− 2013/3 八丈島&青ヶ島編 その9 地熱地帯で蒸しウマ、ひんぎゃの塩&サウナ、そして最後に島寿司でどっかーん −



はいはーい、蒸し上がったお芋は驚くほどにほっくほく!


そりゃ釜の中は熱いって(笑)。



続いては卵と魚を蒸し器に投入です。こちらは10分でいいというのですぐですね。

それでは卵軍団ができあがる前にまずはお芋から食べ始めちゃいましょうそうしましょう。どこかいい場所がないかなーと思ったら、おしんこどんが「この上にテーブルがあったみたいだけど?」と事細かな現況視察の成果を教えてくれたので、どれどれと丘の上に上がってみると‥



おおーっ、何とも快適な場所があるじゃないですか!この日は終日風も穏やかだったので屋外ランチには絶好ですし、それではあそこでいただきましょう。

で、取り出したのは試供品版「ひんぎゃの塩」と、お宿特製の「魚の塩辛」。「ひんぎゃ」とは前にも書いたとおり島言葉で「噴気孔」ですが(原義は「火の際(きわ)」ということらしい)、実はまさにここ池之沢には噴気を利用した製塩工場があるのです(このあと見学に行きました)。また「魚の塩辛」は「こちらをつけて食べると美味しいよ」ということなのですが、においもちょっぴりなかなかの逸品だったりします。

で、お芋の皮をむいてみるとほっくほくで甘くて美味しいっ!そして、ここでびっくりしたのが魚の塩辛。これがまさにメガトン級にお芋の甘さとまいっちんぐマチコ先生っ!(古)。塩辛そのものの画像がないのが残念ですが、うーんこりゃ美味しいっ!塩辛ゆえ塩っ気もすごいのですが、おしんこどんなどはエキスも余すことなく消費しておりました(笑)。



そうこうしているうちに卵と魚も出来上がりOKショップ(by 巨泉)となりました。続いてパクパクといきたいところですが、ただひとつ引っかかることがあるのです。それは‥


という厳然たるお腹予想図なのであります。うーむどうしようか、卵とかは夜食に残すか?とも考えましたが、「夜食用に残したとしても絶対に食べずに終わる」と思われたので、「それはそれ、これはこれ」という是々非々というよりは安直な結論先延ばし大作戦に切り替えました。すなわち「いいや、食べちゃお!」という決断であります。

そんなわけでお腹が満ちちゃったところで周囲に目をやると(いや実際はもっと前から見てましたが)、周囲にはなかなかの光景が広がっています。


歩道のすぐ脇に積まれた石垣の中やその裏側から魅惑の噴気がおいでおいでをしています(われながら、こんな表現をする人はそう多くはあるまいと思うのですが)。そして先ほどの地熱釜はこのすぐ上側にあり(左上画像マウスオン)、おそらく同じ噴気を利用しているのでしょう。なお、地熱釜にはもっと大きいオーブンみたいのもありましたが使い方については不明です(たぶんどこかにバルブがあるだけで使い方は似たようなもの?)。

視線を道路を挟んで反対側、丸山の斜面に向けると、斜面のあちこちから噴気が上がっているのが見えます(右上画像はその一部を拡大撮影したもの)。なるほど、大凸部から丸山を俯瞰したとき、ある角度の斜面だけ植生がないように見えたのはそのエリアが噴気帯だったからなのですね。でも、それにしては「斜面全体の植生を不可なさしめるほど活発な噴気帯には見えない」んですが?これにとってはこのあと明らかになります(いつものネタ引っ張りです)。

そしーてそして、左上元画像の下に見えている建物、それが現在ここ青ヶ島唯一の温浴施設である「ふれあいサウナ」であります!いわゆる人間用の地獄の地熱釜ですね(「地獄なんて縁起でもない」と眉をしかめる方もいらっしゃるかも知れない表現ですが、この文章は日本国内にも数少ないながら一定数存在する「地獄と聞くとコーフンして血湧き肉躍る」温泉ファンの方々を念頭に置いた表現ですのでご理解ご協力下さいませ(協力って何を?)。


じゃじゃーん!ふれあいサウナ入口と受付です。もちろんサウナですから管理人さんがおられます(サウナ入浴中に何かあったりしたらそれこそ大変ですからね)。気をつけなければいけないのは営業時間と休業日です。せっかく来てみたらお休みだったというのでは大変なので、いちおう以下に記しておきますが、今後変わる可能性もないわけではないので念のため(2013年3月現在の情報です)。

営業時間(風呂・サウナ) 平日: 16:00-20:00、 土日祝日: 14:00-20:00
(受付はともに19:00まで)
休業日等 毎週水曜日および毎月最終火曜日
(水曜日が祝日の場合はその翌日〜

利用料金は村民であるか否かを問わず300円です。えらいぞ嬉しいぞ青ヶ島村!でも、村民のみならず島外からの工事関係者や観光客の利用を当て込んでいるのでしょうね(単体ではどう考えても黒字事業とはなり得ないでしょうが、少しでも利用実績の増加につなげようということなのでしょう。ちなみにサウナではありますが温泉法第2条「地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)」に該当するので、ここもれっきとした「温泉」なのであります(あくまで法律上はね)。

で、建物の外で釣り竿の手入れをしておられた管理人さんに「入浴」を乞い、料金をお支払いし一度は脱衣場まで行って脱衣の儀まで進行したのですが、何やら外でおしんこどんが管理人さんと話してる‥ん?「塩の工場‥見学」?

急いで脱ぎかけていた服を着たのとおしんこどんが「今なら隣の『ひんぎゃの塩』工場を見学できるってよ」とTakemaを呼びに来たのはほぼ同時でありました。というわけで管理人さんに許可を得て、先にお隣にある製塩工場を見学することにしました(行き当たりバッチリでしょ!)。



 海水を運んでくるタンクローリー。中身は塩水なのにナンバーが「4182=よいハニー」なのにちょっと微笑。

青ヶ島周辺は(当然ながら)太平洋のど真ん中ゆえ海水が大変にクリアです。そもそも黒潮本流も基本的には八丈島周辺およびその北部を流れていますから(だから八丈島の流人が島抜け(脱走)しようとしてもその船は北上できず太平洋の沖合へ‥江戸幕府の目の付け所はすごかったんですね)、変な話大陸の某大国の汚染物質もここには流れてこないわけです(ま、海流というのはぐるぐるとめぐっているので一概に完全クリアだとはいいませんが)。

ここではその「クリア海水」を蒸気の力でどんどん濃縮し最後にはにがりと塩にしてしまうという、ある種島一番のインパクトがある製品を作っているというわけです。


入口に山と積まれた出荷用「ひんぎゃのにがり」ボックスにまずは圧倒され(笑)、衛生上の装備を身につけていざ作業上へと進んでいくと‥


でもそれは別の意味で幸せだったのかも知れません。というのも、高温の蒸気で濃縮真っ最中の作業場の熱気たるやとてつもない温度と湿度になっているはずですから‥ちなみに作業をなさっていた女性の方は(たぶんこの方お一人で全オペレーションを進めておられると思います)、何と「ケロリンTシャツのフロントに(汗の蒸気が出やすいように)フロント部分を少し切った服」を作業着となさっておりました。ケロリンTシャツにもビックリしましたが、その小さな加工に「仕事のハードさ」をかいま見た気がしました。

あと「腰痛ベルト常時着用」のお話にも「わたしなどまだまだ!」という気がしましたが、この方とTakemaとはそもそも労働環境=身体の使い方が全然違うので、Takemaの場合はもう少し運動しろよという耳の痛い話(以下略)。


詳しくご説明いただきましたが、ヘーヘーホーホーと聞いていながらも「メモを取る or 録音する」という記録作業を行わないためほぼ忘れてしまったTakemaをお許し下さい。ただ、「海水をくみ上げてから塩になるまでにいくつかの行程がありそれに約3週間、そしてさらに最終製品に仕上げるまでにはトータルで約ひと月かかります」ということは覚えています。

そのあたりの行程について公式サイトなどないものかと探していたら、楽天市場のサイトではあるのですが「これは詳しい!」という紹介が動画入りで載せられているページがあったので紹介しておきます(こちら)。ページの下部にミニウィンドウでの動画がありますが、まさにわれわれも見られなかった製塩作業なども出てきますしかなり見ごたえありです。


左上画像は製塩作業の過程で出る「にがり」です。「なめてみますか?」ということでペロリとさせてもらったのですが‥


(やっぱり「舌の記憶」ってすごいですねー、この感覚はしっかり覚えてますもん)。

で、こちらの「ひんぎゃの塩」「ひんぎゃのにがり」ともに製品化されて出荷されています。かつては「島内では買えず八丈島の空港では買える」というある種微妙な販売環境にもあったようですが、今やネットで普通に買える時代ですので塩なりにがりなり、それぞれ「50-60度の製塩室の中でケロリンシャツを着た女性が孤軍奮闘して作ったものなんだ」(あ、時にはパートナーさんも手伝ってくださるようですが)と心して味わっていただきたいものであります。

あ、肝心な「ひんぎゃの塩味」について書くのを忘れてました。Takemaの味覚イメージをひと言で表現すれば‥


(あまりに簡潔なコメントでゴメンナサイ)

ってところですかね(笑)。ただしこれではあまりに説明不足ですのでいろんなサイトのコメントを引用しますと「後味に甘さが残る」「精製塩のようなとがったところがない」ほかの味覚表現があるようです(他力本願)。

なお、上記女性の担当者さんによると「結晶の粒がどうしても大きくなるので炒め物など塩が均等に行き渡らない料理には不向きです。煮物とかおにぎりとかにはそのまま使っていただいていいと思いますけれど」ということでしたが、えーっとさっきの地熱釜で蒸した卵も美味しかったし、そもそもランチPart1で食べたおにぎりがとーっても美味しかったのは「もしかしてひんぎゃの塩握り+海苔ぐるぐる」だったからなのかも?

さて製塩工場をあとにしようと思ったら‥「次の見学者」がお越しになりました。しかも外国人(あとでわかったんですがフランス人)2人に日本人お1人、でも話を聞いているとどうやら3人グループではないらしく偶然この3人になったらしい?(この方々とは翌日のヘリでも一緒になったので、そのメンバー構成についてはあとのページで詳述します)。

そもそもわれわれがサウナを後回しにしたのも管理人さんの「製塩工場の人、まだ車があるからいるけれどもうそろそろ帰っちゃうかも知れないから先に行くのはどうですか?」というアドバイスからだったのですが、あー、製塩工場の方の管理人さん、なかなか帰れなくなっちゃいましたねぇ(笑)。ちなみにこの日は日曜日でしたからなおさらです。

いっぽう、われわれからすれば偶然「日曜日だから16:00まで待たずにサウナ利用が出来た」という点で、下調べしていなかったにもかかわらず結果オーライ‥こういうの多いよなー(要は行き当たりばったりというかラッキーバッチリ)。


そんなわけでいよいよふれあいサウナです。階段を下って「地熱地帯」に進んでいくと‥すでに脱衣場からして暑く蒸してます(笑)。ええっと、すでに床暖房状態なのはそういう設備にしたのか自然の摂理なのかはわかりません。でもたぶん(うふふ)。

男湯には先客さんが2人おられたようなのでおしんこどんに防水カメラを渡し、無人らしい女湯(正しくは女性サウナですが)の画像を撮ってきてもらいました。上画像は男湯の「建前上の冷水浴槽」ですが、これについてはいちおう説明が必要なので(笑)。

ええっとまず、ここ池之沢地区に例の集水場から供給される水道は来ていません。池之沢地区には独自の集水場(後述)があるのですが、それはあくまで飲用に適したレベルまで処理されるわけではなく、また農業や建設用の利用がメインなのでふれあいサウナへの割り当てもおそらく少ないのでしょう。というのも‥


ましてや「かけ流し造成泉」などは夢のまた夢ですね(こちらふれあいサウナですが、2013/2の記録によると月トータルのべ来訪者数が223人、でも28日のうち休日が5日あることを考えると‥あとは何も申しますまい)。

ということで以下に温浴施設といえど水は貴重。で、右上画像をよく見ると手前の浴槽には「適温湯」がたたえられていますが奥の小さめ浴槽は空っぽですよね。ネット上の情報では「サウナなのに冷水浴槽も熱くなってる」という記述もありますが、奥の小さな浴槽は本来の冷水浴槽だが節水のため(需要が少ないので)水を溜めていないのではないか、またシャワーの温水は適温が出た&温水浴槽も適温だったことに「まさかここで化石燃料ベースのボイラーを使っていることもあるまい」という仮説を組み合わせると‥


というトキメキ的疑問にぶち当たります(いい意味で)。日本でも箱根の仙石原の温泉は基本的に「噴気に冷水をあてた」造成泉ですし、噴気自体は高温ゆえそこに含まれる成分は水に溶け込みやすいという話を聞いたこともあるので「造成泉は温泉としてアリ」だと思っています。

であれば、ここの適温浴槽、しかし‥くはー管理人さんに聞くのを忘れてコロンブスも真っ青の大後悔時代です。

さてそれはともかくとして、まずは男女別浴室がこんな感じであることをご覧いただきましょう!

女性浴室 男性浴室
女性サウナ 男性サウナ

決して左右対称ではないですが(サウナはたまたま対称に写ってますがそもそもドアの角度が対称じゃない)、広さ的にはほぼ同じだと思われます。で、実はサウナって苦手のTakemaなのですが、ここは「一湯ゲット」の欲望&町場のサウナと違ってここは天然噴気100%の地獄地熱蒸しサウナなので、「ここは勝負どころ」ととらえてメガネを外し「自分なりには十分な時間」をサウナで過ごしたと思います(右上画像マウスオン)。



でも自分なりには頑張ったんですけれどね。しかしそれでも「熱い部屋からいきなり冷水ざぶーん」は無理です!身体というか血圧にも悪いっしょ!(Takemaはやや高血圧、でも最近の数値はそう悪くないみたいだけれど)。



さてさすがにたっぷりと「湯を摂取した」あとは外の椅子に座ってクールダウン。でも水分補給は大事なので館内入口にある(青ヶ島では貴重な存在でもある)自販機にお金をとうにゅ‥ん?あれ、あれれ?電源が落ちてるんですが!

で、表におられた管理人さんにうかがってみると‥


ま、そりゃそうです。機械的な不具合ならこの自販機を納入している会社の担当者氏は(仮に素人でも)一定のマニュアルを持っているわけで、それこそ本部に電話しながらでも直せるはず。しかしお金関係のセンサーといえば「自販機会社最大のシークレットセキュリティ」にかかわってくる問題なわけで、おいそれと電話やメールで連絡できるはずもないのです。というわけで一番手っ取り早いのは「自販機の交換」なのでしょうが、それとて八丈島経由でおそらく黒潮丸(貨物船、週1便)で運んでもらうしかない?

でもそんなことはともかくとしてここは青ヶ島のふれあいサウナ。ここのシャワーの水は飲用水ではありません。しかも「サウナから上がったあとに水分補給が出来ないというのはある種の死活問題」です。また徒歩圏内にはキャンプ場もありますが現状「飲用水はありません」であり、役場周辺で手に入れるかここふれあいサウナの自販機での購入が勧められています。となれば一刻も早い自販機の復活が求められるところです。

と思ったところでふと。許可されるかどうかはともかくですが、噴気=水蒸気がある以上それを用いて蒸留水を作っちゃうというのはダメなのかな?あのバルブを常時開いておきそこに管理された別の水分を配置すれば‥。「十五少年漂流記」的に思いついたんですが、これって案外いけるのかも?だって、蒸気を冷やす側の水は塩水だっていいんだし(ひんぎゃの塩用に運んできている)、塩水はともかくとして水道水を蒸留する電気仕掛け機器は我が家でも使ってますよ。それを「ひんぎゃパワー」でやれば「池之沢の飲料水対策」にもなるのかなと思うのですが?

ちなみに「蒸留水だけを飲んでいると身体をこわす(ミネラル分が補給できないから?)」という学説があるそうですが、それなら「ミネラルのご本尊」ともいえる「ひんぎゃのにがり」があるじゃないですかーっ!うーんこれ、島の皆さまにご提案してみようかな(さっき思いついただけでこうやって公の場に書いてしまう自分の勇気に乾杯)。

さてまたいつものように話を戻しましょう。湯上がりに管理人さんとお話をしていたら「いろんな現状」の片鱗がわかってきました。

一般的にな「定年」を越えた年齢の管理人さんは青ヶ島出身、でも学校を卒業してからはずっと「東京本土」におられたそうです。で、お仕事を終えられてそろそろ島に戻ってみようか(まさに「還住」ですね)と思ったところでこのふれあいサウナの管理人の仕事職があるというところで云々。

でも「話が違うよこんなに何年ものはずじゃない」ということであっても、村民はそれぞれに仕事を分担していますから「じゃ、別の人に」とすんなりいかないのが現実のようなのです。これが離島の現実というか、「みんなで助け合っていかないと島が成り立たない」ということは「自分がやらないとこの事業が止まってしまう」と同じ意味なのです。


でも「すぐにそのような‥」と書いたのには理由があって、実は現状においても最初の契約を延長して働いておられるのだそうで、でも次を引き継ぐ人がいないということで(何たって人数が少ないですから)「もう引退したいんだけれどなぁ」というニュアンスを含んだお言葉に「でも‥(以下はご想像下さい)」というお返事をせざるを得なかったTakemaです。

さてそんな世知辛い話はともかくとして、管理人さん@青ヶ島生まれから興味深いお話をいくつか伺いました。全てを紹介するわけにはいきませんが、当たり障りのないところでいえば(笑)、ここ丸山のひんぎゃ活動は以前に比べてずいぶん低下しているそうなのです。植物の繁茂を許さない辺り一帯の斜面も、以前はもっとモウモウとしていたのだとか。

もちろん火山活動が落ち着いてきているというのは島の安全保障上(笑)重要かつ喜ばしいことなのですが、仮に「ぴたりと止まって」しまったら、それもまた何だかなぁと思ってしまったりするのは、温泉好き一旅行者のわがままなのでしょうか。ま、さすがにそれは考えにくいか(苦笑)。

ちなみに大凸部からこちらが俯瞰できたということは逆もまた真なりということでありまして、右上画像にそのお姿が見えています。右上画像にマウスオンすると拡大画像に変わります。うむ、ちゃんと転落防止の柵まで写ってますね。それにしても、つい数時間前にはあそこにいたとは思えません。この日はとにかく島の内部をぐるぐるしまくってます。だって明日午前のヘリで帰らなくちゃならないんだもん(笑)。

時間の都合で丸山の遊歩道には行かれませんでしたが、徐々に日も傾いてきたところで地図に載っている別のポイントに行ってみましょう。


こ、これは何かといえば「オオタニワタリ」というシダ植物。おしんこどんは「これ、フラワーアレンジメントなんかで使われるんだよわーいスゴイ!」と喜んでおりましたが(右上画像マウスオンで喜ぶおしんこどん画像に変わります)、いっぽうでTakemaは「食べられそうにないなーこれ」と、心の中でとってもわかりやすい反応を示しました(苦笑)。でも、今あらためて調べてみたらこのオオタニワタリ‥


ということなんですね。しかしここでは道ばたに普通に生えている‥さすが青ヶ島!でも、地図に載せるくらいですからやっぱり島でも貴重なんでしょう。

さてカルデラ内部最後の訪問地は「大橋水源」。前ページにも書いたように青ヶ島では水の確保に苦労してきました。その中で数少ない水源として存在するのがこの大橋水源というわけです。そこに向かう途中には何にも無いただの一本道を行き止まりまで‥いや何も無いわけじゃなかったぞすごいのがあったぞ(驚)。


さてこれは何‥いや、もう右上画像に成り行きでマウスオンしちゃった人が多いと思いますが「爆薬庫」です(すげーっ)。うーむ、島を支配するにはここを制圧すればいいというわけですね(何のこっちゃ)。

で、さらに進んでいくと道路の行き止まりに広い貯水池がありました。


何だか広いプールみたいな貯水池に水が溜められています。またその端っこに設置されたパイプからは確かに水がちょぼちょぼと投入されていますが‥何だか「水源」という感じじゃない?

実はこの時点でのTakemaは大いなる勘違いをしておりました。水源というからには谷あいの低地にあるのだろうと思い込んでいたのですが、実際の大橋水源はこの道路終点から山道を15分ほど登ったところにあるのだそうです。何だぁ。

あと、このプールのような施設は実際にプールとして使われていた時代があったらしく、その名残として底部にはコースを示す縦のラインがペイントされていました。なるほどねぇ。

そんなわけで大いなる勘違いに気づかないまま帰路につきました(苦笑)。


だいぶ日が傾いてきた中、再び平成流し坂トンネルを越えて宿まで戻りました。例のネコちゃん、結局午後はずっとここで過ごしていたのね、なかなかウラヤマシイ人生、いや猫生だぞ(笑)。

さて17:00過ぎに帰ってきてからはしばしゴロゴロ。ちなみに館内には無線LANの電波が飛んでいますのでネットにも余裕でアクセス可能です。実は予約時に「ノートPCを持参するので‥」と申し上げたら、「わかりました、では無線LAN機器に一番近い部屋を用意しておきます」とすばらしきご配慮をいただいていたのです。ちなみに部屋のドアを出たすぐ横にそれはありました。室内の座り机とは木製のドア越しに直線距離で4mくらい、おかげでブロードバンド接続の状況は天国そのものでした(笑)。

さてそして18:30少し前「その時」はやってきました!お昼のランチを2段階方式で食べちゃったがゆえにまだお腹もあまり空いていないタイミングでの「夕食タイム」です!食堂にやってきたところ、最初手前のテーブルを見ると「ラップをかけられたサラダ」だけがあったので「ん?」と思ったのですが、これは長期逗留の方々用。そして奥のテーブルまで進んでみると‥話には聞いていた‥




(マウスオンするとその手前のお刺身なども含んだ夕食全体画像に変わります)。


まずは伊豆諸島や大東島に共通する食文化である「島寿司」。1.2.3‥ええっと18貫ありますね、これは2人分なので1人9貫ということになりますが、あのー、普段ターニングお寿司やさんで大体それくらいが適量なんですよ。しかしその横には‥ええっとカンパチのカマ煮付けだったっけ(おしんこどんにも聞いてみましたが近海マグロだったかも)が、たっぷりの大根煮付けとともに鎮座しております。


さらにはお刺身に小皿料理の数々。ぐはぁマイッタこれ無理かも(なお「ご飯はあちらのジャーにありますからね」と言われたような気がしますが、生理的論理的宇宙物理学的に「それは無量大数レベルで無理です」!)。

ちなみにデカ盛りテラめし系の方々の世界では「ただでさえレベル限界的に多いのにさらに盛られる」ことを「愛情盛り」と表現しておられるようですが、実はこの量、「リクエストした上での逆愛情盛り」なのです。つまり「食事の量は少なめでお願いいたします」と予約時に申し上げた結果がこれなんですね。だって、ネット上で散見した情報によると‥


そ、そんなの無理ですって!(大苦笑)。テラめし系の方々は長躯青ヶ島「ビジネス宿中里」さんへ!(笑)。

なお、お刺身は「島だれ」でいただきましょう。「島だれ」とは島とうがらし、島みそ、そしてにんにくと醤油からなる独特の調味料。島で数人の方々が作られており、右上画像を見ればわかるとおり、ここ中里さんでも造られています。青ヶ島村のウェブサイトで確認する限り、島内で島だれを造っているのは3軒かなと。ちなみに青ヶ島の重要な産品として「青ヶ島焼酎=青酎」があるのですが、もともとはいろんな状況があったようですが(笑って略)、現在は「青ヶ島酒造合資会社」として登記上1つの会社でしか造られていません。でもですね、



で、味見セットを出していただきました(嬉)。うーん確かにかなり味に違いがあります。これをみんな「青酎」銘柄としてひとくくりにするのは無理があります(笑)。ちなみにわれわれの味覚では「清子か中里がいいね」と、無理にこちらのお宿を持ち上げるわけでもありませんが「中里」自家製の青酎は高評価でありました!

さてしかし、食べるに従ってTakemaのお腹はもう限界!お昼ご飯が遅かったのはやっぱり致命的でありましてもうダメ!ちなみに皆さんご想像の通り「いざというとき」はおしんこどんの方がキャパが広いというか食べられるんでレスキューというかサルベージ出動(Takemaの分の島寿司を食べてもらう)をお願いしたんですが‥


最近は全く更新もなさっていないし残念ながらコンタクトも取っていないんですが、テラめし界の「御館様(おやかたさま)」であらせられるマエダンゴさんがこのていたらくをご覧になったら唖然となさるはずでしょう‥2007&2008年のTakemaオフキャンプに参加してくださったときは確かソーセージ系ばかりお食べになっていたので「どれくらい買ってきたんですか?」とうかがったら「えーっと、2kgですね」と、こともなげにおっしゃっていましたから‥(今でも唖然とします)。

さてそれとは別件バウアーでここ青ヶ島の工事事情をば。長期滞在@工事関係者の皆さん用のテーブルにはそれぞれにサラダだけがラップをかけた状態で置かれていたと書きましたよね。しかしいつまで経ってもその皆さんが夕食会場に現れません。と、お1人だけ現れ、宿の方に「今日の現場予定」を伝えているその内容を聞いてびっくらこきました。それは‥


ひ、ひ、ひぇーっ!真夜中まで現場作業!と、ここからは宿の女将さんとの会話でわかったことですが(前にも書きましたが)、当然のごとく海が荒れると全く作業できない日が続くかわり、この日のように穏やかな天気の日は「たまりにたまった為すべき作業を一気に行う」のだそうです。

それが労働基準法云々的にどうなのかという問題はさておき(というかこの際どうでもいい)、たとえば三宝港の埠頭にコンクリートの流し込み作業をしたとしましょう(今回もやってましたが)。で、作業を終えて撤収後海が荒れてきたとします。海が荒れると波は軽く埠頭を乗り越える状態になる港ですから、ある程度固化するまでにも数日かかるコンクリートは波に洗われて、結果的に「ほとんどなくなっちゃう」こともあるんだそうな。

また道路関係の工事にしても、その多くが急斜面の法面補修や構築だったりすることもあり、特に三宝港上方のコンクリート擁壁などは、道路のはるか数十m上方を命綱に身を託して作業を行っている方々がいるのです。この作業も天候が悪いときは当然中止、結局は天気を見ながら「やるときはとことんやるが出来ない日はいっさいやらない(やれない)」という仕事シフトになってしまうということなのでしょう。

前ページの三宝港ページで「埠頭で潜水服を着用して作業なさっている工事の方」画像を載せましたが、どうやらこの島で働いておられる方々は‥


いやぁ、感謝いたします(しみじみ)。

そんなわけで思い切り盛りだくさんだった青ヶ島の1日もこれにて終了です。明日は早朝のミニお散歩はしますがそのあと9:45発のヘリで再び八丈島に戻ります。まだいくつか行きたい場所もあるし、さらにそのあと御蔵島も三宅島にも行くしなぁ‥あ、最後の2つは「次回への課題」となったわけですが。


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