− その8 そんなわけで太平洋フェリー。よぉっしくつろいじゃるっ!−



太平洋フェリーの最新鋭船「いしかり」。船内にはゆったり感があふれてます。

無事乗船を完了し、ブリッジ経由で先に乗り込んでいたおしんこどんと合流。さ、これで名古屋までの770km、21時間40分はただひたすらまったりと過ごせばいいのでよーしよし。



船は定刻に桟橋を離れ、まずはぐるっと方向転換。こりゃ大変だわ。

しばらくは仙台港の中を進んでいきます。それにしても津波の時にはここも甚大な被害を受けたことでしょうが、こうしてみる限り順調に復興しているようにも見えます。でもね‥(左上画像マウスオン)、

よく見れば周辺のあちこちにまだ積み上げられたままのがれきがあります。また何よりも大切なのは見かけの復興よりも被災した方々の生活、そして心の復興でしょう。しかしそれらは目に見えるものではなく、また一朝一夕に改善できるものでもない。長い時間をかけて向き合っていく必要があるのだと強く感じます。

かねてから予想していたとおり「震災の風化」は顕著な形で現れ始めています。いわばここからが正念場といえるでしょう。目の前にある、できることを1つ1つこなしていくこと。地道ではあっても前に進むこと。それしかないのかもしれませんね。非被災地のみなさーん、被災地の産品をどんどん買いましょう!美味しい魚介類で復興支援しましょう!

仙台港を出ると、その先には養殖棚が数多く設置されているのが見えました(右上画像)。牡蠣でしょうか。また食べに来ますよ!

しばらくすると、名古屋からやってきた「きそ」号とすれ違いました。太平洋フェリーはいろんなところの芸が細かくて、このすれ違いでも「あえて船同士を近づけて航行させることでそれぞれのお客さんに楽しんでもらう」という趣向なのだそうです。関東在住者にはなかなか縁の遠い太平洋フェリーですが、こういう会社にはこれからも頑張ってほしいぞ。近海郵船みたいに旅客扱い終了なんて言わないでね。

部屋に戻れば右上画像のようにお酒のストックは潤沢なのですが(笑)、大海原のど真ん中で窓のない部屋にひきこもって飲酒行動というのも何だかナニなので、喫茶コーナーに陣取って音楽鑑賞とまいりましょう!あ、おしんこどんはいつもの睡魔ね(笑)。



喫茶コーナーに陣取っても結局飲むのは生ビールだったりするのですが(苦笑)。

太平洋フェリーでは専用のホールで毎晩コンサートが行われるのですが、そのスタッフさんが日中にもミニコンサートを開いてくれるとい
うわけです。もちろん無料ですし聞くスタイルも自由(だからわたしゃ飲んでるわけです)、そんなわけでその様子を少しだけご覧下さい。

【昼間っからビールをいただきつつ♪】

さてさてそんなわけですっかりご機嫌になっちゃったTakemaではありましたが、それじゃ夕食前に一寝入り‥いやいや、暗くなる前にもう1つ重要なミッションがあります。それは‥

いろいろと親切な太平洋フェリーも、このことに関しては一切アナウンスしませんでしたが(まぁそれはそうでしょう)、船内に掲示されている現在の位置情報によればもうそろそろのはず。そんなわけでデッキに出てみると‥



「ん?あれか?あれなのか?」。そんなわけでズームしてみると‥




(上画像にマウスオンするとそれぞれの建物の説明画像に変わります)

さらに南側にはこれまた停止中の福島第二原発(左上画像、4機の建屋が見える)、そしてさらにずっと南側には(右上画像)、津波被害で1-5号機全てがダウンしたにもかかわらず、「夏に間に合わせるために」全力で復旧作業を続けた結果、全機総計380万kWを7月までに再稼働させた、いわば「関東の電力事情を救った」立役者でもある広野火力発電所が見えていました。

しかし広野と福島第二には標識灯が煌々と光っているのに対し、第一の方はそのような灯りもなくひっそりという感じです。もちろん現場ではこの日も多くの方々が頑張って下さっているのでしょうが、「やはりあそこは『終わった』場所なんだな」という感じを強く受けました。

大洗を出航したさんふらわあを眺めた上で船内に入ると、今この船があの原発から目と鼻の先にいることなど微塵も感じさせない明るさと華やかさです。でもこんな明るさ華やかさが、実はわずかなバランスの上でしか成り立たないことをわれわれはもう知ってしまいました。原発事故からわれわれが得た教訓を忘れてはいけませんね。

さて、そうこうしているうちに夕ごはんタイムとなりました。カップラーメン等の船中食購入をすっかり忘れていたのでレストランで食べるしかありませんが、まぁこれも経営への貢献ということでよしとしましょう!

お酒はたくさんあるはずなのに、ここで何とワインを購入して飲んじゃれ行動に出たわれわれです。Takemaも日ごろ「少食人種」を標榜する割にはずいぶんおかずトレーが賑やかです(笑)。そりゃねー1人2000円も払ってるんだから少しでもモトを取らなきゃ!(ついさっき「経営への貢献」とか何とか言っていたとは思えませんな)。

このあとはしばし部屋にて休憩。20:00からラウンジにてミニコンサートが開かれるのでそれに行ってみましょうというところです。



席は7割方埋まってました(左上画像は終了後に撮ったもの)。船長さんのご挨拶のあと‥



この日はピアノとエレクトーンの共演。天上を見上げると様々なコンサート器材が。ただのフェリーとは思えません。



演奏なさるのは昼間のお2人ですが、それぞれ盛装なさっていてちょっと別人系(笑)。

【静かに音楽鑑賞】

というわけで優雅な船旅を満喫です。しかし以前は曲と曲の間に「お飲み物ワゴン」が回ってきてそこで飲み物を注文することも可能だったのに、今回はなかったですねワゴンサービス。あれ、前回は躊躇して頼まなかったから今回は是非と思っていたのにちょっと残念だったぞ(笑)。

さ、そんなわけでもうちょっと部屋飲みした上で寝ましょうかね。ちなみにこの日の船は揺れもなく思いきり快適でした。
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