− その5 原口そばや、大の目温泉経由東根温泉松の湯旅館行き急行Takema号奈良行き! -

そんなわけでお昼ご飯を求めてあえて郊外の原口そばやさんを目指します。この時間は穏やかな天気でしたが、この道中には軽のワンボックス車が道路際で大破しておりJAFが出動して収容作業中でした。地元の車でもちょっとした油断であんなことになっちゃうんですから自分はもっと気をつけなくちゃ。

さてそんなわけで案内看板に従って県道から左へ曲がるところで「ここ、来たことある!」とピピーンときました。実はこの近くに楢下宿こんにゃく番所という観光施設があるのですが、ここを通ったついでにとある湯宿を探したことがあったのです。

まだナビも装着していませんでしたし結局は見つけられなかったのですが、その途中このお蕎麦屋さんの前を通っていたことがあったというわけです。まさかこのお店を目的地にしていたとは(笑)。

看板がなければ絶対民家にしか見えないお蕎麦屋さんですが、ここを目指してくる限り迷うことはないでしょう。隣接地に広い駐車場もありシーズン中はかなり混むんでしょうね。

玄関前には2匹の猫がひなたぼっこ中。でも案外風が巻いているので日だまりというほど暖かくはないんですけれど、とにかく身体を動かしたくないのかちょこねんとしてほとんど動きません(右上画像マウスオン)。なお食事後も基本的にほぼ同じ場所でちょこねんとしていたのでおしんこどんがちょっかいを出しましたが(左上画像マウスオン)、「オラに手ぇ出すとヤケドするぜ!」という意味だったのかこのあと手をひっかかれてました(笑)。

店内に入ると、さすが年末の平日13:30を回ったあたりということで先客さんは2組のみ。面白いことに注文は席に着く手前の入口付近でする必要があります(いつもそうなのかは存じません)。こちらのお店に行ってみようと思われる方のためにメニュー画像を張っておきますのでご参考まで。



完全に民家のお座敷ですね。よく見ると「コップ酒」はいまだに一級酒と二級酒で区分されています(笑)。



注文が終わると番号札が渡されました。本日9組目のお客?それはともかく突き出しの菜漬けが酸っぱくて美味しい!


そんなわけでもりそば&とりそば(小)が出てきました。わたくしTakemaは細麺の更級と太麺の田舎そばの中庸あたりが好きなんですが、このお店の蕎麦はもっと田舎寄りかと思ったら案外さらりと食べられる感じで結構好み。つゆがやや甘めなのはこの地域のデフォルトかも知れません。でもやや辛よりはいいのかな、結局自分は何ごとも中途半端な「中庸好みという名の中途半端」なのかもしれません(自虐)。

お腹を満たしたあとは再びR13を北上します。道としては何の面白みもないのですが、片側2車線でかなり流れるし何よりも路面に雪や氷が残っていないので安心です。そんなわけで、山形市内で1湯くらい立ち寄り湯をしても天罰は下らないだろうということで「大の目温泉」へ。

山形県庁から直線で4kmくらいのところにあるこちら「大(だい)の目温泉 旅館安部」。実は一昨日の計画段階ではここに泊まろうとも思っていたのです。ここは旅館もありますが併設でラーメン屋もありそっちのほうが有名ということらしく、

そんなわけで出発前日の全行程予約時に電話を入れてみると‥「うーんちょっと待ってね‥(やや長い待ち時間)‥ダメです!」というちょっと無愛想な(みちのくならではというかもしれませんがそれともちょっと違う)全面拒否系のご返答をいただいていたわけなのです。でもお湯の評判は良さそうなので「それなら立ち寄り湯で」ということで訪問したのですが、電話云々はともかくとしてやっぱりここのお湯はイイ!お湯は!

入浴料金300円を支払うべく左上画像のカウンターへ。その奥には女性がいるんですが何だか対応がイマイチ。「はいはい、わかってるからちょっと待ってなさいよ」的な感じであまり印象はよくありません。ま、この湯を利用するのは圧倒的に地元の方が多いはずですから愛想を振りまく必要はないんでしょうが‥。

「この通路を真っ直ぐにね」という説明のもと直進していくと迷うことなく浴室前に到着。そりゃ迷いませんわな真っ直ぐだし(笑)。で、完全かけ流しの掲示を見ながら浴室の扉を開けてみると‥



え?見た感じ大したことないでしょと思われるお方、上画像は精一杯にいろんな作業をしたあと、最後の最後に低空、しかも一瞬だけ脱衣場の扉を開け放しにしたタイミングで撮影したものなのです。しかもちょっとフォトショでいじってますし、少なくとも浴槽内に持ち込んだ防水カメラ(湯気には強いはずなのに)そのままでは絶対に撮れなかった画像です。とにかく最初の印象は「サウナでもないのにこのモワモワは何なのさ!」という感じでした。

最初に脱衣場からの戸を開けた瞬間は「どこがどうなっているのかも見えないくらいにモウモウ」。さすが冬の湯めぐりはこれがあるから困るんだよなぁという感じです。ま、夏は夏で湯上がり時に全然クールダウンが出来ずかけもち湯を躊躇せざるを得ないという南天のど飴問題もあるのである種おあいこかな(笑)。

源泉投入部の湯温はそこそこ熱めですが、浴槽が広いので湯尻あたりでは右上画像よりももっと低く42度台でした。温度的には万人受けする湯といえるでしょう。

浴感はちょっとキシキシする感じで、口に含んでみるとはっきりした金気味と僅かな塩味を感じます。今回の旅行でこれまで入ってきた湯とは明らかに一線を画しており、ちょっと奥会津の湯に来たような気がします。で、お湯はやや濃い笹濁り系ですが、見た感じよりも色は薄いんです。



ま、ご覧の通りの色つきというか濁り具合です。もっと濃いように見えるんですけれどね。

ちなみに館内にはこちらの社長さんが横綱千代の富士・北勝海関らと一緒に撮った記念写真や、ハマの大魔神佐々木主浩氏と宴会に興じるスナップ写真などが飾られていますが、どんなご関係だったんでしょうね。彼らが温泉治療に来たのかな?

さてここからは再びR13を北上します。天童にも温泉があるんだよなぁ、でも源泉温度が高い温泉なのになぜかほとんど循環湯だし(せめて加水かけ流しにすればいいのに)、なかなかお高い宿が多いのでここはそのままスルー‥いや、道の駅(正しくは道の駅併設のJA直売所)でちょっとお買い物。なぜかラ・フランスを1箱大人買いしてしまいました(笑)。

そんなわけで日没とほぼ同時にさくらんぼ東根温泉に到着。今宵の宿は松の湯旅館さん。ここもまたお湯がいいという噂で選んだお宿です。ちなみに右上画像の看板には「松乃湯」とありますが、翌日渡された領収書には「松の湯」と書かれていました。どっちが正しいんでしょうね?

ん?そういえば何だかこれと同じようなパターンがどこかに‥あ、そうだ、北海道は帯広にあった「食堂 味のや」さんがそうだった!(左上画像マウスオン)。ああ、お気に入りのお店やお宿がどんどんなくなっていくって悲しい‥(しみじみ)。

こちらの松の湯さん、外観はちょっと懐かしい感じに古びた印象ですが、清掃および整理整頓が行き届いており居心地は非常によかったです。宿の管理に必要な備品(清掃用具とか)や古くなったチラシなど、「今日訪問するお客さんにとっては不要な物」は一切目にすることがありませんでした。

これってあたりまえのことではあるんですが、特に開業以来年数の経った個人経営のお宿だと「このあたりまえをあたりまえに維持していく」ことが結構難しいようなのですね(悪い意味で「慣れちゃう」のかな)。「設備は古いけれど快適」、これが一番ですよ。

さて夕食前に当然のごとくお風呂へいってみましょう!ちなみに上の階段画像を含め、ここからは夕方と翌朝の撮影画像をごちゃごちゃに使っていきますのでご了承下さい。

さて脱衣場に入ると左上画像のような掲示がありました。これはあとで聞いた話ですが、実は東日本大震災のあとそれまで利用していた17号源泉の出が悪くなり、協同組合のほうで新しく19号新源泉を掘削したのだということです。これまでよりも深い位置から汲み上げるようにしたら色が濃くなったというわけですね。

ちなみにこの19号源泉を利用しているのはこちら松の湯旅館を含めて5軒だけなのだとか。歴史ある温泉地の新しい源泉をタンノー出来るということだけで大満足、よって東根温泉の共同湯めぐりは今回パスし、ここ松の湯に集中注力することにした次第です(寒かったので面倒だったともいいますが)。

脱衣場から浴室へは2つの扉を通り抜けていきます。湿気抑止の意味合いがあるのでしょうか。さて奥の扉を開けてみると‥




(いつもながら意味不明なのでスルーしてください)

浴室内がそれほど明るくないのでまるで黒湯と見まごうばかりの湯が、波も立てずにこんこんとあふれ出ています。浴槽内に湯口があるので湯口こそ見えませんが、なーにカランもシャワーも全て源泉利用なのでしっかりにおいや味を感知することが出来ますのでご安心を(後述)。

男湯と女湯はガラスタイルで仕切られています。天井部分は吹き抜けになっていて仕切り越しに会話することも可能です。ちなみに湯口は浴槽の窓側側面にありますから、何も知らずにそこに背中をつけたりすると「おわっちっち!」となるかもしれませんのでご注意を(笑)。ちなみに源泉温度は64.7度あるそうですが、途中の貯湯槽で多少冷やされた状態で配湯されているそうです。



左上画像、ケロリン桶の下あたりがアブナイ(笑)。ちなみに浴槽中央部はご覧の通りの適温でした。

さて続いて気になるのが「お湯の色と濃さ」です。ウーロン茶系の色合いなのでしょうがいかんせん浴槽の色も濃色なのか見た感じではあまりよくわかりません(笑)。そこでTakemaが最近よくやる「手足を使った透明度調査」を見てみましょう。



まずは手を漬けてみました。二の腕の半ばまで沈めてみたのが右上画像ですが、思ったよりも見えてますよね。



今度は足です。左上画像の右足は浴槽中程まで沈めてます。右上画像の右足は浴槽底部にありますが、やっぱり見えてますね。

ということで「見た感じほど濃くはない」ことがわかりましたねよい子の皆さん(笑)。同じ源泉を利用している別の宿のお風呂画像を見たところ、やや薄めのウーロン茶色という感じでした。でもまぁ色はともかくお湯がイイからいいんです!

そうそう、そのお湯ですが今度は知覚試験とまいりましょう。何だか科学的に聞こえますが要は口に含んだりにおいを嗅いだりするくらいなんです(苦笑)。

シャワーの湯を出してみると、まず最初にくっきりと硫黄臭が漂います。これは浴槽湯からはほぼ感知できなかったのでちょっとびっくり(そうそう、浴室に入って最初に感知したにおいは微アブラ臭でした)。その他にもまだ感じたような気がしますが忘れました(あのね)。口に含んでみると僅かな塩味とマイルドな苦みで、それほどクセのあるものではありません。

湯ざわりは視覚的な印象もあるのでしょうがトロンとした感じですべすべとツルすべの間くらいかなと。あ、この表現はちょっと説明不足ですね。というわけで以下にTakema的対照表を掲示しておきましょう。なお他のサイトで同じ用語が使われている場合、同様の語であっても同じ浴感であるとは限りませんので念のため(あくまでTakemaのその時の主観による分類です)。


ちなみに、千葉県市川市の水道水の沸かし湯は「キシ」に属します(地域によって水道水でも湯触りは違います)。「これ、温泉なの?」というほどに浴感の少ない湯は概ね「さらり」ですが、あんまりそういうところには行かないのでこの語を使うことは少ないです(笑)。よくある単純泉だと「すべ」か「すべすべ」で、「ツル」が入ってくると結構湯ざわり的にはいい評価です。一方、「ヌル」が入ってくるとかなりぬるぬる感があるということになりますが(そりゃそうだ)、数はぐっと少なくなってきます。「ヌルヌル」となると当然丸進別館クラスとなり数えるほどしかありません。以上解説終わりっ!(笑)。

なお上記の語に絶対的な基準はなくあくまでTakema入浴時の主観であるということと(=その時によって感じ方の基準が微妙に変わる)、よい湯であるかどうかは湯ざわりばかりでなく他のさまざまな要因によって判断されるということをご承知おき下さい(何でこんなに予防線を張ってるんだろう?(苦笑))。

さて湯から上がれば夕食です。隣のお部屋でいただきます。


2食付きで税込み7500円/人ということでもともとお料理には過度の期待を抱いてはいなかったんですが、「出来るだけ地のものを使う」という宿のコンセプトが強く伝わってくる美味しい食事でありました。季節柄野菜などはあまりないだろうとも思いましたが、旬の時期に収穫したものを冷凍保存しておいてこの時期に出して下さるなどの心配りが何ともありがたいです。

このあとはしばしゴロゴロし、寝る前に再びお風呂で暖まり、いやぁしっかり快眠しました。そんなわけで早くも朝ごはんです(展開早すぎ)。



ものすごく姿勢のいいおしんこどん、まるで置物のよう(笑)。甘い梅干しかと思ったのは何とサクランボでした。

この日はちょっと事情があってゆっくり目(9:30)の出発としたので、朝食後にもまたお湯をいただいたのはいうまでもありません。でもこのあと結局時間が余ってしまったので、10:00のチェックアウトでもよかったかな?

ちなみにこちらのお宿には広い屋根付き駐車場があり、雪の日でも車が埋もれることはありませんし、夏のバイクツーリングなどでも雨の日等かなり重宝するはずです。ツーリングライダー諸氏、ここ、なかなかイイですよ!ちなみに出発時にはわざわざご主人が見送って下さいました。

では、「今日こそ奈良へ」向かうべく、まずは昨日と同じR13を「北上」します。なーに方向的には真逆でも、いつかは奈良に着くはずなのでそんなにハラハラしないで長い目で見て下さいな(誰がハラハラしてるんだ誰が)。

[戻る] [次へ]