− その3 市の原、谷の湯、かまど地獄の湯!−



鉄輪の源泉湯気はもうどうにでもして状態(笑)。青空だったらもっとわかりやすいコントラストだったかも。

(2016/1/26.27) 【その3】

さてここまではまだ比較的それぞれの湯が離れていましたが、ここからは鉄輪地区近隣の湯めぐりということで「前の湯の汗が引かないうちに次の湯に浸かって汗を流す」という本末転倒かつにわか数泉修行者の宿命的行動をとることになります。いやーホントに冬で良かったわ(苦笑)。そういえばこのネット温泉大千世界のパイオニアのお1人たる「数泉者」さん、しばらくご無沙汰しておりますがお元気ですか?また拙オフキャンプにでもお越しいただければ幸いです(なぜかここで勧誘)。



さてまずは市の原(いちのはる)温泉へ。ここは分類でいえば鉄輪温泉には属しておらず周辺温泉の扱いです(エリア的にもやや下の方だし)。新別府地区住宅街の道を上っていくと、いきなり古色蒼然というかタイムスリップした感じで出てくるわけですが、春は桜が綺麗なんだろうなぁ(手前に見えているのが桜の横枝ですので)



左上画像の看板を見た瞬間、「え?まさかジモ化したの?」とヒヤリとしましたが、「別府八湯温泉道」で地域の活性化を目指す別府の湯が今さらジモ化はしませんよね(梅園温泉のようにグループから出るところはあるようですが、それでも外来者の入浴は自由です)。あくまで「無料入浴」はダメというだけ。

で、ここでは現金ではなく「前のストア」で入浴券を購入せよということです。「ストア」って、せめて屋号を記せばいいのにと思いつつお店の方を見ると(右上画像マウスオン)、



別府市内の多くの共同湯が「100円温泉」である中、こちらは何とその倍、200円を支払ってようやく入浴券確保となります(大笑)。左上画像にマウスオンするとチケット画像に変わりますが、通し番号の「54」って、今年になってからの外来者人数ということなのかな?

ちなみに浴室内からは話し声が聞こえてきます。でもどうやら女性みたい。さてはたして男性の方は如何に?ドアを開けてみると、



実に簡易な造作というか、ブロック塀に直接マジックか何かで「男湯」と書かれておりました(すぐ横に木製の板も貼られていましたが、こちらは後付けのようです)。で、脱衣の棚に先客さんの服もなし。ということで、





さてしかし、しばらく入浴者がいなかったということから想定されることといえば‥そう、明礬のみどり荘がそうであった通り「浴槽湯の激熱化」が想定されるわけです(笑)。

そこで今回はいきなりかけ湯行動に出ることなくまずはアナログ式の湯温調査(要は手湯)をしてみました。うーん確かに熱めです。45度半ばくらいかなというところ(Takemaの手湯計測は案外正確なんですよ=これまでの実績自己評価)。この湯温なら、心と身体を一体化すれば(何だよそれウルトラマンの変身かよ)自分としては余裕で入れる感じです(ちなみにこれまでの自分はデジタル計測48.8度の湯に浸かったのが最高記録=福島県湯の花温泉石の湯=詳しくはこちら。でももう記録更新は考えていません(笑))。

というわけで洗面器で湯をぐるりぐるりとかき回した上で入ることに。うん、予想通り下の方のぬるい湯が攪拌され、さらに1度くらい下がったかな?まだ熱めではありますがこれならママもOKさ!(中高年限定ネタ)。



ところで浴槽の湯尻にあたる場所には湯温調整のためと思われる石が置かれていました(左上画像マウスオン)。湯口から投入されたあつ湯をダイレクトに排出するためなのでしょうか?それにしてもこの石、いったいいつからこの場所で使われているのでしょうね(笑)。

浴室内には外来入浴者が入浴券を「釘に刺して使用済みとする」場所がありました。なるほど、真ん中に穴が開いていれば無銭入浴者に「お前のそれは使用済みだぞ!」と糾弾できるわけですが、どのタイミングで刺すのかが微妙だなぁ。自分は次の(地元の)入浴客氏が入ってきた時のため、脱衣の一番目立つ手前側に入浴券を置いておき(山形県小野川温泉尼湯共同浴場方式)、結局誰も来なかったのですが着衣後浴場を出る時に釘に刺しました(右上画像マウスオン)。

さてそんなわけで次の湯を目指す前に少しクールビズじゃなかったクールダウンに時間を取ります。だってさぁ、


(それじゃ全然汗が止まる時間的余裕もないし)。

いや、でもちょっと休んだだけで出発しましたよ、ええ、1月下旬だというのに全窓満開で(笑)。



細道を進んだ先にある谷の湯にはあっという間に到着しました(笑)。駐車場に車を止めて、事前情報通り上の階で入浴料を支払い(150円)、いざ階段を下りていきます。広い階段ですが、たぶん昔は手すりもなかったんじゃないかなぁ。

よっしゃこちらも先客さんなしで貸し切りです(女湯の方には気配あり)。



おお、黄色みがかって見える湯がヨロシイ感じです。実際は透明湯らしく、太陽光の差し込みによって黄色く見えていただけかもしれませんが、





さてお湯の特徴ですが‥ごめんなさいあまり細かく覚えておりません(慣れない数泉行動ゆえ)。湯味チェックもしなかったのですが、湯ざわり感はそこそこマイルド(つるすべ感あり)だったような気がします。数泉行となると記憶がごっちゃになるので入浴直後の記録が大切なのでしょうが、自分の場合その習慣がないもので‥(温泉ファンの風下に放置していただいて構いません)。



なお浴室の奥には火炎を背にした不動明王像が。以前はこの像の下からも湯が自然湧出していたそうですが、湯の汲み上げ過ぎにより枯渇してしまったのだそうな(ソースは「はしご湯のすすめ」さんより)。このあとそれをしみじみ感じることになりました。

湯から上がったあと、谷の湯のある川沿い下流の道を歩いてみたんですが(クールダウン)、初めて鉄輪エリアを訪問した自分としてはすごい光景を目撃したわけです。



もうもうと湯気が上がっている小屋掛け、その中には‥おお、「空冷式」の湯冷まし設備が!(竹や細枝に源泉を流し落とすことにより湯が空気に触れる表面積を広げ、その過程で湯温を下げるアナログかつ確実なシステム)。長野の中房温泉や、最近では福島の昭和温泉などでも導入されている設備ですが、もともとは別府界隈が元祖だと聞いた記憶がありますが‥ここなのかな?(画像はひょうたん温泉源泉)。



細い川を隔てたこの並びにはこれまた源泉施設がありまして、無数のパイプからはもうもうと湯気が上がっています。これが鉄輪地区の湯けむりの1つ1つなのだろうなと実感すると同時に、「こんなに湯やガスを出しちゃって大丈夫なんだろうか?」と心配にもなります。



ページトップの画像を再掲しますが、左側に見えているのが先ほどの「谷の湯」浴場です。その真横からものすごい勢いで上がる湯気の塊。これほど源泉を汲み上げ続ければ、確かに地下の湯面も下がりますよねぇ。鉄輪温泉の源泉管理も丁寧に行われているのだとは思いますが、それこそ「温泉は生き物」ですから、湧出量が低下したり源泉温度が下がったりしないことを祈るばかりです。

さて続いては、温泉師匠から紹介されたわけでもないにもかかわらず、前夜の検索で「あ、これってここだったんだ!」という湯へと向かいます。車での移動時間は約3分です(大笑)。



やって来たのは超観光地たる「地獄めぐり」の一角にあるかまど地獄。自分は少し離れた駐車場に車を止めたのですが、正門前には観光バスがずらりと並び、そしてその周囲にはこのご時世ならではの中国語が飛び交いまくっています(その割には外国語の案内表示は少なかったようですが)。

で、入口には2箇所のトイレ棟。たぶん観光客の増加に対応すべく増築したのでしょう。いや、でもそんなことはどうでもいいのです。自分の興味関心はそのWトイレ棟の奥にあります!(右上画像マウスオン)。



絶対多数の皆さんはこの湯の存在には気づいていないはずで(外国人の方々にはまず「いやしの」が読めないでしょうしそもそもトイレの奥に温浴施設があるとは想像もしないでしょう)受付で鍵を借りて出入りする時も、自分の動きを気に掛ける人は誰もいませんでした(笑)。で、いざ脱衣場に入ってみると‥(もちろん内鍵はかけましたよ)。



ちゃんと?温泉ファン用のノートもありました(書きませんでしたが=先を急ぐので(笑))。で、いざ「地獄への扉」を開けてみると?




(自分ながら「何のこっちゃ」と思いますがお気になさらずに。)



ブルーの湯がお出迎えっ!(でも上画像で見えるほど実際は青くなかったような気がします。右上画像をよく見ると浴槽底のタイル目地がうっすらと見えていますよね、つまりそれくらいのレベルのブルーです)。それにしても残念だったのは、壁タイルを貼り替えたようでそれまでの壁にあった文言がきれいさっぱりなくなっていたこと。あの文言とともに湯足画像を撮りたかった!(無意味なこだわり)

すぐ下がトイレなので常に人の声がしていますが、まさかそのすぐ奥で湯浴みに興じる輩がいることなど誰も知りますまい。というわけでなかなかに満足の湯でありました。

さて湯めぐりも徐々に終盤戦に入ってきました。このレンタカーは空港営業所返しなので、そろそろ空港方面に移動しましょう。

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