− その4 高湯温泉「静心山荘」の微白濁ぬる湯と美味しいご飯でまったり −



しかしこのぬる湯がおしんこどんに異変を生じさせた?(後述)。

聖石温泉からは、福島市中心部の混雑をパスするべく県道で土湯へ出て高湯へ。うーんこういう時やっぱりカーナビって便利ですが、何だか面白味がないですね。ちなみにまだカーナビ歴半年ですが何か?(笑)。

福島県全体、それも浜通りや中通りは特に風評被害にあえいでいるとなれば、やはりここは福島のお宿に泊まらなければ筋が通らないでしょというわけで選んだ高湯温泉でありましたが、だからといってお値段まで高級なお宿に泊まる余裕はありませんので、前回宿泊した高原荘と同レベル料金の「静心山荘」をセレクト。前日のうちに予約の電話を入れましたが、電話の向こうでご主人は「はいどうぞ、空いております。え、千葉からですか、本当にありがとうございます」とご丁寧な受け答え。これは期待できるんではないかいとワクワク。

ロッジ風の佇まいを見せる建物は、実際には少々くたびれているところもありますがわれわれにとってはかえって居心地がいいかも(ただし人が歩くと何となく揺れた」のは時が時だけに「すわ余震か?」とちょっと驚きましたが)。われわれは本館3階の部屋だったので余計にそう感じたのかも知れません。

夕ごはん前にまずはひとっ風呂です。先ほど入浴した聖石温泉が鉄泉でここ高湯が硫黄泉であることを考えると、かつて栃木の赤滝鉱泉(こちらも鉄泉系)入浴後に塩原元湯の硫黄泉に浸かったら傷口(というほどでもないけれど)が黒く変色したあのパターンかも?と思いましたが、結果的に今回はそういうことはありませんでした。

斜面の上部にある浴室にはえっちらおっちらと階段を上っていく必要があります(右上画像マウスオン)。結構な距離および標高差があるので、足の具合が悪い方には文字通りかなりの「ご足労」を強いられることになりますが、浴室まで上がって来てしまえばこっちのもの!



にょほほー、貸し切りの硫黄泉湯船がお出迎えっ!

そんなわけでまずは掛け湯の儀。あれ?何だか妙にぬる湯なんですけれど?そう、ここ静心山荘は独自源泉を使用しているのですが源泉そのものの温度が44度程度しかなく、それを引き湯している関係上浴槽内の湯温は40度くらいになってしまうそうなのです。翌朝別の宿に送る源泉パイプを見ましたが、源泉からの距離があまりないということで普通の塩ビ菅をそのまま使っている様子でした。でもGWでこの源泉温度ということは真冬はもっとぬるくなるはず‥できれば保温パイプを使ってほしいなという気もしました。たぶん送湯距離は100mあるかないかなのですから(なぜ知ってる?それは翌朝見にいったからです)。

ちなみにぬる湯といっても長湯をすればいつまでもポーカポカというのが温泉の常道ではありますが、ここの湯は「冷え湯(ぬくもりがさして続かない)」なのか、湯上がりのポカポカ感が案外持続しないのですね。不思議です。でも年配の女性客がおしんこどんに話して下さったところによると「前に足の骨を折って、それからはずっと痛みと同居していたんだけれど、さすが温泉だねぇポカポカがなくなっても痛みが出てこないよ」ということだったので、やはり温泉ならではの効能はしっかりしているようです。われわれは悪いところがないからそういうところがわからない‥いや、わからないでいられることこそ幸せなんですが(笑)。

さて湯上がり後は夕ご飯なのですが、ここ静心山荘の食事は手作り感満載でとっても気に入りましたっ!



まずこちらは前菜。特に高級感はありませんがそんなのもともと不要。山の幸が丁寧に調理されています。



あとから出てきた山菜天ぷらに至るまでにはもうお腹いっぱい。お汁はともかくごはんは食べられませんでした。

ちなみに上記画像以外にもまだ料理はありましたので念のため。なおこの夕ご飯の一菜を参考に数日後おしんこどんがキャンプ宴会のおつまみに作ってみた「クリームチーズにほんの一手間」は、メンバーから好評を得ていたことをここに付け加えます。なるほど簡単で美味しかった!たぶん次回のくまTakemaオフでも出てくるかな?

夕ごはん後おしんこどんはいつもの通り「轟沈爆睡」。いや何だか体調がイマイチとのことなのです(あとで知ったことですが家を出る段階でその予兆はあったのだとか)。布団に入っても寒いそうなのでコタツにもぐっていましたが、もし風邪だとしたらそのパターンは一番まずいのかもしれません。でも実際の体感で寒く感じるのであればそれも仕方ないことです。しまった風邪薬を持ってこなかった!

明けて翌朝、おしんこどんの体調はやはりイマイチなのではありますが、身体を温めるべく朝風呂へ。あ、こちらの湯はもちろん男女別ですよ。

そういえば高湯温泉では内湯の硫化水素対策がしっかりしているようで、高原荘でもそうでしたがここでも湯口部分に強制排気用のファンが回っています(湯口は木製カバーで覆われているので目視不可能)。他の温泉地では「窓を閉めるな」等の消極排気が多いような気もしますが、これはこれで納得です。

そんなわけで朝ごはんタイム。画像はありませんがこれまた地の物を使っていて、イタドリなんかも出てきました。宿の周りにも生えていますが温泉の関係もあり別の場所から採ってくるんだそうな。ちなみに原発の事故後周辺の放射線量について調べてもらったそうですが、「高湯界隈は全く汚染されていない=平常値と同じなので気にせずどんどん山菜を採って大丈夫」と専門家からお墨付きを得たそうです。

さてそろそろ出発です。ほぼ快晴、「福島の空に未来を見よう」そのものの上天気です。しかしTakemaとしては空を見る前にもうちょっと見たい場所があります(笑)。それはやっぱり‥源泉界隈。

しかし、山荘入口あたりを通る送湯管(別の宿へ配湯)入口には「立入禁止=硫化水素ガスが発生しているので」という道標掲示があります。これを無視して特攻するTakemaではありませんのでこちらは眺めるのみ‥と、ふと足もとを見ると‥


(ハイここで右上画像マウスオンよろしくです)

配管の内部には勢いよく源泉が流れておりました。ちょいと失礼して手湯ならぬ指検温をしてみると‥そこそこ熱めの湯が流れ下っておりました。この配管の分岐っていったい‥と思うやいなや、すぐさまスペクトル光線よりも素早くTakemaの思案がまとまりました!そう、これもまた硫化水素ガスの自然排出用換気口なのだと!

さてそんなわけでお宿をチェックアウト。もしかしたら好みが分かれるかもしれないここ静心山荘ですが(ご立派な設備を期待する方にオススメできないのは確かです)、わたしらはしっかり気に入りましたよ!日帰り入浴を含めてたぶんまた再訪するんじゃないかな(高原荘よりもTakema的にはヨカッタ)。

しかしなかなかスタートに至らないTakema車フォレスター。だって、少し登って源泉エリアを見にいこうと思ったんだもの(笑)。

数十mほど歩いて(登って)いくと源泉エリアに到着しました。何だかちょっと魅惑的な湯だまりが目に入りますが、ここはあくまで管理された源泉なので立ち入りは絶対に自粛しましょう(笑)。ちなみに高湯の源泉は見た目よりも成分固着(スケール)が付きやすいのか、パイプ掃除は週1回、各宿とも4-5時間かけて行っているのだとか(ご主人談)。「温泉は勝手に湧いてくるんだからお金もかからずお客を呼べるんだからいいよなー」と思っている御仁、源泉の維持管理はとっても大変だしお金もかかるんですよぉ!

さて特にヒネリも自己ツッコミもなかったこのページですが、このあとは米沢方面へと向かいます。あれま、ここでそれを買うのかい?
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