− その1 Betty's Lodge(2750m)〜Lake Piunde Hut(3550m) −
(標高については多少の誤差があることをご了承下さい)



さぁって、いよいよ出発ですな。

昨晩はお酒も飲まずに安らかに眠りました。その甲斐あってか、起床6:40、朝ご飯もモリモリ、体調は万全。しかし天気は‥あ〜あ、朝から雨が降ってます。というわけで予定より出発を少し遅らせ、Lodgeを出たのは8:40。今日はLake Piunde Hutまで標高差800mだけなので比較的楽な行程です。

ちなみに、この日山に入るのはうちら夫婦の他にオーストリア人のご夫婦が1組。彼らは9週間もの休暇を取り世界半周旅行を始めたばかりなのだとか(う、うらやましすぎるぞ、その長期休暇!)。ちなみに、長期ということで諸費用を切りつめたい彼らの移動手段はもちろん公共交通であるPMV。しかしクンディアワからここケグスグル(Betty's Lodgeのすぐ下の村)までのPMVトラック荷台はやはりトラブル続きだったようで、橋の板敷きを組み直したり、パンクしたり、歩かされたりとまぁ、いろいろなことがあったらしい。でも話を聞いているだけだと「いいなぁ、いろいろな体験ができて‥」と思ってしまうのでありました。楽してるからなぁ、うちら(苦笑)。

さて今日と明日の登山には、もともとのガイドであるスティーブさんの他、山岳ガイドとしてモンドさんがつくことに。さらに途中のPiunde Hutまでは全食料を担ぎ上げる歩荷(ボッカ)おばさん(名前聞くの忘れた)まで動員されたわけなのでした。客2人にガイド2人、歩荷1人の5人体制、しかも我々の荷物(1つにまとめた)はガイドさんが背負ってくれていますから、登山中のうちらは見事にデイパックだけのほぼ空身。

こりゃ大名旅行そのものですっ!というわけで、出発!

Betty's Lodgeからしばらく(2時間強)はうっそうとしたジャングルの中を行きます。傾斜はたいしたことなく、のんびり気分で歩いているのですが、時折木々のはるか上の方から何やら「ダッダッダッダッ」とでも表現すべきなのか、たとえるならば軽機関銃の発射音(直接聞いたことはないけれど)のような音=鳴き声が聞こえてきます。

「あの鳴き声は何?」と聞いてみると、なんとあれが極楽鳥(Bird of Paradise)なのだとか。しかし、木々の枝がじゃまをして姿は見えません。ま、そのうちもっと近くに見えることもあるだろうと思いつつ先を急いだのでしたが、結局「声はすれども姿は見えず」が10回くらい、「遠くを飛んでいく姿を見た」のが1回だけでした。ちょいと(いや、結構)残念ですが、やむを得ませんね。



道の途中にはこんな水場もあります。何だか日本の山みたい。

それにしても、地元の人はみな足が早い!ガイドのペースで歩いていくとへとへとに疲れてしまうので多少ゆっくり気味についていきますが、それでもかなりのハイペースです。標高でいけばもう3000mを越えているわけで、「おいおい、これじゃ高度順応に失敗しちゃうかも‥」とやや不安を感じつつ登っていきます。でもまぁ、空身だから息が上がるほどでもないのが救いですが。
毎度おなじみ動画編(10)
「歩荷おばさん、早い早い!」

平らな道とはいえ、このスピードで、
しかも裸足で登ってましたなぁ。

Wmv形式、473KB、9秒

3000m過ぎからはこんな感じの道を上がっていきます。ここはもう標高3200m付近ですが、
さすがに「南国の高山」、森林限界はまだまだずっと上部になります。


この日の最後はピュンデ湖への急登。滝が見えてくればしめたもの、小屋はもうすぐということになります。滝の上脇の小広い草地で最後の休憩。右写真でおしんこどんが持っているのはモンドさんの山刀。こちらの人達、特に畑仕事や山仕事などに携わる人達は誰もが持ち歩いているこの山刀、切れ味はともかくその大きさはかなりのモノですから、相手を怒らせると怖い?(笑)。

というわけでようやく今日の目的地Lake Piunde Hut(3550m)に到着です。行動時間は何と5回の休憩込み(休みすぎですなぁ)で3時間20分というところでしたから楽勝です。危惧されていた高山病も、到着時には自覚症状もまだまだ軽いもので安心しました。

実はピュンデ湖畔にはハットが2つあります。より湖畔に近い側にあるのはプライベートハットだとかいうことでしたが(確証なし)、通常の登山者が使うのはこちらの小屋。「Afram」と書かれている古い建物はキッチン兼食堂(+ガイドの寝室)になっています。んでもって奥の小屋がお客用の寝室小屋。寝室小屋の内部は大小2部屋に分かれていて、大きなベッドが置かれています。ただし掛け布団はありませんので、もちろん寝袋は必携です。

ちなみに寝室小屋には火の気がありませんから、夜はかなり冷えます。また、何となくすきま風が入りこんでいそうな構造の壁になっていますから、寝袋は多少厚めのものでないとちょっと厳しいかもしれません。この小屋で十分な睡眠がとれるか否かは翌日の行動力に直接関わってきますから、この山を目指そうという方はお気をつけ下さい。

さて、このあとは高度順応お散歩&お食事です。

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