− 2013師走の東北湯旅 その4 赤倉温泉三之亟にて湯ったり −
出たぁ、あべ旅館休業の今、赤倉温泉である意味一番有名なお風呂。まさかこの宿だったとは!
尾花沢からの県道28号はほぼ全面が雪道で、しかも道路は除雪の関係もあって狭めだしキンチョーの運転を強いられ‥ることはありませんでした。というのも先行する中型トラックが「雪国ドライバーとは思えない超安全運転主義者」による運行だったようで(中型だしそれほど重量もないとはいえ40km/hは出さない徹底ぶり。まさかスタッドレス未装着だった?いやそんな‥)、こちらは多少車間を空けていけばいわゆる露払いよろしく対向車の心配もないしとってもラクチン。そんなわけで赤倉温泉「三之亟」到着は17:00ちょい過ぎでありました。なおここからは滞在時の撮影画像をタイムライン関係なしに使っていくので明るくなったり暗くなったりの変幻自在についてはお許し下さいませ。 |
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さて到着してびっくり。「ここって秘湯を守る会の宿だったんだ!」。いかに下調べをしていないかがよくわかる一瞬です(笑)。いや実際、道路状況によってはここまで北上してこられないことも考えて昨晩もうちょっと南側の温泉宿については調べておいたのですが、湯沼温泉界隈の路面状況があまりによかったこともあって急遽一気に北上計画を立てたわけですから、ここまで上がってくるとは思いもせず‥帰り道は遠いなぁ(笑)。 予約時に「布団はどうしますか敷いておきますか?」と聞かれたのでもちろんお願いしておきました。グループならばともかくも、Takema1人やおしんこどんとの2人旅くらいであれば「いつでも横になれる」という使い勝手の良さはいうまでもありません。お宿としても夕食時=一番の忙しい時期に厨房やら配膳で人出がいる時間に別働隊として布団敷き部隊を出動させるというのはやっぱり無駄なんじゃないかなぁと。これについてもいろいろな意見はあるかと思うのですが、たとえば今回のように「予約時にふとん準備についての確認」をするかどうかで手間はそこそこ低減されるんじゃないのかなと。それを料金に反映させるか否かについては各宿の判断ってことでいかがでしょう? ちなみに今回あてがわれた部屋(314号室)は温泉による暖房で暑いくらいにホカホカでした。一応強弱のスイッチはありましたがその違いがほとんどわからなかったので夜中も付けたり切ったりしましたが、エアコンと違って乾燥しすぎないのでいいですね。またありがたいことに、たまたまフロントや厨房など管理施設のほぼ真上だったこともあり無線LANのキャッチ状況もばっちり「バリ3」レベルでした。これについては期待していなかったんですが(先人のサイトによると部屋によっては電波が届いていないこともあるようです=通路も長いし)、お宿のサイトにも無線LANについての記述もがありますから繁忙期を除けば部屋のリクエストも可能なのかなと。 さて赤倉温泉周辺には食事の出来そうな施設の記憶がなかったので2食付きにしたわけで、その夕食までの間にまずは当然ひとっ風呂です! |
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お宿の建物自体は全体的にかなり年季が入っているようで廊下などもだいぶギシギシいったりフワフワしたりしているところも。部屋数はかなり多いようですが、古い建物側だと部屋と部屋の境がふすま1枚なんてこともあるのかもしれません(わたしが泊まった部屋はまったく問題なし)。長い長い廊下を歩き階段を下るといよいよこの宿の名物岩風呂へと到着です。ちなみに時間によって混浴と女性専用タイムとに分けられていますが(男性専用タイムなどという無粋な分類は存在しません(笑))、日帰り入浴タイムは全面混浴なので、気兼ねなく岩風呂を楽しむためには宿泊が必須かも知れません。この札は、ご主人がきっかり定時に掛け替えていましたっけ。 そうそう、周辺の夕食可能施設ですが、三之亟の目の前に煌々と赤提灯を灯しているお店がありました(のれんには「焼きそば」と出ていたような気がしましたが夜は間違いなく居酒屋でしょう)。定休日がいつなのかはわかりませんが結構遅くまでやっていたみたい。なお温泉街を奥の方に行くと他にも何軒か居酒屋さんがあるようです。営業時間19:00までですが赤倉温泉駅前にもラーメン屋がありました。 ハイいつものようになかなかお風呂に到着しませんがいつものことなのでお許しを。実はまだこの時点でお風呂について全然知らなかったのです。男女別の脱衣場にて先客さんがいないことを確かめた上でしっかとカメラを握りしめいざ扉を開けるとっ! |
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なぜいきなり古文調になったのかは謎です(笑)。いやぁこの時はホントにびっくりしました、実は予約時においても足元自噴というこのお風呂の存在をほぼ忘却しておりまして、しかしぱっと見た瞬間に全てがつながったというか「うそ、ヤダ、リンダ困っちゃう♪」と身体をくねらせヨロコビにうちふるえたことはいうまでもありません(うそ)。しかも先客さんなしの完全貸し切り! しかし惜しむらくはこのモウモウ湯気、これこそ全国278人の温泉ファンの前に頑として立ちはだかる「冬の敵陣艱難辛苦」なんですよね。防水カメラなのでレンズを湯で温めればレンズそのものの曇り地獄からは解放されるのですが、浴場内に立ちこめる湯気ばかりはどうしようもない‥。というわけで、外からの光が差し込む朝の撮影に全てを賭けることにしました(それほどのモノかと問われれば何も言い返せないんですが(苦笑))。 あ、このあと2人の男性が別々のタイミングで入ってこられたんですが、そのうちのお1人と話していたら「夫婦で連泊しているが、昨日は宿自体が自分たちだけの貸し切りだった」というから羨ましいではありませんか!(ただしちょっとコワイかも?)。ちなみにこの夜の泊まり客は自分を含めて3組4名でした。さすが年末年始直前のオフーシーズン! |
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さてそんなわけで夕食です。いわゆる旅館夕食の定番というところですが鯉の洗いが出てくるところがさすが山国。たまに食べたくなるんですよ。そんなわけで天童のお酒出羽桜片手にちびちびパクパクといたしまして夕食終了。グルメサイトじゃないので細かな解説はなしね(当然)。 さて、部屋に戻って追加飲み(左上画像マウスオン)&ネットでサクサク情報収集という名の時間つぶしをしたあとは当然再び‥岩風呂は女性タイムなのですぐ下のひょうたん風呂へ。ここ、規模が小さいしお湯の投入量もそこそこで何だか落ち着けます。脱衣場にちょっと臭いがあるのを除けばまったりには一番。ついでに言えばこの時期岩風呂内は湯気モウモウではあれど室内温度があまり高くないので、岩風呂では湯を楽しむことに専念しここひょうたん風呂で身体を洗うというのが一番賢いかと(岩風呂の洗い場の作りにはちょっと無理がありますし(笑))。 |
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そういえば最近いくつかの温泉ファンサイトにてこの「ORP(酸化還元電位)」のリアルタイム計測情報を見かけます。安い機器じゃないでしょうに凝ってるなぁ。あ、ちなみにTakemaは導入する予定もありませんが、それよりも防水性能を失った温度計にかわるニューフェイスをこのオフシーズンのうちに買っておかなきゃね。あ、そういえばひょうたん風呂の方が岩風呂よりもちょっと還元系寄りだったような?(実は結構気にしていたりする)。 さてそんなわけで翌朝です。この朝の入浴(いわゆる「朝練」)の順番をどうするかについてはすでに前夜のうちに考えてあります。それはこの時間割を見てもらうとわかるとおり‥ |
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お宿の公式ページに記載されている入浴時間から変更が加えられています。この画像は2013/12のものです。 |
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岩風呂ですが7:00までというのではまだ外が暗いので意味なし芳一。しかし1日でもっともサムイ朝一番の露天風呂行きは温度変化に身体が付いていかずどこかの血管が切れたりしたらヤバイですからね(血圧高めだしジジイ的心配(笑))。そんなわけで朝7:00に部屋を出動、徒歩40歩のところにあるひょうたん風呂で身体を温めたうえで露天風呂へ、そのあと8:00からの朝食を即食べ終えた上で満を持しての岩風呂訪問という、いわば一滴のお湯も漏らさぬ完璧な計画を立案してあります(結構誰でも同じように考えそうなものですが、他に男性は2人しかいないのでたぶん大丈夫でしょう)。 |
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まずはひょうたん風呂でしっかり身体を目覚めさせ!さーてサムイかも知れないけれど行くぞぉ露天風呂っ! |
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ここが豪雪地帯であることをすっかり忘れておりました。そう、屋根にはきちんと雪囲いがなされており、川沿いにぶら下げられたよしずにより「半浴室化」した露天風呂内には温泉の熱で暖められた空気がそこそこ滞留していたようなのです(でも湯気モウモウとは無煙ロースターでよしよし)。なおここ露天風呂とひょうたん風呂は三之亟2号源泉、岩風呂は1号源泉(ともにCa・Na-硫酸塩泉)を利用しているそうですが、わたしはそれぞれの浴感に違いがわかるほどの男ではないのでお許し下さい。 |
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何だかこう見ると微妙に仮設系の風情もあって気分は悪いはずもありません。もっとも川向こうは民家なのでもしかしたら1年中この造作なのかも。 |
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さて湯上がり後にはいったん部屋へと戻るわけですが、幾星霜をくぐり抜けてきたこのお宿ならではというか、今となっては何だか意味不明の部屋を通り抜けて戻ることになるわけです。さてこの部屋はもともとどんな利用のされ方をしていたのでしょうかね? |
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だって窓際に屏風、ど真ん中にソファーですよ(笑)。ただし現在は右上画像の通りドライヤー室として使われているようです。これはこれですごいかも。 |
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さてこのあと朝食をチャチャっと食べてから岩風呂へ。いちおう今日は千葉に帰る日なので何事も行動は早めにねというわけです(あ、いちおうどんな朝食だったか知りたい人だけ左上画像マウスオンね)。 |
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このページトップの画像にも写っているとおりメイン湯船が2つ並んでおりまして、手前が「深湯」奥が「中湯」という名前です。ちなみに右上に見えている階段を上がった先には「高湯」がありますが、これらは単純に立地から来るネーミングのようでして、湯温的には「中湯>深湯>高湯」の順番でした。浴感はピリリの中にさっぱりした湯ざわりで、毎日の湯にするには最高と思われます。そういえば宿のご主人も「うちの湯で湯あたりする人はほとんどいません」とのことでした。さすがにこれまで皆無というわけではないでしょうが「湯は濃さのみを以て尊しと為すべからず」ということでしょうね(何だか難しいな)。 |
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高湯には打たせ湯方式で湯が投入されていましたが落ち着けないので中湯へ避難。その脇には「昔之湯」。以前はここからも湯が? |
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(右上画像マウスオンで「浴室内に茂る植生拡大画像」に変わります(笑))。 |
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源泉は竹筒からも直接的にも投入されており湯量は豊富という以外の何ものでもありません。しかし温泉界の先達の方々のレポートには「浴槽内からの湧出箇所はどこだかわからず」とありましたし自分も探ってみましたが全く不明。浴槽内湧出とはこの源泉枡に湧出させているということなのでしょうか。公式サイト内には「浴槽の底からは源泉が直接じわじわと湧き出しています」とあるのですが‥。今は休業中のあべ旅館は確か足元湧出だったそうですが‥。 いずれにせよ豊富な湯は熱交換で温度を下げて投入されているそうですから湯使いもいいですし(夏場のように暑い時期のみ直接加水)、何よりも深湯の浴槽底のグラデーションが見事です。というわけで、水中に潜って見てみましょう!(あ、カメラだけね)。 |
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ちなみに芸術性についてはともかくとして、現実問題として深湯の浴槽底には水平な場所がほとんどありませんので入浴時には足の踏み出し先に気をつけないといけません。最初に入ったときはまだお酒も飲んでいなかったのに、深みに進むにつれておっかなびっくりでした。ましてや飲酒後は要注意というか深酒したあとは入っちゃダメよ土左衛門になるよ!(含自戒@左上画像マウスオンでより深みエリアの画像に変わります)。 |
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さてそんなわけで赤倉温泉三之亟を出発です。上画像の通り今日明日あたりでお正月の飾り付けを終わらせようという意欲が窺えるエントランス風景ですね。この日はともかく翌日からは年末寒波で大荒れになるということでしたから‥(あとで確認したところによると尾花沢で1日に67cm積もったということでしたから、さらに山あいの赤倉温泉ではおそらくもっと降ったのでは)。そんなわけで最終日、始まりはすべてオシマイにむけてのプロローグなのであります! |
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