Kundiawa(クンディアワ)〜Kegsugl(ケグスグル)編

「クンディアワから先はバンビーなグラベルロードだよ」と聞いていたのですが、う〜む確かに結構しんどい道が続きます。助手席に座ったおしんこどんはまぁいいのですが、後部座席はすべて東南アジアでよく見るソンテウ仕様の横向きベンチシートになっていますから、つかまるところも少ないし、それなりにしんどいです。しかも急坂が多く、途中で抜いたPMV'sトラック(PMV=Papua New Guinea Motor Vehicleの略称、要は乗り合いバスなのですが、ローカル路線になると「バス」ではなく「トラックの荷台」ということになるわけです。ラオスなんかと似ていますな)などは、あまりの急坂に一度半分近くのお客をおろし、その上でエンジンをブイブイいわせながら急坂を登っていきます。降りたお客はその坂の頂上までえっちらおっちら歩いて登るわけですから大変です。(しかし、PMVトラックの真実を知ったのはこの数日後のことでした)。

とにかくここは徹底的に道が悪い場所がいくつもありますからある程度覚悟した方がいいでしょうね。特に雨のあとなどは最悪です。ま、さすがランクル、悪路をモノともせずぐんぐんと登っていく様子は信頼感抜群!‥のはずでした(笑)。
毎度おなじみ動画編

「やばそうな橋だってへっちゃらだい!」

橋板が少なくたって、強引に行っちゃいます。

Wmv形式、518KB、11秒
道も半ば?と思われるムンディア村のあたりを走っていたとき、運転手のトーマスさんが「何だか変だ、パワーが上がらない感じだ」というようなことを言い出して車を停めます。うっはぁエンジントラブル?こりゃ暗くなる前に登山ベースのBetty's Lodgeまでたどり着けるのかなぁ」と不安になってきます。少しの間は車内で待っていましたが、そう簡単に直りそうもないのでうちらも車外に出ることにしました。

そうすると、村の人達も「何だ何だ何なんだ」ということでこちらに集まってきます。いつの間にか数十人の大集団になってしまいました。そうなってくると、場所が場所なら「ん?ヤバイ?」的な匂いを感じざるを得ない状況にもなりかねないのですが、ここはPNGでも十分に田舎の村(失礼!)ですからそんな危険はありません。

「皆さんの写真、撮ってもいいですか?」
というわけで、大写真撮影大会の始まり始まりぃ!

左写真  どんどんと集まってくる村人の皆さん。赤ちゃんが可愛かったのだけれど、横を向いちゃいました。
右写真  ここでもやはり子供たちは元気!その一方で、後方ではランクルが白煙を上げてます(笑)。

左写真  デジカメ動画再生画面に見入る子供たち。一番真剣に見ているのは赤ちゃんですな(笑)。
右写真  なぜかずっとニワトリを抱いたままうろうろしている少年と一緒に。なぜ抱いているのかは最後まで謎でした。
毎度おなじみ動画編

「ムンディア村での一こま」

ここを通る外国人といえばMt.Wilhelmへの登山者くらいですが、
登山者とてこの村は通過するだけのはず。そんな村に降り立った
あやしい東洋人のお願いを受け入れてくれてありがとう。
途中で山刀をかざして出てくるおじさんがご愛敬。

Wmv形式、518KB、11秒。

そんなのんきなお客(うちらのことね)を尻目に、ドライバーのトーマスさんとガイドのスティーブンさんは必死にエンジンと格闘しています。しかし、根本的な原因がわからず困っていた頃、助手席に戻ったおしんこどんが「意外な発見」をしたのでした。
「あれ、この車のガソリンってメインタンクとサブタンクの2つがあるんだね。でもって、今はメインが満タン、サブが空。なのに「サブタンクから供給中」のランプがついてるよぉ」
確かにそうです。しかしまさかそんな初歩的なミスをするはずがないだろう?と信じ込んでいたTakemaは「そりゃそうだけどさぁ」と妙に食い下がります。しかし、運転席に戻ってきたトーマスさんにおしんこどんが「英語で」その事を伝えます。後部からゆえその時の彼の顔は見えなかったのですが、とりあえずおしんこどんの言うとおりに操作してみたら‥

ぬっはぁ、要はただのガス欠だったのね(大笑)。ただし運転手のトーマスさんの顔を立てれば、クンディアワまでのトラブルにより彼も普段乗り慣れた車を運転しているわけではないのですし、PNGのお国柄からいえば職業ドライバーとて普段と違う車に乗れば勝手が違うのはいかんともしがたい所ですからね。いずれにせよ、ムンディア村で村の人と交流を持てたのは楽しかったのです。

このあと、ケグスグルの村まで順調に上がり、そこから登山口にあるBetty's Lodgeまではさらに荒れた道をぐいぐいと登ります(昔の丹沢大倉尾根の大えぐれ登山道のような感じ。え、ご存じない?真ん中に深さ70cmの溝をはさんだ車道を登っていくランクルを想像して頂ければ近いかなぁと)。

そして、夕暮れ迫る18:10、ようやくこの日の目的地であるBetty's Lodgeに到着したTakema一行なのでありました。おっかしいなぁ、もともとの予定なら昼ご飯をここで食べる予定だったのに(爆)。ま、これがPNG陸路移動の現実なんでしょうね(ちなみにこれでも順調な方だとその筋の方に言われましたわ)。

さて、ここBetty's Lodgeは、Mt.Wilhelmを目指す旅行者(登山者?)にとってのゲートウェイとなる山小屋だと思います。個室あり、自家発電による電気と温水シャワーあり(温水シャワーはボイラー熱関係かも)、もちろんベッドと掛け布団もあって、なんとも幸せな宿なのです。しかも、もともとマスの養殖場であったこともあり、夕食にはマス料理が出てきます。かつて訪れた日本人が置いていったのか醤油もありますから、これは嬉しい夕食です(「いつまでも あると思うな 他人の醤油」あ、字余りですな)。

しかぁし、「明日に備えてもう寝ようかな」と思っていたTakemaに、思いがけない災難が降りかかりました!

Betty's Lodge内は禁煙です。ホントは禁煙じゃないのかもしれませんが、礼儀上こういうところでは外に出て煙草を吸うことにしているTakemaなのです。というわけで、誰もいない外(というか外側の廊下)にドアを開けて出てみたら‥

2匹のお犬様に襲われちゃいました(悲)。しかも、大小の犬が足に噛みついてきたぞぉ。こっちも「コノヤロクヌヤロ!」的に対抗したんですが、やっぱりああいう時の対応において「犬は人にまさる」というのが真実、自分は「うっはぁ助けて!」系ですぐさまドアの内側に逃げ込みました。

はぁ、こわかった(真実)。

しかし、犬が噛んできた下半身を見ると‥



あ〜あ、くっそぉ。

ちなみにこの一連の大騒ぎに、宿のかたは飛び出てきて(飼い主だからね)犬を押しとどめた上で「大丈夫か!?」と声をかけて下さいました。ちなみにズボンは破れたけれど出血なし、ついでに今のところガルルゥ系の狂犬病発症気配なし)。しかし、おしんこどんはTakemaの一連の姿を見てとことん笑いこけるばかりだったのでありました。

いつか、仏罰食らわせちゃる!」

何だかバックドロップちゃぶ台返しに遭いそうな気もしないでもないのですが(実はこの数日後にまたもバトル化したのですが、まぁそれはあとのページにて)、そんなわけでこの日の夜も暮れていったのでありました。ここは標高2750m、明日は3500mまで上がります!ま、翌々日に比べれば楽勝です。

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