- 2019GW旅行記(4) 下北半島を北上、尻屋崎から下風呂へ-



木は小さくともこの雰囲気はとってもヨロシイ。自分はこういう並木道が好きなのです。

(2019年4月26日夜-5月6日 その4)

さてこの日は下北半島方面へと進みますが、松園旅館からちょっと進んだところによさげな桜並木(上画像)があったので早速寄り道しました。



もちろん桜の名所というわけでもないのでほぼ誰もおらず、車で移動しつつの桜見物でしたが寄り道してよかったなぁ。千人万人単位の人が集まる「名所」は好きではなく、こういうひっそりと咲く場を見つけた時は嬉しくなります。この日はお天気もよく気温が上がり(前日まではみぞれが降ってたのに)、おそらくこの日一気につぼみが開いたのではないかなと。この日の午後通った「もっと大規模な桜並木」もそんな感じでした。

さて、ここまで来たなら行きがけの駄賃というかどこかの温泉に立ち寄りも‥。この界隈でまだ入っていない主要温泉といえば玉勝温泉ですが、いかんせん松園から近すぎる(歩いて行かれる距離)なのでパス。よって3度目ではありますが、あの「温泉郷」を目指すことに。これまた走ることしばしで到着なんですけれどね。



1軒しかないんですが「温泉郷」なのであります。通常は無人です。

車が止まっていなかったので、管理人さんも他のお客さんもいないなと察してシメシメ。予想通りでした(何たって10連休GWの2日目ですからね(重要))。ここのお湯がまたいいんだよなぁ。



あれ、いつの間にか無人支払いのみならず名前まで記入するようになったのか‥何だか民宿梅沢温泉みたいだな、と一瞬思ったのですがさにあらず、これは「アスパラガスの注文ノート」でありました(何やら子どもによるとおぼしき落書きがあるのがご愛敬)。あぶないアブナイ(苦笑)。

それにしても激安の料金です。本業の片手間だからこそなのでしょうが、それにしては以前はなかった家族風呂2棟や、「カラオケ道場(休憩所)」なども建てられ営業の幅を広げていますからすごいです。確かスッポンの養殖もやっているんじゃなかったでしたっけ(初回訪問時にご主人から伺った記憶あり)。しかも営業時間は朝4:00-夜21:30ですよ。朝4:00からオープンって、黒石市の温湯温泉共同湯である「鶴の湯」くらいしか思いつかないんですが(笑)。

さて入ったことのない家族風呂も気になりますが、電話でご主人(または息子さん?)を呼ばなければならないのと、そもそもメインの浴場に誰もいないはずだしということで男女別浴場を利用させていただくことに。




(「シンカンセンスゴクカタイアイス」をモチーフにしたんですが全然ダメですね)

さて、ぱっと見には「溜め湯」に見えるかも知れません。でもよく見れば、ポリバス浴槽から流れ出るオーバーフロー湯が洗い場全面を流れ下っているのがわかると思います。そう、ここは「トドの聖地」でもあるというわけです(自分はそもそもあんまりトドらないんですが)。






(短い動画です)
モール系の湯で泡付きもしっかり、ツルツル感もあり温度も適温、加水もせず源泉そのまま投入なのがすごいです。実にいいお湯をタンノーします。気持ちいいなぁ‥。



右上画像、すでにアワアワが出ています。源泉温度が42.5度もあり、しかもこのあとの画像に出てくるように一旦タンクに入れているにもかかわらずそれでもアワアワ!やっぱりすごいよ李沢のお湯!

というわけでしっかりタンノーした上で湯を上がりました。あー気持ちよかった。そんなわけでクールダウンを兼ねてしばし周辺でのんびりとね。



数年前の画像では確か平屋だったはずの休憩所が進化しておりました。で、表面左側にはA棟B棟の家族風呂。何だかどんどん進化しているなぁ。今やいろんな温泉施設がなくなっていく中、「進化する施設」は貴重です。しかも無人ベースでの営業ですからねぇ。



さて母屋の脇には大きな源泉タンクがあり、この形状はもしかして‥と思ったらやっぱりそうでした。牛乳運搬タンクローリーのタンクをそのまま利用しているようです。タンクローリーのタンクは「相当強い」らしいので、これは相当耐久性があるのだろうなと思います。



すぐ脇にはため池もありましたが、この雰囲気はタイの田舎などをホーフツとさせます。小島に架かる橋とその先にある簡素な小屋、ここって本当に青森県なんでしょうか!(ほめ言葉です)。

このあとは道の駅小川原湖に立ち寄り、そのあとはどうしようかなと思いつつもとりあえず三沢航空博物館へ行ってみました。







以前訪問時に一つ一つ見学したので今回は有料エリアには入らずのんびりと。右上画像のようにこの博物館は飛行場を模しており、管制塔ならぬ展望台もあったりするわけですが(昔の公立学校とかにもこんな形状の「展望台」が多くありましたよね)、あまり知られていない気がします。飛行機ファンでなくとも、行ってみると楽しいですよ。

なお場内の自販機がかなりイイ感じでしたのでご紹介を。





確かに背中には特徴的な赤い突起が(笑)。しかしこの海鮮野郎はどんな技を持っているんでしょうか?砂吐きとか?(当たり前すぎ)。ん?と?この日は日曜日なので訓練飛行も少ないはずなのですがやってきましたよ。



この前に清掃員の方に伺ったところ、「今日は日曜日なので基本的にほぼ訓練はないはずです。でも八戸沖でF35が行方不明になった関係で探索のための自衛隊戦闘機は出動していると思います」ということでした。その機が帰ってきたということなのかな。

ただ自分のような門外漢としても思うのですが、自衛隊だけでなく重要インフラ関係施設については「土日休み」という発想はやめてほしいと思うのです。古くは真珠湾の攻撃も米軍の休日を狙ったものだったそうですし、2011/3の福島第一原発事故直後は「平日なので勤務者が多く、そのため初動がなんとかなった」という一面があったと聞いています。あれが日曜日だったりしたら、もっととんでもないことになっていたかもしれない‥。

そのあたり、自衛隊&重要インフラ企業は現段階でどういう勤務体系にしているんでしょう。今や私の職場さえも平日休みシフト制に切り替わっているんですが(だから連休はなかなか取れないんですけれど)。それにしても‥




(ちなみに手前の米軍機には操縦席を含めて自由に入れます)

さてここからは一気に北上しますが、くるくるパンダ@公安関係車両との遭遇を警戒し、メインロードを外して走行します。で、やってきたのは‥。





かの震災&原発事故前に立ち寄った記憶はあるのですが、全然記憶が残っていないこともありもう一度というわけです(あ、その前に老人保健施設に寄ったら何と改修中で湯に入れなかったという時間つぶし系の事情はあるのですが)。

右上画像に見えているのが「東北電力」の施設ですね。この北側には「東京電力」の原発施設計画もあるようなのですが、現状として工事は行われていないし、今後の建設は‥なさそうかなと。自分は反原発派ではないつもりなのですが、今後原発が維持されるとすれば現在ある場所に云々であり、大間のような新規立地の建設はたぶん無理だと思います。さらにはここ東通のように電力会社が違えばますます難しいのかなと思います。でも、感情をイデオロギーに見せかけた(これ重要)無理矢理系の反対意見には「大いに反対」です。

かの大震災前までに自分たちが有形無形で受けていた「電力の恩恵(実際の意味としても料金としても)」を無視して「そんなエネルギーなんて要らない」「自然エネルギーで」「でも料金高くなるのは困る」(最後だけ庶民派)って何ですかそれ?そういうのは納得いかないということだけです。

常々思うことですが、さまざまな判断の選択肢って「Yes or No」の単なる2択じゃないと思うんですよ。実はその真ん中に「第3の選択肢」があるわけで、その選択肢を考慮に入れるか入れないかで選択の結果は大きく変わってきます。2019/6現在のイギリスのブレグジット問題(迷走中)だってそうだったんじゃないかと思いますが、概して白人の方々は「白黒をはっきりつけたがる傾向がある」ように思います。

原発も「あるものを使わないのは損失だから再稼働」というような経団連的な意見と「フクシマ原発事故(ここではあえてカタカナ表記です)の悲惨な結果をみれば再稼働などあり得ない」という極端な2択では多くの人々が「どちらも選べない」のではないでしょうか。その「落としどころ」を探るべきだと思うのですが、どうなんでしょうねぇ。



ところで、ある意味「科学の粋(少なくとも建設当時の最新科学技術)」を尽くして建設されたはずのこの東通原発、その周辺には「今も普通に熊が出る(可能性がある)」というのは何だかすごくパラドキシカルな感じがして自分としては気に入りました。もちろん万が一の可能性を考えてのクマ鈴設置だと思いますが。



何だか実に長閑です。ミズバショウの時期はほぼ終わっていましたが。



さてこのあとは一路尻屋崎を目指します。大間には何度も行ったことがありますが、尻屋崎はこれまで未訪問。しかもこんなに天気もよく時間的にも余裕ありということであれば行かないという選択肢はありません。こればっかりは「3択どころではなく1択」でしょう!

しかしこのような道をずんずんと進んでいくうちにふと「いやな予感」が頭をよぎりました。それは‥



そんな意味で覚悟しつつ北上しましたが、うわ、津軽海峡側に出たところで集落発見、集落内を通る旧道との分岐に看板あり、「お食事処」とあるじゃないですか!というわけで正午をちょっと回ったピークタイムでしたがすぐさま左折。おお、食堂「善」発見!(あとでTマップルを見たらちゃんと記載されていましたが)。食堂真ん前のスペースが空いていたので駐車もOK、まだ席も空いていましたよん♪しかも!




(右上画像マウスオンで対岸の恵山画像に変わります。まだ雪が残ってます)。

この日は実に穏やかな津軽海峡を眺めつつの食事となったわけです。対岸には恵山から函館方面の山々が見えていて展望も絶好。いやぁこりゃいいや。

そんなわけでお昼ごはんです。そばにラーメンにうどんにスパ、生姜焼きやトンカツなどの定食等、地域の食堂として何でもあるところに「観光客向け」の海鮮各種の丼や定食、また地元産和牛ステーキのメニューもあったりします。ないものはないですね(笑)。



自分は豚生姜焼き定食、おしんこどんは地元和牛の焼肉定食を注文しました。焼いてますねぇおしんこどん。ちなみにコーヒーはセルフで無料だったりするのがありがたかったです。はー食べた食べた♪ちなみにわれわれが出る頃には複数のグループが席待ちで並んでいました。この時はお昼を回ってからの入店でしたが、GWですからね、お昼ごはんはとにかく「早めランチが大吉」です。



このあとは鉱山のベルトコンベア&ゲートを通り抜けて尻屋崎の保護区へ。

何を保護しているかといえば「寒立馬(かんだちめ)」。寒風吹きすさぶ冬場にもここ尻屋崎界隈で命を繋ぐ馬たち、初めてなんですが見られるかなぁ?

というわけでまずは先端の尻屋崎へ。ここには灯台があるので‥すが!?





ま、こればっかりは仕方が無いことで、場所柄維持管理工事期間は無雪期に限られますからね。本当のハイシーズンとなる夏前までに工事を終わらせようということなのでしょう。

あ、でもこの灯台画像を見て思い出したのが、ミャンマーのこの画像でした(笑)。




(この時の旅行記ページはこちらです)。

この時の隣接する「立ち仏」もなかなかすごかったなぁと思うのですが、考えてみれば近隣エリアなのにかの「牛久大仏」にまだ行ったことがないことに今気づき、ミニツーリングの目的地として行ってみようかなと。あ、ランチはご当地のフラミンゴでね(謎笑)。

話を戻して(すぐそれる)、尻屋崎界隈をちょこっとうろうろと。



おしんこどん、いい表情してますね。お天気も最高だし。

で、このあとTakema画像を撮ったあと(掲載略)、次に来られた方が撮っていたのはなかなかの画像でありました。こっそりと撮らせていただきましたよ。




(実際の撮影時には多少きょろきょろしていましたが)



このあとは「尻屋崎一番北側」の場所へ。お地蔵さんが安置されています。よく見るとお地蔵さんの右側に恵山(北海道)も見えています。手を合わせたところで次の家族連れが来たので(男の子は高所恐怖症なのか恐がっていましたが)われわれは戻ることに。



いやぁいい感じの風景です。キク科の植物も花を咲かせ始めていました。この日は暖かかったからねぇ。北の春は一気に来ます。梅も桜もその他の花々も一気に咲きますからねー。





さてしかし、尻屋崎といえばの「寒立馬」をまだ1頭も見ていないんですよね(馬糞はたくさん見た)。まぁほぼ野生で暮らす馬だけに今回は見られないかなと思いつつ南側の道を進んでいくと‥おお!







人を警戒することもなく草の摂取作業に邁進しておりましたっけ。





ちなみに管理者の東通村は冬場を含めて一切生育保護(給餌とか)はしておらず、寒立馬たちはほぼ野生の状態で生息しているのだそうです(死馬は撤去するそうです)。いっぽうでこの馬たちは「旧陸軍が放置したものだ」という話も聞きましたが、ネット情報に限ってはそのソースは見つけられませんでした。まぁいいじゃない出自なんて。いま彼らが自分たちで生き続けているのは確かなのだから。

このあとは下風呂温泉へと向かいます。ショートカットとして青森県管轄の県道266号を利用します。





まぁもっとも決して交通量が多い道ではありませんので、わたしの時は対向車をやり過ごすこともありませんでした。



やがてR279と合流し大畑地区へと入っていきますが、この大畑地区のR279沿いには8kmにわたって1400本もの桜が植えられており、「来さまい大畑桜ロード」というネーミングがなされています。

たぶんこの日の陽気で一気に花が咲いたようで、隣同士の桜でも、日陰の桜はまだそれほど開花していなかったりする一方で、日向側ははや満開に近かったりするのがなかなかでありました。ちなみにあとから聞いた話だと、「海からの風が入る場所の桜は開花が遅い」のだとか。ではでは動画でどうぞ。





大畑地区を抜けると海沿い&山越えの道となりますが、初めて来たときに比べて道路整備が進みましたね。さ、本日のお宿がある下風呂温泉まではあと少し。というわけでこの続きは次ページにて。

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