- その2 温泉民宿「南部屋」さん宿泊、翌日は十和田湖方面へ -



そんなわけでこの日の泊まりはこちらの「民宿 南部屋」さんであります。

到着は16:00過ぎでしたがこの空模様ゆえすでに暗くなり始めておりました(実は小雨が降っていましたし)。案内して下さったのは間違いなくわれわれよりもひと回り以上年齢が上の男性。にもかかわらずおっしゃるには「ただ今オーナーが外に出ていますので後ほどご挨拶申し上げます」ん?民宿なのにこの方がオーナーではない?この謎はあとで解決&理解した次第です。



この時点では駐車場にわれわれ以外の車もなかったので「も、もしかしてこの日の泊まりはわれわれだけかも♪」と期待しちゃいましたが、あとで気づいたことには別のお客さん(お1人)もおられたようです。また日帰り入浴も受け付けていることから、特に夕方からしばらくは湯客さんが時折みえていたようでした(ただし近隣人口がさして多くはないので混雑時間は短いかと思いますが)。

というわけでいざ温泉へレッツらゴー!





撮影角度の関係で比較的小さく見える浴槽ですが、実際5人くらいは余裕で浸かれます。このエリアの温泉名「十和田湖温泉」全て上流猿倉温泉からの引き湯なのですが(ここまでは知っていた)、このあとでオーナーさんから聞いた話によると、2系統に別れる源泉パイプのうち1本は焼山地区の施設に送られておりその途中には滞留槽がいくつかあることから湯花はそこで沈殿し、したがって各施設にはほぼ透明な湯が供給されているそうなのです。

いっぽうで焼山地区よりも下流に位置するこちらの地区へのパイプは、距離が遠いこともあるのか滞留槽もなくダイレクトに運ばれてきているそうです。さらに、そのパイプの終点がこちらの南部屋さんなのだとか!湯花が多いこともなるほどとうなずけます。ちなみに上画像は湯花が沈殿している状態なので多少の濁りはあるもののそこそこ透明です。



わずかに酸味はありますがさっぱり系の源泉。引き湯の過程でこなれているんだなと思いますが実に良い湯です。



ところで館内に「これでもか」とばかりに掲示されている風刺系の川柳は、前オーナーの奥さんによる掲示をそのまま残しているそうです。その旨についてはページの下の方で書こうと思います(個人情報に抵触しない範囲で)。



さてお風呂のあとは当然夕ごはん&お酒です。お酒はもう最初から2合を注文しているところにわれわれの「やる気」を理解していただけるかと(笑)。

ちなみにニジマスがお勧めのようで、最初に伺ったときには「あれ?十和田湖といえばヒメマスなのに?」と思ったりもしましたが、ヒメマスはそもそも身体が小さく、よって身も少ないですからね。市内には養殖場もあるようですから安定供給もなされているということなのでしょう。うん、おいしかった!(ちなみに複数個体をお刺身に出していただき味比べ、確かに歯ごたえも違ったなと)。



なお夜間はそれぞれ貸し切り風呂になります。この発想が案外いろんな宿でもできていないんですよねぇ。





しかしそれにしても湯は何となく濁ってます。でもこれはTakema入浴後に撮影した画像なのでしょうがないです。それでは「入浴前と入浴後の画像を比較」してみましょう!




(かなり攪拌したのは公然の秘密です)



それにしてもこの曲線、かなり素晴らしいです。現オーナーに引き継がれるまでのわずかな時間にこちらの浴室(通常は男湯)をリフォームなさったんだとか。確かにこちらのお風呂、いいです!



朝ごはんをいただきつつ、ご主人といろいろなお話をさせていただきました。前職は秘境系の旅行会社勤務‥って、その会社(WestでEnjoyしちゃうゾ)、わたしも就職活動時に説明会に行きましたよ!(結局採用試験は受けませんでしたが)。もともと埼玉在住だったそうですが、温泉宿のあるじを目指して全国の物件を探していたそうです。

ちなみに温泉宿自体が売りに出ることは数としては多いそうなのですが、その多くは規模の大きい旅館やホテルで、そうなると自分たちだけではやっていかれないので人を雇わなければなりませんし、日々の維持管理にも費用がかかることから結果として手が出ない、かといって民宿だと多くの場合「営業はやめても人はそのまま住んでいるので売り物件としては上がってこない」そうなんです。そしてその間に建物や各種設備は陳腐化&劣化していくから、そのあと売りに出されても費用がかかるということ、なるほどぉ。

こちらの民宿にはそのあたりの問題がまったくなく、しかも調度品などを含めた「居抜き」での引き渡しだったので、浴室など最低限のリフォームだけを行い、引き渡しからたった1ヶ月で「営業開始」にこぎ着けたのだそうです。何だかすごい話です。

で、前日のチェックイン時に案内してくださったのは何とオーナーさんのお父様。すごいな、息子さんが親御さんを引き連れての移住だというわけです。リタイアして田舎に移住というのは海外も含めてよく聞いてきた話ですが、リタイア直後はよくてもいつかは「老い」と向き合わなくてはならないわけで、その意味でもこのパターンはとても羨ましい話だなと思いました。



最後に女湯&樽風呂(右上画像マウスオン)をタンノーし、ボチボチ出発です。



あたりはうっすら雪化粧、地熱の影響を受けない車の屋根に積もっているのが実際の積雪量に近いでしょう。あ、おしんこどんがいつものように雪だるまを作り出しましたよ(笑)。



右上画像では大事そうに手にしていますが、このあと容赦なくポイしたことはいうまでもありません(笑)。



さて小雪が降る中出発。この日は発荷峠を越えるのですが、積もってるんだろうなぁ。まぁ峠から先は国道も県道も通年通行可能だし、あとはTakemaのビビリ具合かなと(笑)。いや、でも雪国在住のくまさんだって「シーズンの最初は感覚を取り戻すまで緊張する」というようなことをおっしゃっていたので‥あ、自分もシーズン最初、しかも乗り慣れない(挙動が読めない)レンタカーなんですが‥。

ちなみに焼山から十和田湖畔の子の口までは奥入瀬渓流沿いに遊歩道が整備されていますが、まさかこの時期(しかも雪が降ってる)に散策を楽しむ方が‥おられますねぇ(右上画像)。まさか十和田湖畔の子の口まで歩き通すつもりでは‥。



少しずつ道路もシャーベットチックになってきたところで銚子大滝到着。車を降りて気づいたのですが‥



まぁゆっくり走ってましたし(追いついてくる地元車には広い場所で何度か道を譲りました)、とりあえず4WDなので変な挙動は感じませんでしたが、しかしまだ11/24でこれかぁと。気をつけなくちゃね。で、肝心の銚子大滝はというと‥




(参考までに右側画像は2007夏に撮影したものです。画質が荒いのはご勘弁)

まぁ渇水期ですからしょうがないですね。それにしてもインバウンド効果はものすごいというか、この時も1台のツアーバスが来ていて、中国系の方々が写真を撮っておられましたが、たぶんバスに戻ったあと「あんなの、『大滝』じゃないよねぇ」と笑っていたんじゃないですかね。確かにご覧のとおりの有様だったわけですから(苦笑)。でもそれはともかく、以前であれば完全なオフシーズンだったこの時期にここに来る観光ツアーがあるということ、これはすごいです。ただ、これがいつまで続くかといえば少し不安を覚えるのですが。



ま、右肩下がりになったらなったでしょうがないというか、ここ数年のインバウンドが極端すぎる増加でもあるので。ただ、スキー場は息を吹き返しそうで何よりです。スキーはもう30年近くやっていないTakemaなのですが(最後に滑ったのはNZクイーンズタウンのコロネットピークスキー場でしたっけ)。

さて、このあと子の口から休屋(十和田湖)、そして発荷峠へと向かうのですが‥(次ページへと続きます)。

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