2011最初の湯めぐりは福島の有名湯を中心に。

− その2 スミレ館で湯ったりのあと一気に飯坂温泉へ。あつ湯にしみじみ。 −

昼食後は、海幸さんからほんの数十mのところにある「みゆきの湯」ではなく、数百m先のもう1つの共同浴場である「さはこの湯」‥でもなく、「さはこの湯」と同じ通り沿いにある「スミレ館」へと向かいます。入浴料800円は正直言って高いですし(共同湯なら220円、ただし割引券で500円になるし休憩室も利用可能ではあります)、特に豪華な施設でもないですし(というかだいぶ鄙び系)、それなのになぜ?それはひとえに‥

左上画像の説明文をごらんいただければおわかりでしょう。もちろん加水なしのかけ流しです。「みゆき」「さはこ」の共同浴場は加水ありですから、やはりこのスミレ館には一度訪れておかねばと思っていたのです。

ずっと先客さんがおられたので浴室の画像はありませんが、浴室は6階。湯口が湯面とほぼ同じ高さだったので湯味を手のひらに取るのにちょっと難儀しました(笑)。しっかりとした硫黄臭があってうむぅなかなか。以前近くの宿湯に立ち寄り入浴しましたが、お湯の鮮度自体でいけば確かにこちらがいいかもしれません。

ちなみに上の上の画像で「今日の温泉の色はなにいろ?」という掲示がありましたが、この日は薄めのエメラルドグリーンでした。おしんこどんが聞いたところでは、加水すると白濁系になるのだとか。

湯上がり後は1階のソファーで牛乳飲みながら休憩。ん?よく見るとインターネットOKのようですね(無料)。無線LANのフリースポットでもあるようです。

さてここからは高速で一気に福島飯坂ICを目指します。高速はガラガラ、しかしちょっと標高を上げていくと‥あれ、雪がちらついてきました。まぁ走行に支障があるほどではないのでスイのスイのスイっと行きましょう!ん?

というわけで、追越車線を一気に加速して駆け抜け80km/hちょいでそろーりそろり、「歩くようなスピードで」車列を抜き、覆面パンダ車の前に入りそのままのスピードで徐々に徐々に(これとっても重要)パトカーから離れていく戦法をとります。そうしてパンダ車から何とか50-60mほど離れたところで、おお、後続の車両がパンダ車の前に入りました。よしっこれでパンダ車はTakema車を直接測定できません!いや、だからどうだというわけではないのですが(笑)。

そしてしばし、あれーどうしちゃったのかなぁ、気づかないうちにパンダさん見えなくなっちゃった(笑)。たぶん「あちらの車がさらに減速走行に入った」んでしょうな、うんきっとそうだ、それしか考えられません!(一方的断定)。



さよならーパンダさん(左上)、と思って走っていたら雪の降り方が強くなってきたような‥。

特に郡山JCTから東北道に入ってからはしっかり雪模様となりました。もっとも路面には場所によってうっすらシャーベットがあるくらいなのでまぁ何とか。でもゆっくりモードに切り替えて進みます。福島トンネルを抜けたら一気に太陽が出て路面もOKとなりました。よしよし、では飯坂温泉へと向かいましょう!

到着は15:30頃。左上画像が今宵の宿「ほりえや旅館」さんで、木造3階建ての立派な建物。そしてその並びには、前にも書いたように飯坂温泉の共同湯のなかでも重鎮サンダーライガー的位置づけの「鯖湖湯」がどどん!(何のこっちゃ)。このダブル木造の佇まいはいいですねー。宿の選択大正解っ!

もちろん建物は古いのですが味わいのある造りです。「1階の天井が低いのは‥」等々、大旦那さんが説明してくださいました(ネタばらしをしてしまうのもナニなのでその理由はここでは書きません。どうぞ訪問時にお聞きになって下さい)。

部屋は2階で十分に広く暖かでしたが、やっぱり気になるのはお風呂です。大小2つの浴室があるのですが、入口の札を掛けることによりそれぞれ貸し切り利用が可能です(「男湯」「女湯」としての使い方ももちろん出来ます)。では行ってみましょー。

うわー広い方の浴室はすごい湯気っ!というのも、やはり「せっかく入るなら広い方で」と皆さんこちらばかりに入浴するからなんでしょう(その証拠に右上画像の小浴室はあまり湯気が目立たないのが分かると思います。でもそれだけじゃありません、それぞれの浴室内に何かたくさん置かれていますよね?

ちなみにリンゴをお湯に浮かべることでどんな効用が生じるのかはよくわかりませんが、少なくともリラクゼーション効果はありそうです。食べちゃダメよ(笑)。

ところで冒頭で「Takemaは飯坂温泉初訪問」と書きましたが、実はそれには一応理由がありました。1つは「飯坂温泉=街中の歓楽要素が強い温泉地」というイメージが強かったからなのですが(同じような理由から、熱海や伊東、みなかみなどの温泉には1度くらいしか入ったことがありません。伊香保も数えるほどで、石和はまだ入ったことがないのです)、そしてもう1つ、過去のTakemaには飯坂温泉を敬遠するもう1つの理由があったのです。それは‥

ここ飯坂の湯は「熱いのがデフォルト」、共同湯では「熱い!」と加水したがる観光客を地元の方が横目でジロリ(「それじゃぬるくて入れなくなっちゃうだろ!」的視線で)というイメージがあり、加水をめぐるトラブルもあるとかいうことを聞いていたのです。「そうかそんなに熱いのか、46度くらいあるのか、そりゃ無理なのでパス!」という感じで、ずーっと訪問する機会がなかったのであります。

しかし時は流れ時代は変わり、Takemaの頭頂部に身体的変化が起き始めた頃?Takemaに湯めぐりの趣味が加わり、気がつけば今や熱い湯にも何とか対応できるヒトになって来つつあるTakemaなのであります。そんなわけで今、Takemaは「温泉お子ちゃま」から「飯坂の男」になれるのかどうか、いわばTakemaの温泉力が試される時がやってきたのです。そして結果は‥(わかっているとは思いますが)、

バッチリOK!入浴完遂!Takemaはめでたく「飯坂の男」になれましたぁ!(笑)。湯温は体感で45度半ばというところで(またも湯温計を持参するのを忘れた)、熱めではありますが「むはーっ!これはコレハ熱い、熱すぎる!」とくるほどでは全くありません。リンゴの匂いをくんくん嗅いだりしながら湯っくりタンノー。クセのないさっぱり湯で、こんな湯に毎日入れたらいいなぁ。地元の人がうらやましいぞ(でも毎日このあつ湯って身体に負担にならないのかな?)。

ちなみに右上画像ですがご覧の通りプラスチックのタライです。地元住民であってもさすがにまだ「熱い湯は無理」な小さいお子ちゃまは、このタライに湯と水を張って半身浴をするのだとか(共同湯には備品として存在するらしい?)。

「小さい子が入るから加水するよ」ではなく「熱い湯は絶対的、入れないヤツは入るな」という、いわば「あつ湯原理主義」がここには厳然として存在しているわけです。上記の観光客による加水トラブルも、地元の方から見れば「いい大人して加水かい、やめとけやめとけ、あんたはタライ湯にしとけ!」というような思いもあったのかも知れませんね。湯温に対する考え方が違うのですから、ある種仕方がないことかも。

さて、そうこうしているうちに夕ご飯となりました。お料理は家庭料理系で煮物や煮魚中心で美味しい。「豪華バンバン全部食ってみろ、でも天ぷらはもう冷たくなってるが堪忍してくれ」系の夕食とは見事に一線を画してます。それでいいのです、どこの宿もみかけの量で勝負の時代は過ぎ、これからのお宿はお客の好みによって夕食のスタイルも選べなきゃ。「うちはこんな感じですけれどどうですか?」。これぞ正しいあるべき姿なのであります(えらそーだな)。



しかし、この量でも多く感じるようになってしまったTakemaはやっぱり少食系男子?いや、普段から夕ご飯でこんなに食べている人はいないって。

夕ご飯のあとにまったりしたあとは、お風呂セットを持って駅の方までちょっと散歩してみましょう。気がつけば今日も全然歩いてないぞー(苦笑)。

駅方面へは緩やかな坂道を下っていくのですが‥何だか鯖湖湯&ほりえや旅館界隈から離れると暗いぞぉ。途中の階段などもライトアップされてはいるのですが誰も通っていません。「うーん寒い時期とはいえ何だかさびしいなぁ」と思いつつ駅前の交差点まで下ってきました。

真新しい建物のように見える福島交通線の飯坂温泉駅にもほとんど人影なしでさびしい限り。そしてこの温泉の淋しさをある種象徴するのが‥(右上画像マウスオン)、そう、川沿いに立ち並ぶ廃業宿なのです。小さな宿ならそれほど目立たないのでしょうが、川沿いの高層建築物が丸ごと消灯となるとかなり‥。ただ、飯坂温泉の皆さんもこのことを黙視しているわけにはいかず、施設の有効活動を目指して頑張っておられるようです。

廃業した温泉旅館 高齢者向け賃貸住宅に 福島・飯坂温泉

福島市の飯坂温泉で今月、廃業した温泉旅館をリニューアルし、高齢者専用の賃貸住宅に再生させるプロジェクトが始まった。推進する社会福祉法人は保育施設や多目的広場も併設して、地域との交流を促進。「福祉のノウハウを生かし、新たな街づくりを全国に発信したい」と、観光客の減少などで元気がなくなった飯坂温泉の活性化にも乗り出す。

プロジェクトを推進しているのは福島県内で特別養護老人ホームや保育所を運営する社会福祉法人「とやの福祉会」(福島市)。飯坂温泉の中心部にある二つの元旅館の土地と建物を取得し、改修する。

計画では7、8階建ての二つの建物(計約4200平方メートル)の一部を取り壊し、床面積3000平方メートルの賃貸住宅60戸に変える。摺上川を望む浴場はそのまま残し、食堂や介護施設を備えた高齢者向け住宅とする。

定員20人の学童保育所や多目的広場も建設する計画で、福祉会は「入居者と地域住民との交流を促すことで、新たな人の流れが生まれる。温泉街の活性化にも貢献することができるはず」と説明する。運営には、地元町内会や福島大にも参加してもらう予定。

福祉会は今年4月、国土交通省が初めて募集した「高齢者等居住安定化推進事業」に事業計画を提出。「地域の新たな魅力の創出も期待できる」と評価され、補助対象に決まった。総事業費約5億1000万円のうち、約1億6000万円が補助金として交付される。今月から建物の耐震性を調べる作業に入り、2011年7月に着工、12年8月の開業を目指す。

飯坂温泉とその周辺では06〜10年度、市や国による都市再生事業が実施され、温泉街の駅舎や公園、公衆浴場などが以前より整備された。しかし09年度の観光客は約81万人で、ピークだった1973年(約177万人)の半分以下。今回改修される二つを含めると計28もの旅館が廃業したまま残され、その利活用が大きな課題になっている。

(以上
介護ニュース.NETサイト記載より引用、元ソースは河北新報(サーバーから既に削除されているのでメインサイトへのリンク)です。
うーむ、どの建物なのかはわかりませんが(実はこの上流にも「真っ暗系建物が沢山ありました)、もともと街中にある温泉ですから鉄道アクセスも含めて生活インフラは整っているはずです。これは案外いけるのかもしれません。もちろんわたしごときが勝手に見とおせるほどこの事業は簡単ではないと思いますが、上記のような「新たな行動」に一歩でも二歩でも踏み込んでいかない限り何も変えていけませんからね。是非とも頑張れ飯坂温泉!

ところで飯坂温泉駅の近くにある「波来湯(はこゆ)」は2011年1月に新築オープンし、ぬる湯とあつ湯の2浴槽が設置されたそうです。上の方で書いたとおりの湯温トラブルですが、とりあえず新波来湯ではもうなさそうですね(われわれは「あれが波来湯かぁ」と指呼の間エリアまで歩いていきましたが入浴はパス)。ちなみにこのあと地元の方同士の話に聞き耳を立てていたところ、

という会話を聞き取りました!でもその場所(鯖湖湯)から波来湯までは十分に歩ける距離なのに(ほんの数分)車って?つまりこれは、この地域の皆さんが「どれだけマイ共同湯の積極利用に邁進しておられるか」という現実の裏返し会話なのでありますね。

宿の大旦那さんに聞いたところでは、この界隈のアパートには今も「風呂なし」の部屋が結構あるのだとか。共同湯を中心とした地域の生活が今も生きていますね。でもそうなると、数年前に共同湯の入浴料が倍(100円から200円)に値上げされた影響も大きいんだろうなぁ(なお、波来湯だけは300円です。唯一シャワーカランがある共同湯なのだそうで)。

と、気づけばすでに20:30を少し回ったあたり。そういえば飯坂温泉に来てから何もしてないぞというわけで、21:00まで見学可能の旧堀切家住宅へ。


この施設についてはネット上に情報があり余るほど出ているはずなので今回初訪問のTakemaが申し上げることはありません。でも一言感想を申し上げれば「一族の繁栄、何がきっかけになるかわからない」「皆と違う発想で努力して成功すれば大きく報われる」ということがわかりました。
で、閉館の21:00直前に出てきたわけですが、ここから宿(ほりえやさん)&鯖湖湯までは歩いて1分ほど。というわけでやはり鯖湖湯に入らずして何とする!しかもこの時間の鯖湖湯周辺はこの風情ですよ!



これを見て「くわーたまらん♪」と思われる全国173名のあなた、その思いは正解です!



この全木造の共同湯風情は天下一品!街灯もいい味を出してます(ちょっとイメージ出し過ぎともいいますが)。

さてこのあとはもちろん鯖湖湯に入浴です!ちなみにさすが飯坂のフラッグシップ共同湯ゆえのキビシイ掟「撮影禁止」があるということを知っていたのでカメラは袋の中に入れっぱなしでしたが、有名な共同湯ですからいろいろなトラブルがあった末の措置なのでしょうね(もちろん男女完全別湯です)。

でも、われわれが訪問したときは男湯に先客さんが2人くらいしかいませんでした。お湯は‥歩き回って身体が冷えていたので「アツっ!」(冬場の漁師さんの気持ちがわかりますわ)。でもかけ湯をしているうちに「あ、これならいけるわ」というわけでじんわり入浴。湯尻エリアでは46度ぴったしくらいだと思われました。

空いていたので、湯に浸かったり浴槽脇でかけ湯したりを繰り返しながらのんびり。常連さんは湯口に陣取り「それって打たせ湯でしょ」的態勢で湯っくりしております。あれはさすがにもっと熱いはず、あーTakema、まだまだだなぁ(たぶんそのエリアは47度超)。本当の「飯坂の男」になるにはまだまだ遠い道のりのようです(笑)。

お風呂上がりに歩く道も雪が舞っていましたが、しょせんお隣の宿に移動するだけなので湯冷めする距離ではありません。ほりえや旅館さんの「いい感じの部屋の灯り」があたりに映えておりました。ちなみに「ほりえや旅館」さんと鯖湖湯の供給源泉は同じものだそうですが、同じ飯坂の湯も源泉はいろいろあるようですね。共同湯全湯破などははなから考えていませんが、明日はせめてどこか1つくらい行ってみようかな?
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