− その6 嗚呼日本海に流れ出づる「湯の川」よ!おまえは‥ −



わけあってこの界隈には人がいないのであります(謎笑)。

さて続いては海岸沿いの湯の川探索であります(ただしこちらはちょっとわけあり湯ですので場所をお問い合わせいただいてもお答えできません。ご了承下さい)。

しかし、チューリップ畑を散策した後のおしんこどんはいよいよ発熱でノックアウトモードに入りつつありました。もはや野湯の探索に付き合える程の気力体力とも残っておらず「車で待機」と相成りました。しかも断続的に雨がザザーと来るような天気+強風というわけで、すぐ近くのぐるぐるはやたらに元気でしたがTakemaのテンションは結構ネガティブ方向へと低落していたのでありました(え、何だか意味不明の箇所があるって?ふふふのフ=性格悪)。

さてここは確かに海沿いの砂浜ではありますが、陸地側からダイレクトに海に出られるルートがありません。よって、勘を働かせての「ぐるっと大回り」必須というわけですが、わっかるかなー(自分は偶然うまくいきました)。

そんなわけで、まずは「検温度チアー」とまいりましょう!

ほほぉ、43.6度とはなかなかいい感じの湯温であります。し、しかしこの直後通り雨がザザッと!うっはぁ傘持ってこなかったんだよぉ(泣)。時には雲の切れ間から太陽が顔を見せたりもするのではありますが、その一方で「さらなる黒雲」も「今から行くかんね、覚悟せなあかんよ」という感じで近づいて来ているのが見えてます。うーむどうしようと約3秒ほど深謀遠慮、熟女に熟女を重ねた上で(あれ?変?)出した結論、それは‥

という苦汁(いや青汁じゃないって)苦渋の選択を行ったTakemaでありました。いや、おしんこどんの具合も気になりますから一刻も早くゆっくり横になって休ませてあげたかったのです。まさにやむを得ない選択‥え、何だか恩着せがましいニオイがするって?いや確かにこの湯のニオイは独特ですが何か?(笑)。

そんなわけで足湯。今考えてみれば腰湯くらいする時間的余裕はあったんですけれどね(後悔先不立)。ちなみにお湯はごらんの通り黄土色系の濁り湯です。

この湯がどこから流れてくるのか、源泉は海岸なのか?とりあえず「源泉地は海岸そのものの場所ではない」ことだけは確かですが(笑)、あとは文字通りの企業秘密ってぇやつでご容赦ください。ただしわたしは「湯」とは書いていますが「温泉」「源泉」とは書いていないことだけはご理解下さい(笑)。

歩いて車に戻るとおしんこどんは車内でまだぐったりしていましたが、お願いもう1湯だけ立ち寄らせてね!そうしたら温泉宿に‥いや、予約しているわけじゃないのでこれから探さなきゃいけないんだけれど(大汗好き勝手Takema)。

そんなわけで長駆えっちらおっちらとやって来たのは‥「その道に妙(たえ)なる御方々」にとってはある種の聖地とでもいうべき温泉「西方の湯」であります!

遠くからでもいやがおうにも目に入る「親鸞聖人」の立像がその存在を近隣に知らしめています。施設の前にはそれこそ100台くらいは止まれそうな広大な駐車場が広がっているのですが、この日この駐車場に車を止めたのはTakema車だけだったかもしれません(左上画像)。道路沿いには照明付きの「温泉」看板が置かれているのですが、偶然この道を通りかかった一般観光客からすれば「温泉らしいけれど何だかアヤシイよねー」という気分になること請け合いです。

玄関方面へと歩いていくと、コンクリ造りの立派な建物ではありますがやや年季が入りつつあるかなといったところ。でも玄関部分には「営業中」とか「源泉かけ流しの湯」などといった掲示があり、この部分を見る限り「普通の温泉なんだろうな」という気にもさせられます(笑)。しかしコトはそう簡単でもないのであります(大笑)。

玄関から中に入ると、フロントから出てきた女性が出てきました。入浴の件につきお願いするとどうぞどうぞとのことでこちらは問題なし。その場で場所を案内されたところまではいいんですが‥?

この「謎のロビー地帯」を通り抜けると、今度は左に曲がって長い通路をまっすぐ進むことになるわけですが‥進行右側には多くのテナントを収容できる店舗スペースがずらりと並び、そしてもちろんというか現在営業している店舗はなく、がらんどうというかここもまた半分物置のようなゴーストタウン化しています(笑)。

思うに、ここ西方の湯は入口に「総合会館」と書かれていることからも想像できるように、結婚式や披露宴、さらには大宴会などの大型案件に対応するために建てられたのでしょう(あ、忘れちゃいけないのが宗教的な会合です。こちらの施設の運営は「宗教法人 越後の里親鸞聖人」ですから‥。ちなみに調べてみると親鸞聖人は越後に流罪になったことがあるようですから、この宗教法人の立地には一定の正当性がある‥のか?)。一般法人なら維持管理費はもちろん固定資産税ほかの税金もバカにならないでしょうが、「宗教的施設」として認証されてしまえば‥。というか、そうでもなければやっていけない気がしますこの温泉(苦笑)。

まぁそんな話はどうでもいいとしていざ肝心の温泉へと向かいましょう!

こちらは男湯の入口。脱衣場はというと、かなり広々としていて鍵の掛かるロッカーがずらりと並んでいます(左上画像マウスオン)。先ほどのロビー等に比べれば「整然」という言葉がぴったりです。照明が消えているのは時節柄節電のためと理解することにしました。

そして右上画像には源泉についての説明書きがあるのですが‥その下を見ると‥(右上画像マウスオン)!

実はこの日の午前中、ここ西方の湯に素泊まり宿泊希望の電話を入れていたのですが、経営者?の方が不在ということで泊まれるかどうかはわからないとのことだったのです。もっとも今日こうして訪問することは予定に入っていましたから、「では午後3時以降に直接伺いますのでその時に‥」とお約束して電話を切っていたわけです。

もっともその時、「食事なしの素泊まりしかやっていないということだからたぶん大丈夫だろうな」とタカをくくっていたのは事実です。で、到着時に入浴のお願いとともに「ところでお昼前に電話したものですが」とことわった上であらためて「宿泊の可否」を聞いてみたわけです。すると先ほどの女性従業員さんいわく‥

恐縮して謝ってくださるこの方に「いやぁもともと予約していたわけでもなく『今日の今日』の話なんですから仕方ないです。お気になさらずに」とは申し上げましたが、その一方で「今宵の宿」について黄信号点滅というかイエローカードが提示されてしまったのも疑いなき事実なのであります!お天気は結局雨が降ったり止んだりですからキャンプは避けたいというか、今回持ってきているのは宴会用巨大家型テントですから「ただ1泊」のために出したくない(設営も撤収も大変)&じゅんさい沼で使うまで濡らしたくはありません。

かといって車中泊は原則したくないわれわれ(地元で出来るだけお金を遣おう!)ですのでそれは避けたいし、そうでなくとも熱と頭痛に苦しむおしんこどんのためにも今晩は畳の上で布団に横にならせてあげたいのです(え、また恩着せがましいって?(苦笑))。しかしGW中の土曜の夜だし‥(不安)。

などなど不安は尽きないところですが、おっと考えてみれば局面は「さぁまさに西方の湯に入らん!」というところでしたっけ(汗)。ではではいざ入浴四万Show!(ミスタイプにあらず)。

おおおーっ!かなり黒色系濃度の濃い湯がたっぷりと惜しげもなくかけ流されております!(別に惜しんでいるわけでもないか)。湯の表面にはアブクが浮いていますが、特にアワアワ感はありませんでした。湯触りは多少のツル感ありといったところ。

しかしここ西方の湯をある種の聖地せしめているのはこの「黒湯」というよりもそのニオイなのであります。「浴室への扉を開けた瞬間に解き放たれるその凶暴な湯臭」「ドブ臭」「トイレのニオイ」という先人の形容を拝読して以来「早く行かねば」という気にはなっていたのですが、今回実際にクンクンした感じでは‥

要は消毒臭にアブラ臭の混じった感じでしょうか。特に自分にとっての嫌気臭ではしませんでした。まぁ確かに滅多にないニオイだし、またしばらく肌や服からは臭いましたが(笑)。

ちなみに上の3画像を見て「あれれ?」とお思いになった男性諸氏、あなたは正解です。Takemaの男湯入浴時、先客は2人グループのみで湯縁で歓談中でした。「このお2人は遅かれ早かれ出ていくな」とタカをくくっていたのですが、あにはからんやいつまでもいつまでもいつまでもいつまでもその態勢でののんびりスタイル&会話は終わることを知らないかのようです。30分くらい忍耐タイムを過ごしましたが、状況は何も変わらずというわけであえなく「撤退」。

湯上がりのおしんこどんに聞いてみると「女湯は終始誰もいなかったよ」ということで、急遽おしんこどんに女湯の画像を撮って来てもらった次第です。体調悪いのにすまんねー。あーでもうまくすればここで本日の営業終了だったのに、ここからは「お宿流浪の民」となり今宵のお布団を探さねばなりません。

西方の湯界隈は観光地でも何でもないのでほとんど宿泊施設がありません。もっと南下すれば気になる温泉宿はあるのですが「割烹温泉旅館」という宿名を聞いた瞬間にパスですよね(しかもこの時間=16:30にお願いしても夕食なしですから、こういう宿は宿泊を断る可能性が高そう)。

というわけでこの界隈での温泉エリアを探るに‥うーん一番近いのは瀬波温泉。これまであまり考えたことのなかった温泉地ですが背に腹は替えられない?というわけで一気に瀬波温泉へ。「朝食付きお宿空室あります」というヒジョーに魅惑的な看板も目にしましたがまずは観光協会へ。観光協会でのお宿斡旋を頼んだのって2010/10の気仙沼以来だなぁ。「気仙沼ホテル」もとてもいいお宿だったのだけれど、今はもうかの地にあの建物はないんだよなぁ(祈復活!)。

で、瀬波温泉観光協会の女性はあまりこちらの要望を聞くでもなく「では大清さんに連絡してみましようか」。え?と一瞬だけ考えましたが、考えてみればこの時期この日この時間、選択権はわれわれにはないのでありました(笑)。電話をしていただいて料金を確認。鄙び系温泉地なら夕食付きの料金提示ではありましたが、「1年で一番高い料金設定日」であることと、そして何よりもすでに17:00をとうに回っているという時間的な縛りを考えて「OKでーす!」ということに。

そんなわけで今宵のお宿は「旅館 大清」。外観はちょっと昔ながらの雰囲気もありますが内部はきちんとリフォームされていて、正直なところ期待以上でありました(部屋も10畳+広縁でしかもシーフロントなのには驚いた)。

駐車場はさすがにほぼ満杯だったので、宿泊の皆さんの夕食タイムはお風呂もガラガラなはずだし‥と思っていたら、外来入浴の地元の方々が来る来る(笑)。ここ瀬波温泉には共同湯がないので宿の湯がその役割を果たしていると思われます。そんなわけで浴室の画像は明朝一番ということにして、とりあえず西方の湯の湯臭を落としました(自分としては気にならないんですが、他の宿泊客や寝具にニオイが移ると申し訳ないので)。

湯上がりにちょっとうろうろしていたら、オーシャンビューのロビーがあってちょっと嬉しい♪



もっともこの日はご覧の通り「日本海に沈む夕日」とは一切縁がありませんでしたが(苦笑)。

で、夕食は外でと思っていたのですが、ホテル内の食事処が案外リーズナブルだったのでここで食べることにしました。というかおしんこどんの具合を考えると安静が一番なので(これは真面目にそう考えたということをご理解下さい(笑))、食事処の「はまなす亭」で安直かつ正しい判断での夕食といたしました。ビールも飲めるしね♪



このお食事処もオーシャンビュー(左上画像参照)。Takemaは海鮮丼。大盛り系じゃなくてヨカッタですわ。

そんなわけで安らかに養生のおしんこどんでありました。Takemaはいつものようにダラダラと芋焼酎タイムの末23:30頃ゆっくりと寝たわけですが、翌朝4:50、しっかりと朝一番の湯へと果敢に向かったわけなのであります!

朝風呂は5:00からということと、湯治宿でもないこのお宿&GW真っ盛り期間ゆえとてつもない早朝湯好きのお客率も少ないだろうと思いつつ、それでも4:50には服を脱ぎだしておりました(笑)。というか過去にいろんなところで「朝湯は○時から」という掲示が全くもって意味をなしていなかった経験がありますからね(笑)。幸いこちらではそのような計画的フライングをかける御仁もおらず一番乗り‥あ、今回はまさにTakema自身がフライング行為!(大汗)。



しっかりかけ湯浴槽ありでポイント高し。浴室中央には飲泉場もあります。源泉は94.7度だとか(なお瀬波全体が集中管理の配湯)。



大浴場はかなーり広々、窓からは日本海の「小波」が見渡せていました。右上画像マウスオンで意味なく足画像♪

ちなみに朝一番湯に入った時には浴槽からかなりの量の湯があふれ出ていました(それまで誰も入っておらず洗い場が乾いている状況ですから間違いなく実質的なオーバーフローです)。でもこちらの宿の湯は加水はともかく循環湯らしいんですよね。循環と源泉加水湯投入の併用なのかとも思いましたが湯口は循環湯らしい‥そこに話をややこしくしている「いい湯使い」らしいのが「生体エネルギー」なのですが‥

世の平均的な皆さまよりも多少は温泉に浸かる機会が多いTakemaではありますが、結局この「生体エネルギー温泉」がどのようなものなのかはよくわからないままでした。加水部分が生体エネルギー云々として、でもその水と温泉をまた循環してるということなのですか?加水用の生体エネルギー水が悪いものじゃないとしても、結局は湯使いがよくわからないところがイマイチではありました。

でもここ瀬波の湯が温まりの湯であるということだけはしっかり体感しました。で、部屋に戻ってふと窓の外を見てみると‥



あれま、窓の斜め向こうには男性浴室が丸見えなんですが(笑)。

何だか、昨日の最後の最後に空いていた部屋である理由がわかったような気もします。ギャル群団が偶然泊まったりしたら‥覗きますな(笑)。いやギャル群団じゃなくてももしこれが女湯だったりしたら‥いやまぁいいや。こちらとしてはそういう出歯亀系(完全死語!)の興味は全くないですし、とにかくどなたも入っていそうにないタイミングで撮影した次第です(浴槽内の波も全然ないでしょ?)。

さてこのあとは北上し、笹川流れ方面へと向かいます。
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