という感じだったことは今でも覚えています。

で、今回は宿泊ということでかなり楽しみ。鶴の湯や黒湯などに比べて鄙び度が高く、また知名度の点からも「空いている」可能性が高いと踏んでの選択でしたが(平日だし)、さーてどんなもんでしょう?

部屋に通されると、冷蔵庫もTVもありません。アンテナ自体は建物の外にありましたからTVがないというのは宿のポリシーというところでしょう。しかしそれとは別に、もう一つ困った問題が。それは‥

「う゛う゛っ」。これは困った、これではバッテリーの充電ができません!‥と、ふと気づけば、部屋の前の廊下には2穴差し込み口のコンセントが1ヶ所あるではありませんか!しかしどなたさまも考えることは同じと見えて、すでに先客の携帯電話が充電進行中なのであります。

こちらはバッテリー*2と、それと携帯電話のバッテリーもだいぶ消耗状態にあるのでした。しかし空き穴はただ1つ。さーてどうする?順繰りに時間をかけてやるしかないのか?でもね(ふふふのフ)、

海外では停電が多くて自由に充電が出来なかったり、自家発電のため充電時間に制限があることも多いです。また国内でも、室内のコンセントのうち1つはTVなどの室内機器に接続されているため、空いているのは1つだけということも多いです。そんな時役に立つのがこれというわけで、われわれにとっては旅の必需品です。



3つの差し込み口+可動式のプラグでかなり重宝してますです。

ちなみに、この製品の正式名称は「コーナータップ3個口」というようです。今初めて知りました。こういう身近な製品って案外その名称を知らないことが多いですよね。トイレの「スポスポするやつ」とかも英名ではプランジャーというらしいですが、「通水カップ」とか「ラバーカップ」とかいう和名も決して市民権を得ているわけではないですし‥。

というわけでセットを完了し、心おきなくお風呂に行ってきましょうっと。ここ孫六温泉には「石の湯(混浴)」「唐子の湯(男女別)」のほか、男女別の露天風呂(男性は石の湯と直通、女性は唐子の湯と直通、ただし石の湯は混浴なので勇気のある女性はどちらも入浴可能)、そして男性側露天風呂の一番川寄りには打たせ湯があります。ではではまずは石の湯から順番に!



熱めの湯に身体がしゃっきりします。源泉はすぐ上(どこ?)なのだとか。深めの浴槽底には椅子がわりの台(白)が2つ。



続いて唐子の湯へ。石の湯の隣ですが別源泉です。この日はこちらの湯が多少ぬるめでした。



男性側露天は石の湯のお湯を引いています。2つある湯船、川寄りのほうはかなりぬるめで鮮度もイマイチかな。



左上画像が川寄り側湯船、その奥にあるのが打たせ湯です。湯温はややぬるめでなかなかヨロシイかと。

さてそんなわけで一通りの湯船探訪を終え、しばし宿の前の椅子(兼ザック置き場?)にて涼んでいたら、すでに湯から上がっていたおしんこどんがやってきてひと言。



ちなみに建物の前には源泉池がありましてコップも置かれています。でも入浴禁止です(アツクテハイレナイッテ!)。

ちなみに今は誰も入っていないということなので、おしんこどん同伴の上で女性用露天風呂に潜入!(笑)。何だか男性用露天風呂よりも湯船が川に近くていい風情です(左奥の大岩の手前に見えているのは湯船ではなく川の本流です)。この露天風呂のいったいどこに「すごいモノ」があるのでショーカ?18歳以上のよい子の皆さんだけ下の画像にマウスオンしてみてくださいね。



御覧の通りでございます。あえてコメントはいたしますまい(笑)。

さ、話を現実世界に戻してと(笑)。ちなみに湯上がりにはビールが嬉しいのはもちろんですが、「山の水」も捨てがたいですね。というわけで「おいしい沢水」が引かれてきています。日帰り入浴のお客さんの場合グループ内にはほぼ必ずドライバーさんがいるはずですから、このサービスは嬉しいはず。また同じく日帰り入浴の場合、ここ孫六温泉では屋内の休憩室を用意していないようですが、その代わり屋根付きの縁側が湯上がり休憩場所として利用できるようです。Takemaとしては畳敷きの休憩室よりもこっちの方がよっぽど嬉しいなぁ。今回はもちろん部屋に戻って休憩できましたが、この場所は「喫煙所」として有効利用させていただきました(灰皿あり)。



なお、宿の玄関には時期柄スズムシがリーンリン♪と自然の協奏曲を奏でておりました。

さてそんなわけで夕ごはんであります。場所柄料理に過度の期待はしていなかったんですが‥。



ふむふむ、山の宿の夕食だなと思いつつ乾杯をしたわけです。

少食のTakema&おしんこどんであっても、これなら完食OKだなと思っておりました。しかしですね、このあとおみそ汁が出てくるのは想定していましたが、まさかこんな「大物」が出没するとは!




(右上画像についてはこのあと説明します)

ほぼ2/.3まで食べ終え、「これなら何とか[苦しみなしに]完食できるかも」と思っていた矢先に、左上画像のようなきりたんぽ鍋がぐつぐつと大湯気を立てながら登場しました!しかもこれってそもそも1.5人前くらいあるでしょ!くわー、これは苦難の食事になってしもうた中山!(ちなみに下総中山とはTakemaの最寄り駅の隣の駅です。知らない人はそのままパスしてください。知っている人は、かつてTakemaが「その手は桑名の焼き蛤」とか「恐れ入谷の鬼子母神」に対抗して思いついた「しもうた中山法華経寺」を世に広める運動に積極消極的にご参加下さいませ)。

おまけにこの鍋が登場してしばし、Takemaが目の前の試練に一所懸命六根清浄お山は晴天モードで格闘していたところに、宿の奥さん(若女将)が「産地直送で届いたのでこちらもどうぞ」とナスのおひたしだったか揚げ浸しだったかを追加で持ってきてくださった時点で、Takemaの心は驚天動地意気消沈、いや一番正しい四字熟語は「青息吐息」だったでしょうね。とにかくもう食べられないよぉ!

幸い、きりたんぽ鍋登場の段階だったかで「食べられない分は部屋にお持ちいただいて結構ですからね」という、この規模の宿ならではの心温まるひとことをいただいていたので、結局デザートを含めて3皿ほど「お持ち帰り」させていただいた次第です。ふぅ、よかったぁ。

ところで右上画像はお隣の席のご家族が注文していた「岩魚の骨酒」。この「骨酒専用陶器」はなかなか見られない逸品ですよね。でももっと驚いたのはその中身。右上画像にマウスオンしていただければおわかりかと思いますが‥

しかもかなり身付きのいい岩魚、しかも濃厚な味がしみ出ているし(実は1杯ずつご相伴にあずかりました)、これってもしかして1匹の味じゃないのかも?(ちなみにお値段もそこそこ張るようでしたので)。何はともあれごちそうさまでしたぁ!ちなみに骨酒とは関係ありませんが、このご夫妻のお子さんに対する躾(「身を美しく」なんですよね)にはわれわれ2人とも感心いたしました。かといってお子さん(女の子)が萎縮している雰囲気は全くなく、そんじょそこらのファミレスに出没する家族連れに爪の垢でも煎じて飲ませたいくらいの分別。何だか同席していて嬉しくなりました!

ちなみにご相伴の直後に席にお越しになった男性ですが、ビールをコップに一杯注ぐやいなや、「もしよろしければいかがですか?」と瓶ごとTakemaに勧めてくださいました。あまり急なことで「え、いや、だって‥」くらいのことしか申し上げられませんでしたが、よくよく話を伺ってみるに「ふだんは飲まないしこういう時だってコップ1杯だけ」なのだそうで、要は自分が飲まないし飲めない分をTakemaに最初から勧めてくださったということがよくわかりました。というわけでこの方からもご相伴に‥何だかいただいてばっかり(苦笑)。お仕事で来ているついでに「秘湯」に泊まっておられるのだとか。うらやましいような気もしますが、お話を伺っているうちに「そりゃ大変だなぁ」としみじみ。

なお、この日の宿泊客はわれわれを含め3組6人(うちお子さん1人)でありました。食堂で隣り合わせた皆さんで「全員」だったわけですね。なるほど湯が空いてるはずだぁ(嬉笑)。

さて部屋に戻り、ここまでの撮影データをノートPCに移動しようと起動してみたら‥



ま、まさかとは思いましたが確かに接続してますです(驚)。

われわれの部屋からはかなり電波状況が悪いんですが、一旦つながればロードはかなり早いブロードバンド系です。あとで調べてみたら。ちゃんと「Freespot」に登録されていました。というわけでTakemaは上の方で書いた「縁側」に移動してメールの更新等をした次第です。アンテナは玄関にあるもので。

ただしこちらの宿には一切その旨の案内掲示はありません。その代わりというか秘湯の七箇条として掲示されていたうちの一つに

というのがありました。こちらの宿のスタンスとしては「導入してはいるけれど積極的にアピールはしていない」ということなんでしょうね。拙ページを御覧の方々も「接続は出来るが部屋にはコンセントがない」という状況をご理解いただき、一応「Freespot」のサイトで公開されてはいる場所ですが、無理な接続要望(「部屋を変えてほしい」とか)を出したりすることは厳に慎むようよろしくお願いいたします。どうせ持参するのはノートPCかネットブックのはずなので、部屋で駄目なら自分が移動すればすむはずです。もちろん一番大切なのは「ネットにはまらず湯っくりしましょ」という場所なので本末転倒はだめよ。

さて翌日はさらに北上します。事前のアバウト予定ではまさかここまで北上するつもりはなかったんだけれど(笑)。
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