- その2(2/4) 硫黄沼と唐滝、楽するつもりで結局雨ヤブ登り -



ふふ、八丈島山中に「硫黄沼」あり。しかしお湯ではありませんので念のため(苦笑)。

(2018年10月 その2)

そんなわけでお昼ごはんの後に目指したのは「硫黄沼&唐滝」。この日のお天気だと山の上とか海沿いだと風が強くて落ち着けないと思われたので、「ならば谷沿いならば風も弱いだろうし問題あるまい」と考えたわけです。

で、八丈植物公園でもらってきたハイキングマップをよく見ていると‥(下画像は観光協会が発行(公開)している画像に手を加えたものです。元画像の著作権は八丈島観光協会に属しています)。



なるほど、南側の一つ橋から北上して少し進んだところに駐車スペースがあるのだとか。でもね、でもねぇ‥。どうしても気になるんですよ別のルートが。



この地図を見た限りでは誰しもそう思うのではないでしょうか?三原林道を車で上がり、高度を稼いだところでショートカット路経由で探索路に合流すれば、この地図で見る限りは片道5分くらいで行かれそう。となれば往復10分、ガイドコースだと往復40分となりそうですから差し引き30分の短縮に役立ちそう‥です。というわけで、



ただしこのマップ自体がデフォルメされていますからもとより正確さは期待できません。でもあえてこの「畑道」経由のルートについてもちゃんと説明があるところをみると広い駐車スペースがないだけでルート的には案外楽勝なのかも知れません。というか、それに賭けました。



というわけでその分岐まで車でやって来ました。駐車場こそありませんが、軽自動車ゆえ道路脇に2台くらいなら縦列駐車で何とかなります(ちゃんと駐めれば車両の往来には何らの問題もなし。まぁまずほとんど車は通らないと思いますが)。

で、分岐には朽ちることのない石に刻まれた指導標があります。これ、島のあちこちで見かけましたが、確かに設置にはお金がかかったでしょうが、ロゼッタストーンの例を挙げるまでもなくメンテフリーで長く保つという点ではいいアイデアですね。

と、呑気な話はここまで。指導標石の矢印の方向にある歩道を見てみると‥





というか、画像を見る限りでは「どちらも道には見えません」(苦笑)。ちなみにガイドマップによると「下る道へ進め」とありますからもちろん右上画像の道へと進んだわけなんですが‥



ええっと、あとで国土地理院地図で確認してみたところ少なくとも50-60mくらいは下っていたようでした。地理院地図も実際の歩道が表示されていなかったりするので参考程度ですが、でも確かにそれくらいは倒れた竹や笹を脇に寄せつつ下った気がするぞ。そして下れば下るほど「帰りの登り」がユーウツになります。ヤブ道の上りって下りよりはるかに面倒なのですよ(ヤブが目線の高さに立ちふさがるので)。ま、密叢帯というわけではなく道形ははっきりしていますが。



というわけで15分弱で立派な「歩道」に出てきました。何だよ整備具合が全然違うじゃん!やっぱりモデルコースは伊達じゃないです。あーあ、帰りはヤブ道の登りかぁ(謎笑)。

で、緩やかな坂道を登っていくうちに‥う゛、わずかながら雨が降ってきたような‥樹林帯の中の道なので傘を差すほどではありませんが、まぁせっかく持ってきた折りたたみ傘があるので念のため使いつつ進むうちに‥





と、右上画像を撮り終えたまさに瞬間、背後からいきなり声を掛けられてびっくりーっ!(笑)。だってここまで誰にも会わなかったしそもそもこんな半端な天気の日ですからねぇ(あと、傘を背中側に向けていたので背後の気配が全くわからなかったこともあると思います)。

振り向くとそこには果たして1人の女性が。いざ顔を合わせたところで女性のほうから次の発言が。



言われてみれば確かに見覚えのある方です!聞けば、車を借り出したあとまずは八丈富士に登ってきて、昼食後にこの硫黄沼&唐滝コースにやってきたのだとか。計画性ありというか、バイタリティあるなー。ちなみに自分よりもずっと若い女性でしたっけ。

続いて「ところで(あなたは)どこに車を駐めたんですか?下の駐車スペースには車がありませんでしたよね?」との質問をいただきました。それは当然のことで自分の歩いてきたコース(の荒れ方)を含めて説明しました。ちなみにマップ上の「駐車スペース」よりも奥まで車で上がれそうな感じだったということでした。

そんなわけで偶然ながらこの女性と一緒に硫黄沼へと向かいます(すぐ先なんです)。



さほど広い沼ではありませんが、確かにこの色は硫黄成分のなせるわざなのかも知れません。



ちなみにもう少し話しているうちに「宿はどちらに泊まる予定なんですか?」との質問もいただきました。うわ、若き女性に泊まる宿を聞かれるって‥もしかして同じ宿なら一緒にお酒を、いやそうでなくとも三根や大賀郷界隈なら夕食後居酒屋集合で二次会云々‥(一瞬トキメク妄想)。



今回自宅待機のおしんこどんにも安心の宿を選んでいたというわけです(大笑)。もちろんこの女性もそんな意味で発言なさったわけではなかったでしょう(当然)。

そんなことはともかくとして、自分が写真を撮ったり煙草を吸っていたりするうちに(灰は全て携帯灰皿に)、この女性は先に唐滝方面へと向かっていきました。「ネットの情報によるとこのあたりでは13:30くらいから雨が降り出すみたいなんで」。え?そうなの?うげげのゲ。



自分もあとから唐滝へと登っていきます。左上画像の貯水枡(現役稼働中)のあたりには、もう10月も下旬だというのにアジサイの花弁がまだ僅かに残っていました(左上画像マウスオン)。そのあとは川を渡り堰堤を乗り越えの山道です。

で、いよいよ唐滝に到着です。もちろん先ほどの女性もおられましたが、肝心の唐滝はというと‥







滝の落ち方もご覧のように全然安定していません。滝に向かって吹き上げる南風の影響です。



ということは流れ落ちる場所もそこそこ違うわけですよ。見ていて楽しいような。

と、この写真を撮っていたあたりから傘にあたる雨粒が大きくなりました。「こりゃ滝から巻き上げられた水しぶきだ!しかしこりゃすごいなー」としばし勘違いの感動。で、しぶきがバリバリに降り落ちるので女性は「わたしは先に下りますね」。

実はTakemaの滝到着と同時に雨粒が大きくなったので自分も水しぶきだと思い込んだのですが、


女性が去ったあと明らかに傘を打つ「しぶき」の一定音は大きくなり、「たまたまの滝しぶきじゃないよボクらは雨のしずくなんだよ!」とTakemaに自己主張を始めます。よく考えれば滝に流れ落ちる水音を聞いた記憶がありません。なぜなら傘にあたる雨音があまりに耳に近すぎたからなのです(苦笑)。

とりあえず短いながら動画も撮っておりました。落差36mの荒ぶる唐滝!





しかしかの女性がおっしゃっていたとおり「13:30(ちょい過ぎ)」に雨は(予想以上に強く)降り始めました。もっとも右上画像のような道を下りていくうちに雨脚が衰えていったのは間違いないことでした。しかしですね!



あーあ、何で近道なんかしようと思っちゃったんでしょうねぇ。ガイドルート通りなら服を大して濡らしもせず戻れたことでしょうが‥あ、でも結果的には「服は半濡れ」くらいで何とかなりました。下着まで雨水を浸ませることもなくうまく逃げ切ることができました!(誰も聞いてない)。直登系で距離が短かったのと、長く降ったわけではなかったのでヤブもそれほど濡れなかったからでしょう。

それにしても先ほどの女性、こんなお天気にこんなシブイところを歩いておられたということは‥明日、三原山で再会しそうな気もします(ちょっと楽しみ)。

というわけで車まで戻ったのは13:50ころでした。さーて山を下って温泉にでも行き‥う、う゛。



年を取るってこういうのもその関係なんでしょうかね、腹を下しているわけでもないのに突如としてやってくるいやな流れ。まぁしかしまだ「兆し」レベルなのでさしたる危険はありません。さてしかし、ここから山を下ったあたりでにこやかにトイレを使わせてくれそうなところって‥あ、そうだあそこがあった!





というわけで無事「運行終了」(あのね)。あ、受付のお姉さんからは今回も加圧するメダルをいただきましたんで、再び圧ってきましたし一通り見学もしてきましたよ(1F展示室の内容は特に変わっていませんでした)。

そうそうこの地熱発電施設ですが、設備が老朽化し今後更新が必要ということで発電事業者を公募したところオリックスが手を上げ、審査の結果決定したようです(2017/3)。現在はまだ工事が始まっていないようですが、やがてはこのTEPCO館もなくなってしまうのか、それともオリックス地熱館が改めて整備されるのか?

この地熱発電所は八丈島のベース電源で、季節によってはこの発電所からの電力だけで島の電力を賄えることもあるようです。計画では発電能力を現在の1.3倍に増やすようですから、発電開始後はますます島のベース電源となりそうです。メガソーラーよりもはるかに安定していそうですし(そういえば八丈島でソーラー発電エリアって見た記憶がないなぁ)。

さてそれでは、とりあえずそこそこかいた汗を流すべく‥どうしようかなどこの湯にしようかなと考えましたが、この訪問時には中之郷のやすらぎの湯はポンプ整備のため長期休業とのこと。ならば末吉のみはらし‥いやそれよりも先に、



というわけで行ってみました。この続きは次のページにて。

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