− 2014/2 その5 おんべ餅焼き、そうかある意味祈願花火も「巨大おんべの象徴」なのかも!−
木の枝に餅を刺して燃えさかる松明の火であぶり焼きます。この餅を食べると1年健康でいられるのだとか。
さて、ステージを下りた厄男の皆さんが大雪像脇の小高い広場に上がって行き、用意されていた火台に火を付け始めます。すると木の枝餅を手にした観客の皆さんが大移動開始っ!いよいよ「おんべ」の開始です。「おんべ」とは聞き慣れぬ名前でしたが、「どんと焼き」といえばああなるほどと思われる方も多いのではないでしょうか。小正月の行事で、厄除け(=健康祈願)を旨とするお祭りというわけです。本来は1月中旬に行われる行事ではありますがやはりすたれつつあるのも現実という中、こちらでは時期をずらしつつ雪まつりと統合することによって盛大に行おう、また只見から外に出た人も迎え、観光客にも来てもらって冬期の一大イベントにしてしまおう!ということなのでしょう。 その目論見は純然たる観光客であるTakema夫婦が「このイベントのために只見にやってきた」という個人的な点、そして「ツアー参加希望者が多くて急遽臨時便を仕立てた」という集客的な点からも一定の成功を収めたといえるでしょう。ただ、いかんせん宿泊キャパの問題があるとは思いますが、実際のところ奥会津エリアの各町村はこの時期週替わりで雪まつりを実施しているわけで、隣接する町同士が宿を融通し提供し合うことによってもっと多くの観光客呼び込みも可能になるではないかと思います(実際、今回のわれわれの宿は旧南郷村=現南会津町でしたし)。 さて話がそれました「おんべ」でしたね。お客さんの人数が多いですから1つの火ではとうてい足りず3つの火台に火が入れられました。 |
火が徐々に全体に回り始めます。しかしこの火台のくすぶりがこのあとちょっと邪魔になったんです(苦笑)。 |
それはともかくとして「おんべ」について全然知らなかったわれわれなので、ステージ脇のテントで販売されていた「木の枝餅」を買わないままでした(Takema自身は「これ、縁起物で持ち帰って家に飾るのかな?」と思ってました)。ここで焼けると知っていたら間違いなく購入して焼いたのに‥。来年以降の課題ですね(無知ゆえの苦笑)。 |
勝手知ったる皆さんはずんずん餅をあぶりまくってます。しかしあまり火に近付けると枝のほうが焼け落ちちゃいそうです。 正月飾りほかのモノも火にくべられています。このダルマさん、火からはみ出ていてちゃんと燃え尽きられたのだろうか? 厄男の皆さんはここでも「ご利益攻撃」を果敢に受けておられました(笑)。風邪引かないのかな?あ、厄を落としたんだから大丈夫か! |
さてそんなわけで厄落としに関する伝統行事はここまで。このあと真冬の花火大会までにはしばらく時間があるので、いまのうちに「夕食」を食べておかなければ! |
ちなみにこの時点でご覧のように雪がきっちり降っておりました。ただ、この日も翌日も「風がほとんどなかった」というのが何よりありがたいことというべきでしょうか。風があるとなしとでは体感快適度は全然違いますからね。さて何を食べましょう?奥会津といえばすぐに蕎麦が思いつきますが、明日のお昼もここでご飯ということを考えると蕎麦は明日に回したい。もう少し腹持ちのいいモノを‥ |
しかし基本的に屋台バージョンですからおつまみ系がメインなんですよね。というわけでフライドチキン、そして‥おっとラーメンがあったぞこれはいくしかないでしょう!どちらも美味しくいただきました。いや屋台の味レベルじゃなくってしっかり満足しました(ちなみに少食夫婦なのでどちらも各1でOKなんですね。その代わりお飲み物をしっかり摂取というわけです)。 さて、お腹もとりあえず何とかなったところでそろそろ花火大会(正式には「祈願花火」)が始まります。基本的に「各人が何かの祈念や祈りを花火に託して(資金を出して)打ち上げてもらう」という形式なのですが、これっていくらぐらいからできるのかなぁ?以前帯広のばんえい競馬で「Takemaのあっちこっち杯」なる協賛レース(詳しくはこちら)をやったこともある自分としてはとっても気になるところです(笑)。 |
しかしですね、この日の花火にはちょっと問題があったようであります。それはすぐ上の画像を見ていただければわかるとおり、ゆっくりと流れる「おんべの煙」が、低め系の花火を隠してしまっていたのです。特に大雪像の近くから見る場合はその状況がちょっと切実でありまして、われわれも前半はその近くから観覧していたので「うーん、残念だけれどおんべの煙が花火をぶちこわしだね」という気持ちを炸裂させていたわけです(このあと役場庁舎3Fに移動した頃にはだいぶマシになりましたが=上の2枚の画像は庁舎から撮影)。 そんなわけで、まずは不出来なるTakema手持ちカメラ撮影による動画をご覧いただきましょう。一番最初の花火などは大玉が全然見えなくてかわいそうですが、おんべに文句を言うと災厄の集中砲火を浴びそうな気もするのでまぁしょうがないか‥(苦笑)。 |
ちなみに只見町の人口は2014/1/1現在4,659人。広大な地域エリアを持つ自治体でありながら人口は少なく、しかも日本でも有数の豪雪地帯に立地しているという気候的ハンディを負っていながら、たとえば今回の「東京発着ツアー」のような「外から人を迎える」活動に活路の1つを見出そうとしています。「自然首都」のキャッチフレーズも会津地域の人向けでないことは確かですし、また(株)たもかくが企画している「本と森の交換」というのも、都会の人にこの只見町との有機的な繋がりも持ってもらい、実際に只見に来てもらうことを大きな目的の一つにしているようです。 思うに、このような「外の人、都会の人にどんどん来てもらう」ような企画は、地震や津波の被災地ほぼ全てのエリアに活用できると思うのです(何らかの補助金活用を前提にしてですが=ちなみに今回の只見では「緊急雇用創出」云々の補助金が出ていたみたいです)。たとえば南三陸や気仙沼や釜石や宮古。正直言って首都圏からマイカーでは行きにくい(多分に距離による往復長距離から二の足を踏む)エリアでも、一般の夜行バス利用ではなく専用バスまたは新幹線&専用バスを利用した現地でのイベントツアー(被災地見学だけじゃなくて現地のローカルなお祭り見学=復興まつりとか、の参加をメインにしたツアー)を企画すれば、そこそこ需要のある企画はいろいろ立てられると思うのです。何といっても「東日本大震災」のネームバリューはとてつもなく高いのですから! 地震や津波や水害に原発災害、そして風評被害。とにかくここ数年の福島をはじめとした東北はとんでもないことばかりでしたが、直接の被害が遠のきそれと同時に震災の記憶は確かに遠のいています。でも! |
ネットなんぞくそくらえ、とにかくわが目で見てこそナンボのものだし記憶に残る。そしてそれが若い人であればあるほどある意味「その本人の経験や記憶としてとして長く残り得る」ものであるならば、各自治体があえて首都圏の皆さん(若者以外を含めて)招き入れる価値はあるのかなと思います。「機会があれば行ってみたかったけれど今まで行かれなかった。でも何かの機会があれば(出来れば安ければ)行ってみたい」と思っている層を何とか掘り出せないものでしょうか?たぶん参加を希望する層はおみやげとかもしっかり買うでしょうから地元経済への波及効果も期待できるでしょうし。自治体単位ではなく地域単位で企画すればかなりバリエーションに富んだツアーが出来るように思います。 はい、またド素人がつらつらと綴ってしまいました(苦笑)。 |
ところでこの花火の時間中、役場の3Fは開放されていまして(ただし記帳が必要)高い位置から花火の全体像を撮影することが可能になっていました。ちなみに室内には只見町のゆるキャラ「ブナりん」の上半身が置かれていてちょっとビックリ。なおこの「ブナりん」、何とこの日(2014/2/8)が初お目見えというか襲名披露された記念すべき日だったようです。動いている姿は見られませんでしたが、まぁこれはこれでよし。あ、もしかしてわれわれが入りこんだ部屋はプロ撮影専用の部屋だったのか?(汗)。在室の皆さんにご迷惑をかけてはいないつもりでしたが‥。 さて、バスへの再集合(出発時間)は21:00と聞いていたのですがまだ花火は続いてるし‥あー、でも時間は守らなくちゃというわけで役場を挟んで会場とは反対側のバス駐車場に戻ってきたのは約2分前‥すると、 |
何だぁみんなまだ見てるのかっ!(笑)。とはいえその数分後には半分くらいの方々が戻ってきて‥ん?会場からは「本日最後の花火です!」というアナウンスとともに、それまで以上に盛大な花火がボンボン上げられ始めたではありませんか!(花火の一部が見える)。 |
というのが偽らざる感想でございました。まぁこの2便自体が初の試みだと思いますし、モニターツアーゆえのアンケートにもしっかりそのことは書きましたし、来年からはきっと善処してくれるのではないかと思います。 結局「最後まで見てきた」人を待って出発(別にその人たちをどうこういうつもりは毛頭ありません)。約50分バスに揺られてほぼ予定通り宿に22:00頃到着です。おしんこどんはささっとお風呂に行きましたが、どうせ混雑しちゃうこと必定なのでTakemaは「明日入ればいいや」と入浴自粛。いや、どうせ湯気モウモウになっちゃってイイ湯画も撮れないだろうという読みもあったわけですが(笑)。そんなわけで第1日目、これにて終了です! |