− その1 まずはいわき湯本温泉に(何と)初入湯! −



寒いときこそお風呂お風呂♪

(2010年1月9日-11日)

この連休は、それこそ数ヶ月も前から「是非お出かけしよう」と目を付けていました。お正月の次の週ですから、年末年始に帰省や旅行をした人の多くは「この休みは家でゆっくりしよう‥」と思うのではないか、したがって人出も少なく結構快適に旅行できるのではないかと考えていたからです。

ただしそのように考えてはいたものの「どこに行くか」まで詳細を詰めていたわけではありません。ただ漠然と「新しいスタッドレスタイヤに替えたばかりだし、せっかくなら雪のあるところがいいなぁ、でも近隣にスキー場がないところがいいなぁ」くらいのことを考えていただけで、結局宿に予約を入れたのは出発の2日前だったかな。山形と福島でそれぞれ1泊ずつしてくることに決めました。

今回は「とりあえずお出かけして温泉に浸かれればいいや」くらいののんびり作戦でして、決して「目指せ1日8湯!」とか「ラッセルの苦難も厭わず目指せ山中に湧き出る野湯」とかの「熱い大志」があるわけではなかったので、温泉篤志家の皆さんには特に参考にならないと思いますがご了承を(笑)。

そんなわけで「朝は5時か6時に出発だかんね」と、前夜のうちにおしんこどんに対して高らかに宣言していたTakemaでありましたが、実際に起きたのはもうその時間をとうに回った7時過ぎでありました(笑)。というわけで出発はいつもの出勤時間なのね。

連休初日ですが、ウィンタースポーツとはほとんど縁のない常磐道はガラガラでした。ま、予想はしてましたが。今回の行き先として最初は長野と新潟界隈を考えたりもしたのですが、やはりスキー・スノボ絡みの渋滞が予想される関越道を使いたくなかったのでパスしたわけです(予想通りだいぶ数珠繋ぎになっていたみたいですな)。ということで「1000円高速」の恩恵をいただきながらいわき湯本ICで高速を降ります。このあとまた乗るので今日は「2000円高速+三郷−谷田部750円」になりますが、正規の料金を考えたら屁みたいな額であることに変わりはありませんのでね。

さて、いわき市にはこれまで何度も来ています。周辺の鉱泉にも「塵も積もれば何とやら」でかなり立ち寄ったり宿泊したりしてきました。し、しかぁし実は!

数年前に新築成った「さはこの湯」の前の道だって何度も通っています。が、それでもいまだに入浴経験なしというわけで、今回は「この機会に湯本温泉のお湯を40代半ばのTakemaの肌になじませちゃえ!」(おぞましい図を想像しないでね)という算段なのです。

もっとも「さはこの湯」にはこだわりません(いつも混んでるみたいだし)。宿の湯をいただければそれでよしとは思っていたのですが、下調べを全然してこなかったのでどこにどんな宿があるかは全然わかってません(あとから地図を見ていたら、奥まったところにも結構たくさんの湯宿があるんですね)。というわけでメインロード沿いの「旅館こいと」さんに入浴を御願いすることに。

入浴料はそりゃ「さはこ」に比べれば高いですし(800円/人)、ふだんは「鉄筋コンクリ大規模宿泊施設」には近づかないTakemaなのではありますが、実はこの界隈の宿の中で立ち寄り入浴タイムのスタートが一番早かったことと、出入口に置かれた手書きのボードが気に入ってこちらに決めた次第です。



宿の入口に手書きの案内ボード‥その宿の雰囲気を外からうかがい知る上でいいと思います(張り紙じゃダメよ)。

実は日帰り入浴開始時間の10分前だったんですが、レセプションに「待たせていただいても‥」と申し出たら、清掃が終わっているのを確認した上で「どうぞ、もう入れますのでごゆっくりなさってください」とのお返事をいただきました。やったー、日帰り一番客ということはかなり一番湯貸し切りの可能性が高い?



ん?でも連泊のお客さんが入浴中かも?などと思いつつタイムトンネルを抜けていくのであります(笑)。

入浴棟へは右上画像のようなトンネルを通っていくのがかなり面白い!敷地の関係でいろいろあるんだと思いますが、何だかヒミツの湯に行くような雰囲気バリバリで、宿の外観(ごく普通の湯宿に見えますよね)からは思いもつかない妙なワクワク感が(笑)。ちなみにさりげなく昔の雪橇(ゆきそり)なども置いてあったりしてなかなかヨロシイです。でも、ここいわき界隈は「東北の湘南」といわれるほど温暖で、降雪はあまり(ほとんど)ないという話なんですが?(笑)。

トンネル内にはお湯に関する手書きの張り紙がいくつかあって、それも丁寧な手書きでいい感じです。ちょっと背伸びしたつもりで作った「ワードアートばればれの印刷物」よりこのほうがはるかに好感度は高いです。このあたりはいろんな施設に見習ってほしいところ。ただし大切なのは字がうまいか下手かではなく「丁寧に書くこと」です。これは誰が考えたってわかりますよね。

そんなこんなで浴室棟へ。やったー、男湯は清掃後Takemaが最初のお客のようです!(女湯は先客さんがいたらしい)。



むふふー、だーれもいないもんね貸し切りだもんね♪(だってまだ公式には日帰り入浴スタート前だし)。

浴室に入ると、優しい感じの硫黄臭がほんわり。そう、いわき湯本の湯は硫黄泉なんですよね。でもマイルド系なので万人向きの湯であります。浴室(男湯)はウナギの寝床のように細長く(でも当然浴槽*2も細長いので「同浴者と向かい合ってにらめっこしましょアップップ」になることもなさそうで、これはこれでいいのかも(その分世間話をする機会もなくなりますが)。

2つ並んだ浴槽ですが、あまり温度の違いは感じませんでした。ただし手前(脱衣所側)のほうがお湯の投入量が多かったので、これから午後になるにつれて徐々に温度差が生じてくるのでしょう。また源泉は薄緑に見えていますが、実際はそれほど顕著な色つきはありません。ただし温泉は生き物ですから、もっと緑っぽくなったり白濁したりすることもあるそうです。ちなみに口に含んでみたら硫黄香+うす塩味という感じでした。

ちなみにどこかで聞いた話ですが、このいわき界隈の地下水位はわずかながら上昇を続けているそうで(現在の共同源泉(湯本温泉源泉)も動力揚湯とはいえ源泉の深さはたったの50m)、それによるとこのままいけば数百年後には「地表から湯が湧き出す」ことになるのではないかということでした。うーんまぁその頃生きているはずもないからどうでもいい話なんですけれど、そうなると市内の至る所で野湯がタンノーできるのかなと(そっちの話かい!=自己ツッコミ)。

続いて露天湯です。42度くらいの絶妙適温でした。露天湯に限ったことではないのですが、館内の掲示はみな「ほのぼの系の表現&あえて手書き(たぶん)」のものがほとんどで、好感が持てます(上でも書きましたね)。施設がどんなに新しくても無機質を感じる温泉宿もありますが、こちらは大規模な宿にもかかわらず手作り感を大切になさっているようで、「この宿の湯を選んで正解かな」と思えました。

さて、湯上がり後は至近距離にある温泉神社にお詣りしたあと早めのお昼ご飯にいたしましょというわけです(われわれはまず絶対にお昼の12時前に店に入ります。同じお店でも混雑時とそうでないときとは印象が変わるものですし、それに‥「Takemaは行列に並ぶのが大嫌い」なんです!行列が出来ている店にはまずほとんど行きません)。

で、こいとレセプションの方に「この界隈での美味しい蕎麦屋さん」情報を聞いておきましたので、この日のお昼ご飯は安心!比較的新しいお店だそうですが、しっかり手打ちで味もなかなかだとか。というわけで行ってみましょう!

外観はかなり小洒落た感じで、ある種オーナーの意気込みを感じます(もっとも店内の造作が案外ノーマルだったのは意外でしたが)。引き戸を開けるといきなり電動石臼があって元気に蕎麦を挽いておりました。うん、いろんな意味で大丈夫そうだぞ(笑)。

おしんこどんは天ざる(われわれの定番)、Takemaはこの店お勧めらしい「めとろ蕎麦」(メカブ+とろろ+にしん切り身)をオーダー。

アツアツの海老天を喜ぶおしんこどん、めとろ蕎麦は「絵的にはいまいち」ですが、結構量があるんでびっくり。なお、「そばつゆを多めにかけて召し上がってください」とはオーナー奥様の弁。確かに、最初控えめにかけたそばつゆは皿のどこに隠れちゃったんだろう?」という感じでした。更科系の上品な味わいをタンノーした次第です。

さ、このあとは再び高速に乗って一路山形県を目指します!
[戻る] [次へ]