− その3 蒲庭温泉宿泊、蔵王越え断念で青根の湯、気がつけばSAで軽食ランチ。−



稼働中の原町火力発電所の煙突を遠方に見ながらしばしで蒲庭温泉到着!

そんなわけでお宿に到着です。ここは原発事故の直後、確か2011/5頃にかの賀曽利隆さんが「宿は被害なく営業もしている」というレポートを上げていて「それならいつか泊まりに行ってみよう」とずっと思っていた温泉なのです。冷鉱泉ゆえ加熱循環ですがお湯はそこそこいいらしいとかの情報も?なおこれ以降宿関係の画像は到着後と翌朝のものをごちゃ混ぜに使っていますのでご了承下さいませ。


一軒宿の蒲庭(かばにわ)館、2階建てのかなり大きな建物です。入口ロビーなどは吹き抜けでかなり開放感あり(右上画像マウスオン)。この日は宿泊客も少ないようでしたが、おそらくは連休中ゆえ復興作業に従事しておられる方々が自宅等に帰っておられるのかと。

で、まずはお風呂です。宿泊客も多くなさそうだし焦る必要はない気もしますがついつい習い性で(笑)。


成分掲示はありませんでしたが由来掲示には「白色の水」云々と。しかし浴槽内には透明湯がなみなみと(やや白っぽくも見えますがジャグジー作動中ゆえ明確には判別できません。なお右上画像マウスオンで湯足画像に変わります)。でも塩素臭は感知せず温泉臭はしっかりと。浴感は特にありませんがぬくまりの湯であることは確かです。湯上がりはもう夕方で気温も下がっていたのですが、思わず建物の外へ涼みに行ったくらいでしたから。


夕食には冷酒を注文。相馬の地酒かなと思ったらさにあらず、宮城県岩沼市の「名取駒」でありました。ちなみに今さっき調べてみたら、もともとこのあたりには日本酒の蔵元がなかったようです(「鹿狼山」というお酒が新地町産ということで販売されているが、実は会津坂下の蔵に生産委託されたもの)。いずれにせよ東北のお酒には違いないのですからまぁいいですよね。

夕食は、「丁寧に手を掛けて調理されている」のがよくわかります。「量で勝負」ではないのがありがたい。あとから貝のスープ(右上画像マウスオン)なども出てきて満足満足。そしてこのあとは「おしんこどん=即寝、Takema=だらだら夜更かし」のいつものパターンとなりました。


明けて翌朝もまぁ見事な上天気。宿の前の田んぼにも水が入れられ、あたりではカエルがケロケロと鳴いているという長閑な雰囲気。もっとも、避難等原発事故の直接の影響こそ受けなかった相馬市ですが、このあと向かう松川浦などの海沿い平地では当然津波による大きな被害が出ました(右上画像マウスオンで、相馬市発行の震災被災の中間報告書(第3号)画像に変わります)。

蒲庭館は高台にあるので被害はありませんでしたが、女将さんがおっしゃるには「海沿いの防風林が津波でやられちゃって、冷たい風が直接海から上がってくるようになったからなのか、桜なんかも一部しか花を付けなかったんですよ」とのことでした。

朝食までにはまだ間があるというわけで、あたりを散歩してくることに。実はここ蒲庭館は広大な庭園「蘇峰園」を所有しています。何でも戦前戦後のジャーナリストであった徳富蘇峰がしばしばこの宿を訪れたことからこの名が付いたのだとか。


庭園といってもまだこの時期には花などありませんし、全体として「自由に歩き回れる緩斜面」といった趣です。緑の濃い季節に来てみれば趣もだいぶ違うんでしょう。ちなみに庭園内にはあちこちに立てられていました。左上画像は「皇紀2600年奉祝記念碑」です。この他にも「昭和42年 岩風呂改装記念」なんてのもあってちょっと面白いかも。


本館の脇(というかお風呂場の正面側)には神社とおぼしきお社があるのですが、その隣には透明波板で蓋をされた縦穴がありました。ここが源泉なのでしょうかね?(聞くのを忘れた)。

さて朝食をいただいた上で8:30にゆったり出発。実は8:00に出るつもりだったのですが、探し物をしているウチに遅くなったというわけ。遅れついでに、だいぶ外れやすくなっていたカーナビ台座を支える吸盤部分を洗ってみました。結果は大正解で、このあと約1900km、この旅行が終わるまでしっかりくっついておりました。手入れは大切ですなー。


ここからは松川浦を目指して‥本当なら砂州上に延びる大洲松川浦ラインで行きたかったところですが、かの津波によって何と砂州の一部が喪失。道路どころか地盤自体がなくなってしまいました。分岐を示す看板(左上画像)には松川浦大橋方面への案内が消されており、もう砂州へ行くこともできません。ぐるりと回って松川浦の漁港へ。


漁港にはカレイ漁船とおぼしき船がずらりと係留されていました。たぶん試験操業か海底の震災がれき引き上げしか出来ないのではないでしょうか。特にカレイやヒラメは底引き網で獲る魚だから‥本格操業はまだまだ先なのかな(無念)。ちなみに蒲庭館に置かれていた相馬市の冊子には「がれき引き上げは1日に4tトラック4台分」とありました。静かに見えた海の中には、今もまだまだたくさんの宝物や思い出、そして天国に旅立った方々がゆっくり休んでおられるのでしょう。

なお港前の広場には震災前に漁協の直売所があったと思われますが今ではその跡形もありません。と、そこから松川浦大橋方面に目をやると‥(右上画像マウスオン)。


何が釣れているのかはわかりませんし、釣れた魚をどうするのかもわかりませんがまぁ間違いなく食卓にのせるでしょう。この際放射線量検査を受けるのかどうかはともかくとして、この光景を見ていたいたおしんこどんがひと言ポツリ。


「強い」のか、「覚え続けられない」だけなのかはわかりません。でも元の生活に戻していくためだけを考えれば「忘れる」ことも時には必要なのでしょう。そしてこのこととベクレル云々の話は別次元の問題として捉えるべきなんじゃないかということも。

さて、松川浦復興の僅かな一助としてここでお昼ご飯でも食べられればいいのですが、残念ながらまだ朝の9:00なのでお腹も食堂もまだスタンバイできておりません(苦笑)。松川浦では「復興チャレンジグルメ」(お食事処スタンプラリー)などのイベントもやっているので紹介したかったのですが‥やむを得ず北上することにします。

相馬港から新地の火力発電所を横目に見ながら海沿いの県道38号を北上します。Takema車のナビはデータが2010年のものなので、もちろん「あるはずの道」をアナウンスしてくるのですが‥。




それにしても、まさに「豊かな海を象徴する」ような地名です。実際そうだったんだろうなぁ、このあたりではカレイやヒラメのみならずウニや毛ガニなども水揚げされるようですし、その他ノドグロやキンメ、ホッキ貝や‥嗚呼この文をタイプしているこの瞬間、お腹が空いているんで口内に唾液充満中(笑)。


やむを得ずR6に戻って北上しやがて宮城県に入りましたが、このメインロードも「丘と平地を交互に通る」ことで「津波被災地−非被災地−被災地」の繰り返しだったりするんです。このあたりは常磐線も被災していて復旧の目途も立っていませんというかルート付け替えのようですしまだまだ時間がかかるでしょう。こんな時だけはお隣の大国の「やると決めたらとてつもなくスピードが早い」国家プロジェクトがうらやましくもなります(ただしあれは個人の権利をとことん無視するからできる強引技なのですが=国家としての中国には近寄りたくないです)。

さて県道44号で小斎峠に上がっていくと「ん?今のは何だ?(右上画像)」というわけで急遽Uターンで折り返しました。


うわーい湧水だ!流水じゃなくて湧水であることがミソで、セシウムとかの放射性物質は土壌には浸透しないんですというわけでもちろんゴクゴクといただきました。ウマーイ!で、ふと思ったんですが震災からしばらくの間(断水中)はこの水が地元の皆さんに重宝されたんじゃないのかなと。出っぱなしですからねー。ちなみに現地の看板には「幸福の水」と書かれておりました(右上画像マウスオン)。


ここからは蔵王を目指してずんずんと進みますが、この界隈にも豚関係とか花関係とかのいい湯があるんですよね。でも数を狙うわけではないのでそのうちの1つ「黄金川温泉 白鳥荘(老人憩いの家)」へ。ここは数年前に目の前まで来ながら「面倒なのでパス」したんです。でも茶濁りの湯がいいというわけで‥前回パスしたのはちょっと失敗だったかも?


そんなわけでいざ脱衣場へ。うーん男湯には6-7人の先客さんがおられる様子。でも女湯入口にはスリッパがとてつもない数(確か15人分くらい)あったよなと己をなぐさめます(笑)。でも脱衣場で服を脱ぎ始めたら先客さんがずんずん上がってきたので「こ、コレハ!」と期待しつつ念のためカメラ持参で浴室へ。


皆さんが洗い場に進んだところで「今だ、今しかない」とパチリ。ちなみにこの約1分後に次のお客さんがやってきたので、まさにいいタイミングで湯足画像が撮影できてヨカッタです。普段は先客さんに撮影の許可をもらうんですが、この時はちょっと勝負系でした(笑)。

湯から上がるとおしんこどんはすでに待機中。いわく、「ここのお湯はかなり濃くて血管が切れそうな気がしたから早めに出てきた」とのこと。何だかすごい言い方だなぁと思いましたがさもありなん、彼女が女湯で話していた地元の方によると、


という、まさにそのものズバリのコメントを発しておられたのだとか(笑)。確かにいい感じに濃いお湯でした。でもTakema的に湯疲れはなかったなー。

ロビーには産直コーナーもあり、ここでは皆さん1日かけてゆっくりなさるんでしょうね、自分もそんな日々を過ごしたいんですが、どうもお出かけするとあれもこれもとてんこ盛りにしちゃうんですよ。まるで「泳いでいないと呼吸ができずに死んでしまう」マグロとかカツオみたいに(笑)。


さて湯上がりには足湯を楽しみます。浴室内は撮影にも一苦労でしたがここなら大丈夫、もちろん内風呂の捨て湯ではありません。茶色く濁った湯は確かにいかにも効能がありそうです。


このあとは遠刈田温泉を目指します。というか、その先の蔵王エコーライン経由で山形入りしようという算段です。いい天気だし、雪の回廊を楽しもうという狙いはヨカッタのですが‥(左上画像マウスオン)。


数日前(4/26)に開通したと聞いていたのに‥何でも、頂上エリアで前日降雪があったとか?もっともこのお天気ですから待っていればそのうち再開通するような気もしますが、でもいつ開通するかわからぬままずっと待つのも何だかなーというわけで断念。北側の笹谷峠を越えていくことにしました。

しかし、ただ北回りで行くのも芸がないよなというわけでどこかで1湯‥そうだ、遠刈田の影に隠れて案外目立たない青根温泉があるじゃないのさ!(とはいえ実は遠刈田温泉もまだ手湯しかしたことがないのですが)。通り道だし、では行ってみましょう!


遠刈田温泉を出てすぐに2台のバイクが一気に追いついてきたのでどうぞどうぞと道を譲ります。当然ながらこのあと一気にお姿が見えなくなりました(笑)。あー、自分もバイクで‥(しばらく遠乗りしてないなぁ)。

青根温泉に到着。ここには日帰り施設「じゃっぽの湯」があるのですが、GWゆえ混んでいそうなので「どこかの宿の湯」を探します。ちなみに2006年までは共同湯が2つあったようで、そのうちの1つ「名号の湯」の前では「もっと前に来ておくんだった‥」と後悔。掃除をしていたある宿の方に日帰り入浴ができる旅館について伺うと、その方の宿は日帰りなしだがこの奥の「とだ家」さんで可能だとのこと。ではではいざいざ!


入浴の可否を伺うと問題なくOK。宿の入口には今晩が満室であることを示す看板が出ていましたが、お昼前のこの時間に他のお客さんの気配はなく、こりゃもしかしてと血湧き肉躍りハアハアぜいぜいトキメキマヤコンでリンダ困っちゃう系の深層心理モードなのでありました。

青根温泉の湯は町が集中管理しての配湯とのことでどこの宿でも同じ湯‥でも湯使いとかに個性が出るんですよね。たぶんこの時間じゃっぽの湯は満員御礼で湯がへたれはじめているんではないでしょうか(GWだし=あとで駐車場を見たらほぼ満車状態でした)。そういうことから宿の湯にターゲットを絞ったわけですよ。じゃっぽより200円高い500円の入浴料もそう考えれば惜しくないわけです。え、後付けの理由じゃないかって?え、えぇまあ(苦笑)。

さてのれんをくぐって脱衣場に入ると‥「おお、OK牧場(by ガッツ石松)&OKショップ(大橋巨泉が経営する海外のおみやげ屋)!」。予想通り先客さんはおりませんし、浴室入口にピンときれいに置かれたフロアタオルが完全に乾いていたところから見るに、もしかして清掃後の一番湯?ではでは湯に浸からせていただきましょう!


6-7人が同時に浸かれそうな中サイズの浴槽です。浴槽底にはジャグジー系の穴が開いていましたがご覧のように作動していませんでした(というかTakema的には不要)。かけ流しである旨の記載がありましたが、浴槽縁の切り欠き部分からのオーバーフローはなく、また湯口からの投入量もそれほどではありませんでした(右上画像マウスオン)。もっともTakemaが浸かったらしっかり溢れましたし、また湯温調整のためにこの時間は投入量を絞っているのかも知れません。

湯は根っからの単純泉という感じで、口にしてみると何となく石膏味を感じました。個性は少ないですが一番湯貸し切りなので上がったり浸かったりでのんびり。続いては露天風呂へ。


こちらは屋外ということもあり湯温が低く、そりゃ長湯にはいいのかも知れませんが車では睡魔大王と永遠のバトルを繰り広げているおしんこどんが待っています。というわけで写真を撮ったあとは長居陸上競技場もせずすぐ内風呂に戻りました(いつものとおり意味不明)。

お湯的には特徴が少ないですが、こういう湯に日がなのんびり浸かるのもいいかなという感じでした。そんなわけで青根温泉をしゅっぱーつ!快適な山道をどんどん下っていきます。R286にぶつかったところで「西北西に進路を取り」いざ笹谷峠越えへ。


おっかしいなぁ、その昔バイクで通ったときは「一般国道なのにずいぶん長大トンネルだなぁ」と思った記憶があるのに‥と、ここでピピンときた方は大正解!

そうなんです。現在の山形自動車道で供用されている2本の笹谷トンネルのうち1本は、高速道路開通以前にR286の笹谷トンネルとして先行使用されていたものであり、Takemaはその頃にバイクで通っていた時の記憶をそのまま保持していたというわけなのです。

で、国道には峠越えのトンネルがなくなり昔ながらの峠越えの道しかないことから冬期は通行止め、仙台市と山形市を結ぶ重要路線ゆえ峠越え区間の笹谷IC−関沢IC間の料金はぐんと安く維持されていて、ETC割引で何とたったの100円でした。総延長3000mオーバーのトンネルを利用するにしては格安です。


そんなわけで山形県に入り蔵王で蕎麦でも食べようかと、一度行ったことのある某有名店へ。しかしこれが大失敗!以下、その時のメモをそのまま転記します。

○○○には12:58到着。先客5組くらいだったので30分近く外で待つ(庭が広いのでまぁ大きな問題はなし)。そのあと窓際の席に通され注文するが、30分近く経ってもまだ先々客さんの板そばが出始めたところ。14:00になったところで「もしかしてあと30分くらい待つことになりますか?」と聞くと、まさにあと30分くらいかかるというので注文をキャンセル。時間の関係上16:00までに月山界隈に到着しないとまずいのだ。それにしても、そりゃ1年でも一二を争う混雑日だとしても、席に着いてから蕎麦が出てくるまでに1時間かかるっていうのはどんなものだろう。江戸っ子じゃないけれど、「蕎麦を頼んで、ちゃちゃっとすすってハイおあいそ」という流れは繁忙期の山形では通用しないということがよくわかった。

こんなことならもう少し南下して「蕎麦&温泉」をタンノーできるお店まで行けばヨカッタと思うもあとのフェスティバル、まぁGWだから普段の客さばきとは別次元大介のはずだし、こういうこともあるよね(不思議とそんなに腹は立たなかった)。


そんなわけでここからは高速に乗り一路庄内方面へ。んまぁ見事にがらっがらで快調に飛ばしマンモスです。あーそれにしてもさっきのロスタイムは大きかった、山形市周辺の温泉にも1湯くらいは入る気満々だったんですがパスせざるを得ません。ん?ちょっと待てまだお昼を食べてないぞというわけで、唯一売店&レストランのある寒河江SAへ。


しかし時間的にも遅い=夕食との兼ね合いで、玉こんにゃくとパンで軽くすませることにしました。え?寒河江のSAからすぐ近くに日帰り温泉の「湯ーチェリー」があるじゃないかって?いや確かに凄く近いのは知っていましたが、こんな日のこんな時間に行ってごらんなさいどうなることか行けばわかるさウゲゲの上野毛というわけでパスしたわけです。Takemaの場合、入浴数よりも「空いている湯にゆっくり浸かりたい」を優先します!

ちなみに高速走行中の橋を渡っていた時、おしんこどんが何気なく発した言葉にちょっとびっくり。いわれれば確かにそうなんですが考えもしなかった!その言葉とは‥


な、なるほどそれは考えもしなかったぞ。念のためちょっと検索してみましたが、神奈川の寒川がルーツとか?まぁそれじゃあまり面白くないのでそれ以上の調査中止ね(笑)。ずっと以前、習志野市の「津田沼」が「津=渡し場+田んぼや沼がたくさんあった」からなのかとの仮説を発したところ「その地名は単に町村合併により作られた名前です」とたたきのめされた暗い過去の経験があるもんなー(笑)。

そんなわけでこのページも長くなってきたのでこの続きは次ページにて。

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