− 2016GW編 その5 イルカを見ながら津軽入り、うめた&板柳温泉入浴 −



やって来ました岩木山麓♪それにしても雪が少ないですなぁ@2016春。

さて突然ですが「下北半島は広大」なのです。しかも、この半島はその形状からしばしば「斧」にたとえられるわけですが、自分のような温泉ファンのみならず普通の観光客にとっても下北の見どころは「斧の先端方面」に集中しています。恐山しかり下風呂温泉しかし、大間の岬しかり(こだわりの旅行者は尻屋崎を目指したりしますが)。

しかし広大な半島ゆえ、その出入りにも当然時間がかかります(いわゆる斧の「柄(え)」の部分)。実はここが結構単調で長く、(むつ)横浜の道の駅以外あまり立ち寄る場所もないときています(だから道の駅はいつもそこそこ混んでます。感覚的には東北道の古川ICと鳴子温泉の途中にある岩出山の道の駅と似ているかな)。

ただ片道は仕方ないとはいえ、往復はやっぱり時間のロスも大きい‥というわけで、





いや右上画像をご覧いただければわかるとおりお値段は確かに高いんです。でも出港地の脇ノ沢から津軽半島の蟹田までは陸路だと約170km、順調に行っても3時間半、いや青森市内の通過を含みますからもっとかかるでしょう。それがむつ湾フェリーだと1時間ですから、道中の単調さを考えれば精神衛生上のC/Pはかなり高いです(だって船旅ですよ船旅!)。

それと、ご多聞に漏れずこちらのフェリーの経営状態も決して先行きが明るいものではありません。いずれ削除されてしまうと思うので、河北新報この記事を以下に転載しました。

<むつ湾フェリー>経営評価委、改善が必要

 青森県公社等経営評価委員会(委員長・佐々木純一郎弘前大大学院教授)は21日、県の出資割合が25%以上の公社や株式会社など全22法人の経営状況を評価した報告書を佐々木郁夫副知事に提出した。
 A〜Dの4段階評価で、緊急の改善が必要なDはむつ湾フェリー1法人、改善措置が必要なCは6法人だった。11法人はおおむね経営が良好なA、4法人は改善の余地があるBと判断された。
 むつ湾フェリーと、C評価のうち青森県育英奨学会など4法人については重点的な経営評価が必要とし、意見・提言を取りまとめた。
  2、3年以内に債務超過となる可能性のあるむつ湾フェリーには、利用者数が低迷している2便の減便など、運航の在り方自体の再検討を求めた。県交通政策課 によると、同社では本年度、営業担当の取締役が就任し営業力を強化した。早ければ来年度にも黒字化を達成できる見通しだという。
 評価書を受け取った佐々木副知事は「専門的知見からの意見に感謝したい。経営改革を進めるよう指示を出す」と話した。(2015年12月22日 河北新報)



2015がD判定なのに来年度には黒字に‥って、どんな魔法があるのでしょう?営業力の強化って?3セクの需要予想っていつも過大に見積もられるのが常なのですが‥。まぁ、「営業担当の敏腕取締役さん」に期待しましょう。とりあえず今回は車と合わせてわずかながら営業に協力したということで。

乗船券の販売所脇には海産品のミニ売り場がありました。そこそこ売れている感じでありました。というのも、







さ、そうこうしているうちに蟹田からの始発便が到着です。昨晩あたりからこの時に至るまでの強風からして欠航だったらどうしようと思っていましたが、さすが内湾ゆえ海の状況は良好なようです。ちなみにこの時の脇野沢(この場所)は、横風ビビラーのTakemaからすると「バイクではあまり走りたくないなぁ」と思うような強風が時折吹き付けていましたんで。



到着したライダーさん、ご安全に!乗り込む2人、対岸(津軽半島側)の風が弱いことを祈ります!(実際弱かった)。



そんなわけでいざ車を乗り込ませましたが、やっぱり車両甲板が満車というわけではないですね。というか自分の前方には車なし。この日はGWの3連休中日なのですが大丈夫かなぁ取締役さん?(ま、おそらくは平日とかの利用率向上を考えておられると思うのですが)。



そんなわけでいよいよ出港しました。波は多少あれどまぁちょっと揺れるかなという程度でほぼ快適です。で、おしんこどんいわく「この時期、運が良ければイルカが見られるらしいよ」。船内にあったチラシで知ったようです。というわけで船内窓際で目を凝らしていたようですがその気配なし。

で、Takemaはツーリングマップル(老眼のオジサン用リング地図のほうね(苦笑))を見ながらこのあとの行程を考えていたわけですが、少し飽きて何気なく窓外の海を眺めていたところ‥




(なお当然ですが上画像はその時のものではなくこのあと撮影した動画をキャプチャーしたものです)

というわけでさっそく船室の外へ。すぐ近くにいたご家族に「イルカがいますよ」と声をかけましたんでその方々も同様に外へ。結局この航海でイルカを見られたのはわれわれとこのご家族、そして「イルカ狙いでずっと外にいたカメラマン氏」の3組だけだったんじゃないかな?

というわけで、出港風景&イルカ動画を御覧下さいませ。







左上画像、これから水面に上がろうとしている2-3頭のイルカシルエットが!(静止画で撮れたのはこれだけ)。

そんなこんなで津軽半島の蟹田港に到着です。到着間際、各車に係員さんが「イルカ目撃を証明する缶バッジ」を配布しておりましたが、自分が知る限りこの日の搭乗客数十名のうち実際に目撃したのはわれわれを含めて6名だけなんですが‥ほとんどの人は「何これ?」という感じだったと思います。

この日は4月最終日とはいえいちおう4月、前年(2015年)4月のイルカ遭遇率はたったの10.0%だったようなのですから、観光客がほとんどだったであろうこの日、イルカが出ていることを館内放送で知らせるくらいのサービスはすべきだったのでは?(われわれはイルカ遭遇中に船員さんに伝えましたが‥)。うーん、もうちょっと頑張ってほしいぞむつ湾フェリー。

まぁそれはともかく、車両甲板に降りてきたらちょっと(かなり)びっくり。というのも‥



うげげーっ!フェリー壁面の開口部から飛沫が入り込んでビシャーッ!ということのようです。いや、新車だからといって磨けあげたいわけでもないですが、問題はそれが塩水ってことですよ。このあとそれが乾けば、車は塩まだら模様になっちゃうじゃないですか。何だかそんなまだらパンダのまま走り続けたくはないなというわけで、このあとどこかで洗車することに決めました。



このあとは十三湖を目指して内陸へ。ん?貨物列車が停車していると思ったら動き出した?なるほど、津軽海峡線(在来線)と新幹線とが合流する区間ゆえ信号が青になるのを待機していたということのようです。

それにしても北海道新幹線もこの青函トンネル区間は確か140km/hの速度規制がかかっているようです。この速度規制ってもう少し緩和できないのかなぁと?貨物列車とのスピード差で新幹線が追いついてしまうというのなら、たとえば別々の2つのダイヤで動いている貨物列車を連続で(たとえば5分間隔とかで)送り出してしまえばダイヤにも余裕ができるような気がします(その際左上画像の場所には「先発用」「後発用」の待機線がそれぞれ必要になりますが経費は微々たるもの)、また風圧云々についてはいくらでも対策ができるはず。基本的にコンテナ車でしょうし‥。



さてそんなわけでやって来たのは十三湖。竜飛方面から下ってきたときに寄り道したことはありますが、内湾側から来たのは初めてです。奥に岩木山が春ボケしながらも見えているのが救いで、これがなければ何のインパクトもない湖です(参考までに左上画像マウスオンね)。でも、ここ十三湖(汽水湖)のシジミはブランドものですしね♪

さて、この界隈にお食事処があるのでとりあえずランチを食べておきましょう。と、観光客たるわれわれの目の前にとある幟が?



「深浦マグロ」「平内ホタテ」に続く第三弾のご当地グルメたる「中泊メバル」ですか!深浦のマグロは食べたことがありますし(その時のレポートはこちら)、平内ホタテはそのうちおいおいというところですが(女川ホタテのファンなので)、いやぁまさかメバルとは!油断していましたよ!(実はメバルという魚について詳しく知らなかったということはここだけのヒミツです)。で‥



おしんこどんはそのメバル膳、Takemaはしじみラーメンを注文。メバルって煮付けくらいしか食べたことがなかったんですがあっさりしていて刺身でもいいですねぇ。おしんこどんからおすそ分けをいただきましたがなかなか。いっぽうのしじみラーメンは予想通りのあっさり味なのはいいんですが、肝心のしじみ(の貝)が、麺を食べるごとに沈んでいってしまうのと、麺を持ち上げたときにその貝が一緒に付いてくるのでそのまま麺をすすれないという面倒くささがあってちょっとなぁというところ。

ちなみに知り合いに「しじみの身は食べない、なぜならもう出汁やエキスはスープに溶け出してしまっているから」という人がいるのですが、その人はハマグリ汁の場合は身を食べるというのですからおかしな論理です。各パーツの大きさが違うだけじゃないの?もちろんわたしはしじみだろうがアサリだろうがハマグリだろうが何だろうが必ず身も全部食べる派です。

さてここからは一気に南下して五所川原方面へ。国道経由だと面白味も少なかろうと考えて、国道と並行して走る広域農道(米マイロード)を走りました‥が、車の流れこそスイスイだし追い抜く必要もないほどにみんなそこそこのスピードで走ってましたが、沿道には道路名の示すとおり田んぼばかりで見事に何もないのでありました。あまりに順調すぎて、気がつけば立ち寄ろうと思っていた太宰治の記念館とかも全部ぶっちぎって通過しておりました(今回は宮沢賢治と合わせ文学色の濃い旅にしようと思っていたのに(笑))。

それと下調べもやっぱり甘くて、五所川原北部から東部の湯も全部通過しちゃうというていたらく。まぁこれはいつものことともいいますが。ロイヤル温泉とか、すぐ近くを通っていたのになぁ。



左上画像のような道が延々と続くわけで、距離感覚が完全に失われておりました。

そんなわけでやってきたのは中心部から南東に下ったあたりの「うめたふれあいセンター」でありました。ひなび感があってよさそうという地図上のメモを頼りにやってきたわけですが、確かに受付のあたりはちょっと昭和の味わいが。でも綺麗に整頓されていて雑然感はなく好印象です。



自転車が複数台駐められているところをみるに地元率が高そうです。ん?今気づきましたが夕涼み会って去年のだ?(笑)。

さて2016/3から350円に値上げされたようですがまだまだ十分に安いとしか思えない入浴料(うちの近隣の銭湯は430円です)を支払った上でいざ浴室へ。ん?コレハもしかしてもしかする?







そんなわけでかけ湯洗いの儀式を済ませた上でいざ入浴。‥う?‥う、う、ウーパールーパー!いや違った、「う」は関係ないのです(意味なし芳一)。つまりはこちらの湯って‥



したというだけのことです(苦笑)。まぁモール系の湯ですから肌ざわりがやさしいのは当然ですが、ここまでツル感ありとは思っていませんでしたのでちょっとびっくり。源泉温度が45.3度ということですから、いわゆる「いっさい手を加えずのかけ流し」なのでしょうね。



されども窓を開けてみたらそこには「薪の王国」が。冬期のみボイラー等で加温しているのか、それともただの室内暖房薪ストーブ用なのかは持ち前のシャイさから聞くことはできませんでした(聞き忘れたともいいます)。なお塩素系薬剤云々という掲示もありましたが一切感じませんでした。先人の方々も同じようなコメントのようですから「ホントに最小限」なのでしょう(もしかして保健所対策だったりして)。

また、はめ殺しのフィックス窓の外には田舎のおうちか何だかのミニチュアワールドが構築陳列されておりました。すぐ前が道路(といっても行き止まりですが)、その向こうには保育園のグランドというか遊び場がありますからそのままだと丸見えになってしまうわけで、つまりは「幼子たちへの公序良俗系配慮」ということなのでしょうか。まぁ殺風景な壁よりはましですし。

湯上がりは汗が引きませんが、風がそこそこあったので気持ちいいわー。

ここからは「どこかにもう一湯くらい」ということで進んでいきます。すぐに梅沢地区に入り、「梅沢温泉、確かこの県道の旧道を入るんだったよな」とは思いながらも、うめたの湯の余韻がまだリアルすぎるので(まだ汗が止まってない)そのまま通過。いま考えればもったいなかったですけれどね。そうちょくちょく来られるエリアでもないので。でも千葉人にしてはそこそこ来ているような気もしますが(笑)。

で、このあたりに来るといつも思うこと。それは‥





ただしそうつぶやいただけで、だから何だというオチは全然ありません(苦笑)。

このあとはもう一湯とのターゲットスコープをオープンさせて「鶴田温泉」にロックオン!‥したつもりだったんですが最新カーナビとスマホのナビ機能のダブルサーチだったにもかかわらずまさかのロスト。もうひと筋、駅から離れた通りの奥だったようです。カーナビもなかった頃から比べれば温泉サーチも格段に楽になりましたが、機械に頼りすぎるとわれわれ自身のアナログサーチ機能も衰えてしまうのかも。そもそも昔だったらまず間違いなく道行く人(少ないんですが)を探して場所を聞いたでしょうに。というかそれがあたりまえだったし。

まぁロストはしょうがないとして「ならば次の湯を」と気持ちを入れ替えました。温泉だらけの津軽界隈ゆえTakemaもまだまだ未湯だらけ。なので次なるターゲットの候補地は山ほどありますよ(先は長いな‥)。



おっとその前に、オート洗車機のあるGSでガソリン補給と洗車ね。

というわけで「板柳温泉」に行ってみましょう。旅館のほうはもうないらしいですが(しまった出遅れた‥)。こうやって温泉施設は静かに消えていくのであります。まぁ新しい温泉もできてはいますが、大体大規模でTakemaとしては面白味に欠けるところがほとんどなんですよね(あと料金もね)。





そんなわけで扉を開けたら真正面に、番台のおばさまがこちらを向いていらっしゃったのでエントランス部の撮影すらできるはずもありません(笑)。で、脱衣場に入ったあと脱衣カゴの利用状況を見てお風呂の画像も速攻断念しました(まぁしゃぁないです)。

軽いスベ感のある湯ですが、温泉先達の皆さまが綴られているような油臭などは感じられず残念でした。食塩泉なので湯上がりのあたふたは当たり前です(笑)。GWだから何とかなりますが。



浴室内には先客さんが5人ほど、中にはトドさま&柔軟運動中の方(結構あられもない格好だった)もおられましたが、幸い脱衣場は無人だったのでこちらの画像だけ。このカゴ、もしかして第一次産業系の業務用カゴを転用していませんか?この大きさや深さといい、何だか大量の山菜を湯通しするのにいい感じに見えるのですが?(笑)。



左上画像マウスオンで地元密着系の温泉ならではの掲示に変わりますが(そうか?そうなのか?)、「温泉入浴=非日常の楽しみ」と考えるTakemaには「この中に温泉セットを置いて帰る」感覚がどうにもわかりません。こんな密閉空間に多少なりとも濡れているお風呂セットを毎度入れていたら‥あー自分はやりたくないぞ。

建物から出て涼んでいたら県外ナンバーの車がやって来て、降りてきた男性はお決まりの外観写真を撮っていました。ははぁ、同好の士ですな(笑)。でも、たぶんあのトド&柔軟系の方々は当分出ないと思いますよ(笑)。

この通りからはしっかり岩木山の頂上が正面に見えていました。格好いいなぁ。



五能線の線路を渡り(初めて1人旅で五能線に乗ったのが13歳の時@38年前というのは今ではひそかな自分への勲章です。当時は帰宅後こっぴどく怒られましたが(当然))、八甲田連山を遠望しながらさらに南下します。途中はたけの湯っこやら喜龍温泉やらを目にしながらですが、やっぱりどちらかは入っておくべきだったかなぁ?(それぞれそこそこ近いですから次回訪問時にダブルで入る可能性はこれまた低いはずなので)。

さてこのあとは田舎館の道の駅で「前から気になっていたアレ」を購入し、一路この日のお宿へと向かいます。本当はつがる市界隈の「○○いこいの里」あたりに泊まりたかったのですが、GW前半の3連休中日というバリバリ繁忙期なのに予約照会が出発の前々日くらいと激遅でしたので、当然「もう満員です」とのこと(温泉ファンも予約していたんだろうなぁ)。

しかも弘前界隈まで下れば今度は「桜まつり」開催中、今年はすでに花の盛りは過ぎているとはいえこれまた宿は一番混む時期だし‥湯段の宿にも電話してみましたがやはりすでに満員とのこと。さてどうしようかなぁ電話しまくるしかないかと思っていたところで、おしんこどんが「ここ空いてるみたいだよ」。というわけであんまりこだわりなくとりあえずネット予約したのがこちらのお宿でありました。

というわけでこの続きは次ページにて。

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