− その4 結果オーライでむつ湾横断決定!川内ふれあいの湯断念で脇野沢の湯に一番湯! −

さてそんなわけで4/30、GW2日目の始まりであります。しかし、この日についてはどこをどう回るか、どこに泊まるのかについては何も確定しておりませんでした。というのも、下北半島の先っぽである大間崎をなかなか目指しにくいのはその立地にあるわけで、「大間までは行くも遠いが戻るも遠い」んですよね。初めての下北訪問であればその道中も楽しいといえますが、2度目以降となるとその変化のなさがちょっと退屈だったりして(特にむつ − 野辺地間)、行きはともかくとして帰りはできれば通りたくないなーという気になるのであります。

とはいえ大間からフェリーで北海道に渡っちゃうというのは「別の意味では万々歳大楽毛」ですが(あ、大楽毛は北海道の難読駅名ね)、今回の旅行の趣旨には思いっきり反しちゃいますからパス。何かウマイ方法はないかなーと思って出発数日前にちょっと地図を見ていたら‥

冬期は休航となりますが、この時期はバリバリの2往復!(夏期のお盆前後は3往復に増便されるようです)。ま、それでも本数は少ないですが、津軽半島方面までむつ湾をぐるーりぐるりの一筆書き海岸線たどっちゃうもんねコースよりははるかにヨロシイ!これはいいの見つけたなと思って公式サイトの「本日の運航状況」を見てみたら、そこには‥

と書かれていたのでありました。うーむさすがにおいそれと簡単に安心はできないのね。もし当日も欠航だったりしたらその日は「寄り道を極力減らした悲しき大移動日」と化してしまうわけで、でも上記のような一筆書きは気が進まない‥というわけで、「運航していたら津軽方面へ、欠航だったら仕方ない野辺地まで戻ってそのまま八甲田方面かな」という行動の目途だけ立ててここまでやって来たのです。ちなみに本日はこれまた「全便欠航」だったそうでウーム手強いぞ(笑)。

さて、朝になってフェリー会社に電話を入れてみました。脇野沢の事務所はまだグーグー寝ていたのか反応がありませんでしたが、蟹田に電話してみると、ちょっと元気めのお姉さんの声で「ハイ、今日はダイヤ通り運航します!予約はしていない‥大丈夫、その便は今のところ車両の予約も少ないですから乗れないことはないと思います!」と嬉しいお答えが!よーしよしというわけで本日のご予定は「湯野川温泉発脇野沢・蟹田・竜飛岬経由で津軽のどこか!」というルートに決定いたしました!船の出港は10:50(出港30分前までに到着して下さいと言われた)、湯野川から脇野沢までは40分ということなので(宿のご主人に聞いた)、それではまずは朝湯でも(笑)。朝ごはんのあと8:20にチェックアウトでありました。

ただしあまり早く行っても意味がないので、昨日は全然見なかったこの周辺を散策することに。とはいっても源泉小屋のすぐ脇にある神社(この神社は源泉所有者にあらず)にお詣りし、まだ営業時間前の日帰り入浴施設「濃々園」を見ただけでしたが。源泉小屋を見れば寺島旅館と同一源泉であることはまず明らかなので、9:00の営業時間まで待つことはあっさりパスしました(それに、実は各宿の日帰り入浴の方が入浴料が安いという情報もあり)。

それにしてもこの朝は風が強かった!春とは無縁ともいえそうなほどの風が山から吹き下ろしてきます。湯野川温泉は周囲を山に囲まれた場所にあるので、ここでこんな風は吹くからには海上はさぞや‥脇野沢まで行ってみたら「やっぱり欠航になりました」とか言われないだろうななどとちょっと不安になるくらいでしたからね。で、右上画像が各宿ごとの源泉小屋ですが、何だかとってもシンプル♪特に左奥の小屋なんかは、積雪で屋根はともかく壁あたりが押されて凹んじゃいそうな気がするんですが‥見る限り大丈夫ですね。源泉施設ゆえ一定の熱気があるからなんでしょうか?

なおごく一部の人たちには有名なのが、左上の湯の川観光ホテルの造り。数軒だけからなる小さな温泉地の湯野川温泉にあって唯一の非木造、何とも立派な雰囲気ではあります。しかしいかんせん立地が立地だけに‥こうせざるを得ないわけですね(左上画像マウスオン)。いや、この建築アイデアは何だか好きですよ(ちなみに雰囲気的には扇子の根元にあたる部分がお風呂場であるように思われます)。

そんなわけで湯野川温泉を出発したわれわれですが、実は「微妙な選択」を余儀なくされているのです(「されている」と感じているのはTakemaだけだったはずですが)。とりあえず出港30分前の10:20に港に到着するのを至上命題と考えているわけですが、このエリアで立ち寄りたい共同湯はあと2箇所、上記「ふれあい温泉川内」と脇野沢の「脇野沢温泉浴場」なのであります。しかし、移動時間を考えると出港までにこの2湯とも入るのは時間的にちょっと厳しいかも?(微笑)。

ちなみにこの「ふれあい温泉川内」に到着したのは8:40、営業開始は9:00からですからまだダメなはずなんですが、右上画像では見えていませんが実はこの時点で湯気抜きからはそこそこ湯気が上がっていました。ということは「お風呂はすでにエネルギー充填スタンバイ、行くぞわれらがスーパージェッター♪」(知ってる人の方が少ないだろうな)という感じなのです。となれば、

いやTakemaがそれをやったら360度逆効果なので(要は逆効果*2ってことね)これは是非おしんこどんに‥という御願い指数は結局0%のまま終了しました。だって、外から見える事務所とおぼしき部屋にはだーれもいないんだもん。蛍光灯は点いてましたが、もしかしてあの湯気抜きからの湯気の量からすると案外お掃除中?いや、そうでなくとも館内のいろいろな準備中なのでしょう。

で、ここでTakemaの明晰なPC-8800レベルの頭脳が640KBのDOSメモリを最大限に活用して「今ここで何を為すべきか」の善後策、つまり「あと20分待って入浴、仮に入浴時間を15分として、そのあと40分で港まで、で、車検証を出してチケットを買ったとして、港から脇野沢温泉まではたぶん5分くらいかかる?しかも往復?そこで脇野沢温泉に入るとしたら‥戻ってきたら???」

というわけで「ここであと20分呆けているよりは人生も旅も『前』へ、随分前の明治大学ラグビー部の監督も『前へ』って言ってたぢゃないか!」という、フリーズぎりぎり状態のWindowsPCのタスクマネージャに何とか救いを求め「Ctrl+Alt+Del」*2の祈りを捧げて(二礼二拍手一礼に通じるものがありますな)窮余の一策にすがる作戦に出るしかなくなったわけであります(何言ってんだか不明ですが)。そしてその「窮余の一策」とは?

で、その間誰もいない駐車場でうろうろといろんな角度から温泉施設の画像を撮っているうちに‥タイムアップ(予想通り)。そりゃそうだ、まだオープン時間まで10分はあるもん。というわけで、入りたかったんですが(ここの湯は何だかよろしい感じに紹介されていましたので)今回はパス!ま、下北はまだ寄り道しなきゃいけないところを残してるんで次回への課題ということで。ちなみに恐山は今のところ行く予定がないですが、むつ市中心部(旧むつ市エリア)にもいいお湯があるみたいだし、考えてみれば尻屋崎も行ったことがなかったっけ。でもあそこも風強そうで何だか面倒だなー。

しかしこんなことばかり書いていると「旅行記サイトの面目」にかかわるので(気にしてないくせに)そろそろ先を急ぎましょうね。さてそんなわけで脇野沢を目指します。フェリー乗り場で船車券を手に入れた上で脇野沢温泉へ行くことにいたしましょう。幸い時間も時間なので湯っくり入れそうですんでねなどと考えていたら、浜辺に何か白い塊が転がっているのを見つけて急停車。



さすが東北のそれまた最北というべきか、4月下旬なのにまだここに白鳥がとどまっていたとはビックリしました!あ、えーとですね北海道在住の皆さん、「うちのほうはまだいるよ、いて当たり前だし」とか突っ込まないで下さいませ。それと地元むつ市在住の皆さん、「いや、あいつらはここに住み着いてるんだ、夏だっているよ」とか、いたいけな旅人のメルヘンをぶちこわすような現実をお教え下さらないよう御願いいたします。あ、でもこれってある種の「情報統制」なのかな?(笑)。あ、両画像ともマウスオンで別画像に変わります。カモメがすぐ近くなのにデコイのように一切動じていなかったのはある種立派といえるでしょう

そんなこんなで脇野沢のフェリーターミナルへ到着です。さすがにまだ9:20ということもあり建物内はガラガラです。車の予約をしたら「30分前には待機していて下さい」ということでした。それにしても特に観光路線でもないこの航路が存続しているというのは、生活&経済航路ということなんでしょうか?昨今のいろいろな情勢もあり、今後とも末永く運航を続けてほしいものです。ちなみにここ脇野沢からは、仏ヶ浦から来た観光船が青森港まで運航しています。こちらは旅客専用ですが、観光&生活航路ですね。これからは二足のわらじを履かないと地方の近距離フェリーは厳しそう‥。



でも、これらの航路がなくなってしまったら脇野沢はまさに陸の孤島。頑張れフェリー!

ところでこの旅行とは全然関係がないですが、Takemaは旅行先ではあまり節制しません(豪遊するわけじゃないですが)。今回だって、車両運送の料金(9530円、運転者の乗船料1420円含む)を考えれば陸路の方が安いのは自明の理。でも「せっかくこの地で楽しませてもらうのであれば本当の意味で地元に直接お金を置いていきたい」というのがTakemaのポリシーなんですね。

この発想は他にも例を挙げることができます。たとえばガソリンの給油でも「できるだけセルフではない個人経営っぽいスタンドで入れる」とか、「昼食は絶対にチェーン店ではなく個人営業のお店(ほとんどお蕎麦屋さんですが)で食べる」とか、あとは温泉でも「いわゆる『温泉本』は使わず、正規の日帰り入浴料金を支払う」とか。いや、変なこだわりだとは思うんですが、このほうが中間搾取なく地元にお金が回るのかなぁと思ったりするんです。お土産もローカルな道の駅では結構買いますよ(特におしんこどん)。そのかわりしっかりラベルを見て地元産品&資本かどうかを確認しますが(笑)。

あ、だからといって他の方々がどうだこうだというつもりは毛頭ありませんのでお気になさらずに。ただの勝手なTakemaポリシーとお考え下さい。

さて話を戻して、チケットを手にしたあとは少し離れた(車で10分弱)脇野沢温泉へ向かいます。ここはついこの前建て替えられたらしく、Takemaの某お知り合いの方はちょうどその建て替え工事中に「とあるいい思いを工事関係者さんの苦笑とともに」タンノーなさったそうですが(笑)、今はピカピカの施設になっているはず。朝9:00からの営業ということですから、この時すでに9:30ということは、

という期待が、ムクムクと高校生男子の朝のように一気に湧き上がったのであります(この文章だけは18禁で御願いします(笑))。さてそんなわけでいざ温泉施設まで来てみると‥



というわけでよーろこーびいーさんで建物の引き戸を開け‥開け?あれれ開かないぞ?しばらく「?」な気持ちになりましたが、よく見ると「開館は10:00です」とあるではありませんか!しかし別の掲示には「9:00から」と書かれていますし、先人の記録(旧建物時代)には「9:00から」と書かれていましたよね。しまったつい最近に時間変更がなされたのでしょうか?(あとで調べ直してみたら「9:00」説と「10:00説」が混在していました)。

しかしこうなってくると10:50出港のフェリーとの兼ね合いが気になります。10:20にはFTに着きたいとなるとここをほぼ10分前に=10:10、え、ということは?

まぁこうなったらしょうがないので、すぐ近くにある道の駅「脇野沢リフレッシュセンター鱈(タラ)の里」で時間つぶしをすることにしました。それにしても下北半島のマサカリ部分にある道の駅はとってもこぢんまりとしていていい感じです。押すな押すなの観光地の道の駅はうんざりですが、こういうところではゆっくりできます(観光客が少ないともいう)。というかこの時はゆっくりせざるを得なかったんですけれどね(苦笑)。

そんなわけであと15分というところまで来ました。と、ここで道の駅駐車場をはさんだ向かい側でさっきからずっとフランクフルトを焼いているお店が気になりました。ちなみにわれわれが知る限りお客さんが立ち寄った雰囲気はありませんでしたが‥ちょいとした時間つぶしということもありお店に行ってみました。

おじさんが黙々とフランクフルトを焼いております。聞いてみると桜の炭だったかチップだったかを使って焼いているんだよということでした。ということで1本購入して食べてみると‥


(背景のロゴはいずれ死語入りしそうなのであえて薄字にしました)

プリプリの歯ごたえはまさに絶品!これまた聞けば素材はやっぱり地元産。「だからこういうところで買って食べなきゃ」の証明みたいなものですね。ちなみに温泉について聞いてみると「あそこはいいですよー、自分も毎日入ってますからね」とのことでこれまた心強いお言葉です。というわけで満を持してそろそろ行きますか!

そんなわけで温泉に着いたのは9:53。まだ開店?までには数分ありますが、入口のドアはもう開いていました。奥の方に声を掛けて「もういいですか?」とお聞きすると「うーん(時計を確認)、もういいよ」と、何だか昔のわらべ遊びみたいなやり取りでOKをいただきました。やったーこれまた本日の一番湯をいただいちゃいましょう!
ちなみに今になって考えてみると、「ふれあい温泉川内」の開場(9:00)に一番湯で入ってからこちらの湯にハシゴ湯しても、それぞれ長湯をしなければフェリーには十分間に合いそうですね。ただしかなり駆け足になることだけはご理解下さい。

ただでさえ新施設であるところに、一番湯で乗り込む心地は最高です。浴槽を見ると‥おお、新鮮湯がとうとうとかけ流されております!ちょっとカメラのレンズが曇ったので貸し切りの特権で窓を満開!(まだ虫がいない時期なので安心)。あー、いい感じの湯浴みモードになりました。お湯は予想通り食塩泉系ですが、思ったよりも塩味は濃くありません。そのかわり結構な苦みで健康になれるんだかなれないのか微妙なところです(笑)。夏場は湯上がりがキツイだろうなー(この日だって汗が引かずに驚きました。幸い屋外はそこそこの爽やか春風だったのでOKでしたが)。

お湯は僅かな薄濁り系で、旧施設では「湯花キャッチャー」が設置されていたということですから、この新施設では「手前で湯花除去」が行われていると思われます。また加水もあるのでしょうね。ちなみに源泉等入部の湯温は46.8度、浴槽から流れ出る場所ではご覧のように42.7度でありました。したがってトータルではやや熱めではあります。でもいいのです、こんな湯を貸し切りでまったりといただけるだけで幸せなのです。

浴室からほぼ全面が見える脱衣場には時計が設置されており(ちなみに浴室内から脱衣場全体がほぼ目視できるということで、ここでの盗難事件は明らかに起きにくいと思われます。この造りはGoodです)、時間を見ながら入っていましたが、10:10を過ぎたあたりで「そろそろでしょ」と自覚して湯から上がりました。いやすでにチケットも持っていますし、小規模航路の場合は「30分前集合」がある種の「努力義務」であることは自明なのですが、やっぱり言われたことは守らなきゃというわけです。

そんなわけでこのあとは「初めてのむつ湾横断」です!というか、この航路を使った旅人の記録ってあまり多くない気がするんですが?
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