− その3 屋敷温泉の湯をタンノー、そしてあれれ和山の湯も? −



そうそうこの「緑の湯」、今回はこの湯をタンノーするためにここまでやってきたのです!

そんなわけで夕ご飯終了後にもちろん内風呂へ(2回目)。前回訪問時に女将さん(今は娘さんが切り盛りしているので大女将?)が、

と説明してくれたことを思い出します。実は夕食前にもささっと入浴していたんですがすでに透明度がだいぶ違ってます!



これが夕食前。同じアングルでは撮りませんでしたがかなり濁ってます(右上画像マウスオンで夕食後画像へ)。

まぁたしかに元画像はちょっと湯気で曇ってますけれどね(苦笑)。でも夕食前はホントに湯底が見えなかったんです(実は湯底にはところどころに塗装の剥離部分があるので、透明度を見るのにとっても都合がいいんです)。

いやはや気持ちいい硫黄泉!もちろん正しくは「含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉」ですが、この泉質名称って何の目的で現在のものに変更されたんでしょう?わかりにくくってしょうがない。ま、確かにちょっとでも硫化水素臭がすれば硫化水素泉というのも強引な話ですが(笑)。

左上画像を見ればわかるとおりわずかながら自噴源泉にホースで加水されています。で、なぜだか寝湯のほうは濁ったりしたのを見たことがありません(右上画像マウスオンで無意味に寝湯足画像に変わります)。

で、今度は防水カメラでメイン浴槽内を撮影してみました。

左上画像はちょうど画像の真ん中に湯面が来るようにして撮影したもの、右上画像は湯底を撮影したものです。室内照明のみでの撮影ですから色が強調されてはいると思いますが、やはりかなり黄色い色つきがあるように思われます。そんなわけで第一次湯治調査は終了、このあと湯を抜いて掃除ということですから翌朝また比較してみましょう。

そんなわけで翌朝ふたたびやってきましたよん。とはいえ暗いうちに来ても仕方がないので「もういいか?」というタイミングでの早朝湯治調査です。



色合いは太陽光が有る無しで写り具合も違うはずなので比較できませんが、これを見る限り完全に透明湯ですよね(ちなみに湯底はスカイブルーの耐蝕塗装と思われます)。でも実は前夜、湯底の湯抜き栓が見えずにつまづいたTakema、いえいえそこまでヨッパーだったわけではありませんので‥

【秋山郷 屋敷温泉】
それがわかっただけでもう満足、あとは直接湯を汲んで頭も身体も洗いまくり、ついでにトドったわけでありました(ただし換気状況がいいのであまり長時間のトドには向きません)。

ちなみに浴室は屋根続きとはいえ別棟で、コンクリ造りの湯小屋の上に木製の立派な湯気抜き小屋が鎮座するという独特の構造です。

さて朝ごはんはご覧の通り。もちろんTakemaにとってはこれでも多いのですがまぁ十分食べられる量です。それよりも問題は昼食をどこで食べるかだよなぁ、食べられる場所が極端に少ないので‥

それでは出発。とはいえ連泊ですし秋山郷から外に出るつもりもないので行き先はどう考えても切明温泉方面以外にはないのですけれどね(笑)。それにしてもこの日の朝は寒くて、昨日のうちにこの露天風呂に入っておいてよかったなと実感。あ、このさらに翌日にはもっと冷え込んだのですが(笑)。

お隣の民宿「かじか荘」さんは休業モードに入ったということで女将さんに聞いてみると「親族なんですが高齢でね‥」ということでした。かじか荘さんほかについてはあとでまた(別件で)触れることになりますが、日本全国で多くの集落があと10年のうちに消滅してしまうことでしょう。しかしそれを食い止めようとする動きは全くなく、各集落は滅びようとしています。地方分権?違う違う、あんなのは末梢神経たる本当の集落まで考えていませんって。たぶん地方の役場を建て替えることから考えるに決まってます。

すぐそこの山まで雪がやってきている中、ここでの生活を想像してもしょせん想像の域を出ることは出来ません。江戸時代に鈴木牧之が著した「北越雪譜」に「江戸などで雪を遊楽の種にする例は数知れない」という旨の記載がありますが、それは今でも完全に同じでしょう。右上の画像を見て「きれいだなぁ」と思うか、「来ちゃったかぁ」と沈痛な思いに沈むかはあまりにもはっきりした違いです。そしてその違いを実は自分が全然自覚できていやしないのです。

あぁまたぼやきが始まっちゃったのはジジイ化しつつある自分のここ最近の悪癖。そんなわけでもうやめてさっさと旅行記を続けましょう。



そんなことを呟いちゃうのはこうやって冬仕舞いの風景を目にしているからかも。春だったらもっと違うのかな。



山には雪が付き始め、R405にも凍結路が。もちろんスタッドレスに履き替えてきているのでとりあえず問題はなし。

さて切明方面へと向かう途中、ついつい気になっていた温泉がありました。それは「和山温泉」。というのも、その昔この界隈をバイクで走って来たときに和山の湯に浸かった記憶があります(確か志賀高原から雑魚川林道経由で下りてきたはず、たぶん2-3回あったはずです)。

しかし何年か前に和山温泉「仁成館」は廃業したという話。でももう一度あの湯に浸かれないものなのかどうなのか?もちろんこの件に関しての下調べも一切してきませんでしたので「行き当たりばったり一発勝負」なのではありますが‥。



ご主人に聞くと、「宿としてはもう6年前に廃業を届けているのでやっていないが、かつての常連さんが遊びに来るんで云々(以下略)」ということでした。「今はその常連氏が入っているんで、彼らが出るまでまぁここでゆっくりしてください」とストーブの前でしばし世間話。え、ご主人のお生まれは東京の京橋なんですか?そして横浜の中華街云々‥ええっ、そ、そんなことも!(このあたりについてはここで書くのもナニなので直接お聞きするべし)。

そうこうしているうちにお風呂が空いたので「それじゃお2人さんどうぞ入って下さいね」ということになりました。あ、元々入浴をお願いしたんだから当然の流れなのですがお話しが面白すぎ(笑)。



廊下の風情や掲示などは「まだ普通に営業している旅館」という感じです。でもすでに宿としては廃業なのだそうで‥。

で、通路を抜けた先で目にした風景、それは‥





そんなわけですっかり満足。ぬる湯には何時間でも浸かっていられそうな感じでした。



源泉湯口にビニールが掛けられているのは周辺の凍結防止?向かいには鳥甲山の勇姿がちらほらと。



露天風呂から内風呂を見上げると‥恐ろしいものがぶら下がっておりました(笑)。さすがにこの時期には活動停止でしたが。

湯を上がって戻ると「コーヒー飲むかい?(ストーブの上であぶった)アンパンもあるよ」とこれまた歓待していただき、周りで寝ている犬も「この犬はね‥」とへへー系のお話を伺いました。ちなみにふだんは温泉をごく一部しか使っていないらしく(連休で常連さんが来るのでフルモードにしたらしい)「湯がちょっと黒っぽく濁っているかも」ということでした。そこでついでに内風呂を見学だけさせてもらうことに。



ああ、こちらの湯もよさそう!廃業したお宿とは思えません!

ちなみにご主人いわく「ここでの生活ももうずいぶん長くなったけれど、年をとるにつれてやっぱり冬がどんどんしんどくなったね。雪はもうこりごりだよ」とおっしゃっておりました。でも‥

そんなわけで気がつけば1時間半以上おじゃましておりました。心付けをお渡しした上で和山の湯を辞去したわけですが、いやぁ楽しかった。さてそれでは秋山郷最奥の切明温泉へと向かいましょう。
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