− その5 湯舟沢温泉、そしてとある保養施設の湯、そしてしんとろの湯をそれぞれタンノー −
東根温泉を9:30に出発しさらにR13を北上しますが、ほんの数km進んだ先の「道の駅むらやま」にてさっそく停車。というのもこのまま進んでいったら湯舟沢温泉の日帰り入浴開始時刻(11:00-)よりもかなり前に現着しちゃうんです。え、だったらチェックアウトタイムぎりぎりまで宿でくつろいでいればよかったんじゃないかって?ハイ、おしんこどんにも同じことを言われました(笑)。 道の駅駐車場の一角では、電気自動車の急速充電ポイントの開設セレモニーが行われておりまして、村山市所有と思われるEV車が展示されておりました。わたしらの車はEVとかハイブリッドとかとにはまだ縁がないのですが、1回500円の利用料でどのくらい走れるくらいにまで充電されるのでしょうね。 ここからしばらく走ると、、信号機が消灯していて誘導員氏が手信号で交通規制中。何やらいろいろと作業をしていましたが、信号機の雪落としか何かですかね。ちなみに雪国の信号機は右上画像のように縦三連がデフォルトになりつつありますが、信号機の真上に全然雪が積もっていないにもかかわらずすぐ脇の交通標識には雪がべっとり付いてますから、これはもう落とし終わったあとなのかな? |
さて看板に従って奥へと進んでいきますと一気に細道に変わりました。圧雪路面の上に付けられたわだちを見るに、今日はまだ2台しか通っていないように見えます。これは‥新聞屋さんが往復した跡かも(笑)。 |
どん詰まりの駐車場までやってきました。ここには融雪用の水が流されていてビチャビチャではありますが路面は出ています。ただ、水が到達しないエリアをミニブルドーザーでどかどかと除雪していました(左上画像マウスオン)。一方、母屋に向かう歩道手前には「屋根のゆき・つららにご注意下さい」という掲示が出ています。しかし‥ |
道路標識としての「落石注意」看板は「落ちてくる石に注意」というのではなく「すでに落ちた石が転がっている可能性があるから注意せよ」という意味なのだということをどこかで聞いたことがあります。でもここでの「ゆき・つらら注意」というのはそのままの意味として「ドカンと落ちてくっからね」ということなのでしょう。しかし、どうやって注意すればいいのさ(笑)。 というのも、このあと車にものを取りに戻った帰り道、自分が通過したまさに1秒後に「ずんっ!」という鈍い音とともに雪塊が歩道上に落下。あーアブナカッタぞ(苦笑)。予期できないだけにコワイですがこれも運試しだということでしょうか。ちなみに除雪された通路がわざわざ屋根との境目=一番危ない場所に設けられているのも結構こわい気がするので、宿の方々できれば御善処をよろしくです。 |
そんなわけで到着は10:30、あちゃーやっぱり30分早着(やっぱりお宿でもうひとっ風呂していた方が正解だった‥)。ん?でもロビーというか玄関内の広間には5-6人の先客さんが?うはー、某氏からの情報では「ここは結構混んでるんですよ」ということでしたが、30分前にしてすでに待機しているということですか? 「いえ、わたしたちは昨日泊まっていて、今は迎えの車を待っているんですよ。お風呂に入りに来たんですか?ここのお湯はツルっとしていていいお湯ですよぉ」。あーよかった(笑)。右上画像は宿泊の皆さんがお帰りになった後に撮ったものです。ストーブ周りはあったかいんですが、やっぱり冬だからちょっと離れると寒いです(あたりまえ)。ちなみにお宿の飼い犬(一部の専門用語では「温泉犬」と表記するらしいです)が遊びに来てくれました(右上画像マウスオン)。おしんこどんいわく「だいぶ老犬なのかな」ということでしたが、わたしにはじぇんじぇんわかりません(苦笑)。 ほぼ11:00ジャストちょい過ぎ「準備ができましたからどうぞ」とのことでいざ浴室方面へと移動です。 |
男女別のお風呂は結構離れています。なぜならその間に加熱用のボイラー室があるからです。
何となく老人福祉センター系施設によくありそうなちょっと無機的なタイル張りの浴室です。湯口は右上画像のように「へ?ナニコレ?」という感じの形状になっていますが、おそらくこの部分はもともと何かの台座で、この上部には何らかの造形湯口があったのだろうと思われます。だってこの湯の出方はあまりにも不自然だし(笑)。ちなみに右上画像マウスオンでいつもの湯足画像に変わります。 さてそれはともかく、事前に宿の女将さんが「うちのお湯は鉱泉ですから沸かしてはいますが、phは9.5くらいで山形県屈指のアルカリ泉なんですよ」とおっしゃっていたのでちょっと楽しみ。というわけでかけ湯ほかの儀式をこなしていざ湯に浸かってみると‥ |
まぁ、「アルカリ度が高いがゆえにヌルヌルとは限らない」というのはこれまでいくつかの湯で経験済みでしたからまぁしょうがないですが、「もしかしてにゅるにゅるポワンだったらいいなーぐふふ」という期待もなかったわけではありませんからちょっとハレレという気分にはなりました。しかしその直後、その思いを払拭するに十分な設備が目に入りました! |
設置時にはどちらも銀色に輝いていたはずのごくありきたりの蛇口ですが、片やお湯蛇口は白くコーティングされ、水蛇口は長年漁船で沖に出て生業を立ててきた老漁師さんの肌の色とも見まごうような赤銅色、いや赤くはないから黒銅色に染め上げられています!お湯蛇口は加温源泉が出てくるであろうことはもちろん想像できますが、この水蛇口もカナリアヤシイ‥というわけで水栓をひねりジャジャーと出してみると‥ |
タマゴ臭も高らかに、湯ざわりも明らかに違う「湯舟沢温泉ここにあり!」系の魅惑的な液体が溢れ出てきました!いうなればアムロ・レイとシャアとデスラー総統が混じり合った不思議な湯ざわりというところでしょうか(でも古代進とか森雪の感じはなしね)。 しかしあまりにも形而上的な主観的説明は屁のつっぱりにもならないでしょう。というわけで普遍的かつ相変わらず主観的な地球語に直して表現するならば‥ |
というわけなのです。ちなみにシャワー&カランも源泉を使用しています。わたしはかけ流し湯の場合まずほとんどシャワーで源泉成分を洗い落としたりはしませんが(循環湯は除く)、ここ湯舟沢の場合、浴槽が加温循環していることもあり(ただし女将さんのお言葉からするにただ加温しているだけかも知れませんが)‥ |
であると考えて実践しました。たぶん湯を入れ替えたあとの一番湯にしてこの印象ですから、混雑時にはさらにこの上がり湯が重要になってくるかと思います。ん?もしかして夜のうちに換えていたのか?だとしたら浴槽湯がすでにそこそこなまっていたのかも知れませんが‥。 |
湯上がり後しばし玄関前広間でまったり。いろいろ眺めていたら昨日大野目温泉で何気なくピックアップしていた「はしご湯治」のスタンプラリーにこちらも参加しているようだったのでついついペタリ(左上画像マウスオン)。しかし、これ以降続いてのハンコが押されることはなかったのでありました。知ってたら少しは考えて行動したんだけれどな(笑)。 たまたま出入りの酒屋さんと「地元蔵の某有名日本酒」に関して伺うと「はっはープレミアで8倍!そりゃダメだ!」との結論に至ったりしてびっくり。そういえばわたくしTakemaが初めて日本酒に目覚めたのは1980年代半ばに初めて飲んだ「出羽桜吟醸」。これも天童のお酒だったんですよね。やっぱりこのエリアは「機(&先)を観るに聡い」蔵元が多いのでしょうか、もちろんいい意味でね。 そんなわけでたった1個だけ残っていた「そばゆべし」を購入した上でさらに進みましょう。 |
ここからは新庄方面に向かってさらに‥うわ、雪雲の真下に入ってしまったらしくまたも雪。でも前日の栗子峠に比べればホワイトアウトになることもなくてこれなら大丈夫、とはいえやっぱり雪道ビビラーのTakemaですから慎重にね。 さて新庄からはR47に入りいよいよ方向転換=東進です(右上画像マウスオン)。さすがに凍結しまくってますし車外計を見ると-3から-7度くらいなので「いっちばん滑りやすいのだぞ南無」と念を唱えて進んでいくと‥ |
という感じになってきました(大げさ)。まぁそれはともかくとして、ブラックアイスバーン等に比べればこの圧雪道路がどんなに有り難いかは一目瞭然、前にもふれたクリップオンサングラスを着用して快適走行です。 そんでもって走ることしばし、次の目的地へと到着。なかなかにびっくらこきました!ブルだったかパワーショベルだったかで除雪作業にあたっているその先に‥ |
どう見ても一般住宅にしか見えない建物‥でもこちらに入浴させていただくのですよにょほほ。
男女別の脱衣場、扉はしっかり開け放たれており、湯欲はいやが上にも沸き立ちます。いざ天国のドアを開けてみると‥
(今となっては自分でも意味不明の心の雄叫び)
す、すごーい、透明な湯がとうとうと静かにかけ流されまくってます!しかも、鹿も、市価もですよ!結局この日は真冬日だったにもかかわらずこの浴室は思いきり視界良好=湯気地獄ともほぼ無縁、一体これはどうしたこと? 実は、この浴室天井部にはハイパワー系換気扇が2つ(しかも別角度で)設置されておりまして、そのパワーにより湯気はその湯気たる所以を主張&発揮するまでもなく「あーれぇくるくる帯ほどき女性回転!」という感じで一気に強制排気されている、とまぁそんな感じなのですが、若手の皆さんおわかりいただけますか?(笑)。 |
だから浴室内の温度もあまり高くはありません。レンズを拭かなくても普通に湯足画像を撮れちゃうところがスゴイ。
お湯は43度半ばといった感じですが身体が冷えていたから実は42度くらいの適温だったかも知れません。湯口のアチチ湯を手にとってクンクンしてみると、お湯分析素人の自分でもわかるくらいにはっきり感じる石膏臭。さっぱりさらりとした浴感で気持ちいいです。あ、でも湯上がり後のぬくまりは案外持続せずという感じでいわゆる「冷え湯」系かなと。 |
【嬉しそうなTakema@保養所の湯】 |
上の動画を最後まで見てもらえばわかりますが、またまた雪がドカドカと降り出しました。スリップなのかホワイトアウトによる視界不良だったのか、往路には見なかったパジェロがなぜか反対車線の路肩というか雪の壁に突っ込んで止まっていましたから(しかも地元ナンバー)、やっぱり結構キビシイ状況なんです。 というのも、往路にて「はてさて目的地は?」ということで雪かきをしていた方に上記お風呂の場所を聞いたんですが、クルマはちゃんと止まったのに降りて1歩2歩と歩いてすぐにつるりんと。靴にはちゃんと滑り止めを装着していたのにですよ。確かに油断して踵から着地する歩きをしていた自分もいけないんですが、路面がここまで凍りついていたとは! ちなみにすでにギアを下げて運転していたTakemaですが、このあとの国道では軽くブレーキを踏むだけでABSが「これ以上踏むとボクが対応するからね!」と主張するいやーな感覚を何度も味わいました。それでも速い車は速いんですが、自分は無理です、雪が溶けたら見ていろよ!(大笑)。 |
そんなわけで途中のセブンで大休止。この国道沿いにはランチ処もないはずなのでおにぎりとサンドイッチで車内ごはん。あ、Takemaが買ったのがいつもの仕事ランチと全く同じだったのは個人的にかなり笑えましたが誰もわかりませんよね(苦笑)。 雪はずんずんと降りしきりますがとりあえずお腹も何とかなったし、さらに進みましょうか。除雪車は今を盛りとばかりにバリバリ作業中です(右上画像マウスオン)。 |
ここで某施設(左上画像)に立ち寄りましたが、狙った浴室はハンニバル、いや違った運悪く貸し切り利用中ということで(ハンニバルとは全然関係ないんですが)あえなく断念(あー、営業休止まであと2ヶ月らしいのに)。で、このエリアで1つも入らないのもナニなので、駐車場が結構ガラガラなのを見て「今日でなければここには寄ることもあるまい」と瞬間的に一大決心をして「しんとろの湯」へ。 |
温泉先達の方々ならご存じの通りこちらは中山平温泉の中でも新参の日帰り温泉施設。あとで聞いたところによると「かけ流しだけれど日によってはかなりオーバーユースで、時には透明度が下がることもある」のだそうな(by 人の湯垢=われわれは湯に浸かるだけで湯を汚すんですよ)。 で、先客さんは4名ほど、でもうち2名が上がり、あと2名は談笑しながら身体やら髪を洗い中‥あ、今しかない!(大笑)。 |
そんなわけでものすごい勢いで身体を拭いてカメラを持ち込み、浴槽を何とか撮影。間に合った!
この際、先客さんに(写るわけではないけれど)おことわりしなかったことについてはご容赦下さい。もう「次は来ない」と直感したので。
さてしんとろの湯を出る頃にはまたも雪がずずずんと降り始めておりました。このあたりは脊梁山脈の峠ですからしょうがないですね。鳴子にむけて下り始めた直後軽トラ4駆が結構な勢いで抜いていきましたが、そういえばその昔「日本の雪道で一番強いのは軽トラ4駆」というような話を聞いたことがあります。根拠はわかりませんが四駆だし軽いし、そうなのかもしれん。 |
R47もこんなお天気だからか通行量は極小で(あ、でも無雪期でもこんな感じだったかも)、まぁとにかく鳴子目指してレッツラゴー!
そういや鳴子界隈のトンネルの照明固定器具がかなり腐蝕でやられてたって‥トンネルはかなり少ないんでもしかしてここ?(まだ新しいのに)。
そんなわけで鳴子温泉@今宵の宿に到着です。すがわらでも中鉢でも馬場でも中野でもないですよ、久々に「黒湯のにょほほ」です。以下次ページにて。 |