祈東北復興!で東北を目指したつもりが、気がつけば北の大地も巻き込んでいつもの湯めぐりに(笑)。

− その2 深夜便は予想外に居心地よくて明け方まで深酒、吉野家経由で支笏湖畔の宿へ −

そんなわけでいよいよ出発です。Takemaは仕事から帰宅後あたふたと準備をし、おしんこどんは伝統芸能系の集いに参加しておりましたが車でピックアップしてそのままいざ大洗港を目指します。深夜1:45の出港とはいえ、「22:30までには乗船手続きを終えるよーに」とその筋からのお達しが来ておりましたので、時間に余裕を見て20:00すぎに市川を出発したというわけです。

で、予想通りかなーり早く大洗のフェリーターミナルに着いちゃったわけですが、時間ぎりぎりでビビリつつチェックインするのは精神衛生上あまりによろしくないのでこのほうがいいや。すでに大洗のコンビニで深夜のおつまみや朝食などは買い込んできましたのでこれまた問題なし。ちなみにビールは船内の自販機でも値段は同じなので船内で買い込みました。国内のフェリーは昨今の事情によりどこも青息吐息系の経営状態だと思いますので、せめて飲み物くらい少しでも貢献しなくちゃね。でも深夜便の食べ物はどれも冷凍食品系なので持ち込むのが正解ですが。

ちなみにこの商船三井フェリー深夜便の設備について、ご存じの方はとことんご存じだと思われますが一応念のためご説明。原則として1日2往復しているこの大洗−苫小牧航路ですが、レストランを備え、部屋もスイートから二等雑魚寝部屋までバラエティに富んだ階級社会制度を標榜実践するいわゆる「夕方便」と比べると、この「深夜便」は食堂もないし部屋もモノクラスでまさに「質素なれどみな平等」という、まるでレーニンが聞いたら「そうだ、それこそがまさに社会主義的理想の体現そのものナノダ!それでイイのだ!」と感動しながらでんぐり返って喜びを表現してくれそうな居住設定なのであります(笑)。

またそれ以外にも夕方便とは大きな違いがあります。まずはフリースペースの広さ。営業を休止しているレストランスペースは快適なくつろぎ空間となっており、テーブルの形状や配置などもなかなかいい感じです。夕方便では船内の片隅にひっそりとある給湯設備も、ここでは堂々と「皆さん、わたしをどうぞよろしく」と自己主張しています。電子レンジ群も「はいはーい」と立ち並んでいて、レストランのある夕方便においてはある種アウトロー的な視線を受けないでもないカップラーメン系食料持ち込み節約旅行者にあまりにもやさしい!

ちなみにわれわれは旅行者とは思えぬ持参品@カステラ丸ごと1本を持参しておりました(笑)。いや出発直前の頂き物を自宅に置いていくわけにもいかずそのまま持参しただけなんですが、このカステラはこの旅行中、賞味期限との戦いの中で着実に消費されていくのでありました(笑)。一応ブランドものらしいんですよー(Takemaは知らなかったけれど福砂屋謹製)。

出航後しばらくはビールや焼酎とおつまみとカステラとでのんびり。おしんこどんは習い事の「宿題」をここで一気に進めてしまおうと台紙とハサミを取り出してチョキチョキ作業を始めました。が、やがて近くにおられた男性がおしんこどんに「それはもしかして‥」と話しかけてこられたことから、気がつけばいつの間にか3人で宴会モードに入っちゃいました(笑)。おしんこどんは途中でリタイアしましたが、その方とTakemaは結局夜が白む午前4時半ころまで焼酎宴会を楽しんだのでありました(左上画像マウスオン)。よぉーし寝るぞぉ思う存分!

そんなわけで目が覚めたのはお昼前。まずは船内をうろうろしてみましたが、昨日の男性もまだお休みなのか姿は見えません。それはともかくいつもの夏のフェリーに比べて船内が妙に空いている気がするのですが‥確か出港前日にチェックしてみたら満席表示が出ていた気がするのに?



共用スペースもご覧の通りガラガラ。ちなみにこちらの両替機は二千円札もOKという稀少機でした(笑)。

と、ここで気がついたのが「定員の違い」。これは旅行から戻ってきてから調べたのですが、深夜便の「しれとこ」「だいせつ」号の場合旅客定員は154人しかないのに対し、レストラン付きの夕方便「さっぽろ」「ふらの」の定員は何と600-700人!しかも常時レストランスペースが開放されている深夜便は乗客1人あたりのスペースも広く、また2等雑魚寝部屋がないことから「自分のベッドでゆっくり」する人も多いはず。そんなわけで日中の船内がいい意味でガラガラなのですね。

これまでは夕方便ばかりにこだわって予約してきたTakemaでしたが、今回この深夜便を利用してみていたく気に入りました。夕方便の同等クラス利用より設備もいいし(夕方便は二段ベッド、深夜便は一段ベッド)、これからはこっちの方がいいかな?という感じです。初日の宿だけがちょっと厄介ですが、虎杖浜まで走れば宿はいくらでもありますから‥。



デッキもほぼ2-3名が入れ替わりつついるだけで閑散。こんなに気持ちいいのにねー。

あえて言えば、こんなに気持ちいい午後のひとときをノンアルコールで耐えねばならないのがちょっともったいない?(到着が19:15ですから)。できれば苫小牧に朝到着するようなダイヤを組んでくれればサイコーなのですけれどね(その昔近海郵船フェリーの釧路便は釧路着7:30という絶妙系の到着時間でした)。計算してみると、苫小牧に朝7:30に到着するためには大洗を13:45に出港すればいいことになりますが‥仕事を持つ身としては何だか狂おしい時間ですよね(笑)。



ま、こんな絶景を飲んだくれたうつろな目で眺めるのもナニですからこれはこれでいいのかも(しみじみ)。

そんなわけでやがて夕方、太陽が西に傾いていきます。あーキレイ。ところでこの夕日タイムの前、Takemaは携帯の受信感度を気にしながらあることをやたらに気にしておりました。それは‥

独身時代はそのまま市内の健康ランドになだれ込んで泊まっていたTakemaでもありますが、今さらそれもなーというところです。キャンプ道具はもとより持参しておりますが真っ暗な中テントを立てるのも面倒だし、そもそも苫小牧周辺にはあまり魅力的なキャンプ場がない?(知らないだけかも知れませんが)というわけで、「だったらどこかの温泉宿に素泊まりで泊まるのがベストでしょ」と考えたわけです。

とすれば‥ぱっと思いつくのは白老&虎杖浜界隈なのですが、実は明日のお昼に虎杖浜でのお昼ごはん(微笑)を考えていることもあり今夜中に現地入りしたくはありません。あ、この一文で「ふーむふむふむ、あそこの中華か?海鮮か?」とあまりにもシナプス連携の早いご判断をなさった「濃い」方々へ。海鮮ですので念のため(大笑)。

で、この日の午後ツーリングマップル(以下Tマップルと記載)とにらめっこしましょ系になりながら種々様々な角度から検討に検討を重ね、ストレステストはもちろん加えながらにっちもさっちもブルドッグの高崎だるま弁当状態になりながら、ようやく1つの結論にたどり着きました。

しかしその時点ですでにフェリーは下北半島を離れつつあり、ここからしばらくは陸地からかなり遠いエリアを航行するタイミング、携帯を見るとすでに圏外じゃないのさ。あちゃーアイヤー哀号。しかしそんなTakemaのちいちゃな胸の内を唯一絶対神だかトイレの神様だかがお察し下さったのか、このあとほんの数分ほど通信回線を開いてくださったのであります!そんなわけで即座に電話して素泊まり予約完了!この船に乗っていることも伝えましたので「食事もしてくるとなると到着は21-22:00の間ですね、わかりました、お待ちしています」とおっしゃって下さいました。そんなわけでこの日の宿確保完了です。

この通話のあと数分後には再び圏外になったドコモ携帯。ありがたかったなー。わずかに函館界隈の電波を拾っていたのかしらん?

そんなこんなを知らないおしんこどんはしっかりTVっ子になっておりました(左上画像マウスオン)。もっとも旅行に関しておしんこどんは完全に「Takemaに任せた!」というスタンスですので(というかTakemaが完全にやりたい放題モード)、これはまぁ当然の助動詞なのであります。

さてそんなわけでいよいよ苫小牧到着です。日産センチュリーにお乗りの男性にもここでようやく昨晩宴会お付き合いのお礼を申し上げることが出来ました。お仕事頑張って下さいねー。

いつもはバイクで上陸する苫小牧港に今回は車で上陸です。当然すっかり日は暮れているのですが、まずは宿を目指す前に夕飯を食べようと思い市内をしばしうろうろ。しかしですね、駅前近辺も回ってみたのですが‥

駅前近くにはラーメン屋もありましたがつい通過してしまったので戻る気も起こらず‥



ま、明日からはウマイもんたくさん食べるからいいでしょと強引に納得。それにしても吉野家っていったい何年ぶりに入っただろう?たぶん10年は下らないぞ。あ、でも牛丼系が嫌いなわけではなくて松屋の方が好きなだけです(笑)。松屋だと味噌汁が付くというのもポイント高いし、松屋は学生時代から食べてたからなー‥って、そんな話はどうでもいいって。

さて夕食後には明日の朝ごはんをちょっとだけ買い込んで宿へと一直線です。

一直線道路の先で湖畔道路を延々と‥となればもう間違いありませんね、支笏湖にやってきました!この日の宿はかの有名な秘湯の宿丸駒温泉‥の隣にあるリーズナブルな宿、いとう温泉旅館です。お隣の湯には以前浸かりましたし、大規模&ゴージャス系なので今回はパスしたわけです(というかこの時間到着じゃモッタイナイし)。

大都市札幌から近い観光地にあるということで元々料金はお高めですが、この時は素泊まり4600円でした(ただし入湯税と消費税を入れると5000円弱。秋になるともっと高いみたいで、今検索してみたら9月の週末は諸税抜きで6030円)。ま、かけ流し湯なのは間違いないですしのんびりしましょ。

到着は21:30過ぎでした。露天風呂は22:00までということでしたが「多少時間がオーバーしてもいいですから」とおっしゃっていただいたので、部屋に荷物を置くが早いかまずは露天風呂(天然岩風呂)へと向かいます。宿から屋根続きではなく、いったん外へ出て歩いていくので雨の日などはちょっと大変かも(ついでにいえば露天風呂には脱衣場を除き半屋根等がないので雨の日は傘持参かな)。

宿の建物の前には灯りがついたこのようなテントがありました。何のためのテントだったのかは聞くのを忘れましたが、まぁ風呂上がりの涼み台と勝手に認識して使ってましたけれどね(笑)。お風呂は朝6時から男女が入れ替わるということなので、展望がいいらしい側にTakemaが入れるのはこの時間が最後のはず、しかしすでに周囲は漆黒の闇に包まれており展望などは望むべくもありませんでした(笑)。



左上画像が男湯、右上画像が女湯でしたが何が何だかわかりませんね。明日の朝一番に期待しましょう。

そんなわけで北海道最初の夜は更けていくのでありました。ちなみにお部屋は湖側2階で展望バッチリ、しかし部屋はちょっと独特のにおいがあったかな。原因はユニットバス内の配管にあると思われるのでちょっと残念でした(ただしユニットの扉を閉めて換気すれば気にならなくなりましたが)。

さて翌朝は‥なかなかのんびりと寝てはいられなかったのですねこれが(笑)。
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