−その15 北山崎でお昼ごはんと観光、そして「37年前の自分探し」!−



やっほほーい!海の幸定食ランチでーす!

田野畑からはそのまま県道44号を北上して「名勝 北山崎」へ。かつて一度だけ来ているはずなのですがその旅での北山崎の記憶はほぼ全てなくなっています。あるのは「天気が悪くて濃いガスだらけだった」ということだけ。よし、「数十年ぶりのリベンジ」といきますか!

広い駐車場はガラガラでしたがまぁ平日ですからね。おっとそういえばまだお昼ご飯食べていなかったぞというわけでまずは沿道の食堂へ。もう13:00を回っていたからか先客さんの姿はありませんでしたが、実はこのあとどんどんお客さんが入ってきて気がつけば満席御礼状態だったんだっけ。いいタイミングでの入店だったぞ。

そんなわけでまず頼んだものといえば‥




幟に書かれている通り「ウニ街道祭り」期間中ですから、これはまぁお約束ってぇものです。ところでウニ内部の汁を指や服に付けると紫色になって落ちないので注意してねと言われましたが、そんなこと今まで聞いたことなかったなぁ。ちなみにおしんこどんの指に汁が付いたようで、言われたとおり紫色に(笑)。

このあとメインの海鮮釜飯とミニいくら丼も出てきてパクパク。さてお腹も満ちたので、いよいよ断崖の名勝北山崎へと行ってみましょう。


お、ここでも田野畑産の牛乳ほかがいただけるのね。ではでは最後に。
外観画像はありませんが展望台の手前には立派なウッディ系ビジターセンターがありまして、しっかりWi-Fiエリアでもありました。さてそのすぐ先にある木製デッキの展望台からは‥

なるほどきれいですねぇ。ちなみに三陸といえばすぐに「複雑な海岸線と深い入り江のリアス式海岸」を連想しますが、宮古より北側はこのような海岸段丘が一気に海に落ち込む断崖になっているところがほとんどなのだそうです。そういう地形だから港が作れないわけで、なるほどそれで宮古と八戸の間に大きな漁港がないわけですね。

さてこれでオシマイと思っていたら、何とこの下の方にもう1つ第二展望台があるということが判明。こういう時のおしんこどんは行く気満々なんですね。一方Takemaはいつものメンドクサイ病が発症しかけましたが、何とか封印して歩道を下りていきます。

もちろんしっかり整理されているので危険はないんですが、ただひたすらに下り続けるので帰りのことを考えると憂鬱です(元山岳部員とは思えぬ弱音発言)。ちなみに階段は363段あったとか何だとか。

なるほど、海岸段丘の典型のような地形であることがわかります。第一展望台よりも海に突き出た場所にあるので海岸の連なりはわかりやすいですね。でもここは、やっぱり観光船で海から眺める方が迫力があるような気もします。で、こういうところでは必ずY字バランスに励むおしんこどんがいたりします(左上画像マウスオン)。

そう思いつつの帰り道、その観光船が海岸近くを通過していきました。実は島越港発着の観光船についてはこの時よく調べてもいなかったんですが、こちらも実は「震災後ずっと運休していたのが数日前(2014/7/26)から再運航し始めた」のだとか。何だぁ、それを知っていたらじぇったい乗ったのに!失敗です。

ちなみに展望台脇にはここを営巣地とするある鳥についての説明がありました(右上画像マウスオン)。がっ!

全く関係ないところで勉強になりました(笑)。さて行きはよいよい帰りはコワイ上りですが、まぁサクサク上ってコトなきを得たというか大したことはなかったかなと。でも頑張った身体にごほうびをということで、



(右上画像マウスオンでマメブのせソフト画像に変わります)。
「まめぶ汁」はもちろん食べたことのないTakemaですが、その味は「しょっぱいんだか甘いんだか微妙」ということのようです(汁物の具なのに中に黒砂糖が入っているので)。ということはその「しょっぱさ」は汁由来ということになります。しかしこれはソフトにのせてあるわけですから、

やっぱりまめぶ汁をチャレンジしておくべきだったか‥。ちなみにこのまめぶ汁ですが、実は現久慈市の内陸地域である旧山形村の郷土料理で、そもそも海沿いの久慈にはなじみもなかったものなのだそうです。

旧山形村が久慈市と合併したあと、地元の「埋没」というか没個性化を危惧した方々が中心となってまめぶ汁をあのB級グルメの祭典にエントリーしようと考え始めたそうなのです。しかし、まめぶ汁のメジャー化は思いがけないところから始まりました。

内陸部に位置する旧山形村ゆえ震災の被害は大きくなかったのでしょう、そしてここでまめぶ汁を地域の皆さんに食べてもらったことで一気に地域食に広がり(まめぶの作り方は門外不出でも何でもなくネットでも公開されていますので誰でも作れます)、そしてまめぶ汁が例の朝ドラ「あまちゃん」で紹介されるにいたって大ブレーク。2013年の「B-1グランプリ」では5位入賞に至ったということのようなのです。

ピンポイントのローカルフードが何だか「偶然のビクトリーロードを邁進して一気にメジャーデビューを果たしちゃった、ヤッタネ!」という感じですが、でもこういうのもいいお話なのかなと。ちなみにまめぶは今やネットでも購入できますし、そもそもの経緯からしてレシピが公開されていますので自分の家で作ることもできます。しょうゆ味が基本のようですが、何だか亜種インスパイアが生まれ始めていたりしたら面白いな(笑)。

北山崎を出発してしばらくは海岸段丘のなだらかな場所を進むことになり、北海道然とした直線路も各所にあって「ここはバイクで走ったら気持ちいいだろうな」という気にさせられます。三陸南部に比べれば被害が少なかったこともあり工事車両も少なく、いや人口密度の関係もあるのか交通量もかなり少ないので爽快です(でも千葉からだととっても遠いのが最大の難点)。さてこの次は、いきなりですが「37年前の自分探し」とまいりましょう。

2004年のこのページにも書きましたが、わたくしTakemaは放浪癖の片鱗を少年のころから見せていたらしく、中学1年生の夏に久慈界隈の無人駅で宿泊していたはずなのです(笑)。当時は国鉄線も八戸方面から久慈駅までしか開通しておらず、確かそのすぐ手前の無人駅待合室で泊まり、その夜はいまだわが人生の最大記録たる「1晩で200箇所以上蚊に食われた」という苦しい思い出を記憶しています(大笑)。

この時の旅は親に「山岳部夏合宿が」というわけでお金をせしめての旅行でしたが、中1はそもそもまだ合宿に参加できなかったのです。ちなみに素知らぬ顔をして帰宅し「ただいま」と声を掛けるやいなやこちらを見た母が「あんたそれ、どうしたのどこ行ってたの」速攻でばれてしばし逃走(苦笑)。ちなみに風貌でばれたようです。風呂入ってなかったからなー。

でも弱冠13才1ヶ月にして仙台駅で日雇い系のおいちゃんにその方系の朝食堂で「食わんと力が出ないから、坊主も食え」と朝食をごちそうになり、坂町駅では待合室で寝ていたら地元の中学生がやって来て狼狽し(笑)、さらには深浦ではカニ族の皆さんのテントに泊めてもらって宴会まで(当時身長が168cmくらいあったと思うのでカニ族の皆さんも自分がまさか「駅寝をしようとしたら追い出された中学1年生」だとは思わなかったのだろうと思います。ただしお酒は飲んだ記憶がないですしたぶん飲まなかったはずです。)

そしてその旅の途中、八戸から南下してやって来たのがこの界隈。当時の国鉄久慈線(久慈−普代)は普代が終点でしたが、この頃の頭脳明晰たるTakemaは「終点の普代まで行って、そこが寝るに適せぬ場所であったらどうしようもない。ゆえにその少し手前の無人駅待合室が良さそうだったらそっちをわがを宿にすべし」と考えていたわけです。

で、確かその手前の駅で降りたはず。高台で海が見えたこと、単線の片側ホームだったこと、そして案外シンプルな駅名だったことを覚えています。今回、地図を見ていて「たぶんこの駅かな?」と見当を付けた上でいざ訪問してみることにした堀内駅。



そして何と、例の「あまちゃん」で、ここ堀内駅は「袖ヶ浜」駅として何度も登場していたのだそうで、たぶん一時期は大賑わいだったんじゃないかと思いますが、この日は何ともひっそりとしておりました。

さてそれでは「あの日のベッドルーム=待合室」をのぞいてみましょう。


うん、木製の長椅子で寝心地は悪くなさそうです。37年前の寝姿を再現してみました(大笑)。
ちなみに駅の構内柱にはなぜか楽天イーグルスの銀次選手を応援する貼り紙が(右上画像マウスオン)。実は銀次選手、ここ堀内駅のある下閉伊郡普代村出身なんですね。とはいえTakemaがここで駅寝をしたときは彼もまだ生まれていなかったわけで‥うーむそりゃTakemaもジジイ化するわけだ(苦笑)。

というわけでノスタルジックな訪問を終えてさらに北上です。海沿い(でも山越え)の細い県道268号を進んでいくと‥

はい、こちらがあまちゃんの「袖ヶ浜港」です(正しくは「小袖漁港」)。じぇじぇじぇ、立派な石碑まで建立されてます(笑)。実はわたしはあのドラマを特に見ていなかったのですが、おしんこどんは録画して欠かさず見ていましたから、ここに来れば「おおーっ!」と喜んでくれるかと思っていたのです。しかし彼女はドラマに映る景色にはあまり興味がなかったらしく「どうだっけ?」という感じでちょっと拍子抜け。


こういう特徴的な岩とか、ドラマに出てきたという監視小屋とか、覚えてないのかいおしんこどん?



観光客向けのお店も出ていましたが、この時点ですでに16:00を回っていましたからそろそろ店じまいでしょう。



ここから久慈市街へ向かう道はくねくねしていてかなり細く、普通車同士でもすれ違いが困難な場所多数。それでも普段は交通量も少なく問題はないのでしょうが、「あまちゃん」放送開始後は観光客が押し寄せて大変なことになったようです。この訪問時も「週末や祝日は観光客のマイカーやレンタカー乗り入れ禁止、シャトルバスを利用のこと」という掲示をあちこちで見かけました。平日でヨカッタ(それでもそこそこ他府県ナンバーの車を見かけましたが)。
さて、ではそろそろ今宵の宿へと向かいましょう。久慈からは内陸側にハンドルを切ります。
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