− 魅惑のポリバス湯はデロデロのモワモワ、だったら鷹羽の硫黄泉で洗い流しましょ −



「入ると美しく光る」というキャッチコピーが泣かせますが、ここに入る人っているのでしょうか!(笑)。

(2010年8月26.27日 その2)
そんなわけで「さーてこのあたりだよな?」と思いつつキョロキョロしながら進んでいくと‥おおっ!上のような看板とポリバスを発見しました。道のすぐ脇とはいえ、肝心のポリバスは一段下がったところにありますから、車の止め方を工夫すればあまり目立たないかもしれません(何をするのに?=苦笑)。いやしかし、こんなところにぽつねんと車を止めていたら「こんなところに車を止めて、ドライバーは何やってるんだろ?」とキョロキョロするかも知れませんから同じかもしれませんね(笑)。

ちなみに秋口のこの時期は一部に草が伸びて目隠しとなってくれます。夏前だと南下してくる車から丸見えかと思いますのでご注意下さい(大切なアドバイスでしょ)。

道路側には古くからある看板がかなり色落ちした状態で設置されていました。ここの源泉を「鼻毛の池温泉」という名前で紹介しているサイトもありますが、「観音清水・鼻毛の池・温泉」という記述はあくまでこの地区の名所を並べただけのようでありこれを正式名称とするのはどうかなと思いました。地名からして「うしがはな温泉」 、またはもう一枚の木の看板にあった「ほたるの雫鉱泉」と呼ぶのがいいのかなと思いました(別にケンカを売っているわけではありませんので念のため)。なお「温泉いらんかエ」とありますが、源泉温度は19度ほどですのでやはり「鉱泉湧く里牛ヶ鼻」とある木の看板のほうがしっくりします。

ちなみに周辺にはそこそこ硫黄臭が立ちこめており、源泉がただ者ではないことは明らかです。しかしこの温度かぁ、入ってみるにはさすがに冷たいよなぁということでとりあえず手湯にて逡巡(右上画像マウスオン)をしている時、ん?という動きをする車が一台。

首都圏方面ナンバーの車がバックしてTakema車の後ろにて停車。中から降りてきた1人の男性‥これはもしかして「同好の士」?(笑)。果たしてその通りで、この場所がなかなか見つからず集落内をあちこちうろうろなさっていたのだとか。何もない道路脇に県外(習志野)ナンバーのTakema車が止まっていれば「ん?何だこいつ?もしや?」とお思いになるのも当然ですね(笑)。

と、そんなこんなを話しているうちに(さっき会ったばっかりなのに)何だか旧知の間柄のように思えるのが不思議です。まぁでも、わざわざここのポリバス源泉を探しに関東南部から来るくらいですから、相当「濃い御方」であるのは当然ですね。ん?ということはTakemaもそう見られていたのか?(大笑)。

なおこの方は所謂「こういう源泉」を中心に回っておられるようで、「どこそこのポリバス湯(水ですが)は真っ黒ですよー」とか「あそこにもあるんですよ、ただしアビルマンですが」とかいう情報をお教え下さいました。結局なぜかお名前も聞かずにお別れしてしまったんですが、しまった数少ない湯ぅ友人(今作った造語です。どっかの24時間風呂をパクったかどうかは定かではありませんがたぶんそうです=貧困ボキャブラTakema)を増やす大チャンスだったのに大失敗(苦笑)。

さてしかし、この方とお話ししているうちに「ある勇気」が湧いてきました。それはもちろん、

という自問自答に始まる「決行に至るべき無意味な勇気」です。そうと決意すれば話は早い、あれよあれよという間に‥



このようなことになっちゃったわけですね(大笑)。

しばらく誰も入っていないと思われるポリバス内には白い糸状の湯花だけでなく、黒っぽい藻もたっぷり付いていて中はヌルヌルです!(苦笑)。「あー、自分ってこういうところで入浴するキャラじゃないはずなのに何で‥」と思ったかどうかはともかくとして(ご判断はお読みの方にお任せします)、いやー外気温が30度を超えているからこうやって入れるけれど春や秋はきついぞ、先日お亡くなりになった先代の二子山親方の名言、

このお言葉をまさに地でいくことになりかねませんのでご注意下さい(笑)。ただしそれと同時に、

という言葉も胸に染みます。これが「努力」なんだと思えば少しは親方にも認めていただけるのかな?(いや実際に生前にお会い&お話しさせていただく機会があったとしても「そういうのを『無駄な努力』っていうんだぞ」とこき下ろされたに違いないですが)。

このあとはささっと着衣の儀を完了し、順番待ちのこの方に入浴をお譲りしましたが、こちらにはおしんこどんもいる関係で「われわれのいる前ではマッパーになりにくいに違いない」(そりゃそうでしょ初対面の女性の前では)ということで、「では、お楽しみ下さい」という感じのお別れの言葉とともにこの場を立ち去ったわれわれでありました。ちなみにワラワラが多かったにもかかわらず身体は案外汚れずに済んだので良かったヨカッタ。



ではまたいつか‥訪れる日は来るのだろうか?(笑)。

さて、今回実は事前にとある湯ぅ友人氏を介し「鷹羽鉱泉におじゃまするのでよろしく御願いします」という連絡をしておりました。「金曜日(この日)の午後、そんなに遅くならない時間におじゃまします」という連絡が湯ぅ友人さんを通して現地に伝わっているはずなのですが、もうすでに某所で(えこじの湯ですね)のんびり過ごしたせいもあり太陽高度は随分下がってきています。しかもまだ先は長いというか、直線距離は大したことがないのにR403は昔ながらのくねくね道ですので時間はたっぷりかかるわけで、睡眠で栄養補給するおしんこどんを横目に見ながら一所懸命に頑張るTakemaなのでありました。

やがて「鷹羽」の文字が看板に出てきました!この界隈は行き止まりの県道ですし、R403の分岐には「こっち曲がると温泉」というような看板は見かけませんでしたから(見落としただけかも or 逆方向から来るとあったのかも)、この界隈に入りこむ普通の旅行者はかなり少ないのではないかと推察されます。

で、いよいよ深山荘と鷹羽鉱泉との分岐までやって来ました(この時点で15:55)。すると「鷹羽営業中」の看板がありほっとしましたが、その横の看板には次のように書かれておりました!

ぬ、ぬわんですとー!あと5分しかないぞ!しかも終了時間まで受け付けるというのは考えにくいし、ここの露天はこれだけ山の中にありながら天気がいい日は日本海まで見渡せる絶景風呂だというのに?となれば、この時点でTakemaができることといえばただ一つしかありません。それは、

いやー踏んだ踏んだ(苦笑)。ちなみにわがフォレスターは無闇に踏み込むとそれだけで燃料計の目盛りが若干下がります。無理な負荷をかけると燃費はものすごく悪くなるようです。ちなみにこの車、すでに105,000kmくらい走ってますがまだ街乗りだけでもリッター10km以上は走ってますし、今のところノートラブルで来てますから「大当たり」なのかと。でもそろそろタイミングベルトは替えなくちゃね。

話がそれました。そんなわけでぐぐんぐんぐんと坂を登っていくと、山の中腹(というか上に近い場所です)に、「何だか斜面から生えているような」建物が見えてきました。「あれかぁ‥」と思うとアクセルペダルを踏む力が自然と緩みました。目的地がわかったことによる安心感からなのですが、しかしすぐにアクセルを再び踏み込み踏み込みっ!だって‥

ちなみに最後の区間はかつてダート路だったらしく、さらに難行苦行を強いられた先人さんが数多くおられたようです。ということは「志半ばにして宿への到達を断念せざるを得なかった」先人たちも多くおられたのでしょうね(笑)。今は最後の区間もコンクリ舗装されていますし、温泉の車も軽自動車で行き来なさっているようです。もっとも登りではアクセルベタ踏みなんでしょうが。やっぱり燃費は悪そうです(笑)。

さて、入浴の御願いをしようとTakemaが母屋に続く階段を上っていくと‥

こちらの宿の飼い犬がTakemaめがけて突進してきました!もしかして「わーい誰か来たぞ、遊んで遊んでっ!」と親愛の情を示しに来たのかも知れませんが、Takemaにとってこれは容易ならざる事態です!というのもTakemaは幼児体験から犬嫌い&犬コワイでありまして、そんなTakemaの内面真理を犬は野性の勘で読み取るのか、おしんこどんに対する態度とTakemaに対する行動態度が違うことが多いんですね。酷い時は理由なく噛まれるんです。パプアニューギニアの標高2700mにある山小屋でも噛まれましたし(その時の模様はこちら)、画像はありませんがカンボジアでも噛まれたことがあります。ちなみに狂犬病の予防接種はしたことがありませんが今のところ大丈夫のようです(発症したら致死率100%なんですが)。

しかしすぐにご主人が現れ、お犬様を引き留めてくださったので一安心、「大丈夫、こいつは何もしないよ、でもコラ、お前は引っ込んでろ!」と強制排除して下さいました(笑)。Takemaに対して全く紳士的な態度で接してくれたお犬様といえば、北海道はYAMANONAKAカムイミンタラキャンプ場の「マッキーくん」ほかごく少数に過ぎなかったような(笑)。でも、そのマッキーくんも数年前に天に召されちゃったんだよなぁ‥(合掌)。

いつものように話が明後日の方向にワープしちゃいましたね(この言い回しからしてTakemaのオヤジ度は120%位のレベルに達しているような気がしますがまぁいいか気にしないっと)。

「露天の準備をしておくから先に内湯に入ってよ」というお言葉に、「よっしゃ露天湯もOKだぁ!」と心の中でガッツポーズ。というわけで母屋に入っていくと‥



うーんいいですねぇ山里の夏日本の夏、この部屋でゆっくりしてみたい。

山上の温泉ですから部屋からだって大展望が望めます。ただし残念なことに現在ここ鷹羽鉱泉は宿泊利用の受付をしておりません。晴れた日は日本海まで見渡せる場所にあるわけですから夜景も‥いやはるか遠くに見えるだけでしょうか。

さてしかし、はるか山上&ホントに周囲に何もない一軒宿なのですが、ここの源泉はスゴーイ!

源泉の分類は硫化水素泉で、「加熱すると乳白色になる」と書かれておりました(ただ、加熱前源泉のタンクも灰白色に濁っていたようなので「空気に触れると」というのも色変化の一原因なのでしょう)。源泉温度は表示されていませんでしたがネット上の先達さまの記録によると14度くらいなのだとか(計り忘れた)。

そんなわけで男女別の脱衣場から男湯(内湯浴室は混浴ではありません)に入ってみると‥



加熱かけ流しの湯が浴槽からじわじわとオーバーフローしており、いとも素晴らしき山の湯なのであります!しかし‥あれ?源泉はどこから?と思ったら、女湯のおしんこどんから「湯口はこっちにあるよー」とのことでした。日によって男女の浴室は変わるのかも知れませんが、少なくともこの日はこの配置でした。

ちなみに男女別の浴室とはいえ、かつては浴室内で行き来出来たような痕跡がはっきりと‥この、完全恒久的ではない仕切り壁は何だか謎でしたがこれはこれでいいのでしょう。ちなみににごり湯ゆえ湯面下部には格子状?の仕切りがあるだけでした。源泉投入が片側からなのですから「そうでなくてはリンダも男性諸氏もぬるくて困っちゃう♪」というところです(意味ないなー)。

とにかく、この界隈における硫化水素泉系の湯は確かに珍しいです。ただし硫黄系の泉質を持つ某有名N温泉郷まではここから直線距離にすればそう大した距離もありません。しかしいかんせんN温泉方面側に下る道路は存在していませんし、しかもあちらは谷あいこちらは山上というわけですから、とにかくここで「どん詰まりの山の湯」を味わう気分は最高というわけですね。

ん?今気づいたのですが女湯側(右上画像)の湯口界隈が何だか不思議?(実は右上画像は僅かなすき間から防水カメラを受け渡しして撮ったものです)。湯口から注がれている加熱新鮮湯は明らかに濁っているのですが、、その脇あたりはかなり透明度の高い湯ですよね、しかしその湯がゆっくりと移動してくる男湯は(湯に浸かる前に撮ったページトップの画像の通り)全面的に濁っています。洗い場に湯が溜まっているように見えるのはあくまでオーバーフローで、浴室の入口界隈のタイルはすっかり乾いていましたからしばらく先客さんがいなかったことは確かです。どういうことなんだろう?

この種明かしはこのあと露天に移動するところにあった源泉タンクのあたりでご主人が説明してくれました。



建物と露天との間に置かれている源泉タンク。ここに入りたいという方もおられるような‥(もちろん無許可不可、でもは許可されないでしょ!)。

このページの上の方に書いた「加熱すると乳白濁りになる」という掲示は、乳白というよりは灰白という感じですが女性内湯の湯口を見れば納得できますが‥。ここでご主人が説明を。

ほほーなるほど。確かに上の画像の源泉タンクに注がれる源泉はまさに透明のように見えますが、でも加熱前のこのタンク内源泉はなぜか灰白色だったんですが‥源泉に関するいろんな自然系アプローチがあるんでしょう(要はよくわかってないです)。

そんなわけでこの後は露天風呂へ。この日は平日でお客さんも少なかったでしょうし、溜め湯に加熱源泉を追加したのかも知れませんが確かにこちらは透明度が高かったです。



確かに透明度が高い湯になっていました。ちなみにホースは加熱用のものがほとんどでしたが、なぜか「ぬるい湯」が出ているモノも。



脱衣場は2ヶ所(男女別に)別れています。でも湯がためられているのは1つなので混浴(壁の奥にもう1つ小湯船がある)。

いやーっ、気持ちいいし景色はいいしでサイコーなのですが、汗が引きませーん!というか入っているうちから顔から玉の汗が噴き出す始末、やっぱり夏の湯めぐりはいろんな意味でたまりませんわ(苦笑)。



というわけで湯上がり後もしばしボーゼンと佇むおしんこどんの図。山また山の中ですなぁ。

そんなわけでアンニュイな気だるさをにおわせる夏の午後の時間が流れていったのでありました。最後に入浴料金をお支払いしてこの日の温泉めぐりはたった2つで終了です。

というわけであとは帰宅するだけなのですが、実はこの日は昼食をとりそこねておりました(えこじの湯でスイカと桃はいただきましたが)。最初はここ鷹羽鉱泉のあと松之山を経由して津南に出て、清津峡で峠を越えて塩沢石打ICへという行動予定だったんですが、津南までは国道とはいえほとんどが1-1.5車線のクネクネ道であることが予想されますし、夕食の取れるお店もほとんど期待できません。というわけで(松之山付近での入浴も断念して)逆に西に向かって妙高市方面に向かうことにしました。お蕎麦でもいいですし、海にも近いから海鮮丼でもまたよし、新井の市内を探せばいい感じのお店が見つかるんじゃないかと期待して‥

しかしそれは見事なまでに期待はずれ。(旧)新井市街をうろうろうろっとしてみても、ラーメン屋と寿司屋くらいしか見あたらないのです。「ありゃー、今日はこのまま食いっぱぐれて高速のSAとかでイマイチ飯に甘んじるしかないのかな?」とも思いましたが、何だかそれは余りに悲しいぞということですぐには高速に乗らず、それに沿って走るR18を南下していくことにしました。この時点でもうすでに18:00近く。

しかしこの道はバイパスなのでそもそも人家が少ない!あちゃーしょうがないなーと思いつつ漫然と進んでいくと、おしんこどん!

見ると確かに日本家屋系の建物が!というわけですぐさまUターンしていざお店へ!お店の名前は「文ざ」。今ネットで調べてみたらずいぶん昔からあるお店のようですが、近年になってリニューアルしたのか外見も内部もかなり小綺麗なお店でした。しかしそれだけじゃありません。メニューを見てびっくり!



2人ともそのセットを注文したのはいうまでもありません。お蕎麦もしっかり手打ちですし、驚くべきは海鮮丼!ご飯少なめのミニ丼なのに、その上には確か10種類くらいの海幸が勢揃いしておりました。しかもしっかり美味しい!いやー市内のチェーン系ラーメン屋で妥協しなくてヨカッタ(笑)。2人して「ウマイ美味しい」を連発しました。お腹も減ってたしね(笑)。

お腹が満足するともう何だか面倒になり、「このまま妙高界隈の宿に素泊まりで泊まっちゃおうか?」という気にもなりましたが(この日は金曜日でしたので飛び込みでも余裕でしょう)、おしんこどんは翌日にいろいろと仕事があるのでこれも断念せざるを得ず。そんなわけで地道に帰ってきたわけでありますね。あー、何だかんだで楽しかったぞ。
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