神津島、式根島、新島、大島の温泉行脚

− その13 風雨強まる中、村営船にしきで新島へ、夕食は島寿司で外食(ゼータク) −

明けて翌朝、窓の外は「たたきつける」ほどではないといえ相変わらずの雨模様、しかも時折強めの風が窓ガラスを揺らしています。でもここは島の南側ですから北や西からの風の影響はあまり受けることがないはず。ということは?何だかちょいといやな気持ちになりますが、とりあえず村営船の欠航情報は流れていないらしくまぁ何とかなるでしょう。

朝食は必要にして十分といえるバラエティに富んでいてこれまた満足です。こちらの宿は民宿の本分を心得ているというか過干渉じゃないので居心地は悪くありません。というか特にこの時期はどこの宿も民宿が本業ではないはずで、静かに過ごせたのはいい感じ。ただし部屋にはお湯のポット等がないのが普通なので、共有スペースにあるポットの湯を使いましょう。

ちなみに、カウンターの左上にある「ふた昔前のコードレス子機&充電器」(右上画像)のようなものは何なのか聞いてみたら、電動アシスト自転車のバッテリーなんだそうです。ふーんこんなバッテリーが付いてるんだと妙に納得した次第。そういえばこの源兵衛さんでは自転車のレンタルもしていたっけ。坂が多いから電動系は重宝しそうですね。

ロビーの壁にはチェックアウト時間が書かれていましたが、この日の宿泊はわれわれのみということもあり村営船の出発直前まで使っていいという許可をいただきました。もちろん港までの送迎付きです。さすがオフシーズン、ありがたい。

というわけでいざ切符を購入した上で船へ。それにしても420円かぁ、安いよなぁ(もっとも乗るのは約10分ですが)。通学する高校生は定期があってもっと安いはずだけどいったいいくらくらいなんだろう?村民の学生だしさぞかし安いのではないでしょうか?(余計な詮索)。

ちなみに村営船にしきが停泊している場所は港の中ですし、すぐ脇には高い防波堤があって雨と風をさえぎってくれているのですが、昨日かめりあ丸が到着した側はかなりの強風雨と白波どんぶらこの世界でありました。こりゃ揺れるだろうなー、式根島の高校生たちも毎日大変だよなー(もちろん静止画なので状況はわからないと思いますが、村営船自体も停泊固定されていても結構揺れてました)。ちなみに両画像ともマウスオンで別画像に変わります。

早めに到着したので船内にはほとんどお客さんの姿はなし。乗り込んだすぐの場所は広くなっていて、荷物置き場を兼ねているようです。あとで知ったことですが、新島や式根島で借りたレンタサイクルはこの船でそれぞれ隣の島に持ち込めるそうです。どちらの島も港の直近にはレンタサイクル屋さんなどありませんからこれはかなり便利かも知れません(ただしレンタルバイクは不可だろうと思いますので念のため=ただし要確認、04992-5-0240=新島村役場総務課)。

船の前部は椅子席になっていて、横3列*2*縦‥これってかなりの収容人数ですよね。しかしわれわれは来たるべき揺れに怯えてこの椅子に座らず「安全策」を選ぶことにしました。



「船酔いを避けるためにはできるだけ船の床に身体の接地面積を増やして横になる方がいい」という話を聞いたことがあります。また、「船の前部は波を越えるごとに大きく上下動するので中央部から後部に乗る方がいい」というのは、誰かから聞いたわけではありませんがその昔NZのスチュワート島に行ったとき何も知らず大荒れの漁船+αサイズの連絡船の一番前に乗って痛い思いをして以来、ある種Takemaの「船に乗るときの座右の銘」となっておりまして、源兵衛の関係者さんが「後部には横になれる場所があるからそこがいいかもしれませんね」とお話し下さったとき、

と、固く心に誓っていたのであります。いやそれも船に乗り込む数分前のお話なんですけれどね(説得力ないなー)。

しかし、防波堤の外に出たあとの村営船にしきは元気よく結構な勢いで走り出しました。しかも、思ったほど「鬼のような上下左右の揺れがない?」。うーむ、さすが2009年4月に導入された新造船というだけのことはあるというか、そもそもまだそこまで海は荒れていなかったってことか?(笑)。
「村営船にしきの船窓から」
この和室には液晶TVも設置されていましたが、先客さんが横になっていたので電源オンはパスしました。こんな時ってTVはどう映るんだろう。

というわけで船酔いする暇もなく結構あっけなく到着してしまった新島港でありました(ただし東海汽船の港とは少し離れていますので念のため)。港には昨日予約した「民宿植林(うえりん)」の奥さんが迎えに来て下さっておりました。

宿へ向かう車内では予定より1日早く新島に入ったこと、明日は島内の別の宿を予約してあることなどをお伝えしました。すると奥さんからは、「じゃ、明日はその宿までお送りしましょう」との有難いお言葉が。助かりますなぁ(しかし実はそれぞれの宿が十分に徒歩圏内であることがあとから判明しました(苦笑))。

さて、この日は「たまには宿の夕食じゃなくて外食するのもいいかな」と考えていたのですが、それを聞いた奥さん、「では、今日は雨ですし、お店への往復とも車でお送りしますよ」と、あまりにも助かりまくりのドンブラコ的親切なお言葉までいただいてしまいました。ありがたやー。

ところでこの日は宿に着く前に昼食としてパンを買っていくことにしていました。というわけで「何だかおいしいパン屋さんがあるらしいですね」と話を振ると「よくご存じですね!」というわけでこれまた立ち寄ってもらえることになりました(何とも厚かましい客であると同時に、全ての申し出を受け入れてくださる奥さんのホスピタリティに大感謝であります)。

左上画像がそのパン屋さんである「かじやベーカリー」。出来たてのもちもちパンが並べられていて、お店の前にはテーブルや椅子も並べられているのでそこで食べることもできます。この日は相変わらずの雨なのでお部屋でゆっくり食べましょというわけでいざお宿へ。

さて、その民宿うえりんさんなのですが、建物自体は新しくはないものの清掃が行き届いており気持ちいいです(おしんこどんいわく、「今回泊まった中で一番掃除が行き届いていたのがこの宿だった」ということでした。しかし肝心のお宿写真、雨が降っていたこともあり全然撮らなかったんですね。撮ったのはといえば右上画像の浴室画像のみ。うーん大失敗だぞ(笑)。というわけで宿の雰囲気についてはは少し上にある公式ページへのリンクをクリックしてくださいませ。

さてそんなわけでパンを食べたりネットに接続したりしながら(こちらの宿もFreespot、ただし部屋の位置の関係か接続状況はあまりかんばしくなかったですが)、すでにさっさと敷いた布団でゴロゴロ。外は昨日見た予報の通り雨風ともにさっきより強くなってきており、早めに移動が終わっていてよかったヨカッタ。

奥さんに「お寿司のおいしいところを教えてください」とお聞きすると、3軒ほど候補を挙げて下さいました。それぞれのお店の特徴を聞いたうえで「じゃ、そこかな」と決めたわけですが、ガイドブックを見てみたらちゃんと紹介されてました(「まると寿司」)。奥さんが電話をかけて予約して下さったのでこれで全て安心。しかしこの日はまぁ完全に「他人の親切におんぶにだっこ丸出し旅行」ですな(汗)。

店の前に暖簾が出ていなかったのですが、うえりんの奥さんが案内して下さったので問題なし。それにしても、われわれが入店したあとも暖簾が掛けられた形跡はなかったぞ。雨で暖簾が濡れるのを嫌ったのか、それとももしかして「今日は休業、でも予約のわれわれだけは受け入れて営業」ということだったのか?ちょっと謎です(ちなみにこのお店、外見だけ見るとお寿司屋さんには全く見えないんです)。あ、右上画像をよく見ると暖簾がちらりと見えてますね。

まずはどーんと島焼酎、その名も「嶋自慢」をいただきます!

ここで食べたかったのは「島寿司」。醤油ベースのタレを地魚のネタに塗った(または漬け込んだ)のが特徴です。ちなみにひときわ大きな白いネタはアオリイカ(左上画像マウスオンで別画像に変わります)。結構高級食材なんだとか。

また、お寿司が出てくる前におつまみとして出されたのが「ツワブキの佃煮」(右上画像マウスオン)。ご主人に「ふつうのやつとピリ辛とどっちがいい?」と聞かれ、迷うことなく「ピリ辛を!」とお願いしました。うん、結構(いやかなり)イケル!今調べてみたら、ツワブキは普通のフキに比べて香りが強いそうで、なかなか「通の食材」なのかもしれません。

お寿司をおいしくいただいたあとにはデザートとして2種のスイートポテトが出てきました。こちらもおいしくいただいていた時、ご主人が裏から取ってきたというアシタバを見せてくださいましたが、茎の切断面を見せてもらうと‥(右上画像マウスオン)、

実はこの液にはポリフェノール化合物の一種のカルコンとやらが多量に含まれているらしく、この液を精製したサプリ製品なども市販されているようです。まぁわが家がその製品を購入することはないでしょうが、家の裏庭あたりにアシタバの種でも植え付けてみようかな?

さてそんなわけでこの日はほとんど移動とゴロゴロだけで終わってしまいました。明日の天気はどうなるんでしょう?
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