− その2 「各島停車」で終点の神津島へ到着 −
さて大島到着は早朝の6:00。アナウンスで目を覚ましてデッキへ出てみると、ちょうど岡田港への入港が日の出のタイミングとばっちり同時でありました。一部に雲はありますが今日はいい天気になりそうです。しめしめ。
ちなみにこの船は大島以南の全ての島(利島・新島・式根島・神津島)を各島停船で結んでいるわけですが、大島以外の島々はこの時期しばしば「条件付き運航」、すなわち「港の状態が思わしくなく着岸できないときは目の前まで行っても通過」という運航システムになっています。最初はよく実感していなかったのですが、この先の島々に進むにつれて「その実情」が明らかになってきたわけです(後述)。
それはともかくとして、これら全ての島々ではフェリー入港時にパトカーと警察官とが常に待機する決まりになっているようです。考えてみれば、これらの島々にこっそり密入国(上陸)してくる輩がいるとすれば、このフェリーは国内航路ですからパスポートの提示もなく船に乗り込めてしまえますし、乗り込んでしまえば東京の都心部に堂々と上陸できてしまえるわけですからね。
もちろんそのために警察が待機しているのかどうか本当のところはわかりません。国内における犯罪者の移動に目を光らせているのかも知れません。でもいずれにせよ、威圧的な抑止効果はあっても実際の効果はどれほどあるのかちょいと不明だったりします(笑)。
どこの島でもお巡りさんはのんびりタラップの設置作業を手伝っていましたし、皆さん資料らしきものも持たずに手ぶらでしたからね。
さて大島ではかなりの人が下船し、われわれの個室も家族連れがいなくなって貸し切り状態となりました。よーし、ゆったりと船旅を楽しんじゃおうではありませんか!
部屋の窓からは太平洋が見渡せ(あたりまえだ)、デッキに出てみると時折うねりに乗り上げた時などに上下動がありますが、基本的に許容範囲でしょう。ちなみにこの船(かめりあ丸)にも横揺れ防止のフィンスタビライザーが装着されています(後付けらしいですが)。
デッキにあった気温計を見てみると、目盛りは「10℃」を示していました。まぁ朝一番だしこんなものかなと思ったわけですが、この旅行の後半戦では「この日の温度がどんなに快適なレベルであったか」を思い知らされたわけなのでありますね(笑)。
この航路の中でも一番着岸率が低いといわれる利島にも入港し(左上画像)、続いて新島に入港です。ん?ここではやたらに警察関係者の姿が多いんですが?出港時には皆さんが見送りをしていたわけで(右上画像マウスオン)、なるほどちょうど年度末だし人事異動で同僚の方々が島を離れるわけですね。ん?しかし?
次の赴任先が式根島か神津島なのかな?としばらく思っていましたが、さにあらず。この日は大島到着時まで「利島と新島は条件付き運航」となっていました。結局どちらの島にも入港できたわけなのですが、問題はこの復路便。どうやら復路便はこの両港には立ち寄らずに通過してしまうようなのです。つまり、
という感じで、本来の目的地とは逆方向に向かう便で見送りが行われていたわけですね。うーむ確かに急いでいるときなどこりゃ大変だぁ(もっとも新島には航空便もありますが)。さてその後式根島にも立ち寄ったかめりあ丸は、いよいよ最後の目的地である神津島向けて出航です。
この頃になると眠り姫おしんこどんもしゃっきり起きてました。あと1時間弱で神津島到着です。
このタイミングでようやく気づいたんですが、Aデッキの後方にはこんなステージがあったんですね。
というわけで、この旅行最初の目的地である神津島がその全貌を現しました!かなりゴツイ系の島です。
式根島を出航すると、船内清掃が始まりました。次の神津島がこのフェリーの終着港なのですが、折り返しのための停泊時間はたった30分しかありません(10:00着/10:30発)。よって、一番お客が少なくなるこの区間で折り返しのための船内準備をしてしまうというわけです。それにしてもこの船の使われ方はハードですね。横浜に寄港する土日などは東京竹芝でさえ港に接岸しているのはたったの2時間であとはずーっと動いているわけで、しかも接岸離岸を繰り返す路線ですから船の傷みも早いように思われます。ちなみにこの船は昭和61年就航ということですからもう24年選手、そろそろ新船に入れ替える計画はあるのでしょうかね?
ちなみに小笠原海運(東海汽船が全株の50%を所有する子会社)が現おがさわら丸を高速新造船TSL(テクノスーパーライナー)に入れ替えようとしていた時、現おがさわら丸を東海汽船が購入する計画がありました。しかし原油高騰のあおりを受けて小笠原海運が新船導入を断念した結果、東海汽船の船も更新予定が消滅したというわけです。こちらの会社でTSLを買っちゃうという選択肢はなかったのかな?
さて、神津島に限ったことではないですが、伊豆諸島の各島々には港が東西2箇所ある場合が多いです。波の状態によってどちらの港に着岸するかが「その日になって」決まるわけですが、冬から春先にかけては圧倒的に東側の港が使われることが多いというのは、冬型の気圧配置時に北西の季節風が海上をなめ回すことから考えてもなるほどというところです。先ほどの大島でも東側の岡田港着岸だったしなぁ。
というわけでここ神津島でも西側の神津島港ではなく東側の多幸港に入港となりました。それにしても神津島の東側斜面は崩落が激しく、多幸港のすぐ近くまでが大崩落地帯となっていて何とも圧巻です。地形的に港部分は大丈夫でしょうが、初めて訪問する人間にとってはインパクトありすぎだって(笑)。
しかしなぜかその画像はないままにTakemaの上陸画像でこのページはオシマイなのであります(苦笑)。
さぁって島に無事到着というわけで忙しい一日が始まります。バイクも登山も温泉もっ!
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