− その12 仙人温泉小屋の露天風呂入浴&野湯それぞれを堪能 −



にゃふふー、北アルプスのお山ん中でただ今@真っ昼間から入浴いたします!(激嬉)。

とりあえず部屋に入って落ち着いたところで、次に為すべきことといえば当然必然の助動詞的に「入浴行動の完遂」であることは間違いありません!まずは露天風呂へ。時間が早いこともあって先客さんはなく夫婦水入らずで湯っくりです。



言うまでもないことですがビールを持ち込んでおりますので‥はふーシアワセ。



湯船に引き込まれている源泉は70度弱とアツアツゆえ加水されていますが‥だから何なのよというレベルで気持ちいいっ!




(上画像マウスオンであまり意味のない拡大画像に変わります)。

しばらく山歩きをしていなかったので、小屋泊まりとはいえ体力的にちょっと心配もあったTakemaでしたが、大丈夫、まだしばらくは山に登れそうです。秋の山にも行ってみようかなぁ。
【仙人温泉の露天風呂にてまったり湯ったり】

話は仙人温泉に舞い戻り、仙人湯の源泉を投入してランチです(左上画像)。とある方から「お湯の投入量を正確に」と言われていたので慎重に投入したのと、湯上がり時間を計算して先に作業しておいたのでそれぞれがドンピシャ!美味しくいただきました。

そんなわけで昼食後まったりしていたら「ちょっと雲行きが怪しいぞ」というわけで屋根に干してあった布団一式撤収開始!もちろん撤収行動に参加したわれわれです。Tさんが投げる布団、着地したそれをわれわれが部屋に放り込みそして畳み、その繰り返しが延々と。この日は人数がいたからいいですが、オフシーズンはもしかしてTさんが全てこれを?ひと夏で体重は9kg落ちるということですし(公式サイト参照)、やっぱり山が好きじゃないと到底出来ない仕事です。

さて、午後は対岸@憧れの源泉地帯へと向かいます。ここであまりにもありがたかったのがこの「仙人谷本流の架け橋」。実はこの前日右上画像先頭に写っているKさんは「この丸太を斜面から現場に運び落とし」てから池の平小屋に上がったのだそうです。となるとそのあとの作業は全てTさんがお1人で?たぶん間違いなくそうだと思うのですが、あまりにスゴイ!(左上画像マウスオンで足元しっかり系の橋画像に変わります)。

沢を渡ってひと登りすると源泉地帯に到着するわけですが、登山道の下流側にはドカシー設営の入浴跡が。Kさんに伺うと「これは小屋を閉めたあとに来た or それ以外の登山客がやりっぱなしで放置したんだよね」とのこと。

たとえば宮城は鬼首の有名野湯もそうですが、結構あちこちでブルーシート三昧&放置がひどいことになってます。ブルーシートを使うなとまでは申しませんが(風情はないですが、それがないと楽しめない野湯もありますし‥)、でもせめて「自分が楽しんだあとはシートを撤去」してほしいのです。そりゃ厳密にいえば石を組んで湯船を作るのだって改変なのではありますが、それとブルーシート放置とはレベルが全然違いますよね?石を組むだけならやがて元に戻ろうとする自然の力が期待できますが、ブルーシートはそのまま土砂に埋もれていくばかり。こうなるとシートの撤去そのものが甚だ困難というか無理な話です。

ここ仙人温泉までブルーシートを持って来て放置するというのは明らかにひどいやり口です。そんなメタセコイアはやめてきっちり正しく云々しましょうよ!

で、ここからは「正しく云々」の隠密行動です(笑)。噴気帯のあっちこっち、さぁってどこなのか?われわれはKさんに誘導してもらったので問題ありませんでしたが、そもそも噴気帯エリアをうろうろする危険があるわけですし、野湯可能エリアには「ヒミツのヤブ漕ぎ」をしなければ到達できませんので、自力で見つけるのはかなり困難でしょう。ただしわたしに場所を聞かれてもお答えすることはもちろんできません(ご理解下さい)。管理人のTさん他関係者の方々の忙しさ次第かと思います(無理強い厳禁)。

まずは登山道から登って源泉見学です。実はここ仙人温泉はの噴気帯は源泉がふんだんに溢れ出ているわけではなく、その道の方ならわかる表現では「造成泉」、わかりやすくいえば「高温の蒸気(噴気)に沢水を通すことにより熱せられた湯を使用している湯」というわけです。もちろんこれも立派な「温泉」なのですが(そもそもこれと同じ温泉素性の温泉地は全国各地にあります)、だからこそ源泉地帯にもかかわらず「こぼれ湯がほとんど無い」のでありますよ。

右上画像は造成により出来上がったばかりの湯を貯めた池。この湯が沢の反対側の小屋まで中空ワイヤーを伝って導かれているわけで、つまり仙人温泉の湯は「空を飛んでやってくる温泉」というわけです(笑)。なお、間違ってもこの源泉ため池周辺の土盛り部分に踏み行ったり、ましてやいじくったりしないように!(強く要請)。

さてここからはまさに隠密行動の末、野湯エリアへと到着しました。

Kさんによると掘れそうな場所は2箇所、で、左上画像のほうは広さもあって「時間を掛けて掘ればかなり快適」な湯船ができそうだったのですが、いかんせん表面を流れる湯が推定48度レベルだったので断念。そのすぐお隣界隈が適温だったのでこちらで作業開始です!



【仙人温泉源泉地帯で湯欲を満たすべく!】
ご覧の通りの灰色をしたネチョネチョ系の泥をどんどん汲み出します!ところどころドブ臭のする地層もあったりしましたが(苦笑)、それはそれ、スコップで地層ごとはぎ取ってしまえば問題梨は豊水すすきのというわけです(ダブルスクランブルなのでわからない人ごめんなさい)。そんなわけで‥




(この泥湯に入ることをシアワセとするか否かについては判断が分かれるところだと思いますが(笑)。)

それにしても、掘り出した泥の山の堆積量にあらためて「われらが成し遂げた偉業」について感じ入るところでありました。この泥の堆積は、見えている部分はごく一部、上画像の下流側方面にはそれこそ剱沢雪渓のごとく、下流に向かってたっぷりとゆったりと泥渓が連なっています。いやぁいい仕事したわ。以下温泉関係の先人により使い古された言葉であり、しかも当該番組はとうの昔に放送を終了しておりますが、それでもあえて言いましょう。


(お願いですから「バツ」って読まず「エックス」と読んでください(懇願))。

そんなわけでTakemaとしては大満足の野湯であったわけですが、この時点においてもおしんこどんはまだまだそこの泥すくいの手を休めません!「さらに広く、深く」という野望というか湯望を体現すべく頑張るのであります。最近おしんこどんは野湯に同行しても「見るだけ=カメラ係」という傾向が強かったのですが、この時はどうやら仙人さまがおしんこどんの「眠れる野湯魂」に一気に火というか噴気を押し当てたようなのです(笑)。

ただ、途中で夕立の子どもたちが空から降りてきたこともありおしんこどん無念。たぶんあの勢いだったら「もう一段上の湯船」も造っただろうなぁ(笑)。いや、子どもたちさえ降りてこなけりゃ自分もやった可能性が高いです。でも土砂をどこに積み上げればよかったのか?そうか、「上から下へとリレー」かぁ!(一人で納得)。



湯底の泥はどんどん増えてきます。なぜって、周縁部の壁がどんどん崩壊してくるからです(笑)。



ちなみに湯(透明)の流入量は僅かなものですが、下からも湧いています。いわゆる「足下自噴湯」でもあるわけです。



そんなわけで入浴完遂!上に書いた「剱沢雪渓のごとき」泥の一部がちょこっと見えてますね(笑)右上画像マウスオンで拡大します。

そんなわけで野湯タンノーのあとは「泥湯入浴後の現実」が待ち構えております。そう、それはもちろん「身体に付着した泥をどうするか」ということなのです。

左上画像は「入浴途中にたまたま乾いてしまった右手」です。これは是はコレハ!ま、いつもの通り「濡らして拭き取って」オシマイ。だって、小屋まで戻れば身体もタオルも文字通り「洗えます」から!小屋まではちょっとジャリジャリしても気にしないっと!そんなわけでおしんこどんも着用完了!(右上画像)。

そうそう、この界隈某所にはコケモモが大量に実を付けておりました(左上画像マウスオン)。北アルプス北部の登山道沿いには結構どこでも見られる実ですが、やっぱりフルーツ街道の名は伊達じゃない(いや、前のページでTakemaが勝手に名付けただけですが)。

このあとは小屋へと戻るべく沢へと降りていきます。お借りしたスコップを沢水できれいに洗い清め、本日の湯に感謝すべく無意味に橋の上でバンザイ行動。前ページにも書きましたが、この橋はまさにこの前日、小屋主のTさんの作業により掛けられたものなのです。この橋があるとなしとでは(それこそ雨天後の増水時には)大違いなわけで、TさんやKさんの登山道維持管理作業には頭が下がります。そしてそのことは仙人池ヒュッテや池の平小屋、そしてこの翌日に向かう阿曽原温泉小屋の関係者各氏にも申し上げたい!感謝感謝!

裏剱の急峻な地形に築かれた登山道の維持管理は同じ北アルプスでも多少なだらかな山容エリアに比べればかなり大変なはず、しかも「登山客の多寡にかかわらず状況に応じたベストの整備が常に求められる」のはどんな山域でも同じです。今回、7/下旬−8/上旬という、ある種「一番山が混むと思われる」時期にこのルートを歩いたわけですが、ホントに登山者の数は数えるほど。ま、この山域に限っては「紅葉の時期に異常なほど混む」というのが通例のようですが、紅葉ばかりが山の価値じゃなし、「裏剱は秋」と限定しちゃうのも何だかモッタイナイよなぁ‥。

実はしっかり小屋の備品である長靴をお借りしておりました(Kさんありがとうございました、もし登山靴で行ってたらズボズボ泥まみれ間違いなしでした)。ちなみに小屋近くのある場所には昔懐かしいスチール缶が半ば朽ちた状態で残っておりましたが、アルミ缶だといつまでもそのまま残るのかな?

帰着後はしっかり野湯の汚れを洗い流したうえでまったり。結局雨は小雨がぱらついた程度で何とかなりました。さーてそろそろ夕方となれば夕食(という名のドドンパ宴会)!そうなのです、すんごかったのですいろいろと(笑)。
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