− その2 大原でうまいもん&お酒タンノー後、房総ぐるり系で帰着 −



資金面で苦慮しているといういすみ鉄道ですが、ムーミンキャラ代金を惜しまないのが素敵。イメージは大切です。



そんなわけで先に小湊鐵道の折り返し列車が発車していきました。素人考えとしては小湊鐵道−いすみ鉄道の直通列車(五井−大原)を走らせてほしいところではありますが(いすみ鉄道側は乗り気だという話もあるようです)、でも現実として両線を結ぶ現役の鉄路はつながっていないようです(左上画像の奥を見るといすみ鉄道側の車止めが見えていますし、同画像にマウスオンすると小湊鐵道側の車止め画像に変わります)。実際のところ、小湊鐵道側の路盤や閉塞方式がネックの1つとなってもいるようです。

でも、それならば例えばさ!



仮に五井駅発(朝)とした場合、小湊鉄道側では何らかの車内イベント+里見駅で飲み物振る舞いとグッズ販売、養老渓谷駅で足湯&産直品購入タイムを設けゆったり湯ったりと進行(足湯用のタオルは記念品を兼ねて全員に贈呈)。里見駅と養老渓谷駅ではそれぞれ10-15分の停車時間としても、現行の休日ダイヤを少し手直しすれば折り返しの上り列車の運行は今のままでも大丈夫かなと。

平日の場合上総中野駅での乗り換え時間は2分しかありませんが、現状それでも何とかなっているはずなのでそれでOKということにして(ちなみにここまでお酒の提供はなし)、いすみ鉄道車両に乗り込んだら上総中野駅からそのまま大原まで伊勢海老特急のランチ開始ということが可能であれば(どのディッシュをどこで乗せるか等一部運用の変更は必要でしょうが)、現行の伊勢海老特急も臨時列車として運行しているわけでしょうから、今よりもゆっくり進んでいくことで「片道+一部往復」を「片道のみ」にしてもトータル90分くらいの時間は確保できそうに思います(実際、東京湾ランチクルーズなどは実質的にそのくらいの時間でやってますし)。

あとはJRで一気に東京方面に向かうもよし鴨川方面に進んで泊まるもよしです。いすみ鉄道の現伊勢海老特急の場合、JTBによる集客も行われていますしそれはそれでよしとして、小湊鐵道独自の集客方法をさらに組み込んでもいいでしょう。さらには「別々に運行するイベント列車なのだけれどそれぞれ予約さえあれば乗り継ぎも可能」ということでいいでしょう。とにかく!



いやお互いが歴史的に敵対関係にあるのならわかりますが決してそういうわけではないですし(だったら「房総横断乗車券」なる割引切符だって売らないでしょうし)、お互いが「今できること」の知恵を出し合えばいいんじゃないかなぁと思ったわけなのです。小湊鐵道里見駅における地元の人の頑張りを見ればより一層そう思ってしまうわけです。あ、「天然自然薯号」なんてのもあったら面白いなぁ(乗りたい)。

以上、Takemaの素人考察おしまいっ!上総中野駅に戻ります。



さて、このムーミン列車のヘッドマーク。今回は先頭車両がスナフキンで後部車両がスニフ(スナフキンに比べればだいぶマイナーかな)でしたが、そもそも列車種別を意味するマークではないので問題はありません。というか調べてみたらいすみ鉄道はムーミン系ヘッドマークはもちろんのこと様々なヘッドマークを所有していることにびっくりしました。これって国内の私鉄はおろかJR各社を含めても今や最強なんじゃないかと(笑)。



さて発車直前にプシュっとね。ちなみにいすみ鉄道のブログを拝見していたら、右上画像にある「お願い 窓から手や顔を出さないで下さい」という注意書きの「顔」「足」に書き換えたものがあるそうです。「ちょっと遊んでみたのです」とありましたが、いやいやこういう人もおられますからね(右上画像マウスオン)。あ、画像は2004年のミャンマーのローカル線乗車時のものですが(ミャンマーのローカル線に興味のある人はこちら。スイッチバックだらけで施設鉄系の人には垂涎ものかと(笑))。



この「普通車両+配膳準備中の特別車両」といういっぷう変わった運行は大多喜駅で終了。駅の改札を出てみましたが、すでに改札の外にはいざ乗り込まん伊勢海老特急系の皆さんが待機中のようでした(笑)。というわけでお隣のホームに停まっていた普通大原行きにひっそりと乗り込みます。



なお右側に見えているのは単なる留置車両です。折り返しの伊勢海老特急ではありません。



ロングシート1両の大原行きは見かけこそ旧国鉄型に似た懐かしい顔つきですが実は2013年導入の新造車(いすみ350形)なのだそうで、いすみ鉄道社長の思いがこの車両の導入に至ったのだとか何だとか。確かに車内はまだピカピカのピカというか、今回乗車したいすみ鉄道車両は「これが旧国鉄木原線から3セク化した路線か?」と思えるほどでした。路盤もそこそこいいのか乗り心地もまずまずの路線です。



ワンマン運転の列車は順調に大原へと進み、右上画像の通り「まもなく終点 大原」となりました。ちなみに上総中野−大原間を普通の切符で乗ると720円、小湊鐵道の五井−上総中野間は正規だと1410円です。通しで別々に買うと2130円のところ、「房総横断乗車券」だと1700円(しかも途中下車OK)と格安なのはいいんですが‥



だって、「たった1割引?だったら乗りに行くのをやめよう」という人を想定できないのですよ。実際今回養老渓谷駅で下車した人も、Takemaがチラ見(笑)した限りではこの横断切符を手にしていました。ということはそもそも事前に下調べした上でこの切符を購入したか、ないしは五井駅の有人窓口でこの切符を勧められたかのどちらかでしょう。いずれにせよ正規料金より安い&途中下車OKというメリットがある片道切符@ほぼ完全に観光客ターゲットなのですから、1割引でも利用者はそうそう減らないと思うのですがどんなものでしょう?あ、また沿線素人がエラソにつぶやいちゃった(汗)。



ハイそんなわけで大原駅到着です。左上画像に写り込んでいる女性陣はいわゆる「鉄子さん」のようで(実は五井駅から一緒だった)、里見駅でお芋を購入していたのも彼女らだったかなぁと。ただあの時Takemaが心を鬼にして?あのお芋や駅弁を買わなかったのには理由があります。それは‥



五井駅でサンドイッチ朝ごはんを食べていたこともあり、かの里見駅で食べてしまうと「大原到着=別にお腹空いてないけれど」という流れになってしまいそうで、それだけは避けたかったわけなのです。

そして大原ランチなのですが、珍しく前日のうちに大原界隈の海幸ごはん関係を下調べしておきました。が‥某グルメサイトを見ても、大原界隈には漁港周辺を含めどうもあまり惹かれるお店がないんです(数もそれほどないですし)。と、ここですってんころりん系のシナプスが記憶をつないでくれました!



と、かなり近い記憶を復活させるべく備忘録たる拙サイトを探してみたのですが‥ない、ない?アップしてなかったのか?間もなくサイトオープン16年になろうとする拙サイト、最初のころはアップしないこともあったのですが、確かあのお寿司屋さんに行ったのはそんなに前のことじゃないはずなのに?(確認してみたらたった4ヶ月前の訪問でした。大多喜の道の駅に行ったついでに寄っただけだったのでアップしなかったみたい)。

でも場所は覚えています、大原漁港からあの細道を通っていった途中のはず。ただ念のため往路はタクシーをお願いすることにしました。ワンメーターの距離なんですが(約1km弱)これで帰りは歩いて駅まで戻れますし、雨は降ったり止んだりでしたがちょうどこの時はけっこう降ってましたし、そして大原11:49着/13:28発&お寿司屋さんで飲む、ということもありスタート時間を出来るだけ早くしたかったわけなのでこれはこれで良しだったかと(この段階ではそう自己評価)。



というわけで「喜久寿司」さんへ。前回ここでお寿司を食べた際、いわゆる観光客向けではないお店の雰囲気&お酒にバッチグー系のおつまみが印象に残っていたのです。そして前回は車だったのですが今回は飲めますし(最重要)、念のため前日のうちに電話で開店時間も確認していたしというわけで全てOK!しかもラッキーなことに最初のお客でありました!

お店に入り「前回おじゃまして気になっていたので、今日は飲みに来ました」と申し上げると、「あ、昨日電話くれた人かな?」とおっしゃるのでハイそうですと。「お酒の冷やと、あとはおつまみをみつくろって下さい」とお願いしました。前回訪問時に「こちらのお店には定番メニューがないみたい」と理解していたので、にぎりの盛り合わせ(前回はそれ)ならともかくとしてもお酒のつまみならもう「完全おまかせ」が大吉だろうと考えたわけです。そしてその選択、大正解っ!




(ちなみにあふれこぼして下さる量がハンパじゃないです)。




(まだ途中経過ですよこれで)

ええっとここ千葉県の大原や勝浦等の外房地域といえば、いすみ鉄道の特急名からもわかるとおり「伊勢海老」が有名なのですが(ちなみにこの界隈の伊勢海老水揚げ高は全国一です)、こちらのお店では前回訪問時にも伊勢海老が出てくることはありませんでした(ほかのお客さんの注文料理も含めての話です。ストックとしてはあるのかもしれませんが、ホワイトボードにも記載はありません)。つまりは「定番ではなくご主人のこだわり=今日のうまいものを提供する」というスタンスなのかと。

今回、最初のお客だった自分のつまみ準備をしながらも、厨房内のバケツに入れてあったタコが脱出し始め&奇声を発すると(息?)、「あーこんなのお客さんには見せられないよね、あーあ床にくっついちゃって(このあと剥がし作業に入り、吸盤をポンポンと外す愉快な音あり)」とか、かなりお茶目な雰囲気を見せて下さるご主人でありました。

ただし!基本的に魚介類のさばきやにぎりを全てご主人お1人でやられていることもあり(混んでくると奥さまが出てこられますがあくまで補助)、この日のような休日のお昼時は「混んだらアウト」なのがこちらのお店です。

まぁそんな話はさておいて、上画像のおつまみセットが出揃った時にはお客がまだ自分1人だったので、1つ1つ説明して下さると同時に(この説明は混んでいてもカウンター席のお客さんにはなさっているようです)、今回はクイズも。いわく、



お刺身の身は透明感のさほどない文字通りの「白身」。皮側は赤いのかぁ(全然わからない)。でも、肝がそこそこ大きいわけですから大型魚だよなぁこりゃ。刺身を口にしてみますと普通の白身魚でないことだけはわかります(脂分がそこそこ多い)。次に肝を一切れ口にしてみると‥「こりゃ濃厚だわぁ」。でも基本的に全然わかりません(そもそもそんなにお魚詳しくないですし)。というわけでご主人に「解答」を伺ってみると‥


(実際のやりとりはちょっと違いましたがまぁこんなもんということでご容赦下さい)。

肝心なサメの種類を聞くのを失念しましたが、ホシザメとかだったのかな。サメ肉は時間をおくとアンモニア臭がひどくなって食べられたものじゃないとか、アイスランドの「ハウカットル=サメ肉をあえてアンモニア発酵?させた保存食=強烈臭」を想定していたものですから、一切臭みのないお刺身には驚きでしたし、さらには肝の美味しさ(お酒にとてつもなくマイッチングマチコ先生!)には仰天しました。ハイ、お刺身は結構すぐ食べちゃいましたが肝はじわりじわりと少しずつ最後までタンノーしましたよん。

そのほかにも旬のタコでさえお酒のつまみとなると刺身じゃなくていろんな部位(内臓とか白子とかエラとか)とかが出てきます。あ、上画像が遠くなっちゃったので下にもう一枚ね。結局タコの身やにぎり寿司は注文することもなく終わりました(笑)。



左上画像のタコ、茶色いのがエラ、白いのがたぶん白子、手前のヒモみたいなのが内臓です(確かそう)。

そしてさらに右上画像がマトウダイの昆布漬けお刺身+肝+内臓(だったっけ)。後日某釣り師たる方に「マトウダイを食べました、肝も出てきました」と報告したところ「そうか、マトウダイで肝を出す店は本物だ、いい店に行ったな」的なことを言われましたのでたぶん間違いはないのかと思います(自分じゃ全然わからない)。昆布漬けもいい感じで最初は醤油も付けずに食べていましたが、最後の方は「ちょっこっと醤油に浸けるとなお旨い」という感じ(だからTakemaはグルメ評論家にはなれないはずです)。

そんなわけでお酒もすすみました。お勘定を頼んだときに隣のお客さん(自分のあとに入ってきたご夫婦)が、「それだけ飲んで食べてその料金!」と驚いておられたびっくり価格でした(ちなみにお酒は冷やで3杯飲んでます)。

うーんまた来たいです喜久寿司さん。前回今回とも単独で訪問したので、次回はおしんこどんと一緒に来ないとうらやましさのあまりに怒られそうだな(笑)。

さてすっかり気分をよくしてお店を出て大原駅へ。しかし‥





そんなわけで下半身ずぶ濡れ&靴の中浸み浸み状態で何とか大原駅へ。安房鴨川行き普通列車は定刻発車、当然ボックスシートのある先頭車両@ガラガラへ。うーん悪天予報ありだったとはいえ、こんなに空いていていいのか外房線?どうも2015/3のダイヤ改正で本数も減らされちゃうみたいなんですが、それはある意味負のスパイラル序章のようにも思えるし‥。



勝浦−安房鴨川区間は、ある意味「海と山とのせめぎ合い」ですね。



安房鴨川で乗り換えて館山へ。しかし通勤型だとすれ違いでも風情のないことおびただしい‥。



そんなわけで館山駅に到着し、駅の外に出てみました。まぁ初春のフラワーシーズンにもまだ早いこともあり日曜日とはいえ駅前が閑散としているのはわからないでもないのですが、それでもJR高速バスの新宿行きはそこそこの乗車率のようでした。



翻ってJR東日本の鉄道側です。2015/3のダイヤ改正で東京(京葉線ホーム)発着の全ての特急さざなみ号を君津止まりにするって‥。いやそもそも論からいえばかつて一連の急行群を廃止して一斉に特急に仕立て上げたことが最大の愚策だったわけですが‥千葉は距離からいっても急行でよかったのに。

それとやっぱり、「さざなみ(内房)・わかしお(外房)」をそれぞれ京葉線経由にしちゃったのは利便性を無視した愚策です。総武線経由より運行ダイヤに余裕はあるのかも知れませんが、東京駅であの不便な乗り継ぎを強いてどうするのさ。また京葉線経由の場合でもせめて都心各方面へのスムーズな乗り換えが可能な新木場駅に全列車を停車させるべきだと思うし(総武線経由の場合も錦糸町には停めてるわけだし)、そういう工夫&経過観察もなしにいきなり「利用者が少ないから君津から先廃止」ってのはあまりにオバカな話だと思うのですが‥。

そんなわけで館山からはお別れの意味で総武線経由の新宿さざなみ号に乗ることにしたわけです。ただしこの「お別れ」という言葉にはちょっと無理がありまして、実はダイヤ改正後もこの新宿さざなみ号(週末のみ運転)は残るんです。しかもこの日も自由席は立ち客が出るほどの混雑ぶり。定期列車化して平日も走らせてよ、京葉線経由より絶対利用率上がると思うよ(西東京のゲートウェイたる新宿から直通させる効果はかなり大きいと思う)。

まぁいずれにせよ自分が前回さざなみ号を利用したのは四半世紀前の話でして、そのペースでいけば今回の「その次」に利用するのは70歳代半ばということになってしまうので(笑)、その意味で「とりあえずはお別れしておく」というのもあながち無茶な論理ではないかなという次第であります(強引)。



5両編成で自由席は2両。もちろんお飲み物も購入し万全の態勢でお別れを楽しみます(ん?何だか変?)。館山出発時の自由席乗車率は50%くらいだったと思いますが(右上画像マウスオン)、ちょこまかと停まっていくうちに気がつけば満席+αになっておりました。



天候は回復傾向なれどさすがに富士山が見えるまでには至らぬまま、東京湾の海岸沿いを北上していき木更津に到着。そうだよなぁ大学卒業後数年間はここ木更津で働いていたんだっけ。当時はバブル真っ盛りのタイミングで(わたしの職場はその恩恵もなく薄給でしたが)、右上画像の西口駅前ビルもその当時「木更津そごう」として華々しくオープンしたんだっけ。その後どうなっていったのかは皆さまご存じの通りで、この建物に今もハローワークが入居している(掲示を目撃)ことをみても、負の連鎖はまだ続いていることがうかがえます(まぁ一時期よりは良くなったと思うのですが)。

さてこの新宿さざなみ号のありがたいところは、昔の房総急行の流れを引き継ぎ?船橋に停車してくれるところなんですよね。「高速バスにお客を取られて利用者数低迷」というのがJRのいう大義名分なのでしょうが、高速バスが対応できない「利便性」をもっと工夫すればお客は確保できると思うのですがどうなのでしょう?(たとえば「館山−東京」で対抗しようとするのではなくそれこそ「館山−船橋」とか「五井−秋葉原」とかなら基本的に鉄道の側に軍配が上がるはずです。もっともその分停車駅を増やした列車を「特急」といえるのかどうかは別次元の話です。だから「急行」でいいんだってさ房総は!)。



そんなわけで船橋で総武緩行線に乗り換えて地元の駅へ。ハイそんなわけで日帰りほろ酔いミニ鉄旅行終了です。

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