− その1 まずは一気に北上し、最初の湯「横沢冷泉」へ −

(2010年10月9日−11日)

この体育の日絡みの3連休は、毎年「必ずどこかにお出かけする」ことに決めております。このところお囃子で多忙のおしんこどんもこの連休には予定を入れず協力してくれたわけです。しかし、いかんせん全然計画を立てないまま気がつけばその週を迎えてしまいました。うーん、2003-2005年にかけての北海道行きの時にはお盆明けにはもうヒコーキの予約も入れていたほど用意周到だったんだけれどなぁ、去年今年はついつい後回しに‥。

しかしそうも言ってはいられません。というわけで「どこ行く?」について急遽真剣に調査検討を重ねた結果、「うむ、佐渡がいいのではないかい?」という結論に達したわけであります。しかし、フェリーの車両枠があたりまえのようにフルブッキングだったので断念せざるを得ず。おしんこどんはかねてよりの「佐渡さどサド行きたい行こうよ行くべし」論者でもありますので、来年の春夏あたりに行ってみようかな?

さてそんなわけで次の候補地選定です。紅葉が始まっているエリアはものすごい混雑が予想されるのでまずは八幡平エリアをパス。八甲田や津軽界隈もやっぱりねというか、そもそも2泊3日で千葉から車で行く距離じゃないですよというわけでパス。となれば毎年GWに行っている秋田南部?うーむ去年のこの連休もその界隈だったしなぁ。Takema未踏のエリアはどこか‥そうだ!

しかもですよ、時々拙掲示板に書き込みをいただいている「関東の釣り師」さんからは以前から「阿武隈エリアの鉱泉宿もいいけれど、北上山地の鉱泉もかなり味があっていいですよ」というアドバイスをいただいていたのでありました!というわけでまずは探訪エリア決定!そしてこの選択はあまりにも正しかったことが旅行中にどんどんわかっていったのでありました。

さてそんなわけで3連休前日の23:00過ぎに千葉県市川市を出発です。3連休前夜とはいえさすがにGW前夜よりは混んでいないだろうと考えて遅めの出発です(GW前夜は20:00頃に出ちゃいますからね)。予想通り常磐−磐越道はガラガラ。とはいえ眠くなってくるのは当然ですし、東北道に合流後のSAやPAはそこそこ混雑していることが予想されたので、郡山JCTすぐ手前の三春PAでまずはちょこっと仮眠。

30分くらい寝たところで(これでも眠気はかなりとれます)再び出発。仙台を越えた先の鶴巣PAで給油&2回目の仮眠タイム。かなり混雑していましたが、たまたまTakemaが駐車した場所の真上の照明が切れていて暗めだったせいもありここでは2時間近く寝たと思います。で、起きたら明るくなっていました。

再度北上し、前沢SAにて朝ごはん。ここのレストランはブランド牛である前沢牛を使ったメニューが評判らしいのですが、7時から開いているレストランは既に満員だし、寝不足の朝一番で前沢牛ステーキでもあるまいということで軽食コーナーへ。いや、レストランも朝は一部のメニューしか運用されていませんから。



そんなわけでおしんこどんは前沢牛塩ラーメン、Takemaは冷麺を朝食としていただきました。

ここからさらに北上して盛岡南ICで高速を降ります。高速料金は‥近郊有料区間料金を合わせて1450円だったかな(1650円だったかも)。いやぁ安いのは嬉しいんですが、自分としてはこの「週末1000円」は早くやめてもらえないかなと。平日割引の拡充+休日は正規料金だっていいんですがね(そうはいかなくてもせめて半額は取らなくちゃ)。とにかく交通集中時の渋滞がかつてにもまして酷いです!そもそも現行の料金制度になる前からTakemaのお出かけパターンは変わっていないですし‥頼むよ民主党、現状だけは勘弁してください(笑)。そんなわけでのっけからテキストてんこ盛りでゴメンナサイ。ここからはR106を宮古方面へと向かいます。

ちなみに「北上&三陸=Takema未踏の地」と書きましたが、本当は2回ほどこのエリアに足を踏み入れたことがあります。だから正しくは「Takemaの温泉未踏の地」と言った方がいいのかも知れません。1回目はTakemaが中1の時に「合宿と偽って東北をめぐった」最初の親不孝旅行の時で(笑)、「盛岡発盛岡行き(盛岡−宮古-釜石−遠野−花巻−盛岡」のループ急行「そとやま」に乗ったんですね。確かその時は花巻駅の待合室で寝たんだっけ?

その次の訪問は自分が大学生の時で、三陸の宮古郊外に滞在しながら旧新里村の民俗調査をおこなったわけですよ。しかし‥さすがに20年以上昔のことでもあり、当時自分が飛び込み訪問した家々は今回それこそ1つも同定できませんでした。

で、まだその手前エリアでの話です。国道の横に平津戸駅があったのでちょいと立ち寄ってみることに。



えー、今は運行本数がこんなに少ないの?かなりびっくり。

手持ちのポケット時刻表(1981年3月発行)で山田線を調べてみると、当時この平津戸駅には下り5本、上り6本の列車が停車していたようです。今や半減の状況にあるようなのですね。沿線人口の減少などいろいろな事情が関係しているのでしょうが、やはり何とも淋しいことではあります。しかし廃止予定とかいう話も聞きませんし、今度は久々に各駅停車で宮古まで行ってみようかな?

そんなこんなで再びR106を宮古方面に向かって進んでいくと、「道の駅 やまびこ館」に到着です。何となくゆべしを購入し、ん?奥には直売所があるようなので見に行ってみましょ。するとそこで売られていたのは!



実はわたしはマツタケというものをお金を出して買ったことがないのではありますが、これってかなり安いんじゃありませんか?上の3パック、左から順に「4500円、6800円、5800円」という価格表示が付いています。今年(2010)はマツタケが不作だという話も聞いていましたが(あとになってこのエリアでは今年大豊作だということを知りました)、とにかくこれは「産地ならではのお買い得価格」なのではないでしょうか?

おしんこどんと「どうする?買っちゃうか?」としばし考えましたが、この日は3連休の初日なので日持ちのことを考えると不安であり断念した次第です(一応発泡スチロール箱を持ってはきたんですが)。

その代わりというか何というか、ビニール袋にどっさり入ったヤマブドウを450円也で購入しました。「あれ、これだってそんなに日持ちしないはず‥?」。ふふふ、これにはあるアイデアがあるのですよフフフのフ(謎笑)。

ちなみにマツタケのパックの横には見慣れない大キノコも売られておりました(右上画像)。見ると「香茸(コウタケ)」と書かれています。今調べてみたら、マツタケほどではないにしろやっぱり結構なお値段のするキノコなんですね。パックされていたため香りがわからなくて残念でした。

さてそんなわけで本日最初の湯処を目指します。この北上山地および三陸海岸エリアには高温泉がなくいずれも冷鉱泉の沸かし湯、しかもその多くが小規模な施設ということもあり情報もそれほど多くはありません。しかしその一方で、

今回下調べしている最中にも「ここは休業」「昨年をもって廃業」「この宿はもはや跡形もない」など、どんどんどんどん入浴可能な鉱泉が減りつつあるのも現実です。ならば行かれるときに行っておかなきゃというわけですね。

これから目指す横沢冷泉「静峰苑」は数年前に経営が変わり、現在はNPO法人「かわい元気社」による運営となっているそうです。そんなわけで車を進めていくと‥

おお、静峰苑の運営するきび畑の脇に、収穫されたきびの実が干されておりました。地産地消プロジェクトということですが、なるほどこういうのは個人経営ではなかなか出来ませんよね。ただ鉱泉を維持管理するだけでなく、どんどん新しい試みを実行していく姿勢が感じられます。

ぐっと近づいて写してみました。どうやら「高きび」という種類のようで、主食用としてだけでなくハンバーグなどの材料としても使われるのだとか(さっき調べて初めて知りましたが)。こちらではどのようにお使いになるのでしょうかね。さてそうこうしているうちに道路が未舗装になり、山の中を進むことしばしで到着です。

かなりの山奥にあるのですが建物は大きく立派です。さっそくお風呂をお願いしようと玄関まで行ってみると「10/11は臨時休業」との張り紙が。うーん今回の旅行を逆回りに巡っていたら入れなかったのねよしよし。また、なるほどさっきのきびは「きびだんご」として使われていることが判明(右上画像マウスオン)。

そんなわけで脱衣場へ。むむ、誰もいません。男性側はこの日一番湯のようでよしよしという気分になって浴室のドアを開けてみると‥

沸かしの鉱泉ですし循環湯になってしまうのは仕方ないんですが、まぁこの臭いはやっぱり嬉しいものではありません。というわけで身体を流したあと入浴と同時に窓をオープン!

お湯そのものはかなりあっさりしていてあまり特徴はありませんが、湯上がりには汗がなかなか引かなかったのでやはりそこそこの成分はあるのでしょう。正式な泉質はわかりませんでしたが、主要成分として「ナトリウムイオン、フッ素イオン、炭酸水素イオン、炭酸イオン」などが含有しているようでした。もしかして温泉法の規定では成分不足なのかもしれません。

浴槽の壁には「地下水」と書かれた蛇口がありますが、これは源泉とは違うようで、源泉は自噴しているそうです。加水はないということですが、お湯がくたびれていない早めの入浴が大吉かもしれませんね。

ではそんなわけで次の鉱泉へと向かいましょう。ここでびっくり系の嬉しい展開となったのであります!
[戻る] [次へ]