− その7 「お勉強」のあとさらに2湯、B級グルメタンノーのあとこの日の宿へ −



白&茶のライオン湯口が絶妙!でも同時設置の形状なのに雄ライオンは何で休んでる?(笑)。
さて船沢温泉からは無料高速等も利用してまずは道の駅ふたつい(二ツ井)へ。ちょっとなつかし系の道の駅でしたが、かえって「やる気満々燃える商魂、たゆまぬ努力を見よこれでもか!(でんぐり返し)」を地でいくようなところよりはのんびりできましたのでこれはこれでいとよろし。

トイレ休憩のあとは、これまで足を延ばしたことのないエリアに寄り道してみることにしました(いや、でも昨日のうちに画策していたのですが)。県道317号を北上して向かうは白神山地のど真ん中‥の手前の藤里町。ここの湯の沢温泉がほっこりした湯でいいという話だったので寄り道してみることにしたのです(ちなみに上画像はその次に立ち寄った温泉の湯口です。湯の沢の湯はライオン湯口から投入するにはあまりにも柔らかいとろーり湯ですので)。

おっとその前に、ここ藤里町は「かの有名なる世界自然遺産=白神山地の秋田側アクセス路入口」でもあります。よって巨大なビジターセンターがありましたのでとりあえず立ち寄ってみました(無料)。


外観といい内部の造作といい「お金かかってるなー」というのはよくわかります。そしてこの時期は白神山地への入山ができないため(まだ残雪期というかこの年はまだ雪たっぷりでしたし)お客さんも数少なでした。でも‥




少し古いデータしか見つからなかったのですが、H21年の入場者数は2万4865人、月別で日割りしてみると5月は1日平均約100人ちょい、一番入場者の多い10月(紅葉の時期ですからね)でも150人弱くらいのようです。もちろんGWやお盆や体育の日の三連休など「とてつもなく混む日」などもあるので、あえて日割りで考えることに異議を唱える人もいるかも知れません。

しかし、だからこそ思うのです。「ハコもの」は最大需要にも対応できるレベルで造るものであるべきか否か?高速のSAPAを考えてください。それこそGWなどの超繁忙期にはどこもトイレ利用者がとてつもなく増大します(特に女性用トイレの混雑については言を待たないでしょう)。しかし民営化された(一応建前上はですけれどね)ネクスコ各社は恒久的なトイレ施設の増築で対応しているかといえば答えは否です。「その時だけ」臨時に仮設トイレを増設するだけですよね。

仮設トイレの使い勝手は確かによくはありません。しかし「仮設は絶対に使わない!」というポリシーの人はともかく、大多数の人は「まぁGWだししょうがないよな」と諦めつつ利用しているのではないでしょうか。その結果「普段はほとんど利用されない恒久施設の維持管理」にかかる労力と費用が節約できるというわけです。

トイレを不要とする人(=どこでもトイレ系の人)は少なくとも今の日本人にはほとんどいないでしょう(場所にもよりますが)。しかしビジターセンターの展示についてはそうではありません。白神の自然環境をよく知らない人には有益な施設でしょうが、そこに立ち寄らなければならない「必須の施設」ではないのです(現に、Takemaが登山バリバリだった頃、上高地のビジターセンターに見学のため立ち寄ったことはありませんでした。トイレ利用のため入ったことはありましたが)。

そんなわけで正直「何だかなー」的な施設ではありました。5月上旬の雨の日ということで外はひんやりとした体感温度でしたが、館内も暖房を切っていたのか寒々しく(経費節減なのでしょうね、しかも暖房コストを考えていない吹き抜け構造だし)、また「世界自然遺産 in the world」の紹介スペースがかなり広かった(たぶん全体が広すぎて白神の説明ネタ切れ?)のも何だか悲しいし、ちょっと残念な気持ちになりました。もっと「凝縮」してくれれば見甲斐もあるのに‥

ちなみにTakemaが一番時間をかけて見学したのは自然遺産についての説明ではなく、「地域のいろいろなスナップ」を集めた特別展示でありました。あえて横向きのままですみませんが左下画像のような田植えの風景や地域のイベントなど、ここに住む方々の営みおよび自然との関わり‥自然遺産とはいえ「自然」の紹介だけでなく、「自然と人との関わり」についての歴史的文化的紹介もあってもいいのかなと思います。

たとえばマタギについての紹介が見られなかったのは片手落ちでしょう(あ、わたしは「『差別解消』という名のもとに行われる言葉狩り」には断固反対の立場ですので、個人の責任の下で普通に使います。「片手落ち」という言葉を用いたことによりわたしが差別の意識を公言していると思った方がおられるとすれば、わたしはそのような方とは交流を持ちたくありません。大切なのは「言葉ではなく接するべき態度およびその根本にある思い」なのだと考えます)。

あ、それはともかくとして、左上画像にマウスオンすると出てくるスナップは秀逸ですね(笑)。


さてしかし、わざわざメイン国道からここ白神山地ビジターセンター藤里館までやって来たのは‥ここ藤里町の温泉、しかも温泉ファンならその名を聞いただけで妄想がかき立てられ、かつて「おばちゃんご飯おかわり!大盛りでね!」と、なじみの定食屋でいつものおばちゃんに頼んだであろうあのよき時代を思い出さずにはいられない‥あ、それは第三者的ノスタルジーの投影か(語るに落ちまくった)。とにかく上にも書いたとおり、


なのでありますよ!あ、ここで「へ?何それパラダイスっていったい?」とお思いになったあなた、大丈夫、あなたはまだ正常なる判断力と高邁なる理性を有した方だと思われます。いやぁ、世の中にはいろんな人がいるんですよ、沢の脇から湯が湧いていたら「とりあえず堰き止めちゃえ掘っちゃえ溜めちゃえそしてねウフフ♪」なんて人が(大自虐笑)。

でもしかしここ藤里町の湯の沢温泉はすでに何軒もの温泉施設があり、未利用湯がドバドバなんていうことはありません。よってわれわれはとりあえず「湯元」との表示があるこちらの温泉施設へと向かった次第です。


はいはーい、これまたごく一部のディープな方々にはたまらない必須の存在「温泉犬」もいる「和みの湯」へと到着です(わたし個人としてはは「温泉猫」のほうが好みなんですが)。

ガラケーで調べた事前情報では(ちなみにバッテリーの保ちが今レベルなら買い換えるつもりなし)以前は「藤駒荘」という名前だったらしく、源泉は湯の沢温泉1号泉で湯温は38.5度のぬる湯系です。ちなみに上でも書いたとおりこの日は気温が低く(最高気温は7度くらい)、けっこう寒かったのでどうなることやら。なお、おしんこどんはわずかな移動の間に「嗚呼いつものバトルロワイアルモード=眠々バトル」に突入してしまったんで、ここの湯はTakemaのみでの突入です。



右上画像の説明書きなどを読んじゃうと誰だって時めいちゃいますよね(え、そうでもないって?)。

脱衣場の状況から見ると先客さんが1人。よって「カメラを持ち込み、許可を得た上で撮影しよう」と決めました。こういうときは第一印象が大切なので浴室入口を開けるなり「失礼しまーす」と比較的大きめの声を発して入場し「わたくし変な奴じゃありません」系で主張したのですが‥

かの先客さんは身体を洗っていたせいか耳に入らなかったのか返事をなさらなかっただけなのか。いずれにせよダメじゃん(苦笑)。ただしもちろん気配は察していただけたようなのでかけ湯時にあらためてご挨拶。あれぇでも、Takemaとそれほど年齢が変わらないとお見受けした方なのに反応が乏しく(返事が「ああ」くらいだった)、しかもそのままボディ洗い活動に継続邁進し始めたので‥


とはいえもちろんその方が写り込まないように考えての撮影ですので全体像は撮れません。でも浴槽画像だけはね(苦笑)。


左上画像のW浴槽は手前側が源泉浴槽、奥は加熱浴槽です。となれば間違いなくぬるい源泉湯の方に浸からざるを得ないのが嬉し悲しい性であります。でも、ぬるいとはいえそれに浴する?嬉しいお話が!それは‥


トータルの浴感は「ツル」と査定(笑)。ちなみに広い浴槽は加熱湯なのですが、予想通りアワアワ成分が吹っ飛んでいたので「スベ」レベルです。そういえば女将さんは「今日は男湯が狭い方云々で」と恐縮しておられましたが、この小さい源泉湯船には好感バリバリでした。


なおオーバーフローの湯は左上画像にある排水口から排出されておりました。で、このあとはすぐ裏にある「銚子の滝」をちらりと見学。菅江真澄もここに来ていたんですね。平安末期を生きた西行法師はは漂泊の歌詠みとして評価が高いですが、江戸後期を生きたこの人はもっと評価されてしかるべきだと思います。

さてここで初めて明かしますが本日のお宿は志張元湯、すでにこの時点で14:30を回ってるというわけでそろそろ焦らなきゃいけないような時刻です。でもせっかく大館界隈を通過するのならせめて1湯くらいは‥どうしようと思いつつ、うーん、ここに行こうと決めました!


市内北側に位置する「釈迦内温泉」です。いや特にここでなければならないという理由はないんです。市街中心部だと混んでるかなというふうに考えただけなんですが。なお、こちらの施設の奥には介護施設がありました。あちらでもこちらの温泉を利用しているんでしょうかね。


立派な外観ですが、一歩入ると何だか昭和の味わいっぽさを感じてしまったのはわたしだけでしょうか?(笑)。なお右上画像の巨大なアメジストは(株)三菱マテリアルからの寄贈品のようです。大館といえば鉱業の町でもありますからね。そういえば21世紀初頭に何とかぎりぎりセーフで入浴できた滝ノ沢温泉って、直線距離だとここから数kmしかない場所なんですよね。懐かしいなぁ(その時の様子はこちら)。

さて脱衣場に入ると先客さんは2名の様子。浴室から話し声が聞こえますからお知り合いでしょう。と、ここには露天風呂もあるという情報だったので「ならば露天は空いているはず!」。というか見ればわかりますね(右上画像マウスオン)。このあと「こんにちはー」とご挨拶のあと身体洗い&内風呂入浴、でもすぐに上がって露天湯にそそくさと向かったことはいうまでもありません(貧乏性)。


何だか独特な形状の湯口です。このように成分が幾何学的形状に付着することを計算して設置したとしか思えません(そうかなー&右上画像マウスオンで無意味に拡大))。周囲は高い壁で覆われ展望はありませんが何だか妙に落ち着きます。それにしてもここいらは豪雪地帯ですが屋根が一切ない潔さ、吹雪の露天風呂にも浸かってみたい気もします(笑)。

ちなみに湯はこざっぱりというか強い特徴はありませんが(このあたりの湯は結構そうですが)、湯温がそう感じさせるのか結構ガツンときました。ややキシ感があり鮮度的には内風呂がいい感じでしたが、ハイここでページトップの画像に戻りましょう。



左側の小ライオン(雌?)が、顔全体を真っ白にしながら日々労働にいそしむ中、大ライオン(明らかに雄)は何ら仕事もせずにのーんびり。実際、アフリカのサバンナなどでも「狩りをするのは雌たちの仕事」らしいですが、その野生の習性をここ釈迦内温泉でもしっかり体現している(させている)ということなのでしょうか?

と、このことについて生態学的見地から温泉ファンのサイトを調査していたら興味深いデータが得られました(何のこっちゃ)。ここ釈迦内温泉で雄ライオンが「仕事をする」のは結構「ヤバイ状況」においてなのだそうです。それはつまり‥


うはー、雄が頑張っていなくてヨカッタ(笑)。ま、この日の状況であれば循環させるまでもなかったでしょうが、なるほど道理で「飲用」掲示が雌ライオン側に寄ってるわけだ。というわけで、釈迦内温泉のお湯のピュア度は雄ライオンを見ればすぐわかるというわけですね!


そんなわけで湯上がりにはお決まりのダブル牛乳をいただきました。休憩室内では汗が引かなくて大変でしたが、このあと外に出たらすっと汗が止まりました。もしかして「冷え湯」系だったのかも(「冷え湯」=浴後の温まりが案外あっさりとなくなる湯。肘折温泉の上の湯などが代表例かなと)。

さてここからは県道2号を小坂に向けて東進です。え、鹿角方面に進むのなら南に行けばいいじゃないかって?そう、その通りなんですが何となく「雪沢温泉にも入ろうかな」と考えていたものですから‥。しかし結局ただ通過しただけでしたが(苦笑)。そのかわり、いつの間にか廃止されていた鉄路についてよく知ることができましたよ。


小坂精錬鉄道小坂線。2009年に完全廃止されたそうですが1994年までは旅客営業もなされており、そのころの記憶として確かに「あー、こんなところに私鉄があるんだ」と思ってはいました。最近では長野電鉄の須坂線廃止などもありましたが、ここは廃止から数年経つのにまだ今でも走らせようと思えば走らせられるような感じなのが何だか不思議です。しかし、こうしているうちにも古くからの社会インフラがどんどんなくなっていくんですよね。それは果たして是とすべきことなのか‥。維持はともかくとしても保存の発想は‥。


しかしいきなり話は現実に舞い戻り、小坂までやって来たらここで高速に乗って鹿角八幡平ICまで一気に移動です。そう志張温泉元湯の夕食タイムに間に合わせ‥いやそうじゃないんです今夜の予約は「1泊朝食付き」なんです(昨日はミスって予約してましたがこの日は意識してそういう「そういう予約」をしておりました)。じゃ、どこで何を食べるかというと‥


というのが本日われわれの夕食必食B級グルメ大作戦なのであります。というかここで食べておかないとあとはコンビニ弁当しかあり得ないしそもそもコンビニも少ないだろうし‥。


そんなわけでやって来ました鹿角のホルモン名店「幸楽」さん。思ったほど大きくないんだなというのが最初の印象でしたが、実は通り沿いに系列店があり、たとえば冷麺を頼むと「あちらのお店から配達されて来る」という感じで分業が進んでいるようでした(笑)。

入店したのがほぼ17:00ジャストということで先客さんはなし‥なのですが、地元の皆さんが「持ち帰り用」にちょこちょことお越しになります。美味しいんだろなーと結構期待度アップ。



ホルモンは330円、焼肉は680円と結構な価格差です(というかホルモン安すぎですって)。

さてホルモン&焼肉各一人前+豆腐を注文してしばし、それぞれがやってきました。で、こちらではホルモン鍋で煮込み系が基本なのですが、最初のセッティングはお店の方がやって下さいます(われわれが初心者だったからかも知れません)。


いやはや、焼かれ煮込まれ系のいい感じで具材が投入されていきます。そして豆腐が周回に投入され、お肉が「煮込み」にならないように堤防の役割を果たしていますね。そんなわけでできましたいよいよ完成系!



(上画像マウスオンで「キャベツ載せ最終完成系画像」に変わります)。


そんなわけでいよいよ乾杯&夕食タイム!ただしTakemaが「お水で乾杯」というのはやっぱり淋しいなぁ(しょうがないんですけれどね)。で、プリプリの触感と甘めの味付け、これって面白いオイシイ!

ただし量的にはちょっと物足りなかったんで(お値段を考えれば当然)冷麺を頼んだら‥斜め向かいの姉妹店から「出前が到着」しました。うん、これでちょうどいい腹具合かな(われわれは小食夫婦ですので念のため)。

ちなみにこちらのお店は秋田市や仙台市にも支店があるそうですが、ホルモンについてはこちら鹿角本店で味付けしたものを配送しているそうです。またネットでも買えるようなので、そのうちキャンプでやってみるのもいいかなぁ。



こちらが支店です(冷麺はこちらから配達)。でも「Rock'n Roll」と焼肉との関係がイマイチわかりませんが(笑)。

そんなわけでお腹を満たし、1/4くらいの残量になっていたガソリンも満タン補給(ま、本州ではそうそうガス欠になることもないでしょうが)。とにかく万全の態勢でR341を玉川温泉方面へと南下します。


でもね、ぐいぐいと冷えてきましたよ。左上画像をよく見ていただくとわかりますがこの時の(夕刻の)気温で3度ですからね。しかもこのあと、ここ秋田県の脊梁部近くはしばらくとんでもないお天気が続いたんです!

しかしまぁ、何とか暗くなる前に志張温泉元湯に到着です(右上画像はまだ入口手前ですが)。数年前に「復活」した湯宿、かなーりいい感じでありましたがその詳細については次ページにて。

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