− 2015/6 佐渡島(7) 佐渡島で一番好印象湯入浴のあと宿根木散策、そしてもう1湯ね −



おお?この巨大な木造建築の中にあるモノとは?


たらい舟でほどよい汗を流したあとは(うそです全然流してません)、お約束として「アレ系の施設」に行かねばなりません(笑)。いや、でも結果としては佐渡島滞在中一番好印象のお湯でございましたよ「かもめ荘」!



この旅行の立案時、1泊目はここにしようかどうしようか、でも「最北端に行ってから最南端部の宿というのもあまりに駆け足だしなぁ」ということで宿泊は断念したわけなのですが、佐渡島内でも数少ない良泉&かけ流しの湯使いとくれば、立ち寄らない理由はないのであります。

宿泊施設そのものは建て替えられたのか新しく、温泉ファンでなくとも満足できそうな雰囲気です(部屋は見ていませんのであくまでエントランスの雰囲気だけで推測)。で、右上画像の体育館然とした屋根の建物が浴室です。なかなかレトロでよろしいのでございますよ(何だよこの口調)。

脱衣場で所定の儀式を終えてさーていざお風呂へ。すると‥





透明湯ですが湯の素性は素晴らしく(ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉)、味わいはうっすら塩味とそこそこの苦味、湯ざわりもスベスベでかなりヨロシイ。源泉が43.8度ということで、おそらく内湯と露天湯は加温していると思いますが、いずれにせよ吸い込み口はなく文句なしのかけ流しです。
 


湯口はカルシウム分でコテコテになっています。



内風呂はもちろん気持ちいいのですが、この日は暑かったのでぬる湯の円形浴槽もよし。

ちなみに本来ジャグジーベースの円形浴槽に投入されていたのはかなりぬるい湯‥ということはここは源泉そのままかな?(ただの貯め湯だったかも知れませんが確認せず)。いずれにせよここをベースに内風呂と露天風呂をうろうろするのはなかなかのシアワセでした。



天井はこんな感じで歴史を感じます。露天風呂は景色こそ望めませんがまぁ悪くありません。


男湯はTakemaが出るのとほぼ入れ違いで2名の男性が入浴。と、Takemaが外にでたあと、「この日のツーリング」を終えたサイクリストたちが続々と到着!それこそ「今日1日の汗」を流しにずんずんどんどんとお風呂に吸い込まれていきました。Takemaたちの似非汗とは違う本物の汗だくの皆さんが大量にお風呂へ‥いや、その皆さんをどうこういうつもりもありません(というかお風呂は本来その日の汗を流す場所ですし)。ただ、



このあとは小木地区と並ぶ観光エリアである宿根木(しゅくねぎ)地区へと向かいます。前に「佐渡は北前船云々」と書きましたが、この地区は船大工はもちろんのこと北前船関連のさまざまな関係者が住むこととなり、北海道(松前)と西日本とを結ぶ重要な海運の中継地となっていたわけなのです。



そんなわけでここにあるのは左上画像の通り「千石船」なのですからページトップの建て屋の巨大さも納得かと存じます。ここで地域の有料施設4箇所を見られる共通チケット1000円を購入。この時点で14:45くらい、この展示館はともかくこの他の古い民家の開館時間は16:00までなのである意味時間との勝負なのですが、さほど広くもないエリアだし大丈夫でしょう。

で、この内部にあった当時の復元木造船「白山丸」とは‥





本当に潮流と風を利用して定期的に運航していたのですよね、化石燃料による動力もなしに‥すごい。でも一方的に礼賛すると書くと放射脳に冒された根拠なき脱原発軍団が引用するかも知れませんので、あくまで「江戸時代の技術力ってすごい」のだということにしておきます。あの人たち鬱陶しいので。

それを抜きにしても現在に至るこの造船技術はすごいですし、それもたとえば江戸やら大坂やらのいわゆる人口集積地に職人が集まっていてというのではなく、ここ佐渡島の宿根木地区に‥





建物正面には千石船「白山丸」の正面がドンと顔をのぞかせています。その脇には、今もその技術が島に受け継がれていることを物語る小舟やミニチュアが展示されているわけですが‥別にそれまで展示する必要はなかったんじゃないの?(左上画像マウスオン)。



船の内部も見学できるようになっています。そりゃ現代の船に比べれば狭いんでしょうが、これだけの船を風の力だけで運航していたのだから恐れ入ります。上で「なぜ1本の艪で船が進むのかわからない」と書きましたが、実は「向かい風の中でなぜ前に進めるのか」についても何だかわかったようでわからない(というか本質的には全然わかっていない)バリ文系のTakemaなので、まぁとにかくすごいよなぁと。

ちなみに、西日本(大坂)に物資(主に海産物)を送り届けた帰りの船は重心が高くなって不安定になるとのことで、その船にも「現地のさまざまなモノ」を載せて帰ってきたとのこと(例:御影石とか)。だから離島であるにもかかわらずさまざまな文化がこの地に残されているわけですね(能もその一つでしょう)。はっきり言って、かつての佐渡は現在よりも多様性に富んでいたのではないかなぁ‥。



隣接する旧小学校の建物は「小木民俗博物館」として一般に公開されています(白山丸とセットで500円)。建物自体が大正時代の建築物ということでレトロなのですが、各教室がテーマごとに割り振られた展示となっていてそこそこ見応えがあります。そういえば、秋田県湯沢市にあった私営の「秋の宮博物館」、もう閉鎖されてずいぶん経ちますが、あの展示物は今どこに保管されているのだろう?(ふと思い出した)。

そんなわけでちょっと調べてみたら、どうやらここに収蔵されているみたい?全部ではなさそうですが。



当時の教室の様子も保存されています。うーん、自分が小学校低学年の時座っていた椅子もまさにこんな感じだった!(苦笑)。

校舎のいちばん奥には旧体育館があって、ここにも数多くの生活用品その他が展示されておりました(右上画像マウスオンで別画像に変わります)。うーん、振り子式の掛け時計って懐かしかった。あれって、地震が来ると止まっちゃうんですよね(遠い目)。



この博物館のすぐ近くには、レトロ調に建てられた郵便局も。さて車は駐車場に止めたまま、ここからは坂道の歩道を下って宿根木の町並み見学へと向かいます。



ここ宿根木は廻船業者や船大工などの人たちが住む集落として栄えたそうで、往時の町並みがいまも保存されています。とはいえ、この地区がすごいのは「住民の方々が今も普通に暮らしている」ということ。いわゆる明治村的な「遺産としての保存」ではなく、ごく普通の現役集落であるところに特徴があります(だから右上画像のようにエアコンの室外機が置かれていたりするわけです)。



坂を下りきったところには公会堂がどんと鎮座していますが、最初建物を見た時は「ははぁ、これも元学校を公民館に仕立て直したのかな?」と思ったわけなのです。しかし調べてみると違うのですね、この建物はあくまで「公会堂」として建てられたのだそうで、現在の建物は二代目(昭和30年代半ばに竣工)。2階建てですが内部は吹き抜けになっていて舞台もあり、どうやら芝居等、集落のイベント会場として機能してきた(それも現在進行形で)施設らしいのです。

かつて北前船の寄港地として栄え、「佐渡の富の三分の一は宿根木にある」と言わしめた豊かさを象徴する建物というわけです。ちなみに現在進行形と書きましたが、今でも太鼓等のイベントが定期的に行われているようです。

さて公会堂から町の中に入っていきます。道路は細く、道沿いに密集した建物群はまるで都会の下町のようです。基本的に現役の住居なのですが、その中で「今は人が住んでいない」建物がいくつか有料で公開されています(だから共通券がお得!)。まず最初はこちら。





こちらの住宅には2006年まで深野アサさんという方がお住まいになっていたそうで、その当時の姿を一般に公開しています。建物自体は150年くらい前に建てられたもので、「土地周囲を囲む道路に沿って建てたら三角になっちゃった」ということなのでしょう。一部の壁はわん曲構造になっていますが、船大工の人たちにとってみればそんな構造など朝飯前だったのでしょうね。なおこの地域の昔からの建物には船の構造部材が使われている場合も多いのだとか。すごい耐久性ですなぁ。



建物の中に入ってみると、二階建ての建物の見取り図がありました。すごい、本当に三角だ(びっくり)。ちなみに入ってすぐの左側にはキッチンがありましたが、これは故深野さんが使っていた当時のままなのだそうです。建物は昔からのものであっても内部は当然使いよいように改装されているというのは、たとえば五箇山の合掌造りの建物などでもそうですよね。



二階に上がる階段がかなり急なのは、階段にあまりスペースをかけられないという敷地の事情と、作り手が船大工だったことで「階段は急なのがあたりまえ」と考えていたのかもしれません。この建物に限った造りではないでしょうから、お年を召した方々には大変そう‥。

さて二階に上がってみたら、何だか広々&天井の角度に変化がありロフトっぽさまで感じます。いいなぁ、わが家にもこういう天井があったらよかったのに。



宿根木の集落内は建物が密集しているぶんコンパクトにまとまっていて歩いて回れます。左上画像の旧郵便局はさすがに今は使われていませんが洋風建築なのだそうで、確かに緑色にペイントされた窓は上下に開閉する方式です。そのほか、板屋の向こうは何と土蔵だったりする建物など、繁栄を誇った時代がしのばれます。



こちらは清九郎家。かなり立派です。奥には自然の岩をくり抜いた蔵まであります。



金子屋さんはかなりコンパクトな造りですが、やっぱり広く見えます。こちらだけ無人で、チケットを箱に入れる方式。



海沿いまで出てきました。団体さん用のバスも止まっており、やっぱり一大観光地です。



さてそんなわけで再び白山丸の駐車場まで戻りましょう。ちなみに右上画像は民俗資料館の建物だったと思いますが、よく見ると建物の手前に古い瓦がどっさりと積まれていました。ん?外壁がコンクリートって、あれ、別の建物なのかな?(もしかしたら新館だったかも)。

さてそろそろ時刻も16:00近くになってきました。この日のお宿は中部の佐和田地区なのでここから1時間弱かかるはず。というわけで‥最後の寄り道です(笑)。なぜかR350より1本東側の県道81号を北上し羽茂(はもち)地区へ。

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メインストリート沿いには延々と紅白幕が掲げられています。どうやらお祭りのようなのですが調べてみたらこの翌日(6/15)のようなので再訪は断念。だってまだ金山とか大佐渡スカイラインとかにも行ってないし‥。





詳しくはこの方のこのページをご覧下さい。2014年のお祭りレポートですが、こういうお祭りってイイネ!ユルくて手作り感満載で、しかも紅白幕の列を見ればわかるとおり地域を挙げてのお祭り(眉をひそめる自称知識人とやらもなし)、こういうのが見たいんです好きなんですよTakemaとしては!(あ、「下ネタ系が特に好き」というわけではありませんので念のため)。

まぁただ実際問題としてこの翌日は午後早めの便で佐渡を離れる予定だったわけで、もし羽茂に再訪したとしてもせいぜいお祭りの前半だけだったろうな、だったら来年以降、6/15に小木泊まりとかでじっくり最初から最後まで‥と思って来年(2016)年の曜日を確認してみたら‥



というわけでそりゃ無理だとあっさり断念。可能性があるのは土日と接続できる2018年以降だということが確定しました。でもせっかくなら日がな一日うろうろしてみたいゾ。ちなみに当日夜に薪能が行われる草薙神社も同じ羽茂地区にあるわけですから。



そんなわけでやって来たのは羽茂温泉。ここも加温はしていますがしっかりかけ流しの湯使いというわけで期待の湯なのであります。掲示されている温泉分析書には「(源泉温度は33度台なので)常時加温なれどもかけ流し否循環と、「非」ではなくとことん「否!」と主張する記載がありました(右上画像マウスオン)。ちなみに泉質はアルカリ性単純温泉です。が‥





日曜日の夕方なのに先客さんがいないということにやや不安を覚えましたが、なぁに地域の皆さんは明日の準備に忙しいのでしょう。何とかまたお祭りと合わせて再訪したいですねここも。



羽茂祭り出演に合わせてお越しになる大道芸人?の方々も、その数日後こちらにお越しになるようですね(それまで佐渡各地を回るらしい)。というわけでTakemaの血圧もとっても平和であることを確認した上で(あのね)、いよいよ今宵のお宿目指してしゅっぱぁーつ!

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