神津島、式根島、新島、大島の温泉行脚

− その8 式根島温泉めぐり(1) まずは「無名の湯」(または「山海の湯」)からスタート −

さて無事に民宿「源兵衛」の車に乗せていただいたわれわれです。ここ式根島ではこちらのお宿に2泊してゆっくり式根島観光をタンノーするつもりで、「宿にレンタルバイク&インターネットのフリースポットがある」ということでこちらのお宿を予約していたのであります。しかし宿に向かうその車内にて、奥さんからいきなりのビックリ発言が飛び出しました。それは‥

ゲゲゲっ!夜は墓場で運動会っ!(そりゃ違うか)。計画では2泊の中日である明日に神津島同様バイクを借りて島をぐるルンルン&温泉タンノーのつもりだったのですが、どうもそれは問屋が卸さないどころか「うまく立ち回らないと大変なことになる」、結構ヤバイ状況のようです。というわけで急遽予定を変更し、明日の午前中に「式根島」を脱出することにしました。

ちなみに式根島とお隣(北側)の新島は同じ「新島村」に属しているからか、東海汽船の客船の他に村営船「にしき」が運航しています(所要約10分)。下記のダイヤは2010年3月現在ですが、いろいろ調べてみると「式根島に住む高校生が新島の高校に通うことを前提に組まれているダイヤ」だということなので、出船時刻は今後ともほぼ「不動」であろうと思われます(たぶんね)。
式根島発 新島発
1便  7:40  8:00
2便 11:10 11:30
3便 16:00 16:20

ただし、そういう理由でのダイヤですから、学校の夏休み期間中は第1便の出発が式根島・新島発とも20分繰り下がります(2.3便は変更なし)。

とはいえ船そのものは60tにも満たない小さな連絡船ということでしたから「大型船に比べて荒天に弱いのではないか」と思って質問してみると、あにはからんや欠航の割合は大型客船よりも少ないのだとか。さすが「生活密着路線」というわけですね。

また、これは翌日に聞いた話なのですが、「それでも海が荒れて新島の高校に行かれない場合」「新島から式根島に帰ることができなくなった場合」の高校生の扱いはどうなのかというと、往路欠航の場合は式根島の学校(中学校?)に登校し、FAXで届く課題をこなすことによって出席扱いとするのだとか。それを聞く前は「登校不可能だった日数分、どこかの日に臨時登校させるんじゃないか」と思ってました。休みを減らされるわけじゃなくてヨカッタね式根島の高校生♪

また復路欠航の場合は「そういう場合に備えて宿泊寮なんかがあるんじゃないか?」と想定していたのですが、そうではなくて民宿が臨時の宿泊先になるのだとか。1泊1000円っていうことだったかな。学生にとっては「合法的な外泊」ができるわけで、これはこれで楽しいかも?(もっとも、午後の荒天が予想される場合などは第1便が運航可能であっても「臨時休校」になるのでしょうね)。

そんなわけでお宿に到着。もともとの予定では「この日はのんびりして明日が本腰」のつもりだったのですが、明日の「にしき第2便」で新島に渡ることにしたので「本日これからが唯是決戦」となりました。事前に民宿の場所がよくわかっていなかったのですが、着いてみたら温泉郷(もちろんそんな呼び方などありませんが便宜的に)にほど近いエリアだったのでヨカッタ。というわけで民宿併設のレンタルバイクを借りるでもなく徒歩にて湯めぐり決行です!(ちなみに右上画像にマウスオンすると自転車&スクーターの料金表画像に変わります。計画立案時のご参考まで=親切でしょ。でも周囲12kmという島の規模を考えればちょっと高いですね)。

お宿はかなりキレイで満足。それに宿自体がFreespotになっていてPCのネット接続もOKです(ただしアンテナから遠い部屋だったらしくて接続が切断されるときが多く、安定した接続が欲しいときには玄関ロビーまでPCを持って下りました。ソファーとテーブルがあるので安心)。でもここでネットゲームにはまっているわけにはいきません(特におしんこどん?)。まだ曇り空の今のうちに湯めぐりを完遂しなければ!ということでタオルと水着を握りしめ、行ってきまーす!(実際に握りしめていたわけではありませんが心意気を表したということで)。

と、宿のすぐ近くに昔々の井戸を発見。神津島とは違い高い山がない式根島ですから往時は水の入手に苦労したようですね。今は右上画像のように新島からの海底送水(それもまたすごい話ですが)ということですが、やはり節水の精神を忘れてはならないのは全ての離島に共通する心がけだと思います。

ちょうどお昼だったので最寄りの食堂には人々がどんどん(3人)吸い込まれていきました。「今はまだいいかな、そんなにお腹も空いてないし」ということでこの時はパスしたのですが、その結果昼食を食いっぱぐれました(笑)。まぁそのほぼ向かいにあるスーパーでパンが買えたので問題はありませんでしたが。この時はそうなるとも知らず、どんどんと坂道を下っていきます(右上画像)。

宿の奥さんから教えられた浅瀬に到着です。この浜辺部分の「魚の尾びれ」にあたる部分がどれだけあるかによって干満潮の状況がわかるということでしたが、この時間はどうやら干潮のようですね。偶然とはいえ今から目指す野湯(「山海の湯(仮称)」)は満潮時には入浴不能だそうですので何とも都合がヨロシイです。ご丁寧に「温泉入口」とペイントされているのでここから先は迷うこともありません。

で、陸揚げされた漁船を眺めながら小さなトンネルを越えると「松が下雅湯」があるんですが、ここは後述する地鉈温泉からの引き湯で、干満に関係なく入れる温浴施設なので後回しにすることにして通過。そしてさらに進むと足付温泉へ。地元の女性が足湯をしておられましたが、さらなる湯を目指してとりあえずこちらも通過。



海岸沿いを進んでいくと、Takemaが生まれる前に彫られた石版が置かれていました。47年間、よく流されずに残ってるなー。

そして、もしやもしやあの界隈かと思って進んでいくと(実はそこそこ踏み跡あり)‥その先には!







岩の上から俯瞰するとこんな感じです。

源泉は主に三角形の湯だまりから湧出しており、源泉温度は50度近いかなというところ(宿に温度計を置いてきてしまったので正確には計測できませんでした。残念)。そこからあふれ出した湯が大きな湯だまりで適温になるという感じですが、大きな湯だまりの底からもところどころ湧き出しているので、油断していると「アチチっ!」となりますので念のため。

上にも書いたようにここの湯は満潮時には海の中になってしまいますので、干潮時を狙っていかないと無駄足ということになります。逆に地鉈温泉は干潮時には入れる場所がぐっと限られてしまうようですから、その時の干満状況に応じて入り分けるのがよいでしょう(「松が下雅湯」は引き湯施設なので24時間入浴OK)。

さて、ここの湯だまりの名前ですが、ネット上には「山海の湯」という名称が出たりもしていますが、お隣の足付温泉で文字通り「足湯」を楽しんでおられた女性の方によると「そっちの湯には特に名前がない」ということでした。一部の方により命名された「山海の湯」という名前がひとり歩きをしている感があります。



脱衣場は足付温泉のものを利用できますし、温泉のハシゴも問題なく可能です。



いやはや何ともスバラシイ!なかなか満足いたしました。


「(仮称)山海の湯の全体風景」
ちゃんと湯だまりの底から源泉が湧き出ているのがわかります。色もいい感じですし浴感も濃い食塩泉です。

ただし念のため申し添えれば、この辺りは晩春〜初秋にかけては「フナムシ大巣窟ランド王国共和国」になるのだとか。そのあたりが苦手な方は時期を選びましょうね。ちなみに今回(3月下旬)はその姿を見た記憶はありません。

さて続いてはお隣の足付温泉へ続けて行ってみましょうそうしましょう!足だけじゃなくていろんな箇所を浸けちゃいましょう(笑)。
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