− その4 「湯殿山参篭所」での宿泊あれこれ −


タイムトンネルならぬ月山第一トンネルを抜けるとほぼ目的地!
さてこの日の目的地=お宿は「湯殿山参篭所」なのです。ご覧のとおりまだ雪がたっぷり残っているのはともかくとして、到着を急いだのはいちばん最後の区間である「湯殿山有料道路」が16:00でクローズ、そのあとはチェーンでロックされるためなのですね。


幸いなことに料金所には15:30前に到着できましたので問題なし、それでは登っていきましょう!ちなみにこの時は知りませんでしたが、この有料道路と羽黒山の有料道路、てっきり県の道路公社あたりが保有運営しているのかと思っていましたがさにあらず、道路管理者は民間バス会社である庄内交通なんですね。いったいどういう経緯でこの「神域」に食い込めたのでしょう(笑)。しかも開通は昭和37年、まだTakemaが生まれる前だというのですから!


そんなわけでどんどん上がっていくと、うーん、結構な量の雪が残っています。まぁ「雪の回廊」を蔵王で見そびれたのでこれで元を取れたかなというところ。このあたりはいうまでもなく豪雪地帯なのですが、この道路はどんどん標高を上げていきますから、道の両側の壁もずんずん高くなっていくわけですね。


そして有料道路の終点まで上がっていくと巨大な休憩施設兼おみやげ屋兼「湯殿山神社へのシャトルバス乗り場」に到着。そしてその一段上にあるのが本日のお宿である湯殿山参篭所なのであります(右上画像マウスオンで正面からの撮影画像に変わります)。今年はこの残雪の多さにもかかわらずGW前に道路が開通し、湯殿山神社への参拝が可能となっているわけです。

実は2011GWにもここ湯殿山には来ているのでありましたが、震災直後ということで人手や重機が不足したのか有料道路は除雪されていなかったんです(その時の様子はこちら)。まぁ宿舎ゆどのやまの湯に浸かれたんだからあれはあれで良かったんですが‥。ん?そういえばもっと前のGWにも来ているはず‥あ、たぶん2002年か2003年ですね。この両年はGW編をアップしなかったんです。この時は湯殿山神社に参拝したんでしたっけ。



大きな大きなその名も大鳥居はまだ雪の塊で完全ガードされている状態でした。

そんなわけで受付に「予約しているTakemaですが‥」と申し出ると、台帳を確認なさった上でどうぞどうぞというわけで部屋に案内していただきます。と、その前に車に忘れ物を取りに行ったTakemaは、戻ってくると同時におしんこどんから「衝撃的な事実」を聞かされることになりました!それは‥


ガチョーン!じぇじぇじぇっ!その瞬間がっくし力が抜けました。ここ湯殿山参篭所への宿泊を決めたのはここでしか入れない湯、鉱泉の沸かし湯とはいえ神様の湯ですよ、しかもかなり濃厚系だと聞いていて楽しみにしていたのにーっ!

聞けば、雪が溶けるまでは配管のどこが破損しているかもわからないので手の出しようがないとのこと。確かにそりゃそうなんですが。しかしまぁ、自然には勝てないし湯が来ていないのならしょうがない、せめてと思って浴室を見学させてもらうことにしました(案外立ち直りが早い)。



館内にはこんな掲示もあって、まっことウラヤマシイ限り。次回は無雪期にリベンジに来るぞ!



浴室前には飲泉場もありましたが、そもそも源泉が来ていないので当然閉店休業状態ね。


浴室内にはそれぞれ神棚があり、湯殿山の神様と身も心も一体になれるチャンスだったのになぁと残念な限りです。しかし、神棚に洗面器が置かれているって何だかシュールかも(笑)。なお、両上画像ともマウスオンで「女湯の神棚」「湯口拡大画像」に変わります。

ちなみにこちら神様の湯は石けんシャンプーの類使用禁止ということで、館内にはもう1つ真湯の浴室があり24時間入浴OKだとか。そんなわけで、夜にはしっかりお世話になりました。

さてしかし、この参篭所の本分を忘れちゃいけません。「参篭所」ですよね、敬虔なる信徒の皆さまがお泊まりになる宿ですよね。となれば湯殿山神社本宮にお参りしない手はありませんというかあり得ません。しかしこの時点で16:00、ここから本宮まではひたすら登りで約20分、しかし17:00には本宮に詰めておられる宮司の皆さん他が全員撤収ということなのですから、参拝にかかる時間を考えればかなり急がなくちゃというわけでさっさと準備をして出発です(参篭所の方が上の連絡所に「これからここのお客さんが上がっていくからね」と連絡をして下さいました)。


一般車両通行禁止の道を上っていきます。確か前回は往復ともシャトルバスを利用したような気がしますが、今回は時間がないにもかかわらず徒歩なのです。というか、下の休憩所に到着時点でほとんど参拝客の姿はなかったし、もうこの時間にバスなどないだろうと思って出発したわけです。し、しかーし!


われわれの横で停車したバスの前扉が開き、ドライバーさんが「乗っていきます?(お金はいただきますが)」と魅惑の勧誘発言(笑)。うーん、実はまだ3-4分しか歩いていなかったので「ハイお願いします」。そんなわけで思い切り楽をさせていただきました。あ、あくまで公式発表としては「時間がなかったのでやむを得ず利用」なんですけれどね(大義名分の泉)。






そんなわけでその数分後に本宮駐車場に到着です。なお左上画像を見ると何台か一般車両が停まっているようにみえますが、これらはみな神社関係者の車です。参拝時間が終わると皆さんこれらの車にそれぞれ何人も乗り込んで山を下ってきます。

ちなみにご存じの方はとことんご存じでしょうが、ここ湯殿山は修験道の聖地でもあることからこの地については「(この地については)語るなかれ」との戒めがあり、そのためここから先(神域)の写真撮影等は禁止です。まぁそれは知っていたのでもちろん撮りませんでしたが、最初にお祓い、次に渡された人形(ひとがた)を身体の各所に触れさせた上で梵字川の源流に流して穢れを祓い、そのあと「げにうらやましき」ご神体と云々というわけです。あのね、十分語りすぎだって(苦笑)。

ただちょっと思ったのは「参拝後にどうぞ」というあの足湯。以前はなかったと思うので参拝客へのサービスなのでしょうが、やはり神域内にあるので撮影禁止ということ。サービスなのなら湯を対岸の連絡所の下あたりまで引いて、そのあたりに足湯施設を作ってくれればいいのに。湯はかなり熱めだったし、ホースで引き湯しても十分大丈夫な温度ですよ。ま、それこそ俗化の象徴みたいになっちゃいますが‥。

さて無事参拝を終え、帰りはさすがに歩いて下ります。しかしこれがナカナカ!


いやー、除雪作業お疲れさまという感じです。立山黒部アルペンルートのように大型重機を大量に投入できるわけもないでしょうから、この区間の除雪は今年の大雪ゆえ相当のご苦労があったのではないでしょうか。

そして下り道&ご覧のとおりのお天気ゆえ漫歩的に歩いていくと、Takema的にとぉーっても気になる造形がありました。




いまだ数mの積雪がある中で地表部分がトンネル上に露出し、しかも明らかな人工構造物である溝‥しかもその溝の中には黒いホースが敷設されておりその先から勢いよく水が噴き出しています!こ、これってもしかしたらもしかしなくても「源泉?」。

そもそも沢水ならここまでご丁寧な「工事」は必要なかったはずですし、この流水に触ってみるとどう考えても雪解け水とは思えない温度です(まぁ雪融け水も混ざっているとは思いますが@右上画像マウスオン)。口にしてみると金気味がありましたし、ずぅっと奥の方をズームで撮影してみたらコンクリート部分がずっと続いています(向こうの出口先を見てみたいぞ=左上画像マウスオン)。とにかくこれはただの水ではない!ことは確かです。

このあたりには湯温は低いにしろあちこちに鉱泉の湧出部がありました(その部分だけ雪が溶けているのでわかります)。これも湯殿の神様の落とし子ということなのかなぁ。



左上画像はもちろんですが、右上画像の沢水も「普通の味」じゃなかったですよ。


さて神橋まで下りてきましたが‥ご覧のとおり橋という状況ではありません(笑)。この地の豪雪ぶりがよくわかるなぁと思いつつさらに下っていくと参篭所&レストハウスが見えてきました。焦らずマイペースで下れたのはシャトルバスのおかげということで、そのまま一段下の発着場へ。



ブナかナラかはわかりませんが、この太い幹は今回の冬も生き抜きました。そして大鳥居と宿の屋根が見えてきました。



もうこの時間(17:00前)になるとこの休憩場に一般の参拝客のお姿はありません。バスのドライバーさんも里に下ったのかな?



お宿の前には水の蛇口。冷たくて美味しい。あ、参篭所入口に立派な掲示があったことをこの時初めて知りました(苦笑)。



玄関ロビーには御輿がどどんと鎮座。ちゃんと拝殿施設もあります。実はこの翌朝端っこに座って「参拝」。

なお、この日の「参籠者」は何とわれわれを含めて2組3人(ただしその他に神社の関係者と思われる方々がお2人滞在中)。ガラガラのガラでしたが、シーズン中の週末などは混むんだろうなぁ(推測)。

ちなみに部屋にTVはありません。洗面台のある休憩所に共用TVが1台あるだけです。もしかしてWi-Fi電波が飛びまくっていたりしないかと期待しましたがこれもなし。まぁドコモのガラケーは普通に使えるのでそれでよしとしましょ。


んでもって夕食前にひとっ風呂。あーん、でも最初のもくろみではこの真湯浴槽で身を清めた上で神さまの湯に「入浴奉納しよう」と思っていたのになー.(無念)。参籠所ゆえ夕食も18:00という早めタイミングで始まります。


夕食会場の広間には何やらアイヌ系の文様の装束が飾られておりましたが、これはどのような方が着用するものなのでしょうか?神官でもなさそうだし、もしかして山伏?とも思って検索してみましたがどうもそれも違う‥。実は上で書いた「神社の関係者」の方々はこの装束の寄贈者でもあったようなので聞いてみればヨカッタ‥と思ったのはたった今のお話です(遅すぎ)。

さて夕食ですが、さすがに参篭所ゆえ焼き肉じゅーじゅーとはいかないようですが川魚はしっかりありますね。そもそも「精進料理」というものの定義もかなりまちまちで、それこそ「菜食主義」の定義だって「ミルクはOKだ」「いや駄目だ」という感じで人によってさまざまですし、明確な線引きが不可能なのと同じです。神道の場合仏教よりはその線引きが緩いという話を聞いたことがありますが、そもそも仏教だって「般若湯」なんてのがありますしねぇ(あ、これは精進料理そのものとは的が外れますが)。

そんなわけでわれわれも般若湯、いや違った神道では正々堂々と「御神酒(おみき)」と言えばいいんですよね、そう、その御神酒を注文いたしました(右上画像マウスオン)。野菜中心のヘルシーメニューでしたが美味しくいただきました。

夕食後は部屋に戻りましたが、TVがないからダラダラと眺めて過ごすわけにもいかずやることないーっ!わたしは「この旅行記のアップがかなり先になることを見越してこの日の出来事をテキストで記録に残す」という作業がありましたが(その読みは正解=今4月末のこの日のページをタイプしているのは6月中旬です)、おしんこどんはなーんもすることがありません。

彼女には珍しく昼間の車内で全然寝ていなかったこともあり、「ちょっと寝る、あとで起きたら運動するわ」という言葉を発して「就寝@19:00」。そして予想通りのことですが、その晩彼女が運動にいそしむことは予想のとおりなかったのでありました(笑)。


明けて翌朝、惰眠をむさぼっていたわれわれの耳に飛び込んできたのが太鼓の音。朝食にはまだ早い6:55頃‥となれば?


(もちろん「神様へのお知らせ」の意味がメインだとは思いますが、少なくともこの時のTakemaは上記のように思ったわけです)

というわけでおしんこどんとともに急いで1階の神殿の間へ。お勤めはすでに始まっておりすでに同宿の方はお詣り中でした。祝詞を唱える神官さん、うーん何だかこの荘厳な雰囲気の中にいられただけでもここに宿泊してよかった気になってくるから不思議です(でも神様の湯‥)。

最後にわれわれも玉串を奉納させていただいてお勤め終了。あれ、確か「あちら向き」で奉納するんじゃなかったっけ?でも前の方がそうしていたので「出羽三山界隈ではそうなのかもしれん」と思って同じようにしましたが、ネットで検索してみてもそんなローカルルールはないようですね。湯殿山の神様ごめんなさーい!

そのあと朝ごはんを食べて出発です。実はこの日は朝から雨が降るあいにくの天気、そんな予報が出ていたからこそ昨日のうちに本宮へのお詣りを済ませておいたわけなのですが。でもしかしやっぱり雨かぁ。しかし、今回のお出かけでは雨だけでなく雪にも悩まされることにもなったわけで、この時はそのことをまだ知るよしもなく(苦笑)。

このあとお山を下りましたが、この続きは次ページにて。

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