− その5 鳥海山はまだまだ冬山モード真っ盛り −



象潟界隈はもう田んぼの準備も万端なんですがね。

雨の湯殿山参篭所からR112まで下ってくると雨はやんでおり、ここからは鶴岡に向かって進んでいきます。と、カーナビには「多層民家」の表示が。急いでもいないし国道からさして遠くもないので左折して田麦俣方面に向かってみました。確かこの周辺にはオンオフともにお世話になっている「おにいちゃん」関係のご親族がお住まいだったと思いますが‥あ、でも志津地区だったかな?(記憶曖昧)。

そんなわけで下調べも何もしていないので(いつものこと)、最初に見えてきた「旧遠藤家」へ。手前の民家(民宿)に見学料をお支払いするようなので、見学時間の9:00になるのを待ってピンポン&お支払い。「電気のスイッチをつけてくださいね」と言われたのですが、これがまたどこにあるのかがわかりにくくて難渋しました(笑)。



こちらは現在ご家族がお住まいの母屋。民宿でもあり、ここに泊まらせていただくのもいい経験になるかも。



で、こちらが山形県の指定文化財になっている旧遠藤家。なお1F部分はまだ雪囲いがなされたままです(右上画像マウスオン)。


で、ここから邸内を見学したわけです。やはりこちらでも夏は養蚕が行われていたようで、上層部にはわたしが子どものころ群馬で見ていたようなカイコ棚がありました。それにしても養蚕というのはそれこそ明治時代以降貴重な外貨獲得の手段(軽工業)として奨励された歴史がありますが、今や外国産の安い生糸に取って代わられて青息吐息というかほぼ生産が途絶えています。しかし本当にもう日本の養蚕業は終焉を迎えたのでしょうか?

わたしは某温泉仲間の○らさんからも「Takemaさんって結構頑固で天の邪鬼」とご評価いただいたくらいの性格ですから、常識というか流行り=メインストリームに逆らうのが大好きです。というか、そこにこそ商機があるのではないかと思うのです。となると「ヤママユ」を代表とする付加価値ありの製品およびカイコ自身の可能性」について考えちゃうんですけれど、そのあたりはいまどうなっているんでしょうかね?以上雑談まで。

ちなみに大失敗だったことが1つ。邸内に入るときにスリッパの存在に気づかず、そのあとすぐにおしんこどんが「スリッパあったよ」と言ってくれたのにもかかわらず「まぁいいよ」とせっかくの進言を却下(ね、頑固でしょ(自虐))。

その「結果」は、このあと行った湯野浜温泉上区公衆浴場で思い切り判明しました。それはつまり‥


ハイ、人のアドバイスはちゃんと聞きましょうねという好例でありました。

というわけでこのあとは湯野浜温泉なのです。近年リニューアルしたという上区の湯へ。実は下区の湯はどこだかわからなかったので‥。


山形の日本海沿いの湯はこれまでホントに手薄だったのです。というか共同湯についても「午後から営業」だったりするところも多くていまだにハードルが高いですし、またここ湯野浜もそうですが温海なども「巨大ホテルがどどん」系なのでついつい惹かれなかったわけです。でもまぁ、共同湯がある以上一度は湯かなきゃというわけでやってきましたよー。


施設はピカピカで何らの問題もないというか「しまった建て替え前に来るんだった」と後悔するくらいでしたが、エグゼクティブを自認するTakema(他の人は誰も認めないでしょうが)としては「あれれここにはサウナもないの?ついでに言えばアロマテラピーとかアーユルヴェーダなどの付属施設がなけりゃ共同浴場とハイエナ一緒は言えないっしょ!」という感じなのであります(内容的には冗談として、取消線部分は変換したら「そうくるかATOK!」とちょっと嬉しくなったのでそのまま残した次第です)。

で、いざ浴室に入ってみたら、大小2つに区分けされた浴槽(つながってる)の小さい側に先客さんが浸かって&湯縁にたたずんでおりました。もちろん初めての訪問ゆえ勝手も状況もわからず、境目のあたりから湯を汲んでかけ湯&肝心系洗いを完了した上でいざ入浴行動開始。すると‥合点がいきました。


そう、激熱湯が広い湯口の窓際側から注がれており、その湯が流れ流れてぬるまりながら狭い湯船の方に進むという構造だったのです。で、広い側で自分が入ったあたりの湯温は体感で46.0度くらい。ふふふこれなら入れるもんね(身体にはよろしくないけれど)というわけでしっかり肩まで浸かった時に、お風呂カゴを持参していた地元在住とおぼしき方と目が合ったのは偶然でしょうか?(笑)。あー、値踏みされなくてヨカッタ(右上画像マウスオンで、自分以外の先客さん全員(3人)が洗い場に向かった瞬間にダッシュでカメラを取ってきて撮影した湯足画像に変わります)。

しかしこれで満足するわけにはいきません。湯漢(ゆおとこ)の1人であることを自認するTakemaとしては(いつ自認したんだ?)、やはり「湯口付近でバンバン」しなければならぬのではないかと思うに至るのであります。

しかしあつ湯の湯尻で体感46.0度ということは、あの湯口界隈ではナニが起こっているかは言わずとも想像可能、地元民とおぼしき方々がその「聖地」に近よろうとしないことからもそれはわかります。それはつまり‥


しかし、湯漢なる者の端くれとしては「男はダメだとわかっていてもやらねばならない時がある、それが今なのだよ」というかつての東映ヤクザ映画を地でいかねばならぬこともあるのです。というわけで浴槽内をジャポジャポと「禁断の地」に向かって進んでいきます。

「く、くわーヤバイかも」。まずはTakemaの身体の動物的本能がアラート発信!しかし理性という名の我慢大会開催中ブレインは「行け進め」の指令を発令。と、ここでヒマラヤの8000m以上のエリアを評していう「デスゾーン」に入り込んだTakemaは、湯口からアチチ系のかけ流し源泉をすくって口にした上ですぐさまダッシュで緊急避難!ぐっはぁ熱かった!(でも体感では47度半ばかな)。

そんなわけで湯野浜温泉をあとにして「どうしようかなー」と悩みつつやっぱり向かってみたのが鶴岡市内の大山地区。話せば長くなりますがはしょって説明すれば、いまでこそ芋焼酎ばかり飲んでいるTakemaも20歳代後半から30歳代前半にかけては大の日本酒ファンでありまして、その頃「お前はどのお酒が好きか?」と聞かれれば「栄光富士=ここ鶴岡のお酒!」と断言してはばからなかった、そう、その蔵がここにあるのであります!

今でも別に日本酒が嫌いになったわけではありませんし、前日の夕食でも冷酒を飲んでたし(あ、前々日もか)、とにかくここの「庄内誉(吟醸酒)」は大好きでした。自分にとっては軽すぎる「麻酔済み」や、香りが主張しすぎる「出和座蔵」(どちらもあえて誤変換しています)、また新潟方面の「味吟醸」系はどうも自分の好みじゃなくて、「香りもよく味もそこそこ重みがある」系が好きなんですね。


でも見学ができるかどうかを事前に調べてきたわけではないので、しばらく酒蔵の周りをぐるぐる回りましたが「どうやら一般公開には積極的ではないみたい」と捉えて退散した次第です。ちなみにその昔おしんこどんとの結婚披露宴では、最初「ここ富士酒造の一斗樽を鏡開きしたい!」というリクエストを(ある酒屋さんを通して)出したんだっけ。結果的にそれは叶わず、諏訪の「真澄」の一斗樽になったんですけれどね。披露宴から二次会会場に移動するタクシーのトランクに一斗樽を積み込んでもらったのも懐かしい思い出です(大笑)。

なおここ大山地区には他にもいくつかの酒蔵があり(いい水が出るんでしょうね)、中には「見学歓迎」の看板を出しているところもありましたが行きませんでした。実は迷ったとも言うんですが(笑)。それにしても「鶴岡の人は『いざというときには富士なんだ』と考える」というフレーズ、今となっては誰から聞いたかも忘れましたがずっと耳に残ってます。あ、もしかしてソロツーリングで鶴岡市内のビジネスホテルに泊まり、夕食はゴージャスに寿司屋のカウンターに陣取って「日本海のウマイ魚&鶴岡の酒蔵全種飲み」で翌朝へろへろだった時だったかな(笑)。

さて、時間的には少し早いのですが「ここ鶴岡市内でお昼ご飯を食べておかないとあとで後悔する(選択肢なし)」という予感がしたのでおしんこどんに「何系が食べたい?」と聞いてみると「イタリアンかなぁ」というのでナビで検索。うーん評判の高いお店はしない中心部を抜けた先かぁと思いつつナビをセット。すると「この先渋滞しています」とのVICS情報音声が。

いや別に星が多くなくてもいいんだけれど‥と思いつつ進んでいたら‥ん?何だかイタリアの国旗が見えたぞ!というわけで急いで駐車場に車を滑り込ませました(まだ開店直後タイムなので駐車場はガラガラでしたが)。


外観はといえば‥ええっと、ここって本当にイタリアンレストランですよね?という感じ。エントランス脇に「子どもの秘密基地に上がる用のミニクライミングウォール」があったりするので、一見するとまるで幼稚園の進化版?とも見えますが、ちゃんとイタリアンなのです(左上画像マウスオンで正面看板が見えている画像に変わります)。


「どうなのかな、なんちゃってイタリアンかも?」という危惧もあり得ましたがさにあらず。画像が暗めなのでナニですが美味しかった!(特にピザ)。店内のボードに書かれたお勧め品には「午後3時まではスープ&サラダ付き、また常時コーヒー付き(要はランチセット)」とありましてこれは嬉しい!ちなみにパスタもただのナポリタンじゃないですよ!うーん大正解、イタリアンレストランとは思えないネーミングの「ファイヤーボール」!(ネーミングや外観でイメージロスしている気がしますが、そういうお店こそTakema的にはポイントが高いんです(笑))。

さてこのあとはネイチャー行動というべきか一路象潟方面に北上します。


高速とはいえ無料区間&ほぼ貸し切りで先行車がいない道をずいずいと進み、終点で下道におりてからはゆっくり‥あ、しだれ桜がきれい!というわけで観光地とはおそらく無煙の(ロースターだよ)無縁の(仏かい)無鉛の(ガソリンかっ!)無塩の(健康にはいいかもしれんけれど味気ない)、はいもうちゃんとしましょうね無縁ですね、とにかくここの神社を訪問した旅行者の記録がググっても出てこないくらいにマイナーな「県社大物忌神社」でございます。


しかし境内には散った桜の花びらと椿の花とがいいコントラストをなしていたりしてなかなかの風情。気温もちょうどいいし、あぁ来ましたねー東北の春!(‥と、この時はまだそう思っていたのでありました(苦笑))。

さて、鳥海山へは国道経由ではなくもっと内陸側の県道をつなぎ合わせつつ進行します。もちろんそれにはすぐ後に述べるような理由があるのですが、やっぱりローカルルートを通ると景色の広がりがいい!



上にも載せた画像ですが、これで鳥海山の頂上部が見えていたらサイコーです。



そしてさらに進んでいくと、うわ、川沿いに桜並木が!




さて目にシアワセを与えたあとは喉にもシアワセをというわけです。ご存じのとおり?鳥海山の山麓には湧水ポイントが多くありまして、今回は10Lの水ポリタン*2を持参しておりますのでお持ち帰りしちゃおうというわけです。ん?あれ?しかし?


どうやらちょっと行き過ぎちゃったみたい(笑)。と、永泉寺というお寺発見。この石段が何だかかなりいい味を出してます。せっかくならちょっと上がってみればよかったのですがこの時は車窓から見るだけでパス。何でも「歴史ある古刹」なのだそうです。

で、永泉寺からわずかに戻ったところに「落伏清水」、今度こそ発見です。小さな看板があるばかりだし、道路より低いところにあるものだから目立たないんですね。


たったこれだけの設備です。画像で見るとただ水がたまっているだけのようにも見えますが、実際は奥の岩の下からかなりの量が音も立てずに湧き出しています。深さも十分で、10Lポリタンを突っ込んでも底の砂が舞い上がってくるようなこともありません。

というわけで20Lゲット+ゴクゴク終了!うん美味しいっ!ちなみにこの水の一部は数日後のキャンプにおける飲用&炊事用水として利用されたことをあらかじめ付け加えておきます(参加者の皆さん、ここの水だったんです)。

ちなみにこの場所に「落伏清水」の名が記された看板は設置されておらず、そのかわりというべきなのか、左上画像マウスオンで出てくる「ご注意看板」だけがありました。


でも残念ながら「何かあったらすぐ管理責任を問う」おバカな輩が闊歩するこの時代ですからしょうがないとは思うのですが‥。これがエスカレートすると「飲むのは自己責任」>「煮沸してください」>「飲用には必ず煮沸してください」>「いかなる場合にも飲用には使用しないでください」という流れになっちゃうんだろうなぁ。少なくともここではそうならないように願うばかりです。

さてこのあとは道の駅でトイレ&買いもの等を終えた上でいよいよ鳥海ブルーラインを上がっていきます。



下部では晴れていましたが、ゲートのある駒止あたりからは残雪が出始め天気も曇りモードに‥



標高を上げるにつれて雪の量はどんどん増え始め、やがてはご覧のとおりの雪の回廊に。

鉾立のビジターセンターまでほぼ一気に上がりましたが、そのあたりの動画をご覧下さいませ。





そんなわけで鉾立のビジターセンターに到着です。しかし寒い!ちなみにこの時点で車の車外温度計は「2度」を表示しておりました。しかも風は強いしキビシイ!そんなわけでビジターセンター内にさっそくぬくまり系待避行動となりました。


まずは靴を脱いでエントランスにあったカウンターを2ポチっとね。ちなみにこの時点で(15:00ちょっと前)「県内:7人、県外:10人(われわれを含む)」でありました。まぁまだ本格シーズンじゃないですからねぇ。

なお、ぬくまるつもりが館内は暖房を起動していなくてやっぱり寒い!息も白かったのでおしんこどんが「ふぅっ」行動を見せてくれましたが残念なことに白い息が写っておりませんでした。ただ確かに館内も寒かったんですが外よりははるかにマシでしたっけ。



このあとはすぐ上に登ってやっほー!しかしとてつもなく寒かったので撮影後すぐさま退散ね(笑)。


ここまで上がってくる車はほとんどおらず駐車場もご覧のとおり(平日ですしね)。で、その駐車場の片隅には‥「いざというときは俺たちに任せろ燃える男の黄色い除雪団だぞ」系の尾車親方軍団が鎮座しておりました。

実はこの数日後、うちの職場の経営者さんがこの界隈(大平山荘)まで上がって来ようとしたら下のゲートで止められて、四駆のスタッドレス着用&宿泊予約ありということで何とかOKをもらったとか何だとか。ということからご想像いただけるとおり、このあと北東北の日本海側は‥


まぁそのあたりの詳細については次ページにて。最後に下り坂の動画をば。天気が良ければ最高のワインディングですよね。それと同時にもう30年近く前にただ一度登ったきりの鳥海山、またそのうち登ってみたいよなぁ(最近気持ちが少しずつ山に目覚めつつあります)。



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