− その7 十三湖のしじみ汁でほっこりしたあと屏風山温泉へ −

さてそんなわけでまだ鼻をすすりながらも十三湖を目指していきます。Takemaがこの界隈に来るのは初めてなので全く知らなかったんですが、津軽半島の先端部西側には集落がないんですね。というか「この地形のどこに集落を作れっちゅうねん!」という感じで山が海に向けて直接落ち込んでいるからなのでしょう。竜飛〜小泊間の通称「竜泊ライン」が冬期閉鎖なのも宜なるかなというところです。

ところでこの日の強風はかなりものすごかったものの、南下するに従ってだいぶおさまってきました。そんな中数台のバイクが嬉しそうに北上していきましたが、その後彼らの身に幸あれ不幸なかれと祈らずにはいられませんでした(ホントか?)。ちなみに自分なら根性なしだから「急がば回れっていうぢゃないか」とか何とか自己行為を正当化する捨て台詞を残して引き返すこと必定だと思います(大苦笑)。

道の駅小泊に立ち寄ってみると、丸い水槽の中には数杯のイカ様が泳いでおりましたが、今日はともかく(もうお昼時をはるかに回っているので)明日の食堂営業終了時にここでキミたちの泳ぐ姿を見ることはないような気がしたのは気のせいでしょうか。あな恐ろしやGW(笑)。いや、わざわざ見に来たりはしませんけど。

さてそんなわけで十三湖までやってきました。もうこの時点で16:00を回っていたのでお客さんの数はぐっと少なく、われわれを誘う各店の呼び込みの声が何となく寂しげに響きます。で、どのお店でも良かったのですが、「とさや」さんの呼び声に誘われてフラフラと着席。ふるまいのシジミ汁をいただくと、実は小さいながらもしっかりとしたダシが出ていて美味しい!

ちなみに現在の水揚げについて聞いてみると、返ってきた答えは次のようなものでした。

うーむ、ふと何年も前の「危機に瀕する利根シジミ」のことを思い出しちゃいました。目の前の利益を第一に考えて獲りすぎないよう、漁協などで一定の枠を設けているのでしょうが、きっちり管理してほしいものです。というか、マグロもそうですが「いつでも(安く)買えるし食べられる」ということ自体がある種異常な状態だと思うんですが‥。秋田のハタハタのような「期限付き禁漁」が漁業資源の完全枯渇を防いだように、自発的な資源維持のための施策が強く求められると思います(ただし「未来永劫にわたる禁漁」には大反対ですが。どっかの似非自然保護団体が言い出しそうな気がしますので、蟷螂の斧レベルではあっても釘を刺しておかなきゃ)。

さて、別に急ぐわけでもないので中ノ島につながる木造橋を歩いてみることにしました。



歩道橋とありますが、島の施設で働く人たちは車で通っているようです。そりゃそうだ冬の吹雪の中この橋の上を歩くのは地獄絵図(笑)。



ビジターセンターの建物内部をちらりと眺めた上で戻りましたが‥何と正規の手順で本場のシジミ拾いが出来るとは知らなかった!!

というわけで「収穫の喜び」にうちふるえることも出来ずに泣く泣く十三湖をあとにしたわけであります(笑)。あ、そういえば上記の売店で購入したシジミ汁の真空パック、シジミは大きいしおいしかった!ネットで注文してもいいなと思っているくらいです。いやそりゃ新鮮シジミにはかないっこありませんけれどね。そういえば北海道の天塩シジミも一度は現地で食べてみたいなぁ‥。

ここからは広域農道を延々と南下し(曲がるところを間違えてちょっとうろうろしましたが=ナビなし芳一のTakemaですんで)、何とか正規の道に戻り、ローカルのガソリンスタンドでガソリン満タン(こういうところで給油するのは好きです)、さーてあと地図上では屏風山温泉までもう1kmを切ってるぞというところまで来たところで赤信号ストップ。ここでふと脇の建物に目をやると‥

左上画像に「光風自転車商(会)」という文字が見えますが、この裏側に自動車部があって、そこにかつては温泉ファンの皆さんの中で一世を風靡したといわれる?オーナー直営の温泉があったというわけですね。実は数年前にもこの前を通っていたのですが、その時は改築工事中で入浴することができなかったのです。そしてこの時は今日泊まる予定の屏風山温泉(右上画像)もまたスルーしちゃったんですよ。

そのことを思い出した瞬間Takemaの中で今後の湯程が定まりました!すなわち、

という野望というか湯望であります。あ、すでにおしんこどんが爆睡モードに入っていたからそう考えたわけではありません(笑)。

そして屏風山温泉にチェックイン。エントランス付近はこんな感じですが、温泉激戦区だからなのかどうなのか、何だかそれほどの混雑もありません。温泉激戦区ならではのエアポケットというところでしょうか、いずれにしてもGWに当日予約でゆっくり出来るのはありがたいですわ。

妙に高い天井の廊下沿いに部屋が並んでいます。見取り図で見る限り部屋は全8室で、もちろん個室浴槽付きゆえ日中の貸し切り風呂利用も可能というのがこの界隈の宿泊可能な温泉施設のデフォルトであることは言わずもがなの厳然たるAbusoluteな事実なのであります。しかし自分もいつの間にそんなことを知ったんだろう?(笑)。

ちなみに中央廊下の真ん中には共用のレンジやポットがあり省力化が図られていますが、常に補給がなされているようで、「なくなったらハイそれまでよ、もう遅いから朝まで我慢してね」系の部屋置きポットよりよほどいい気がします。

室内にはすでに布団が敷かれ、眠気満々の方にも即応体制は万全です(笑)。もちろんTV・冷蔵庫・トイレは完備で、その上当然のごとく専用浴室(もちろん非ユニットバス)があるというのが嬉しいではありませんか!(「そうかなぁ?」と思われた方はこの先をお読みになる必要はありません。たぶんあなたにとって何の役に立たないであろう無駄情報がどんどん垂れ流されるだけだと思いますので(大笑))。しかし何ともったいないことに!

だってさ、空いている大浴場の方が気持ちいいじゃありませんか!ね、あなたもそうでしょ?そうだと言ってよ!(同意強制)。そんなわけで大浴場に移動です。にょほほ、これまた津軽の「基本浴室」が出迎えてくれました!(画像はさすがに貸し切りを狙って何度か訪問したときのものであり夕刻の混雑時ではありません)。



入口にはのれんが2連かかっておりました。「北の京 木造」ってどういういわれが?今度高見盛関に会ったら聞いてみようっと(うそ)。



さぁて魅惑の浴室が目の前に!はやる心を抑えつつパンツを脱ぎます(なんつーヒネリなし表現でしょ)。そして浴室に入ると‥



と、何だか「温泉文化研究所」の青ちゃんさんのようなコメントになっちゃいました(笑)。でも長年の源泉かけ流しによりすっかり色づいたタイルのグラデーションは、そのまま地域の共同湯としてこの湯がずっと機能してきたことを意味するわけですから、そこに敬意を払わずにはいられません。




(しつこいって!)

ちなみにサウナもあったりするようでしたが、自分はサウナに入ろうと思わないんだよなーということで画像はなしです。というか、湯めぐりの途中にサウナ訪問を組み込んだらそれこそ脱水症状間違いなしですって(笑)。

さてそのあとの夕食なのですが、何と完全外注のケータリングでした!



量はこんなものですが、われわれにとっては適量です(両画像ともマウスオンで別画像に変わります)。

ちなみにわたしとしてはこの方式、賛成です。集客率の高い観光地や高級旅館であるならいざ知らず、少なくともこのあたりではよくある温泉施設に来るお客さんはといえばその勝手具合をよくご存じの近隣の方か、または仕事で中長期滞在の方々が大部分だと思いますし、そうではない旅行者にしても、この宿泊料金に多くを求める人はいないはずですから。

今後宿泊業界はいろいろな意味でより厳しくなっていくことが予想されますが、「省けるところは省き、力点に集中する」ことの出来る施設は生き残っていけるはずです。たとえばTakemaとしては「使い捨て歯ブラシ」は明らかに無駄、「宿のロゴ入りタオル」は無駄とは言いませんがお金を取って販売する形式にすべきだと(その代わりもうちょっと個性的=ほしいと思えるものにすることが大切)。

布団だって最初から敷いておいていいじゃないですか、夕食を広間かどこかで食べて戻ってきたらいつの間にか布団が敷かれている(朝も逆に同じく)というのは、そういうもんだと思ってはきましたがやっぱり何か変ですよ、その時間にいったい何人が同時平行作業(食事と布団敷き)を強いられるのでしょうか?無駄すぎます。いや、無駄とか効率的とかいう観点だけでなく、今の(または次の)旅行世代ははたしてそのサービスを望んでいるんでしょうか?

自分は旅行業界の人間ではないんで素人考えのネタを書きましたが、要は「長年の慣習が決してベストではないし、お客の質も変わっている」ということなのです。大規模な旅館ほど「かつてのマニュアル」を絶対経典としがちで、それを小手先でいじくっているばかり。たとえば中国を中心とした団体客ばかりをあてに集客している宿などは、中国に何かがあったらパッタリ客足が途絶えることを考えていません(実はこの文章はカナダで書いているのですが、さっきまで話していたカナダ人ビジネスマンは「今の中国の好景気がくじけた時の準備が今のカナダ企業にはない」と憂いておりました)。
というわけで基本的に満足して寝たわけですが(もちろんその前に2度お風呂に入りましたが)、実は明け方にお腹が空きましたっけ(笑)。でもだからといって大規模施設にありがちな「これでもか食え食え系」夕食を肯定するものでは決してないです。

さ、明日はどこまで行くか‥実は翌朝時点でも決められていなかったのですが、まぁ結果オーライというところで(笑)。
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