− その6 湯の越温泉泊、翌日は初めての八郎潟、続いて船沢温泉の塩湯へと −



はふー、この界隈でかけ流しの硫黄泉に浸かれるとはシアワセ。

さて、鳥海山を象潟側に下り(合併して「にかほ市」になったのね。仁賀保町は昔からあったけれど、この市名にするのに旧象潟町側に異論はなかったのかしら?と思って調べてみたらやっぱりあったようですね(笑)。何だかメンツの張り合いみたいですが、まぁ全国的な知名度でいけば象潟市のほうがよかったのでは?「仁賀保」をあえてひらがなにするのなら‥まぁこのあたりにもいろいろな「大人の事情」があったのでしょう。

そんなわけでにかほから無料高速に乗りここからは一気に大移動です。河辺JCTまで進み秋田道に合流しさらに北上します。と、1車線区間にて前方に1台の軽トラ発見!いや、軽トラが走っていても何の不思議もないのではありますが‥


よって当然ながら車体はふらーりふらり、特に路肩側へのふらつきは激しく時には車両のほぼ全てが路側帯に入ってしまうことも(たぶん「残されたわずかな意識」でもって反対車線へのはみ出し=ポールなぎ倒しだけは回避していたのでしょう)。Takema車は当然車間を取って警戒してはいましたが、いかんせん1車線区間ゆえ抜くこともできずハラハラどきどきモード。

やがて追い越し車線区間に入ったので急いで追い抜きがてら運転席をのぞき込むと‥


あちらは70km/h程度のスピードで運転していたのでしたが、次のICかPAまでもちそうになかったら路肩停止でもいいから早く休みなさい何とかしなさいって!

さて追い抜き地点から10分ほど進んだあたりの太平山PAでわれわれもトイレ休憩。トイレから出てきたら「あ、さっきの青軽トラがPAに入ってきた‥へ?正規の駐車場区画とは全然別の思い切り端っこで『がっくん』と停止したぞ?」

上で「睡魔」と書きましたが、万が一緊急事態だったら大変なので念のため(あくまで野次馬根性じゃないよ(笑))見に行ってみると、そこには‥


なるほどとことん眠い中何とかこのPAまでたどり着き、最後の意識を振り絞って車を停車させ(駐車レーンなんてものに車を入れる余裕なし)、そしてそのままバタンキューというわけですね。しかし事故を起こさなかったからよかったものの一つ間違えば大変だよ、もうちょっとドライバーとしての自己管理を大切にしてね。

ちなみにかのドライバー氏ですが、Takemaがタバコを吸い終わるとほぼ同時に何と「再発進!」。ま、数分寝るだけでも効果ありという話ではありますが、もうちょっと休めば(&車を降りて身体を動かしてから行けば)いいのに。やばかったんだからね。なおそのあとわれわれも出発しやがてかの軽トラに追いつきましたが、先ほどまでとは違ってすっかり「普通の運転」に戻っておりましたとさ。

というわけで五城目八郎潟ICで高速を降ります。


閉店間際の道の駅五城目でちょこっと買い物をしたあと、目指したのは「湯の越の宿」。何でも湯がいいとのことで出発前日に予約しました(が、勘違いしていたこともありました)。

母屋はともかくその他は屋根の葺き替え等の改築中で、このあとは雨予報が出ているんですが大丈夫なのかな?まぁとにかくチェックイン。



あと、この裏の崖もとっても気になったんですが‥まぁ工事中ということで。

どこかで聞いた話では、こちらの宿の経営者さんはこの地元出身で、一代で会社を興して財をなした成功者(苦労人ともいうのでしょう)なのだとか(後述)。それでもこうして地元を忘れずに宿を建て、地元の方に「いいお湯」を提供し地域に貢献しているところに好感です。

で、いいお湯を求めて地元の方々がひっきりなしにやってきますんで「こりゃお風呂は満員御礼状態だぞ」と、夕食前の入浴はあきらめました(笑)。1回入浴は20:00で終了ですが宿泊客は22:00までOKですのでね。そんなわけでお風呂画像の前にいきなり夕食となります(笑)。


夕食はバラエティに富んだ感じで質量ともにOK。ちなみに鍋はここ五城目町ならではの「だまこ汁」だそうで、きりたんぽが棒状なのに対してだまこは丸めたものなのだとか。ともにお米をつぶして作ってはいるのですが、地域差が出るんですね。お刺身もちょっとおしゃれにデコレートされていてなかなかです。宿の場所は山の中ですが海までは遠くないですから新鮮!(両上画像ともマウスオンで別画像に変わります)。

食後も「むー」系のお腹いっぱい地獄になることはなく普通に「うん食べた、ごちそうさま!」モードでありました。そしてしばし部屋にて雌伏した上で、いよいよ隠密同心死して屍拾う者なし系の入浴行動に向かったのであります(ただお風呂に行っただけなんですが)。


隠密行動ですから廊下も静かにね(笑)。ちなみに宿泊棟の廊下は合板のようでしたが、エントランス付近まで来ると無垢の杉板?に変わります。ただ板が収縮しているのか歩くと結構ミシミシいうので隠密行動には不向きです(笑)。

この夜は比較的冷えたからかしっかり暖炉に火が入っていました。いいなぁ我が家もいつか(無理だって)。でもTakema家の数軒先には、街中なのに暖炉のある家があるのをわたしは知っています(笑)。


基本的に木をたっぷり使った造りで、「さすが建設会社が造ったお宿」というところ。なお右上画像にマウスオンするとお約束の但し書き画像に変わりますが、加温はともかく塩素臭は湯を入れ替えたばかりの翌朝を含めて一切感じませんでしたよ。


ただしさすがにこの時間になると「あれだけの入浴客が云々」ということで湯の新鮮さは期待できません。この濃い白濁は湯が劣化している現れであることは翌朝の画像と比較してもらえば一目瞭然なのです。そして絵的にも明朝が勝負だなと思いつつ湯を上がると、清掃のためお越しになった宿の管理人さんが。というわけでしばしお話を伺うことに(以下当時のメモ)。

21:45に湯に浸かりに行き、55に上がったところで管理人さんと話す機会に恵まれる。現在76歳の社長さんは仙台や秋田にデイサービス施設(この宿の上にもある)を持つ方で「バイタリティあふれる」方なのだとか。で、もともとはこの宿のすぐ下にあった小学校出身で、当時は今より湯温が高い自噴湯が出ていて、その湯で学校の廊下などを拭いていたのだとか。で、さらに最初は公務員になったのだけれど建設会社起業。バブルの波に乗ってぐぐんともうかったし今でも多角経営でそこそこ成功しているのは「機を見る眼」「(公務員関係で培った)人脈」、そしてやっぱり「バイタリティ」。「今度来るときはここもまた変わっているかも知れないよ」とは管理人さんの弁。

なるほどなぁ、自分も人脈湯脈をフルに活用して‥って、人に頼るだけかいっ!(以下自粛)。

さて翌朝です。管理人さんから「朝湯は7:00から」と聞いていましたし、フライングする宿泊客の存否も聞いていましたが「基本的に7:00から」ということでした。ただ、ついつい5:30に偶然(ホントに)トイレに行きたくなってしまったので、ついでに「まだ入れないお風呂を見るだけ見に行こう」と考えた次第です(その時にもなぜタオルを持参したのかは謎ですが(苦笑))。

で、行ってみたら「お湯の投入まっさかり中」でした。昨晩も「湯口からの投入量が少ない」ことが気になっていましたが、なるほど大浴槽の真ん中から噴き上げていました(撮影画像がないのが残念=なぜか見ただけ)。まだ1/4くらいしか溜まっていなかったので「この状況下で入浴を強行するのはいかがなものか」と自問自答し、「うん、あと1時間したら来よう(それでも30分のフライングだけれど)」と決めて部屋に戻り「軽く就寝」。

曽、そして次に目覚めたのは「7:06」。あちゃーやってもうた!他の宿泊客さんが朝湯に喜び勇んでいる頃じゃないですか!ん?しかし待てよというわけで‥。



館内の写真をあちこち撮ったりしながらゆっくりのんびり系で浴室へ。

浴室には5-6人の先客さんがおられましたが、あくまでわたしゃのんびりと‥よっしゃそぉーら来たドラ三ハネ満!





(でもさー、使った湯桶はちゃんと片付けていくべきだとは思うのですよ to オジサマ一同=あ、自分もオッサンか)

ちなみに大きな浴槽の湯底中心部に投入口があります。で、そちら側は画像の通りやや緑色の濁り、そこからオーバーフローして流れ込む小さい方の浴槽はなぜだか白濁。この緑色はいったいどういう成分で、酸化するとなぜ白くなるのでしょうか?


そんなわけでまずは緑白濁りの大浴槽へ。防水カメラなのでちゃぽんと湯に浸けてうーんこのあたり‥ありました湯の投入口!で、あらためてじっくり湯を観察してみると、黒い消しゴムかす状の湯花も観察できました(左上画像マウスオン)。

で、昨夜は石けんやシャンプーのニオイでわからなかった湯臭ですが、何といえばいいのか「やや系硫黄臭に墨のにおいを足した感じ」というところでしょうか。このあたりのより奥深い表現についてはよりコアな温泉先達の皆さまに一任いたします(要は丸投げ)。


ちなみに湯口からはややぬるめの湯が少量流し込まれていました。これが源泉そのままなのでしょうか(H15の検査によると源泉温度は40.5度とのことなので)。と、こちらの湯口はダミーという話もありますのでお気をつけあれ(浴槽湯をくみ上げて出しているだけかも)。なお右上画像マウスオンで小浴槽での湯足画像に変わります(色合い的にはこっちの方が映えますね)。




で、朝湯をタンノーしたあとはいざ朝食へ。ん?されどお食事処の各テーブル上にはわれわれの名前が書かれたプレートが‥あれれなぜかない、ナイったらナイタイ高原キャンプ場!(取り乱してごめんなさい。しかしこれもまたおやじギャグのみならず別の意味を掛けてみたのであります)。それはともかくあれれわれらが朝ごはんはどこ?試しにコウモリさんに聞いてみても黄金バッドが出てくるだけなので意味なし芳一、そう、われわれの朝ごはんについて知っているのはこちらの賄いさんおよびレセプションの方々のみ!

で、結論から申し上げます。朝食はもともと予約時に頼んでいなかったのでした(大笑)。ネット予約時に「夕食のみ」でエントリーしていたようです(予約時の記録を見せてくださいましたから間違いありません)。しかし‥周辺に朝食を食べられるお店などないことはわかっていたはずなのに何でだろ?いまだに謎です(苦笑)。

さてしかし、朝食がないのならさっさと出発するしかありません。そんなわけで宿を出発‥県道に出る手前にミニ小屋が。ん?こ、これがそうだったのか!


昨日通った時にはなぜか完全に見落としていましたが、こちらに湯の越温泉の旧源泉が自噴しています。車から外に出てみると、宿の湯の数倍といえるであろう強い硫黄臭が。昨日は車の窓を閉めたままで通過したため、このにおいを感知できなかったんです。温泉探索時の鉄則「車での移動時には窓を開け嗅覚器官にて常時探索を継続すべし」(たった今思いつきで作った標語ですが)を全く無視した行動だったわけですね(笑)。

湯温を計測したわけではありませんがいわゆる「ぬるつめたい」系で、「PでAする(濃い系温泉ファンの隠語)」のもここでは結構勇気が要ります(笑)。というかここ自体が開けた場所にあるので、PはともかくAは別の場所に移動してからコトに及べば‥ま、わたしゃAはしないのですが(何のこっちゃ)。

上の方でも書きましたがここが「以前はもっと湯温が高く云々」の小学校源泉なのですね。しかし何ともモッタイナイですなぁ。関東圏なら掘ってでも出すのに(笑)。


さてこのあと目指したのは大潟村。そういえば道中には水芭蕉の群生地などもあったりしましたが、このあたりなら湿地があれば結構どこにでもありそうな気がするんですけれど。そうでもないのかなぁ。


新生大橋を渡って大潟村に入ると、いきなり北海道と見まごう景色になります。GWのこの時期は「桜と菜の花まつり」が開催されていますが、この日はお天気もご覧のとおりだし結構涼しいというよりやや寒いくらいだし、どんなもんなのでしょうかね?(後述)。

で、やってきたのは「大潟モール温泉 ボルダー潟の湯」。巨大な日帰り施設で、普段のTakemaなら真っ先にパスしてしまいそうなのですが、「かけ流しじゃないけれどお湯はそう悪くないモール泉」とのことでわざわざやってきたわけです(あと「大潟村にまだ一度も足を踏み入れたことがないから」というのも訪問の理由でした)。いや、確かに男鹿半島の某野湯にも行ってみたかったんですが、このお天気じゃねぇ(湯船を造っているうちにどしゃ降りというのは避けたかったんで、今後の人生の課題です)。


脱衣場を見ると先客さんが10人くらいいるようだったので潔くカメラは持ち込まず。塩素臭が酷い時もあるということでしたが、幸いなことに訪問時にはそう大したレベルではなく「うっすらとはするけれどね」という感じだったのでヨカッタ。お湯は公式サイトのとおり茶褐色のモール泉ですが同時に強食塩泉でもあり(というか泉質は「ナトリウム-塩化物強塩泉」なのです)、湯上がりに汗が引かないのはご想像のとおり。湯上がりにサイダーごくごく行動に出たことは言うまでもありません。

ちなみに駐車場の周りに植えられていた桜の木々は三−五分咲きくらいでした(右上画像マウスオン)。「何だよもっと咲いてるじゃないか」という方々、これは数ある木々の中から「一番咲いている木の一番オイシイ部分をピンポイント撮影したもの」なので念のため。なお桜の場合、満開に見えても実際はまだ八分咲きくらいだったりするので‥。

で、このあとはほど近い場所にある道の駅で買い物などした上で、大潟村が売りにしている「桜&菜の花街道」へ。この日は平日だったので車の通行量は少な目でした(でも以下の画像では「車ができるだけ写らないタイミング」まで待って撮影しています=そこそこは通るし駐車車両も場所によってはありますし)。



道路のど真ん中に立っての余裕撮影。でもこのあたりの桜はまだ若くて樹勢がイマイチです。



ここは菜の花が一番咲いていたところですが、やっぱり桜の開花はまだまだこれからというところ。



このあたりは樹勢および開花状況はいいんですが、いかんせん黄色の菜の花状況が‥。

いずれにせよ日差しがあればもっと全然違う印象だったと思います。というかその場合には桜も菜の花も一気に開花したはずですから‥。でも、この真っ直ぐな広がりはかなり気に入りました。今度は是非晴れた日に来たいものです。すっごく混んでるでしょうけれど(苦笑)。

さて気がつけば朝から何も食べていません(サイダー1本を2人でシェアして飲んだだけ)。そんなわけでR7をさらに北上して大館方面に向かう手前で(途中から無料高速に乗っちゃうので)何とかお昼ごはん‥時刻は11:00、ラーメン屋さんハケーンで決めたっ!


ラーメン屋「周助」。秋田市の製麺会社が元締めのチェーン店らしいですが元々このお店自体はは個人経営だったらしい?ちなみにメインの駐車場は建物の裏にあるので、多くのお客さんは裏口から入ってきます。レジすら裏口側にあるくらいです(笑)。

で、Takemaはネギ味噌ラーメン、おしんこどんはねぎ味噌とんこつラーメンを注文(右上画像マウスオン)。あ、餃子もね。ラーメンはコショウ味がちょっと強いようにも感じましたがもちろん完食、おいしくいただきました。そんなわけでわれわれの本日の移動はまだまだ続くのであります(この時点でまだ浜田正午前だし)。


で、続いてやって来たのは能代の船沢温泉。何でも2011年に一度休業したようですが経営者が変わって再開したのだそうで何とも有難屋之海苔であります。宿泊もできるが地域の銭湯的役割というか案外こっちがメインっぽいというのは、まるでイギリスの昔からのパブ(飲めるが宿泊もできる=最近は宿泊受付をやめてしまったところも多いようですが)に通じるところが‥え、ない?(笑)。

この頃には雨もそこそこ本降りになっていましたが、目の前が駐車場なのでたたっと走ればもう玄関♪



玄関内ではなぜか各種のアジサイが販売されていました。

さて入浴料400円也をお支払いしていざ浴室へ。先客さんは1名(身体洗い中)だったので、浴槽側を撮影することをご了承いただいてパシャパシャと。


かなーり黄色みを帯びた湯で、泉質はナトリウム強塩化物泉。なお以前は湯温が40度を切っていたみたいですが、今は47度台の源泉とか?(掲示の記憶はないのですがネット上の情報にその旨の記載あり、ただし公式サイトには一切記載なし)。

で、右上画像なんですが「高温湯を少しでも空冷するための苦肉の策‥」というわけではありません。実はこの中に入れられているのはラジウム石なのだそうで、湯に溶け出したラジウム成分が云々ということなのだそうです。どこかで似たようなコンセプトの湯に入ったなーと思ったら、青森は小川原湖近くの八甲温泉でありました(その時のページはこちら)。で、いざ湯に浸かってみると‥




がっつりの食塩泉やや苦い系、何だかビミョーな臭いが鼻にきます。で、湯の色および濁り度はご覧のとおりで足先はほとんど見えません(右上画像マウスオンで足先のみ画像に変わります)。実は動画も撮ったんですが誤って紛失(苦笑)。

それにしてもこんな湯にこのあたりのどこかで入った記憶があるぞ、そうだあそこだ合川のさざなみ温泉だ!(その時の様子はこちら)。あの時は夏だったからもっと汗が止まらなくて大変だった記憶が(苦笑)。

そんなわけでノスタルジーに浸りつつ入浴完了!さて宿の朝湯を含めてこの日3つ目の湯完了。この日はまだまだ行きますが、とりあえずこのページはこの辺で。

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