− その5 おとうと長万部キャンプの一夜、そして島牧で湯に浸かり賀老の滝でちとがっくし −
さて、この日は長年お付き合いをいただいている「おとう」と待ち合わせてキャンプしましょという約束をしていたわけなのです。もっとも場所については事前に決めていたわけではなく、「苫小牧より東のどこか」というくらいのアバウトなものだったんですが、フェリー出航直前にTakemaが「長万部でどうでしょ?」とメールすると「いいよ、了解」とのお返事が。おとうは音威子府から2日かけて一気に下ってくるとのことでお疲れさまです。
さて、われわれがこの時点で滞在していた登別温泉から長万部まではまだ結構距離があるんです(約100km)。登別の湯を上がった段階ですでに午後2時を回っていましたので、ここは一気に高速を使ってスルーしちゃおうということにしました。いや実は最初からそのつもりだったんですけれど(笑)。しかし、くるくるパンダさんの巣窟である(と思われる)R36&37を走る気はしません(そもそも道中はあまり面白くなさそうだし)。
というわけで登別東ICから高速に流入、よーしアクセルをふ、ふ、踏み込めない!(笑)。
われわれのすぐ後をくるくるパンダさんバイクが、ご丁寧に2台も本線に流入してくるではありませんか!われわれの前後にパンダさん以外の車両の姿はなく、つまりはわれわれの車のみにターゲットは絞られているわけです、くはーロックオンされてるぅ!(笑)。
おそらくは例の警備リハーサルを終えた方々が所轄の警察署へ戻ろうとしているのであり、取り締まりパトロールのために高速に上がってきたのではないと思われますが、くっそー室蘭で下りるのかと思いきやそのままついてくるし!
し、しかしそのICから別車両が流入し、Takema車とくるくる軍団との間に合流してくれました!何たる僥倖!(笑)。よってこれまでよりアクセルをちょっとだけ踏み込んで「じわじわじわじわサヨウナラ」ミッションのスタートです。このあたりは片側1車線区間が長く続くのでこの作戦は効果あり、そのうち全く姿が見えなくなりました。
有珠山SAでちょっと休憩。ウシくんたちはどこへ向かうのでしょうか?成牛のようだし‥?(右上画像マウスオン)。
そんなわけで順調に長万部ICへ。ここまで来ればもうキャンプ場はすぐなのですが、Takema車はなぜか市街から離れる方向へと車を走らせるのでありました。なぜならそこにはシュワシュワ系の炭酸泉があるらしい?しかし‥
えーっ、どこなのどこなのーっ!刈り払いがあったので絶対そっちかと思ったんですが、この道は沢に出るだけでどうやら違う?(右上画像マウスオン)。どうやら建物の近くあたりに源泉があるのでしょうか?しかしシュワシュワというTakemaメモの通り炭酸ガス濃度が濃いのかアブの密度もやや濃くて、これ以上の探索は断念しました。ここの湯を探すのならブッシュが繁茂する前のGWじゃないと無理かな?
ところで近隣の超有名な某温泉にはいまだ未湯にもかかわらず建物の前まで行っただけでパス(Takemaも大人になりました。いや1000円の入浴料をケチったわけでは断じてありません(笑))。そんなわけでこのあとはまっすぐ長万部のキャンプ場へ。おとうはすでに到着しておりまして、このあとの夕食&入浴&宴会計画をどうするかにつき様々な角度から検討を重ねた結果、
という徹底手抜き系キャンプが決定したのでありました(笑)。それじゃ、まずはお風呂に行ってから夕ご飯といきますか!
そんなわけでやってきたのは長万部温泉ホテル。考えてみればTakemaが長万部に来たのはもしかしたらこれが初めてのような気がします。こちらのホテルの湯は地元の方にも銭湯感覚で利用されているようで、看板も「大衆浴場」の文字の方が目立つんですが(笑)。
おとうとともに浴室に入ると‥先客はお1人、しかも一番隅で身体洗いの真っ最中。というわけで浴槽周りだけ撮らせてもらうことにしてあたふたと。
お湯は透明で塩化物泉ゆえの塩味がします(至極わかりやすい説明でしょ)。源泉はミニ浴槽側に注がれており、自分としては44度くらいあるかなと思ったのですがおとう&おしんこどんによると(おしんこどんは女湯での体感温度ですが)「いやーせいぜい43度台くらいしかなかったでしょ」とのこと。おとうも最近着実に温泉力をつけてますから(のらさんの影響も多いと思いますが何か?)たぶんそんなもんだったのでしょう。でもなかなかいいお湯でしたよ(右上画像マウスオン)。
さてこの時点で17:30くらいだったのですが、長万部の市街地で何か夕食でもと思って探してみます。しかし国道沿いには全然お店がなーい!かろうじて駅前に2軒ほどありましたので、ここは軽くお蕎麦にしましょうかね。
ざる蕎麦や山菜蕎麦等を注文しましたが、味はまぁそこそこ。でも予想していたよりも美味だったのは確か。
このあとはセイコーマートで一部おつまみを買い込み、キャンプ場に戻ってかるーく宴会開始です。
それにしてもお盆あとのキャンプ場はここまで空いているものなのか?ま、平日ってこともあるんでしょうが。
寒がっているおしんこどんは、いつしか「下半身収納の議」で体温を維持しておりました。地震が来たらコロリンですな(笑)。
この日の宴会はさほどディープになることもなくそこそこあっさりでありました。まぁ3人だけだしね。で、夜半にはフライシートにあたる雨の音で目が覚めたりして、「朝になってもざんざか降っていたら撤収いやだなー」とやや暗い気持ちにもなりましたが、おかげさまで朝にはほとんどやんでおりました。いつ降り出してもおかしくない感じではありましたが。
トイレに行ったらすぐ近くで「コココココッ!」とドラミングの音がします。どこだ?と思ってちょっとキョロキョロすると、トイレのすぐ近くの桜の木にコゲラよりもひと回り大きい鳥が樹皮をむしり取りつつご飯探しの真っ最中。急いでカメラを取りに戻り、すでに木の上の方に上がってしまったのを何とか1枚だけ撮影できました。エゾアカゲラのメスでしょうか?
この日の天気予報をチェックしてみると、何だか道南エリアは場所により違いはあれどイマイチの予報が出ています。そんなわけで急ぎの旅でもないおとうは早くも停滞決定!わたしらもお付き合い‥してもいいんですが、実は苫小牧に渡るフェリー内で寄り道ルート検討中急激に「行きたいぞ欲求が増してきた」場所があるのです。それは‥
(あ、定期船のない&無人島の渡島大島など、ディープ系離島は除きます)
長万部泊まりにしたのも実は瀬棚発のフェリー(1日1便)に間に合うようにという狙いだったわけです。そんなわけでわれわれは出発しまーす!
おとうはタープを設営し「本格雨降り」に備えます。あのーおとう、右上画像のようないい場所がありますよー(笑)。もっともすでにテントは設営済みだしすでに雨で濡れてるし、無理に今から移動する必要もないですかね。われわれは濡れた部分を雑巾で拭いて、濡れ物用ビニール袋に収納です。週間天気でもしばらくはあまりいい予報が出ていませんが、このテントを干すことができるのはいったいいつになるのだろう‥。
ちなみに長万部から瀬棚まではR230を使えば70kmくらいなので、お昼前に出れば14:05発のフェリーに間に合うはずです。でもちょっとだけ寄り道もしたいので北回りの海岸線ルートを選択、こっちだとだいたい3時間くらいかかるようなので、寄り道とお昼ご飯とでちょうどいいかなと考えました。そんなわけで霧雨が降り始めたキャンプ場を、おとうに見送られながら出発です。
するとするとあら不思議、長万部市街を抜けたあたりから先は雲がどんどん薄くなり、雨がやんだのはもちろんのこと所々に青空まで見えるようになってきたではありませんか!どうやら雨は長万部界隈だけだったみたい。おとう、キャンプ場でマンガ読んでるのはもったいないですよー(笑)。
島牧村側に入って郵便局でひとやすみ(おしんこどんが何やらの手続きをしなきゃいけなかったんで)。で、それからさらに数十分後、Takema&おしんこどんはとある建物の前に立っておりました。所有者の方は「お湯はぬるいし、あまり掃除もしていないんでね。それでいいのなら‥」とおっしゃっていましたが、いいんです、それがいいんです!(笑)。そんなわけでご許可を得ましたので、よーしありがたく「永豊の湯」を頂戴いたしまーす!
周辺は田んぼと畑で、知らない人が「偶然発見」という可能性はほとんどゼロに近いと思われます。
周辺には季節柄そこそこのアブが舞っていましたが、湯小屋に入れないようにしながら扉を開けて脱衣場へ。そしてその奥にある浴室をのぞいてみると‥
2人ほど入れる大きさの浴槽に、源泉が静かに注ぎ込まれております。色は無色透明で湯花も特にないようです。浴槽内の掃除も行き届いていて髪の毛などの不純物はもちろん、浴槽内のぬめりなども全くなく、きちーんと手入れされているようです。そんなわけで、にょほほの入浴!
公序良俗系を気にするあまり湯船がほとんど見えてませんが、中年男のお肌なぞ誰も見たくないはずなのでまぁいいか(笑)。
ちなみにこちらの源泉温度を計測してみたところ約35度くらいでありまして、この夏の時期ならいつまでも入っていられます。室内には昭和47年の温泉分析書が貼ってありましたが、そのころは源泉温度が42.0だったそうで、うーんそこそこ下がっちゃったのね(先達氏の情報によれば北海道南西沖地震のあと湯温が低下したのだとか)。泉質は含芒硝食塩泉ということですが塩味はほとんどなくそのかわりにわずかながら硫黄臭が。ちなみに自噴なのかと思っていましたがポンプで揚湯しているようです。
ぬる湯がきつくなる時期のために?源泉を加熱するボイラーが設置されていますが、さすがにこの時期は必要ないですね。お湯はご覧の通りみごとに透明なのですが(右上画像マウスオン)、こちらの温泉の真骨頂は別のところにあります。それは‥
これについては撮影した記憶はあるんですがなぜか画像が残っていない‥(おそらくデータをコピーする際にコピーし忘れたまま元画像を消去してしまったものと思われます。ここに限らず結構動画を撮ったはずなのですがそれもほとんど残ってない‥嗚呼大バカTakema)。
よって文章でその泡付きを表現するしかないのではありますが、湯口付近に腕を浸けていると裏側の部分にかなり大粒のアワアワが付着。足などの深い部分でも泡付きがそこそこありますのでアワアワファンの方々には結構たまらないかもしれません。わたしも事前に得ていた情報では「ぬるい湯」としかイメージしていなかったので、これはかなーり嬉しかった♪
そんなわけで十分にタンノーしたあとは、このあたりの未訪問湯を1つでも少なくしていくべくこちらの温泉を訪ねたわけですが‥
(と、あらためて調べてみたら、こちらの日帰り入浴は13:00-21:00だったんですよね)
さてしかし、ここで「入浴という名の時間調整」が出来ないとなるとちょっと時間が余りすぎるよなー、モッタ海岸温泉に行ってもいいんだけれど一応既湯だし(今考えてみればもう1軒の宿湯訪問という手があったかも)、またもう1つの霊泉はもともとこのあと寄る予定ですし、そこに浸かるのは湯温とか霊泉とかで困難そうだし(この予感は別の意味で大的中しました=後述)、そもそも直線距離的にこのあたりは金花湯のすぐ近くなんですが「エリア的に近いのと本当に近いのは全く別物」なので妄想すら成立しないということは痛いほどわかっております(大笑)。
ではどこかないかと考えていた時にふと思い出したのが「賀老の滝」。確か日本の滝100選の1つじゃなかったかな?前回訪問時はクマ出没につきエリアごと閉鎖されていた気がしますが今回はどうやらそんな規制もなさそうです。というわけでちょっと距離はありますが滝めぐりに方針転換。
そんなわけで、宮内温泉に抜ける山越えの道の分岐を右へ。舗装林道はしばらくぐいぐいと山を登っていきますが、このあたりの地形は面白いことに見事なまでの高原台地で「上が真っ平ら」なんですね。ある程度まで上がってしまうとこりゃまたびっくらこいた系の直線が続くようになりました。
ここは山麓ではなく山の上なんですよ。「いよっしゃー!」と直線番長になるのもイイですがBIG野生動物の飛び出しに注意(笑)。
気持ちよく進んでいくと賀老高原キャンプ場園地に到着です。駐車場や立派なトイレなども整備されている立派な園地で、以前は電気がなく夜は漆黒の闇の中というキャンプ本来の醍醐味を味わえる場所だったそうなのですが、今は時間限定で水場に照明が点くみたいです。でも当然ながら人里離れたエリアであり、この界隈はヒグマの(濃い)生息域でもありますから食糧の管理などは気をつけなければいけませんね。ジンギスカンや焼肉のプレートなどを「明日洗うからいいや」などと放置すると‥おおコワイ(冗談抜きで)。
いつかはキャンプしてみたい場所ですが今回はまぁ見るだけです。で、実は到着時には何と観光バスが止まっていて、周辺は妙に観光チックになっておりました。このバスがいなくなれば一気に無人になることはわかっているのですがこの時ばかりはちょっと違和感。皆さんが行き来しているのは園地の案内図によると「第1展望台」なんですが、ここでひねくれTakemaが地図を眺めていると‥
ちなみにこの時はわれながら「2箇所のポイントに行かれるわけだしこりゃ正解の選択でしょ」と思っていたわけでしたが、その判断の評価は現地を知る皆さんならおわかりのはず(笑)。
で、まずは車で600mくらい進んだところにあるドラゴンウォーターへ。右上画像のある看板からさらに車で進んだ先で車を止めます。駐車場のあたりはミニ園地になっていて、そこに水場もあったことから「なるほど整備されちゃってるのね」と勝手に思いこんで蛇口を捻ったTakemaでしたが出てくるのはただの水ばかり(大笑)。おしんこどんいわく「何やってるのかと思ったわ」、ああ勘違い。本物の源泉は沢沿いにあるようです。
看板によるとこの沢にあるようなのですが‥ん?どこよどこよどこなのよ?当然ながらこの沢の本流がぜーんぶシュワシュワであるはずもなく、「あれれー?」と思った瞬間にさらなる看板発見(右上画像マウスオン)。むむ、この上流ということはこの岩を乗り越えるというかへずって行かなきゃならないのね。距離はともかく何だかハードな道じゃないですか(笑)。で、この岩の上流側すぐのところに、目指すドラゴンウォーター湧水がありました!
沢の本流と湧水地との高さはかなり微妙。この日は沢水の流入はありませんでしたが雨のあとなどはキビシイかと。
さて上画像を見てもどこから炭酸水が湧き出ているのかはわからないと思います。画像右側の水分は全て沢水です。で、画像左側によぉーく目を凝らしていただいた上で下の画像を見て下さい。どの部分の拡大画像なのかは大体見当が付くと思います。
コップが置かれているので大体の縮尺はおわかりになると思いますが、これがドラゴンウォーターのご本尊そのものです(笑)。とっても小さくて「こんな僅かな湧出ポイントをよく見つけたよなー」とある種の意味で感動してしまうくらいなのですが、湧出そのものは健気にもブクブクと常時出ています。コップですくって飲んでもいいのですが湧水部分の底が浅いので手ですくって飲んでみることに。
福島県は会津の大塩炭酸井戸で汲み出す天然炭酸水より明らかに炭酸濃度が高い=高シュワシュワであります(でも不思議なことにこれ系のガスに反応して集まるはずのアブ等は皆無でした)。
鉄分系の味はしますが飲めないほどではなく、いやかえってこれくらいの「ガツンとくるぜい!」系の炭酸味はきらいじゃありません。でもなー、一度に汲める量がほんのひとすくいじゃ‥あ、この小石を掻き出してみたらどうなったんだろう?以前似たような例があったぞ!(大笑)。というわけでまた行くことがあれば掻き出してみたいと思います(いつになることでしょ)。
このあとは場所を移動して第2展望台を目指します。地図を見る限り第1展望台よりも車で近くまで行かれますし、現に立派な駐車場も完備されておりました(これまた立派なトイレ付き)。で、ここからはさすがに歩きとなるわけです。まずはひょいひょいと下っていきます。すると本流に懸かる立派な吊り橋が。
この橋の橋板は全体的にやや下流側にかしいでいたので何だかビミョーな違和感あり。しかしおしんこどんはここでも(右上画像マウスオン)。
橋の上からは賀老の滝に通じる本流の流れを楽しむことが出来ました。しかしせめてこのあたりで気付かなきゃいけなかったですね、「滝は下から眺めてこそナンボなのだよ」という厳然たる事実を(苦笑)。
いよいよ第2展望台という場所にやってきました。し。しかし?どこに滝が?という感じのブナ林の中です。え?もしかしてあれが賀老の滝?
これまた下調べの甘さを自己ツッコミするしかないのですが、第一展望台界隈はちゃんと滝の全貌を見ることが出来るようです。観光バスツアーを甘く見てはいけません(くっそー)。ま、千走川温泉もまた宿題として残りましたし(もちろん金花湯はその名の通り金科玉条的に燦然と輝きつつ残ってますが‥いつか行く日があるのかな?)、モッタもまた行きたいしというわけでこの界隈の再訪問は次回に乞うご期待というところであります。ふぅ。
とぼとぼと帰る道は何だかうら悲しい?足元を見ると真っ黒な大きめカタツムリが「そんなん気にせんと‥」と言わんばかりにゆったり動いておりました。
このあたりは北限近くのブナ林。そう、森を見ているだけでも癒されるはずなのだから滝1つに一喜一憂しちゃいけないですね。
そんなこんなで賀老エリアから再び海岸線へ。目指す霊泉はそれこそスゴイことになっておりました(大苦笑)。
[戻る] | [次へ] |