- その4(4/4) 八丈三原山を楽しんだあと島寿司、ポットホール、そしてやっぱり洞輪沢!-



三原山手前のピークまで上がってくればもう頂上は指呼の間に。

(2018年10月 その4)



昨日の偵察行動もあり、とりあえず無線中継所まで車で上がってきました。上画像だと駐車スペースがないように見えますが、実際はこのすぐ下に3台は十分駐車可能な舗装スペースがありますし、その下側の広場(右上画像)にもたぶん駐車可能では?という感じでした(道路と広場とに大きな段差はないように見えましたが未確認ですので念のため。

さてお天気はご覧のとおり絶妙なので、防寒具(風強そうだし)とペットボトルのお茶だけをザックに入れました(正確には非常食としてのビーフジャーキーも=出張中に買ったが食べないままだった、も入ってました。でもこれって重要な「非常食」ですよね)。出発はほぼ10:00(標高420m)。



八丈富士の登山ルートは基本的に展望良好ですが(その代わり基本的に吹きさらし)、こちら三原山は頂上近くまで樹林帯となっています。これはもちろん火山としての活動歴史の違いに由来するわけで、三原山の豊かな森は同時に「島の水がめ」ともなっているわけです。八丈富士には「川」がありませんよね。

また樹林の中を行くということは「お天気でも太陽にじりじりあぶられることがない」ので、初夏から初秋にかけての登山にはうってつけです。ただ真夏の時期は風の通りが悪いので汗だらだらになるかも知れません。

段差小さめの階段がずっと続きます。もっともこれがなければこの登山道は「木の根坂」=木の根に足を取られて上り下りとも歩きにくいことおびただしいはずなので、行き届いた整備に感謝感謝です。気温が前日より低いこともあり、汗のかき方もましだったかな。



時期柄花の種類は多くもなく、ツワブキがそこそこ見られる程度。光に照らされるシダの裏葉などは綺麗でしたけれどね。概してあまり変化のない階段道を登っていきます。



途中1箇所だけ八丈富士方面への展望が開けますが(左上画像)、そこからはまた樹林に入ります。で、右上画像のような指導標からは、整備された道ではなくあとから拓かれたルート(ちょっと木の根坂あり)へと進むことになります。メインルートが崩落したのでしょうかね。

もっともここまで来れば途中の重要休憩ポイントたる650mピークまではもう遠くもありません。ちょっとヤブが濃い部分もありますがほんの10mもあるかないかの区間です。で‥



「NHK」の看板を目にしたらもう展望ピークに着いたも同然です。





ちなみにここまでの所要時間はミニ休憩を含めても実質40分ほどでした。「西山」たる八丈富士の全容が眺められるのはもちろんですがそれだけではなく、かつて最初の八丈島を形作った三原山のカルデラ内部全容を眺めることもできます(このピークもカルデラ外輪山の1つです)。ま、その画像については頂上到着以降に紹介するということで。



ここから三原山山頂までは外輪山の稜線上を歩くことになります。とはいえそのほとんどの箇所は樹林というか背の高い笹藪に覆われており、展望はあまり(ほとんど)ありません。ま、標高差にしても70m(いったん下った最低鞍部からでも)ほどなので、もう全然大したものでもありません。コースタイムでは15分とありましたが10分ちょいで行かれました。



「さ、いよいよ最後の登りだ」というあたりにNTTの施設がありましたっけ。



というわけで、ずっと手前から見えていた防災無線&民放の基地局に到着しました。しかしここはまだ微妙に頂上ではなく、ここからさらに標高差10数mを登ったところに頂上があります。最後の数mだけなんですがなぜか異常にヤブが濃くてびっくり(一箇所段差がありますが全く見えませんので念のため)。そして‥





結局、車を駐めた無線中継所から山頂までは休憩込みで52分でした。お気楽ハイクですね。ちなみにこのハイク中ほかの登山者には誰も会いませんでした。絶対昨日の女性は登ってくると思ったんだけれどなぁ(読みが外れてちょっと残念)。





そして上の2枚の画像が、三原山及びその外輪山に登らないと見られないカルデラ内部の平原的な景色です。右上画像の山が650mピークですが、カルデラ側に向かって急傾斜で落ち込んでいるのがわかります。青ヶ島だとカルデラ内部の平地である池之沢地区を畑として利用していますが(ちなみに居住は不可)、過去にこのカルデラの平地を開墾し利用しようとしなかったのは、そこまで島の暮らしが困窮したわけではなかったからなのでしょうか?まぁそのおかげで今に至るまで往時の姿を維持できているわけですが‥。



八丈三原山は頂上直近に人工物(アンテナ)がそびえているのと(ついでに反対側からは一般車通行止めとはいえ車道がある)、八丈富士よりも標高が低い(向こうは854.3m)のとで相対的に目立たない地味な山ではありますが、大賀郷側からだとそこそこ楽しめる山でもあるなと実感しました。さてそれでは来た道を戻りましょう。



再び650mピークへ。実はこちらのほうがカルデラ内部を間近に見渡せると思います。ちなみにこのススキのすぐ下側がすっぱりと切れ落ちた崖になっているわけです。



そんなわけで駐車場まで戻ってきました。途中随分のんびり休憩しましたが結局2時間かからずに全行程を終了しました。さてちょうどお昼時ですのでお昼ごはんを食べに行きましょう。



ちなみに左上画像マウスオンで、同じ場所からの三原山山頂部ズーム画像に変わります。

どこに行こうか調べるのが面倒だったし、実質的に島で食べる最後のご飯となりそうだったので島寿司の一択。ゆえに前回おしんこどんと食べた銀八寿司さんにて。ええっと、寿司ネタの説明も受けたんですが完全に忘却の彼方であります。でも美味しかったのでOKです(もちろんお値段もそこそこ張ります)。

さてお昼ごはんも終えたところでどうするかを考えます。やっぱり温泉というか、あとのことを考えるとちゃんと身体を洗っておきたいよなぁ(そしたら家でシャワーを浴びないですむし)。というわけでまずは温泉、そのあとは東山の山麓道をぐるりと回ることにしましたが、北側の三根-登龍峠-末吉間はほぼ時間をつぶせる場所がないので、動きのロスは大きいですがここ大賀郷-樫立の「ふれあいの湯」に入ったあと再び大賀郷に戻り、そこから三根-登龍峠-末吉方面へと反時計回りに進むことにしました。これなら、もし時間が余っても寄り道できる場所が多いので問題ありません。



さて露天風呂付きの「ふれあいの湯」へ。よけいなことなんですが、八丈町管理の温泉浴場の名前ってどうしてこんな漠然とした名前ばかりにしちゃったんでしょうね。「ふれあい」「やすらぎ」「みはらし」「きらめき」「ザブーン」、全て地域のイメージを一切排除した抽象的なネーミングですよ。お役所が「無難さ」を第一に考えて付けたとしか思えません。せめて地域名を冠に据えるだけでも観光客にはわかりやすいと思うんだけれどなぁ。ちなみにわたしはいまでもやすらぎとふれあいの区別が付きません。きらめきが足湯でなかったらさらに混乱し続けていることでしょう(足湯は基本的に興味なし)。

あ、残念なことにいつの間にか塩素くさい湯になっていました。それほどきつくはないものの湯からはしっかりと塩素臭が(内湯・露天ともに)。ついでに撮影禁止になっていたので内部の写真はありません。このぶんだと足湯きらめきはともかく、ほかの施設も同じことになっていそうだな(洞輪沢・裏見ヶ滝の無料温泉は除く)。しかしあくまで身体を洗うのをメインにやってきたのでまぁいいや。



さて湯上がり後は三根方面へと進み、そのまま都道215号線(登龍道路)を進んでいきます。ここから末吉まで唯一といえる休憩園地にてストップ(トイレもありますし)。



橘丸が出入りする底土港もよく見えますし、あ、空港からは2便が間もなく離陸しますね。



さてここから先末吉の集落まではセンターライン表示がなくなり道幅も多少狭くなりますが、そもそも誰も住んでいないので?交通量は極少です。やがて「ポットホール(甌穴群)」への分岐へ。ここから2.6kmは狭い舗装林道を進んでいきますが、対向車とやりすごせる場所は多くもないので注意。ま、観光客の中でもここに行こうとする人というか車は決して多くはなさそうですが)。

それにしても前回来た時は(2015)こんな場所があるって知らなかったんですが、ここ数年で観光スポットとして整備されたんでしょうか?(自分が知らなかっただけかも知れません)。



というわけで到着です(もちろん先客さんはゼロ、往復とも1台の車ともすれ違いませんでした)。真新しい説明看板もあったし(左上画像マウスオンで拡大)、右上画像を見ると八丈町の天然記念物指定が平成28(2016)年7月11日とありますから、前回訪問時よりあとのことなんですね。指定に合わせて整備したということなんでしょう(違ったらスミマセン)。で、そのポットホール(群)といえば‥





何が?と思われるかも知れませんが、この沢部分はいわゆる一枚岩。その上を恒常的に沢の流れが浸食していった過程においてどこからか落ちてきたそこそこの大きさの石が岩を浸食していくつもの穴(ポットホール)を形成していったというわけです。沢の地形と傾斜、そして水量がフィットしないとこの地形はできません。

屋久島などでもポットホールを見たことはありますが、それがこのように1つの沢に連続して存在しているというのはさらに珍しいと思いす。



何とも不思議な沢だったので少し上がっていきましたが、沢沿いは苔が着生しており特に下りは滑りやすそうだったので100mくらい進んだところで戻りました。あとで「遊歩道」があったことを知りましたが全然気づきませんでした(苦笑)。三原山への登山道掲示はあったけれどなぁ。



安直に橋の上からでも眺められますけれどね(笑)。混んでいるときは橋上の駐車禁止だそうです。



このあとは再びメインロード=通称登龍(のぼりょう)道路へと戻ります。道路名は間違いなくワイディング路であることに由来しているのでしょうが、側壁には左上画像のように龍の姿が描かれています(確か何ヵ所かありました)。お金かけてるなー。

さらに進むと展望台ではないですが見晴らしが良く道路幅が広い場所があったのでちょっと車を止めました。遠望した先には八丈島灯台が見えました(右上画像マウスオン)。あそこまで行けば東山側の1周もおしまいです。もうすぐだなと何だか旅の郷愁にひたり‥いやいや!



ここまできて洞輪沢温泉を再訪パスする理由などありません!どうせみはらし温泉は混んでるでしょうし湯使いもアレかも知れませんし500円だし!だったらこちらの湯できれいさっぱり身を清めておうちに帰るに如(し)くはなし!



というわけで前日に引き続き貸し切り無料かけ流し湯をタンノーしました!大満足です。

さてしかし、まだそれでも多少余裕がある?というわけであのおばあちゃんのソフト屋さんへ立ち寄りました。最初に向かいのお店でタバコを買ったうえでソフト屋さんに向かったんですが、どうやらたばこ屋さんが母屋だったみたい(過去ページにも書いていたようですっかり失念していました)。



しかしおばあちゃん、そんなに小さかったでしたっけ‥何だかその昔のフォークソング、グレープの「無縁坂」とか井上陽水の「人生が二度あれば」とかを思い出してしまいます。確か以前おしんこどんと訪問した時はこのおばあちゃんからいろいろお話を伺ったんだっけ。横浜出身だとか島ならではの話とか!(その時のページはこちら)。今回は「中で食べていいですよ」「いえいえ、寒くもないので外のほうが気持ちいいですんで」という会話だけでしたが、おばあちゃん次回訪問時もお元気で!



この交差点を通るたびに意味なく「惜っしいなぁ」と思ってしまうわたしなのですがまぁそんなことはどうでもいいって。最後にスーパーあさぬまで職場へのおみやげをささっと買い、お隣のジャージーカフェで例のジャージープリンお取り置き6本をピックアップし、そうしてすぐ裏のモービルレンタカーに車を返却。さぁって、あとは帰るだけです!



2日間の走行距離は141.3km、ガソリンは7.16L入りましたから実燃費は20km/L弱といったところ。真っ平らな道は少ない八丈島というか、基本的に山道メインで走ってましたからまぁこんなもんでしょう。事務所内にはSNSでおなじみ?のミニ黒板が(右上画像マウスオン)。とりあえず自分が数字をリセットするようなことはなくてすみました。

送迎車で八丈島空港まで送ってもらいます。デイパックのほかにフルーツレモンの苗、牛乳せんべいの袋とプリンの保冷バッグ(これは牛乳せんべいの袋に収納)と荷物が増えましたが、さしてかさばるものでもないので機内へ持ち込みます(一応確認してOKをもらいました)。

さてまだ搭乗までには時間があるので(というかまだ搭乗機が到着してなかったし)併設のレストランへ。注文したのは‥





おつまみは柿ピーみたいのが付いてくるだけですが、ここはじっくり最後の島の余韻を楽し‥めませんね、どうやら最終便出発を前に閉店モードらしくて、搭乗客さんもどんどん出ていくし。まぁせかされたわけでもない中で全部飲み干しました。最後のお客じゃなかったですよ(それだけは避けたかった)。

日曜日の上り最終便ということでたぶん満漢全席、いや故意に間違えました満席で(満漢全席の場だったらとてつもなく嬉しい)、自分も含めた観光客が多くて保安検査にも随分時間がかかっているようです(自分は比較的列の後ろ側でしたが)。ようやく搭乗待合室に入り喫煙室でタバコを一服二服‥ん?



というわけで搭乗口へ。そう、何とわたくしこのヒコーキでは優先搭乗対象客なんですよ、プレミアムクラス席だもん♪いや、ブルジョアになったわけではなく予約時にはすでに普通席が予約一杯でこっちしか空いていなかっただけなんです。普通席も料金高めだったので、その料金に4000円弱くらい上乗せした感じだったと記憶しています。冬場ならもっと空いていて安いんだけれどなぁ(その代わり欠航も多い)。。



というわけで機内の先頭席窓側に着席。お隣の方と接する肘掛けの使用権を無言のうちに探り合うこともありません(笑)。で、往路の船内で読み進めたものの島内では全然読んでいなかった本を取り出して読書タイム。で、遅れて離陸してしばし、安定飛行に入ったところでアテンダントさんが「お飲み物」を聞いてきます。その時のTakemaの驚き狼狽ぶりがこのつぶやきに表れております。

ええっと、「飛行時間1時間弱」とありますが、公式のフライトタイムは55分です。ただしこれは「飛行機がボーディングブリッジを離れて動き出してから‥到着空港で完全に停止するまで」の時間ですから、空港内の誘導路移動時間等も全て含まれます。ということは空を飛んでいるのはもっと短い時間なわけで、さらに機内サービスができる安定飛行時間はまさにほんのわずかのはず(15-20分くらい?)というわけで「それでもワインが無料で飲める」ことにびっくりした次第であります。

しかし「早めに飲む」のは得意ですから問題なし(笑)。羽田に到着し、先頭席ですから出るのも最初、そんなわけで誰も前を歩いていない通路を進んでいきます。



このあとは乗り換えが1回で済む京急-都営地下鉄-京成ルートまで千葉まで帰りました。いやぁ、これまで行っていなかった八丈島内陸に行かれてなかなか楽しかった。次は‥いよいよ海か?釣りなのか?(笑)。

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