- その4 小原、鎌先、白石湯沢の湯を順繰りに。 -



この日のお宿は鎌先温泉最上屋さん。何と秘湯グループの宿でした。

さて上画像のようにこの日のお宿は宮城県南部の鎌先温泉なのですが、このまま真っ直ぐ向かうのではあまりに面白くもない‥そうだ、あそこに行ってみよう!



あそこというのは鎌先近隣の小原温泉。特に秘湯というわけでもなく自分も2004年に来たことがあります(もう15年も前ですが)。ただその時は川沿いにある共同浴場の「岩風呂かつらの湯」には入れなかったのです。というか、施設はピカピカに完成し湯も溜められていたのですが、何と「その日の午後に保健所による各種公式検査が行われる」というタイミングだったわけですよ。

だから未湯のままだったこの岩風呂に入りたいのと、かつて訪問した対岸の各種施設が今どうなっておるのかを「視察あわよくば体験」したいと思ったわけなのです。各種施設って?ハイそうお思いの方は2004年当時の訪問レポートをご覧下さいませ(こちら)。



岩風呂については手前に「営業中」の掲示が出ていたので問題なく入れそうですが、あちゃまー、「各種施設」があるはずの対岸に渡る吊り橋は通行禁止となっています。しかも「修繕のため当分の間通行できません」というのはわかるとして、記載されている日付が「平成29年11月30日」とは。この日は「平成31年3月」ですから、少なくとも去年は丸一年放置されていたわけで、予算の関係もあるのか修繕する気はあるのかないのか?(たぶん後者)。

こうして見る限り橋にはさしたる傷みもないように見えます。おそらくは遊歩道の維持管理費用ほかを節約するために全部ひっくるめて立ち入り禁止にしてしまうという「消極的予防措置」なのではないかと思いますが、是非対岸に行ってみたかったなぁ(かつらの湯には日中管理人さんが常駐しております。不届きな行動は慎みましょう)。



対岸には道が見えているだけにねぇ、ん?この堰堤を渡る?いや橋よりもっと危険です。

さて岩風呂かつらの湯に話を戻しましょう。入浴料は200円/人とリーズナブルですが、せめてもう100円値上げしてもいいんじゃないですかねぇ。管理人さんの人件費も出ませんよこれじゃ。ボランティアってわけでもないはずですから。

お風呂は浸かるだけで石鹸やシャンプー等の使用は不可。共同浴場とはいえ集落内にある地域住民向けではないわけですからこれはよろしいかと(「下部が岩盤で浄化槽が設置できないため」との説明書きがありました)。



さて、いざ「入浴」なのですが、男湯には先客さんありというわけでおしんこどんに無人の女湯画像を撮ってもらいました。時期柄浴槽には保温のためのマットが浮かべられていたのは男湯も同じでしたが、源泉温度は50℃オーバーなんだし、投入量を多くして云々というのは出来るはずです。たぶんこれも湯守り的手間を省くための対策なのでしょう。気温の変化に対応して湯の投入量を云々というのは大変な手間と職人的経験が必要になるはずですから。



「(浴槽湯を汲んでのかけ湯ではなく)シャワーを使ってからお入り下さい」と書かれていましたが、少なくとも男湯に関して、あとから入ってきた人(3人)は誰もシャワーを使っていませんでした。読んでいないのか、それとも確信犯的に無視なのか(まず間違いなく後者)。これってどんなもんなのかねぇ。たぶん掲示自体も保健所のお言葉を仕方なく記載しているわけですし。

お湯は無色透明で、浴槽内投入なので口にすることはありませんでしたがたぶんあっさり系です(過去の記憶からいってもそう)。

ここはもともと野湯的な感じで地元の方々に利用されていた湧出口を整備したもののようで、なるほどそれで対岸の(以下略)。それにしてももっと早くに入っておきたかったなぁ。あ、2004年に対岸で「全足湯(謎)」したからまぁいいのか(笑)。

というわけでこのあとは鎌先温泉へと向かいます。それでも16:00には着いちゃうんですが、対岸に渡って探訪する時間が浮いちゃったし、宿に早く入ってお風呂を楽しめばいいしねということで。



そんなわけで鎌先温泉最上屋さんに到着したのは16時ちょっと前。早めのチェックインですが、おしんこどんの「のんびりしたい」意向とも合致しますしまぁいいかなと。周辺にはコンビニもなく、温泉宿と1軒のお店しかないんですねこれが。

しかしこの日は日曜日。まだこの時間は日帰り入浴OKということもあり結構な数の方々が入浴にお越しになります(ちょっとびっくり)。たぶん日帰り入浴の多くの方々がここ最上屋を目指していると思われ、日曜日の午後は混んでる=湯なまりを起こしていること必定。となれば‥





静かに流れる鎌先温泉の湯を貸し切りでタンノーしちゃおうというわけです。あ、でもいま改めて確認したら、湯治プラン+この貸し切り風呂有料のほうが正解だったかと。調べてなかったんでしょうがないんですけれどね。ご飯は質はともかく量は要らないんですよわれわれ夫婦。



湯小屋を模した湯口からは透明湯が出てきます。お湯自体は透明なんですが、以前立ち寄り入浴した時には僅かに茶系の濁りがあったような気がするんだけれど?と思ったら、湯口の下の方に湯花発券、となればということで攪拌してみた画像がこちらです(右上画像マウスオン)。

なるほど、当時の記憶はおそらく「サビ色の湯花が舞うことで湯が薄濁りに見えた」ということなんでしょうね。確か立ち寄りのお客さんの出入りがかなり頻繁だった記憶があるので浴槽内のお湯も常時攪拌されていたことでしょうし。

しかし、湯口からのお湯を口にしてみると(かけ流し湯ですが味見のあと流しましたよ)、何だかもっと鉄っぽさがあったように思うのですが実際は土類味とマイルドな塩味。これまた記憶と違っていました。15年も経つと記憶って「創作」されちゃうのよね。だから記録に残しておくことは重要です(被災地のの語り部さんとかも同じではないかとも思います)。



そして夕ごはーん。Takema的にはこれでも多めなんですが美味しくいただきました。部屋に戻ったあとは前夜飲みきらなかった天音をちびりと。おしんこどんは早くも横になってTVを見てますねぇ(笑)。



夕食後しばらくのんびりしてから大浴場へと向かいましたが、確かにこのくらいの広さ(というかそれほど広くはなかったという前回記憶)だったかなと。この日は日曜日ということもありかなり多くの立ち寄り入浴客があったようで、予想通りお湯はなまり気味でしたがまぁしょうがないかな(それとなぜかこの浴槽だけややぬるめだった)。夜のうちに清掃&男女入れ替えがあるので明朝に期待というところです。

明けて翌朝。7:00からの貸切家族風呂入浴はもちろん前日の到着時に予約しておりました!



こちらは夜間の湯の入れ替えはなかったのかも知れませんが、それでもいい感じ。



適量の朝ごはん(嬉)。この日も出発はゆっくり目(9:30頃)のつもりだったので、朝食後しばし部屋でゴロゴロした上で男女が入れ替わった大浴場へ。





ちなみにおしんこどんも同じタイミングで女湯に入ってきましたが、「何だかぬるめだった」ということで、そういうセッティングなのか、でも加温はしていないはずなので配管の関係なのでしょうか?謎です。



うん、やっぱりうっすらと濁ってますね。鉄分酸化の関係なのでしょうか。

というわけで湯上がり後チェックアウト。このあとは福島県に入っていくわけですが、おっとその前にもう1湯+α。



せっかくなので、白石湯沢温泉に立ち寄りです。10時オープンなので5分くらい前に駐車場到着。ん?1台車内で待機しているご夫婦がおられる?しかし申し訳ないですがオープンと同時に入場したのはわれわれ。まずは湯画像をいただきたかったので!





浴室に入った瞬間若干の塩素臭を感じましたがさして強いものではなし。たぶんオープン直後以外は塩素投入もないのでは?お湯はさっぱり系ですが硫酸塩泉由来のホカホカは長く続きますので油断してはなりません(笑)。湯ざわりはさらりという感じで、カルシウム成分が多いからだと思われます。



ところで駐車場に待機していたご夫妻はのんびりと入って来られまして、あとでご主人とお話ししたところ白石市内からやってきたのだとか。地元だからがっつかずのんびりだったんですねぇ(ありがたや)。



こちらの源泉は保健所からの飲泉許可が下りているので飲み放題(紙コップあります)。うん、飲みやすい!ちょっと引っかかる味はカルシウム成分なのでしょうがそれほど気になりません。でも大量に飲むとお腹によろしくないのかも知れませんが。

このあとは県道を辿って福島県への峠を越えていきます。しかし、ふと目にした鳥居群が気になり立ち寄ってみることに。というわけでこの続きは次ページにて。

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