その3 中央アルプス千畳敷(標高2612m)のホテルに宿泊!



宝剣岳(画像中央)を眼前にしてイイネ!

(2022年3月21日-23日 その3)

しらび平駅でバスを降りたらソッコーでロープウェイに乗り換えます。我々の乗ってきた登り便のバス便は1台でしたし空席もありましたが、途中ですれ違った下り便は2台での運行でした。山岳路線ですから立ち席を認めるわけにはいかないというわけです。



降車を済ませたバスはなぜかもう1台と反対向きに停車(なぜ?)。でロープウェイ駅に向かう通路には青・緑・赤のラインが(プラス黄色のラインがありますがこれは見ての通り視覚障がい者用ですのでカウントしません。

よくよく見てみると、「青=バス乗り場への列」「緑=ロープウェイ切符売り場への列」「赤=改札口への列」と記載されていました。しらび平駅の駅構内はさして広くもないですし、左上画像のように駐車場がかなり広い(一般車通行止めなのに)ということは観光バスなどの団体さんを想定していると思われます。そりゃ観光バス数台がそれぞれ満漢全席(違)で到着すれば、当然ずらっと並ばざるを得ないよなぁ(ロープウェイ搬器の乗車定員は61名)。



3月末は閑散期ゆえ本数も1日8本のみ、しかも片側単機のみの運行です。

この日は三連休の最終日(のお天気バッチリ)ということもあり、千畳敷から下ってきた搬器車内はなかなかの乗車率でした。観光客もいましたが登山者の比率高し。車内は人いきれからか窓には結露が(このご時世それでいいのかは別として)。

ただ我々が上る車両(搬器)はさすがに乗車人数も少なくて(最終運行の1本前でしたから)、ゆっくり景色を楽しめました。



標高差約950mを一気に上ります。春だから雪崩もあちこちに。







まずはチェックインして部屋へ。ホテルですが全室和室で、布団は広げればそのまま寝られるように折りたたまれた状態でよしよしです。でも、このまま部屋でぬくぬくとはいきません。すでに午後3時を回っており、もうしばらくすると太陽が稜線の向こうに隠れてしまいます。この日は実にいい天気でしたから、写真を撮りに外に出ましょう!











続いては我々がいる千畳敷カール(圏谷)を擁する中央アルプス、その中でも一番近い山が宝剣岳(2931m)です。左上画像の左側に見えているピークがそれで、積雪期は無雪期に比べて登頂の難度が上がるピークでもあります。というのもご覧のとおりの岩山であり、そこに凍結がセットになるためアイゼンは外せず、でもアイゼンは岩場では実に厄介、というわけです。いっぽうで中央アルプスの最高峰である木曽駒ヶ岳(2956m)は穏やかな山容ゆえ、宝剣山荘からの往復だと天気と雪の状態さえよければ積雪期でも楽勝な山だったりします。

ただし!その宝剣山荘に辿り着くまでのルート(千畳敷カールを上り詰め、かつ下る)ためには雪山の登山経験はもちろん雪上での行動訓練経験が必須です。右上画像、かなりの急傾斜斜面を下っている「下山者」の姿が見えるでしょうか?(右上画像マウスオーバーで拡大画像に変わります)。このサドル(乗越)からの降り口などはかなりの急傾斜です(夏道はジグザグに降りてくるのですが、積雪期はダイレクトに下るしかありません)。で、もし足を滑らしたら‥一気に数百mもの転落となってしまいます。見ている限り皆さんかなり慎重に下りている感じでした。

(ただし、この下山者パーティーがかなり遅いこの時間まで行動していることは気になりました=残雪期は午後になると雪が緩んで雪崩の危険が高まるので早めの時間で行動を終了するのが基本です、特にこんなに天気が良く暖かい日は。)



ええっとエラソに書いてきましたが、もう長年雪山を1人で歩いていない自分としては(この時が最後かな=2004年3月)、今回も含めてもう雪の頂を目指すことはないかなと思うので(装備も体力も劣化したし)、ちょっとノスタルジーに浸ってみただけだとご理解下さい(苦笑)。











そうこうしているうちにいよいよ太陽は尾根の向こう側に隠れてしまいました。できればもう1本前のロープウェイで上がってくれば明るい時間をさらに1時間楽しめたはずでヨカッタと思うもあとの祭りです。また、最終便で上がってこなくてヨカッタとも(これは本当にそう)。

というわけで屋外での画が映える時間は終わったし、ここからはしんしんと冷えていく一方なので暖かいお部屋に入りましょう。いや、いい場所があるんです。




(右上画像マウスオーバーでイメージ画像 by おしんこどんに変わります)。





上画像は左から順に仙丈ヶ岳や(北岳は氷柱に隠れています)続いて間ノ岳、そしてその右側は農鳥岳かな。そして真下には伊那谷の駒ヶ根市がよく見えています。この日は午後から天気は下り坂という予報でしたが何とか保ってくれて何よりです。風雪までいかなくても、ガスっていたらこのホテルに泊まる意味がないですからねぇ(特に無雪期だと2食付きの宿泊で2万円超/人の宿泊料金+往復のバス&ロープウェイ料金ですから)。



さて、まだ日没までにはしばらく時間があるので自分は外に出てみました。



標高2600mのこの場所にこれだけの施設を建築するのは大変だったろうなぁ。もちろん雪崩のことを考えて、カール内のモレーン丘に建てられてはいるのですが。と、建物の外側に竣工記録を記した銘板が(右上画像マウスオーバー)。

うわ、まさか自分よりも数歳若いだけというなかなかの中高年だぞ(苦笑)。しかし毎年相当にメンテナンスの手を入れているのでしょうね、古くなってはいるなとは思いましたが「老朽化」を感じることはありませんでした。そもそも「通年営業」ですから常時細かく手を入れられるわけで、そうすると建物は長保ちします(別荘の老朽化進行が早めなのはその逆の理由から)。



さて部屋に戻ると、ちょうど窓枠下と1Fの雪面が同じ高さだったので窓を開けられました(「冬期は窓を開けないでください」という記載もありましたが、凍結もしていないのでまぁお許し下さい)。

と、そこには1つの「雪ちゃん(雪だるま)」が。ただし右上画像のものはこの後おしんこどんが急いで作ったものです。というわけで、




(先人作の旧雪ちゃんは下半身どっしりながら首細です)。

このあとは部屋で悶々(とお酒を飲みながらゆっくり)という選択肢もありましたが、ついついお風呂に行きたくもなります。とはいえ、ここ千畳敷に温泉が湧いているはずもなくもちろん沸かし湯なのですが、その水源を掘り出すのもそもそも大変なようです。



千畳敷駅及びホテルの水は施設独自の取水地から汲んでいるようです。しかし上画像内容の記載に当てはまらない「冬から早春のこの時期」はどこの水を利用しているのでしょうかと気になりました。いやちゃんとなさっていると思うのでどうでもいいのですが(失礼)。





この日宿泊のお客さんはそこそこいる感じで(ロープウェイ最終便はもう出た後だったので、館内で見かける一般人は全員宿泊客)、お風呂も混んでる時間だよなぁ、それに温泉じゃないし間違いなく循環湯だろうけれど、ま、一応温まっておこうというくらいの気持ちでいざ脱衣場へ(だから甲府の国母温泉では全身も髪の毛も全部洗っておきました)。でも?





温度維持のため循環もしているはずですが塩素臭は皆無で、水道水の沸かし湯とは違った「中央アルプスの天然湯」は柔らかな湯ざわりが特徴で心地よかったなぁ。あとで聞くと、女湯も終始貸し切り状態だったのだとか。他の宿泊客の皆さん、お風呂にはいつ入ってたの?(笑)。



有り難いことに館内には展望喫煙室がありましたので有り難く何度も利用させていただきました(南アルプス側の出口の外にもありますが風雨の日は辛そう)。で、部屋に戻ってやり出したことといえば、右上画像のように「2月の北海道旅行記制作」でありまして、ええっと、この場所に来てまでやる必然性は全くないのですが、ついついね(おかげでこのあとアップ出来ました)。

さて18:00になると夕食です。場所が場所ですからさして期待もしていませんでしたが、考えてみれば食材はロープウェイに積載して上げるだけですから、運送コストはともかく材料的には下界と同じものを提供できるはず。往時の「後立山小屋カレー縦走」とはわけが違います。そしてここはそもそも「ホテル」ですから。

「後立山カレー縦走」が何のことだかわからない人のために:

その昔、後立山の各小屋では物資の荷揚げを主にボッカさんに頼っていたため多様&新鮮な食材で食事を提供することが困難でした。よって、各小屋の夕食では保存の効く根菜を多く使った「カレー」を提供することが多かったそうです。よって、小屋泊まりで後立山を縦走すると、「夕食は毎日カレー」となっていたというのですね。

もっともその後ヘリでの荷揚げが一般化するにつれて山小屋の食事も豊かになっていきました。ただ自分が「いっぱしの登山者」だった頃にはすでにヘリ荷揚げが普通でしたし、そもそも当時の自分(たち)は基本的にテントを背負っての縦走でしたので、昔の山小屋の食事を食べたことはほとんどないんですけれど。



料理の説明は省略しますが(グルメサイトじゃないですし)、うん、美味しかったですし適量でした(やや物足りない人もいるかも知れませんが、そんな人はご飯おかわりで対応してね)。右上画像には「朝食の定番」なんかも見えていますが、これを夕食に提供するのも自分的には「あり」だと思いましたね。

上のほうで「天気はこのあと下り坂の予報」と書きましたが、確かに「満天の星空」は「曇天で真っ暗」でしたが(残念)、下界はよく見えていました。





ただ、星空がないということでモチベーションが上がることもなく、ちゃちゃっと上画像を撮影して終了です。だって夜景は(時間とともに光の数が減ることはあっても)特に大きく変化するわけじゃないですからね。

部屋に戻って「飲み」の続きをしばしのあと、就寝サンダーライガー(パクリ)となったわれわれでありました。あ、かのレスラー氏は2020年に引退していたのですね(これをタイプしている今知りました)。

というわけでこの日は終了、この続きは次のページにて。


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