− その5 みるみるうちに雪がなくなり‥え?あのお山は?そして太平洋へ −

そんなわけできっちり冷えた道を平湯に上がり、無料化された安房トンネルを通り抜け‥4日目にして再び初日と同じ長野県へ。なーにやってるんでしょうね(笑)。そんなわけで松本平に出てくるとすっかり雪もなくなりました。松本ICから高速に乗って北上‥して更埴JCTまで上がってしまうとまさに振り出しに戻ってしまうので(笑)、さすがに南下します。

岡谷JCTで飯田方面へと右折‥すれば順当なのですが、ここでなぜか左折して東京方面へ。おーい帰省はどうなったんだぁっ!(大笑)。さてJCTからすぐ先の諏訪湖SAでちょっと休憩です。

目指すは諏訪湖SA内にあるハイウェイ温泉!‥ではなくて(ずーっと昔に入浴してますし循環湯だし)、いやここは単なるお手洗い休憩に立ち寄っただけです。しかしこのSAも随分小綺麗になっていてビックリ。最近はあちこちのSAPAが全面大改装してますよね。昔ながらのPAの軽食コーナーの昭和系雰囲気、嫌いじゃないんですけれど‥ま、これも時代の流れですね。関越道寄居PA上りのように「大いなる勘違い施設」にならなければよしとしましょ。

そんなこんなで、次の諏訪ICで高速を降りて‥目指す場所といえば!そう!




(ちなみに「こちら!」に一瞬妙に反応してしまったあなた、さては相当の玄人さんですね(笑)。詳しくは後述。)

ええっと、エリア的には上諏訪温泉ですね。実はこの諏訪エリアもTakemaにとってはほとんど未湯ばかりでありまして、入ったことがあるのは上諏訪の片倉館と下諏訪の菅野温泉、それに郊外に位置する毒沢温泉だけなんです。「休日の中央道利用を極力避けている」Takemaゆえ左門豊作いや違ったさもありなんという感じなんですが(「さも」しか揃ってないゾ)、ここでいよいよ「上諏訪温泉2つ目の湯」となるわけなのです。

場所は見事に住宅街のど真ん中ですし、行き止まり道の途中にある共同湯ですからかなーり行きにくいし見つけにくい!車を停めるのは‥やっぱりあそこしかないですかね(ガラガラだったのでヨカッタ)。

で、上の両画像なんですが何だかかなり歴史を感じさせる佇まいですし、またそれにもかかわらず上部の屋根下などは窓ガラスだらけでかなり採光もよさそうですね。さて、これはいったい何の建物なんでしょうか?

実はこれ、いわゆる世にいうところの「ジモ専」(地元民専用の温泉施設)なのであります。入口には「地区住民以外不可」の掲示がありわれわれ一般人が入ることはできません。上で玄人云々と書いたのも、「ま、まさかこのジモ専に入れたの?」という誤解をしてしまう人は相当ディープな御方であろうと考えたからなんですね。もちろんわれわれには「はるかに敷居の高い」湯ですから最初から目指してもいませんでしたが(笑)。しかし世の中にはこのようなジモ専にも「高度なコミュニケーション能力」等を活用して入っちゃう人がいるわけですからすごいなぁ。

ちなみに、このすぐ裏側の隣の建物もジモ専湯だったところがスゴイです。この界隈は相当の源泉エリアなんですね。しかしわれわれはここからほど近い、ちゃんと一般にも開放されているある湯を目指すのでありました。その名前は‥「大和温泉」。

ごく普通の民家が並ぶ路地を歩いていくと、とあるお宅の勝手口のようにも見える入口に「大和温泉」の文字が。ちなみに注意していないと入口を見逃す可能性が高いです。左上画像の天井照明カバーに書かれている文字は小さいですし、奥にはもう少し大きな表示も見えていますがいかんせん奥過ぎて普通に前を向いて歩いていたら見えませんから(ちなみにこの時Takemaの前を歩いていたおしんこどんはそのまま入口前を通過しちゃってました)。

細い通路を通り抜けていくと中庭に出ます(右上画像)。しかし何だか生活臭がたっぷりあふれてません?(笑)。ちなみに入浴料230円也は、右上画像手前の母屋で支払います(右上画像マウスオンで母屋画像に変わります。冊子の引き戸を開けると料金台があるわけです)。基本的には「台の上に勝手に置いていく」方式で、先客さんの小銭がたくさんあればお釣りも(勝手に)取れるでしょうが、念のためここの湯に行かれる方は小銭を用意しておいてお釣り不要モードでエントリーしましょう。

のれんをくぐって湯小屋に入ってみると‥おお、先客さんがおられなかったのはそりゃまぁ嬉しかったとして、何だか中庭のイメージと違ってとっても整然としてません?(笑)。よけいな物は置かれておらず清掃も行き届いていて好感度高し。右上画像の掲示も何だか妙に味がある字ですし、しかもペラペラ紙を直接画びょうで留めるのではなく、厚手の台紙を吊っていますね。細やかな心遣いが感じられます。

ご覧の通り先客さんはおられなかったので、よぉっしタンノーしちゃうぞっ!



男湯はしばらくどなたも入っていなかったらしくタイルも乾いてました。

細長い浴槽に張られた湯は薄緑色のようにも見えますが、浴槽底のタイル色が映り込んでいるようにも見えます。透明湯ながらうっすら黄色味があるという感じでしょうか。ちあんみに手前側には上がり湯用の湯槽もありますが、なぜかステンレス製の無機質なものでした。同様に浴槽縁もステンレスですが、おそらくは改修して今の感じになったのでしょうね。さて、湯口に目をやると‥これが何だか笑えちゃうんですな。



ここ大和温泉は「退出時に湯水を止める」という入浴規則があるのですが(だから蛇口ホースから湯がほんの僅かちょろちょろ漏れ出ている状態でした)、本来のライオン口の高さからだと投入位置が高すぎるため、いわば「アチチ源泉が跳ねまくる」のを避けるためにこのような仕様にしたんでしょうかね?

それはともかくとして、肝心のお湯は多少ぬるめに感じる適温系で硫黄臭のあるツル感のある湯。ん?何か忘れているような?



左上はまだ源泉投入前ですが‥やっぱり新鮮湯を投入しなければ意味がありません!

おおー、「やさしい硫黄臭」が湯口付近から漂ってきます!これはナカナカよろしいじゃあーりませんか!体感で43.5度くらいになるまで湯を投入し(ちなみに源泉は69.0度とか)、湯浴みを楽しんだTakemaでありました。ちなみにおしんこどんによると女湯はかなりぬるくてびっくりしたそうな。先客さんの加水によるものなのか、それとも湯が「溜め湯状態のままあまりにも長く放置」されていたからからなのかは不明ですが‥。

さて続いて浴室内をキョロキョロしてみると‥

洗面器には手書きで「大和温泉」と書かれていますが、何だか味があっていいですね(これがマジックで書かれた字が消えかけていたりすると「やっつけ」のニオイが濃厚になったりするわけですが)。そして、女湯との仕切りの半透明ガラス壁(全然意識しなかったんですが「透ける」ほどの透明度じゃないような気がします)をよく見ると‥



左はヤマメ、中央はマスかな。そして‥ええ?右上ってシーラカンス?(笑)。ちなみに全て「半身」です(笑)。

全部で10個ほどのカービングが貼られていました。個人所有とはいえごく普通の共同湯である「大和温泉」さんですが、何だかものすごく「こだわり」を感じてしまいました。だってカービングの品って普通は決して安くないんですよ。母屋におられたあの方がデコレートしているのかなぁ?いやぁおみそれしました!

さて、気分良く大和温泉をあとにしたわけですが‥ここに来るまでに驚いたことが1つありました。それは‥



お酒好きの方であれば知らない人はいない、諏訪の銘酒「真澄」。思い起こせば、2000年3月に結婚したTakema&おしんこどん、その結婚披露宴の計画策定時に「ウェディングケーキ入刀はじぇったいやりたくない!」と思っていたTakemaが考えたのが「そうだ、一斗樽の鏡開きでいこう!」と考え(当時は日本酒一辺倒でしたし)、自分の好きなお酒の蔵元に電話をするもなかなかいい返事はもらえず、そんな中、当時行きつけだった酒屋さん(今はなくなってしまいましたが)に相談したら「Takemaさん、真澄の宮坂酒造さんならやってくれると思うよ」というお言葉が。うん、真澄は結構好きだしそれはいい!

というわけで酒屋さん経由でお願いすると、東京事務所の営業マン氏が「やらせて下さい!」(よっしゃ!)。で、前日の搬入はもちろんのこと、「簡単に割れる開けるようなセッティング」まで完璧にしていただき当日はもちろん十二分にタンノー、披露宴はもちろん二次会まで一斗樽を持ち込んでワイワイと楽しんだわけであります。

それ以来、諏訪エリアに来たらだいたいこの宮坂酒造でお酒を購入しているわけですが‥今年は何だかちょっと状況が違いましたね。

あれ、今までの直販売店がなくなってる?(実は最初、「ありゃー売店がなくなっちゃったんだ」と思いながら通過してました。「いや?どうもそうじゃない?」と察知してUターン)。

でもまぁ従業員各氏はもちろんのことトラック&巻き添えになった乗用車の方まで含めて全員無事(怪我はありますが)であったことが何よりですね。もちろんお酒の醸造エリアは無傷だということなのでこれまた安心。よかったですねー。

ということで「帰省対策用?」にこの時期ならではの「あらばしり」を購入。もちろん要冷蔵ですが、この季節柄何とか奈良まで保つかな?とちょっとびくびく。でも奈良到着後に開栓してみたところ問題なくおいしかったです。「ひやおろし」よりは「あらばしり」を好むTakemaが言うのですから根拠はなくとも間違いありません!(開き直り)。

「入浴&お酒購入」というダブル目的を達成したあとは、いよいよ奈良を目指して一直線なのであります。再び諏訪ICから高速に乗ったわけです。し、しかぁし!



何を考えているんでしょうかTakema!せめて再度ほんの少しだけ岡谷JCTまで戻り、中央道を西進すればきちんと名古屋方面に向かうことができるはずなのに?

そんなわけで諏訪南ICはおろか、小淵沢、長坂、須玉、韮崎の各ICをぶっちぎってどんどん東進です。数日前に経度的にはかなり奈良に接近していたはずの氷見にいたはずなのに、ああ、気がつけば中央道の起点である高井戸から120km!で、そのポストを通過したそのすぐ先で‥

しかしこのあたりはもう甲府盆地みたいなもんです。「千葉から奈良に行くのに、一時的には富山まで進みながら気がつけば山梨」、これはもう明らかに「帰省」の概念を逸脱しているとしか言いようがありません!が、Takemaの頭の中では「帰省に名を借りた湯めぐり」という行程ができていたわけですからもはやどうでも構いません(開き直ってますな)。

そんなわけで南アルプス道(正式名称は中部横断道?)の現在の終点である増穂ICから、R52&途中から富士川対岸の県道経由でとにかくひたすらに太平洋をめざして南下していきます!途中身延でちょっと(いやだいぶ)遅い昼食を食べましたが‥いよいよ太平洋側に到着です!

清水ICからいよいよ東名道に乗り、夕方の太陽を正面にしながらここからは一気に西進?です!さすがにここまで楽しんだんだから、東名に乗ったらもう観念して一気に奈良へ?


(でもこの場合「面白さの度合い」で判断するものじゃないと思います)。

ではではこのあとはどこへ行くのでしょうか?お楽しみは次のページにて。
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