− その2 高度順化を兼ねて、すぐ上のLake Aunde(3650m)へお散歩 −
まずはHutで昼ご飯♪サンドイッチとコーヒー。
ここLake Puinde Hutの標高は3550m(あくまで手持ちの高度計による数値です)。すでに富士山に迫る高度とはいえ、明日はさらに1000mを登らねばなりません。というわけで昼食の後はこの上にあるもう一つの湖、Lake Aundeまで高度順化を兼ねたお散歩に出かけることにしました。というのも高山病の進行を抑えるためには、より高い所まで登ってまた降りるという行動が有効となるからなのです。この段階ではまだ症状は軽いTakemaでしたが(おしんこどんは全然元気そう)、その高度なりの症状が表れてくるのは滞在し始めて数時間後ということでしたので、まだこれは順応した上での症状ではないでしょう。というわけで、元気なうちにより高い高度に身体を慣らしてしまおうというわけなのです。
というわけでだらだらと出発!と思ったら?
山岳ガイドのモンドさんが、手頃な大きさの石を持って湖の落ち口あたりの沢に向かい、手頃な長さの棒で沢の中の岩陰などを突き始めました。ん?何をやり始めたんだ?と思って聞いてみると‥
「いやぁ、トラウトを獲ろうと思いましてね」
聞けば、Betty's Lodgeで養殖しているトラウトの稚魚をかつてこの湖に放流したんだそうで、そのため今やこの湖は大型のレインボートラウトがたくさん生息する場所になったんだとか(確かに、浅い所を悠然と泳ぐトラウトが何匹も見えました)。ついでに、この上のLake Aundeとの間には滝があるため、Lake Aundeには魚が一匹もいないんだとか。ふ〜む、日本でも岩魚をそうやって別の沢に運んだという話を聞いたことがありましたが(確か黒部の方の話だったと思う)、ここでも似たようなことをやってたんですね。しかしそのことよりも強く印象に残ったのは‥
「そんな大型トラウトを捕まえるのに棒キレ1本で立ち向かうとは、さすがPNG人!」
普通なら釣り竿の一本でも用意していてしかるべきなんでしょうが、ニューギニアの人達は棒キレで魚を突くんでしょうかね。何だか見ていてフシギでした。そして釣果は‥0でしたとさ(微笑)。さ、行きましょ。
Lake Piundeの岸辺は草地となっていて、のんびりするには絶好かも。
遠くのほうには、Lake Aundeから流れ落ちる滝が見えています。
毎度おなじみ動画編 |
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その草地を通り抜けたあとは、しばし湖沿いの樹林帯を行くことになります。とはいっても、見ての通りそれほど大きな湖ではないので距離はさほどでもありません。そういえば、こんな花があちらこちらに咲いていたけれど、なんという植物の花なんだろう(聞きそびれた)。
今となっては調べようがないなぁ。
そして、さしたる苦もなく?滝の横に到着です。Lake Piundeとの標高差は100m(3650m)しかありませんが、至近距離ゆえ湖の眺めは良く、晴れていたらもっと絶景だったに違いありません。明日もここを通るわけですから、展望のほうは明日に期待ということにしときましょ。
ちなみにHutは赤矢印のあたりにあります。
さてこのあと、Lake Aundeのほとりに出て記念写真を‥撮り始めたところで急に雨が降り出しました。「あ〜あ、こりゃしょうがないなぁ」と思いつつ、あたふたとHutに戻ることに。天気がよかったらもう少し山の上の方にいったかも知れませんが、予行演習でずぶぬれになるのはまっぴらですからね。そして14:30、Hut到着。その直後、そこまで何とか小康状態を保っていた雨が急激にそのテンションを上げ、怒濤の大雨に!あぶなかったなぁ。
夕食までは完全休息モードという名のお昼寝に入ります。しかし、雨音は「お前らはしゃぎすぎ!」といった具合に屋根を叩き、明らかな安眠妨害状態(笑)。一寝入りうとうとして、気がつけばあれまもう夕食タイムじゃないのさ(18:00)。
料理を前に楽しげなおしんこどんはともかく、私Takemaはスプーン片手に何やってんだ。
さて、夕食終了後はさっさと寝るに限ります。なぜなら明日の起床は「23:30」、ん?明日じゃないぞ、それってまだ今日だぞ!というとんでもない時間なのです。出発は午前1:00ということでしたが、激しい雨は就寝時にもまだ降り続いています。最初「明日は晴れるよ」と自信満々に話していた山岳ガイドのモンドさんも、最後には「1:00現在で雨が降っていたら出発を遅らせよう」なんて非常に現実味溢れる伝達をしていたしなぁ。なお、「明日は原則的にオーストリアパーティと同一行動」ということもこの時に決まったのでしたが、実際のところ、同一行動になったのはほんの数分でした(笑)。
結局寝袋に入ってもなかなか眠れず、寝たのは21:30ころ。おしんこどんは逆に22:00頃まではよく寝ていたが、そこで目覚めてからは眠れなくなったらしい。
次ページではいよいよ頂上アタックです!