− その6 せっかく来たんだし青函トンネル見学、でも肝心の竜飛岬は? −

さて津軽半島の最北端といえば言わずもがなの竜飛岬であります。しかしこれまで一度も来たことがなかったのでありますね(中3の頃に三厩の手前まで来たことはありましたが、昔も当時も今も竜飛までは鉄路がありませんでしたから)。

しかしまぁ往年の超有名文学作家の例を出すまでもなくものすごく風が強いです、というか強すぎです。さすが強風で知られる竜飛というところですがさむいよー!というわけで道の駅に入り込んでみたところ、目の前には全く予期せぬ不思議な受付がありました。それは「青函トンネル体験坑道」、へー、竜飛の先端はやっぱり最前線基地だったんですね。しかも!

例えばスーパーのタイムセールとかには一切動じないTakemaでありますが、「滅多に来られない&こんな施設があるのを知らなかった&間もなく発車!」とくれば、これはもうある種の○眠商法のごとき効力を発するこの受付前にて「おしんこどん、行くよ、いいよね?」と、タテマエ上同意を求めながらも実際は有無を言わさぬ展開にて(以前にも書きましたがわたしは旅に関する限り亭主関白です。それ以外の面についてはご想像にお任せしますが(笑))、さっさと切符を購入。実は最後の数枚だったみたいで、ケーブルカーはほぼ満席(さすがGW!というか、ふだんの平日はどんなことになっているんだろう?)。というわけで僅かに残された補助席に着席していざ出発準備OK。



「はいはーい、間もなく出発ですよ」とこちらをじっと見つめる駅員さん。

駅のすぐ脇には、何だか黒部峡谷鉄道の作業員用車両をホーフツとさせる旧車両が「展示」されていたのか予備役として待機していたのかは定かではありませんがとにかくありました。で、いざ進行方向に目をやると‥

実はこれにはわけがありまして、地下から吹き上げる強風をこのゲートというか扉(同じか)でブロックしているわけです。で、お客さんが皆乗り込んだら今度はこのホームの建物のドア等を全て閉塞し風の逃げ場をなくした上で「いざ開門!」となるわけです。だから帰りはその逆に、

なぜこんな面倒なことになっているのかというと、それは「トンネル内常時換気のため」。こちら竜飛と北海道側の吉岡にある斜坑からは3800立方m/分の空気が送り込まれていて、その空気はそれぞれのトンネルの出口から排出されているそうです。だから気圧調整の弁としての隔壁(扉)が必要となるのですね。というわけで、ケーブルカーはいざ地の底、海の底を目指してぐんぐんと高度を下げていきます。



当然ほぼ全員が観光客&初乗車なので、皆さん前方に目を凝らしてますね。かくいう自分もですが。

そうこうしているうちに数分で「体験坑道駅」に到着です。うーん海抜-140mとは自己最低高度到達新記録かもしれないなと一瞬だけ思いましたが、考えてみればまだこの下に青函トンネルが通っているわけですから、「自分の足で降り立った最低高度」という条件付きの記録になるわけです。もっともそんな「記録」に何の意味があるのかないのか、まぁとにかく記録達成ということで(笑)。

さてここからは展示エリアへと向かうわけですが、多くの人々がいっせいに動くので写真を撮るのは至難の業というか、先頭を歩いていないと見学者の列しか撮れません(笑)。案内係の女性は出発前に「わたしより前を歩かないでください」と釘を刺しておりました。好き勝手に歩かれたり、または変なところに入り込んで迷子になっちゃったら困るからでしょうが(あ、あと念のため不審者の警戒ね)。

というわけで先頭を歩きながらの撮影なので結構ブレまくりました(笑)。というわけで途中からは逆に最後部を歩くことにして一件落着です。あーこれでようやく落ち着けるぞ。



こんな感じの照明トンネルの先に記念館?があるわけです。1人だと結構恐いはずです(笑)。



客車の前にいるのは作業員姿の人形です。当時の作業用車や機材などが展示されています。

われわれはこの(左上画像)の通路を通って体験坑道駅へと戻るわけですが、反対側には門扉で閉ざされた工事用通路が続いています。ん?その門扉の奥に2つ並んでいるのは?(右上画像マウスオン)。なるほど、ここ青函トンネルの管理会社であるJR北海道さんは作業員の衛生管理にも気を遣っているようです(でも2つも要らないんじゃないかという気がしないでもないですが)。

なお、さらにその奥には頑丈そうな扉が見えています。調べてみたら、あの扉の奥にはもう1つの扉があり、その先には見学専用の「竜飛海底駅」があるそうです。海底駅の見学の場合、このゲートを通り抜け先ほどのケーブルカーに乗って地上まで出るコースになっているようです。あ、そうか、あの消毒用アルコールは見学者のためにというわけですね。



しかしまぁよくもこんな工事を完成させたものだと改めて実感。ユーロトンネルには青函の技術がたっぷり生かされているそうな。

そんなわけで見学時間も終了し、再びケーブルの駅へと戻り始めます。最後尾を歩いていったのですが(だから左上画像は後ろを振り返って撮ったもの)、ふと気づくとトンネル壁のすぐ下に流水が流れています(右上画像)。これはもちろんトンネル内にしみ出したものが流れているのでしょうが、ここでついつい温泉の癖が出て味見。結果は‥

ちなみに青函トンネル内に湧き出る水の量は1分間に20tあるのだとか。その水をポンプアップして排水しているわけですが、その排水ホースの1つがこのトンネルの天井部分に設置されておりました。



そんなわけで再び地上へと戻ります。案内人のお姉さん、ずーっと地下でのお仕事も大変ですね。



扉が完全に閉まるまでは建物外には出られず待機(左上画像)。完全閉鎖、あれ、もう誰もいません(右上画像)。



地上に出てきたらお腹が減ったので、昆布の若芽を使った「若生(わかおい)おにぎり」を注文。ちょうどよい量でした。

さてこのあとは階段国道と灯台‥というところなのですが、いかんせん風が強い!めっぽう強い!ということで、灯台下の駐車場まできたところで「ま、ちょっと見て帰ればいいや」くらいのつもりだったのですが‥

わたくしTakemaも降り始めたんですが、いかんせんものすごい風なのと、この時着ていたのがフリースだったため一気に体感気温が急降下!こりゃつきあってられんわというわけで早々に退散した次第です。ちなみにしばらくは鼻水が止まりませんでした(笑)。ここで根性がしおたれたため結局灯台にも階段国道にも行くことはなく、いざ竜泊ラインで十三湖を目指します!
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